ニュース|ラテンアメリカ|『ジャーナリズム』と『アクティビズム』、2つの視点から見た先住民問題

|ラテンアメリカ|『ジャーナリズム』と『アクティビズム』、2つの視点から見た先住民問題

【ラパスIPS=ディアナ・カリボニ】

「我々は当事者であると同時に報道する立場にもある」。コロンビアの先住民Kankuamo族で、自らも先住民運動を指揮するSilsa Arias氏は先週、ラパスで開催された先住民を取り巻く問題について話し合うワークショップ『Journalistic Minga: Developing Indigenous Reporting』で語った。 

コロンビア先住民族機構(ONIC)に属する同氏をはじめ多くの参加者は、ジャーナリズムとアクティビズムとの間に生まれる障壁について懸念を示す。その1つがデジタル・ギャップの問題である。1週間あるいは隔週に一度電子メールを利用できるのはワークショップ参加者のうちでも一部の人々に限られている。先住民の間でさえ情報の格差が生じているのだ。

 また、言語の問題もある。ワークショップに参加した先住民たちは協議に参加するためスペイン語の習得を余儀なくされる。しかし、実際には先住民言語しか話せない参加者もいる。このため、例えばラパスから300キロ離れたLoripataの山岳地帯で暮らすAymara族の女性には、インタビュアーが録音を取り(同ワークショップを計画した)フランツ・チャベスIPS特派員に翻訳を依頼するなどの対応を行った。 

一部のワークショップ参加者からは他にも次のような疑問が寄せられた。「汚染や土地収奪の問題でなぜ企業や政府の考えをわざわざ取り上げねばならないのか」、「大手メディアでは行っていない情報の公平性・正確性をなぜ我々が尊重しなければならないのか」。 

単なる抗議記事とは異なり、ジャーナリスティックな辛口の記事内容は多くの人々を惹きつけ、行動に駆り立て、真意を伝えることができる。今回のワークショップでも多くの先住民の代表が必要に迫られて、様々な議論を展開し、同時に技術支援を受けるなど積極的に活動した。先住民問題をめぐるアクティビズムとジャーナリズムについて報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリ=IPS Japan浅霧勝浩 


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