【リオデジャネイロIPS=マリオ・オサバ】
4月12日から1週間、「ブラジル先住民全国会議」が開催された。主催したのは、政府機関の「先住民全国財団」(FUNAI)である。220を超える民族集団から約800名の代表が集った。
しかし、この会議に対して、その直前に開かれた「先住民の4月キャンプ」の参加者たちが、政府は先住民の「保護者」として振舞おうとしていると非難する声明が出されたのである。FUNAI主催の会議に対する主な批判は、同会議が、ルーラ大統領の就任した2003年ではなく今になってようやく開かれたという点だ。政府側はその熱意が疑われたのである。
しかし、会議は何の成果ももたらさなかったわけではない。先住民の問題を討論する「全国先住民政策委員会」の設置、および、先住民の代表から構成される一種の「議会」のようなものを創設する合意もなされた。
ただし、先住民の土地における採鉱を規制する法律案の支持については見送られた。地元の人々の意見をもう少しよく聞いてみることが必要だと判断されたためだ。
この採鉱規制は、ダイヤモンド採掘に従事していた29名の先住民が2年前に殺害されたことから、議論されるようになった。鉱業会社は先住民の土地に大きな関心を持っており、現在政府は、約38,000件もの採鉱申請を審査している最中だという。
また、今回の会議は、先住民の「代表」を集めるという点でも新しい経験となった。なぜなら、彼ら先住民の伝統は、人々の中から「代表」を選んで決定を委ねるという方法と相容れないからだ。
ブラジル先住民の会議をめぐる議論について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan