【コソボ、グラカニカIPS=アポストリス・フォティアディス、ゾルタン・ドゥジジン】
首都プリシュティナが独立を祝うアルバニア系住民で賑わうなか、将来を悲観するセルビア系住民は多い。コソボでは人口200万人のうち92%がアルバニア人であり、セルビア人は4%にすぎない。
17日のコソボ独立宣言に対抗してセルビアは経済関係断絶による報復を示唆、エネルギーなどをセルビアに依存するコソボは窮地に立つ。
1999年以来コソボを統治する国連コソボ暫定行政ミッション(UNMK)も、アルバニア人とセルビア人の緊張改善に果たす役割は小さい。
セルビアの飛び地グラカニカでカフェを経営するセルビア系住民は匿名を条件にIPSの取材に応じ、「多くのセルビア人が週末に町を離れ、生活は厳しくなった」という。セルビア系住民は大学進学、交友関係で困難に直面し、セルビア正教会はNATO軍に守られている状況だ。
ところがプリシュティナ在住のセルビア人はそれほど悲観的でもない。IPSの取材に応じたセルビア語『Gradanski Glasnik』誌編集長Jelena Bjelica氏は「コソボ政府はセルビア人の市民権を認めており、危険は感じない」という。アルバニア系住民から「共存を願う」いったやさしい声も聞かれる。
コソボ独立を受け、居住地で異なるセルビア人の反応について報告する。 (原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩
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