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ムスタンに響く百万のマントラ

釈迦の誕生と悟りを記念する祈願祭、ロ・モンラム・チェンモに僧侶らが参集

【カトマンズNepali Times=ソニア・アワレ】

チベット暦の最初の月、信仰者たちは「サガ・ダワ(聖なる月)」に「ロ・モンラム・チェンモ」の儀式を行い、仏陀の誕生、悟り、入滅を記念する。

「ロ・モンラム・チェンモ(Lo Monlam Chenmo)」は直訳すれば「ムスタン大祈願祭」となり、6月初めには1週間にわたり開催された。この間、すべての衆生の長寿と幸福、仏法(ダルマ)の継承・存続・普及、そして世界平和を願って、百万回を超えるマントラ(真言)が唱えられた。

photo: MANI LAMA IN MUSTANG
photo: MANI LAMA IN MUSTANG

祈願祭には、ムクティナート近郊の僧院の町ジャルコットに、僧侶と尼僧あわせて578人、さらに多くの地元住民が集まった。この祭りは600年以上の歴史を持つが、20世紀後半には衰退期を迎えた。当時、モンラム・チェンモはダライ・ラマの長寿を祈る場として用いられていた。

「ロ・モンラム・チェンモは7年前、ネパールで再び復興された。多くの寄付が、海外に移住した地元出身者から寄せられている」と語るのは、伝統文化や地元教育、ムスタンの遺産保護に取り組むジャルコットのノルブスム財団に所属するクンジョン・タクリ。「この祭りは来年はアッパー・ムスタン(上ムスタン)で、その翌年はロウワー・ムスタン(下ムスタン)で開催され、両地域が隔年で交互に主催している」

photo: MANI LAMA IN MUSTANG
photo: MANI LAMA IN MUSTANG

この祭りは、チベットをはじめ、ネパール(カトマンズを含む)、インドのラダックやシッキム、そしてブータンでも祝われている。

モンラム・チェンモは、1409年にチベットでラマ・ツォンカパによって初めて執り行われた。釈迦牟尼仏が示した奇跡を記念するために、新年の最初の2週間にわたり実施されたものである。最終日は満月の日であり、今年は6月11日に当たった。この日は「奇跡の日(Day of Miracles)」とも呼ばれ、多くの祭礼や儀式が行われる。

photo: MANI LAMA IN MUSTANG
photo: MANI LAMA IN MUSTANG
photo: MANI LAMA IN MUSTANG
photo: MANI LAMA IN MUSTANG

「最終日はとくに吉日とされ、祈りや修行を行うには最も適した日とされている。この日に行う善行は、功徳が何倍にも増幅されると信じられている」とタクリは言う。「そのため、スワヤンブナートやボダナートなど、主要な仏教聖地では、祈りを捧げる人々が真夜中から集まり始める」

この日、多くの人々がスワヤンブを時計回りに21周巡礼する「コラ(kora)」に挑む。その全長は約30kmにも及ぶ過酷な道のりである。また、他の信仰者たちは、サガ・ダワの月の間に聖地を108周する巡礼を行い、自らのカルマを浄化し、霊的な功徳を得ようとする。

photo: MANI LAMA IN MUSTANG
photo: MANI LAMA IN MUSTANG

祭りの期間中、個人でプージャ(供養)を行うこともできる。例えば、ヒンドゥー教の儀式である「シュラッダー(श्राद्ध)」―先祖を供養するためのもの―を捧げる者もいる。ジャルコットがムクティナートに近いことから、この祭りは仏教徒とヒンドゥー教徒の両方にとって意味深いものである。

また、多くの参加者は、仏教の非暴力の教え(アヒンサー:अहिंसा)に従い、サガ・ダワの月の間は殺生や害を及ぼす行為を慎み、菜食主義を貫く。さらに「ダーナ(दान:布施)」の実践として、僧侶や僧院に飲食物などを寄進し、慈悲の行為を体現する。

この祈願祭は、カトマンズを中心にネワール仏教徒によって実施されるもう一つの月例祭「グンラ(Gunla)」と多くの点で類似している。グンラは「功徳の月」を意味し、ネパール暦では第十月にあたり、通常は雨季にあたる時期に行われる。

グンラは、経典の読誦、断食、奉納音楽の演奏、巡礼の実施、そして五戒(पञ्चशील)――不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不飲酒――を実践しながら、仏法に対する内省と精神的修養の時間として位置づけられている。(原文へ

INPS Japan/Napal Times

Original URL: https://nepalitimes.com/here-now/a-million-mantras-in-mustang

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米国、マレーシアと戦略的民生原子力協定に署名 アジア太平洋地域での安全保障同盟構想も進行

【国連発IPS=タリフ・ディーン】

米国は現在、アジア太平洋地域において、32か国が加盟する長年の集団防衛条約「北大西洋条約機構 (NATO)」にならった、正式または非公式の安全保障同盟の創設を検討している模様である。この構想が実現すれば、新たな同盟には日本、韓国、オーストラリアに加え、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムから成る10か国の東南アジア諸国連合 (ASEAN) 加盟国などが含まれる見通しだ。|ヒンディー語版英語

米紙「ニューヨーク・タイムズ」は先月、ピート・ヘグセス米国防長官の発言として「米国のインド太平洋地域の同盟国・パートナーへの関与を疑う者はいないはずだ。我々は友好国を包み込み、ともに協力する新たな方法を見出し続ける」と報じた。ヘグセス長官はまた、インド太平洋は「米国が安全保障同盟において混乱よりも継続性を重視する地域だ」と述べている。

米国防総省でインド太平洋安全保障問題を担当した元次官補のエリー・ラトナー氏も、外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」への寄稿で、米国とアジアの同盟国がNATO型の集団防衛条約を結ぶべきだと提案している。

新たな同盟は、主に同地域の2つの核保有国、中国と北朝鮮への防護盾となることを目的としている。世界には9つの核保有国が存在するが、そのうち4か国 (インド、中国、パキスタン、北朝鮮) がアジアに集中している。米国、英国、フランス、ロシア、イスラエルはアジア以外の核保有国である。

一方、オーストラリア、英国、米国による三国間安全保障パートナーシップ「AUKUS」は、「自由で開かれ、安全で安定したインド太平洋」の促進を目的としている。

ヘグセス長官の地域訪問に続き、マルコ・ルビオ米国務長官も訪問を行った。ルビオ長官は7月10日のクアラルンプールでの記者会見で「就任直後の最初の会合は日本、韓国、インドとのものだった」と振り返り、「その後も何度もこのグループで会合を重ね、日本のカウンターパートとは8~12回会っており、もはやお互い自分の家族より会っていると冗談を言い合う仲だ」と語った。

米国務省のタミー・ブルース報道官は、ルビオ長官がASEAN関連の外相会合や二国間会談のためクアラルンプールを訪れ、「自由で開かれ、安全なインド太平洋」への米国の揺るぎない関与を再確認したと説明した。

ルビオ長官はASEAN・米国ポスト閣僚会議に出席し、アンワル・マレーシア首相やマレーシア、ロシア、日本、フィリピンの外相と会談した。インド太平洋地域は世界の経済成長の3分の2を占め、米国外交政策の中心的焦点であり続けていると述べた。

また、ルビオ長官はマレーシアとの間で民生用原子力協力に関する覚書に署名し、最高水準の安全性・セキュリティ・不拡散基準の下での協力推進を確認した。現在、「123協定」に向けた交渉が進行中で、これが締結されれば、平和目的での原子力資材や機器の移転が可能となり、エネルギー・安全保障・経済分野での二国間関係がさらに深まることになる。

米原子力法第123条は、米国から他国への重要な核資材や機器の移転に際して、平和目的の原子力協力協定の締結を義務付けている。こうした協定 (通称「123協定」) は、技術交流、科学研究、保障措置に関する協議など、他の分野での協力も促進する。核不拡散条約 (NPT) と併用され、米国の不拡散原則を推進する法的枠組みを提供する。

パートナー国が123協定を結ぶには、厳格な不拡散要件を満たす必要がある。米国務省が交渉を担当し、エネルギー省 (DOE) や国家核安全保障局 (NNSA)、原子力規制委員会 (NRC) と協議しながら進められる。現在、約25か国が米国との123協定を有効にしている。

しかし、この安全保障同盟構想には、より軍事色の濃い見方もある。

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学公共政策・世界問題大学院のM.V.ラマナ教授(軍縮・地球・人間安全保障担当シモンズ講座)はIPSの取材に対し、「もし新たな枠組みができれば、軍事化の傾向がさらに強まり、とりわけ中国との戦争リスクが高まり、気候変動対策など緊急の課題から資金が奪われる」と警告した。

さらに、「設立されれば、米国政府は加盟国に米国製の高価で破壊的な兵器を購入させ、米国の政策決定における軍需産業の影響力を強化し、それが米国内の社会状況をさらに悪化させるだろう」と指摘した。

ルビオ長官は「米国がインド太平洋や東南アジアから目をそらすことはあり得ない」と強調し、「21世紀の物語の多くがこの地域で書かれ、今後25~30年で世界経済成長の3分の2がここで生まれる」と述べた。東南アジア諸国は世界でも最も若い国々の一部であり、労働市場の急拡大が見込まれているとし、「これは一世代に一度の歴史的機会であり、経済的変革だけでなく米国との関係強化にもつながる」と語った。米国企業6,000社以上が過去20~30年にわたり同地域経済に大規模投資を行っており、この関係を維持・発展させる意向を示した。

国連条約局元局長で、前スリランカ駐中国大使のパリタ・コホナ氏は、中国は核兵器を保有しているが「先制不使用」政策を採っており、北朝鮮も攻撃抑止を中心とした政策を取っていると指摘。その上で、「東アジアや東南アジアでNATO型の抑止同盟を推進するのは過剰に思える」と述べた。

また、中国の海外基地はジブチの1か所のみで、北朝鮮には海外基地は存在しない。両国とも自国外に軍事要員を派遣していない一方で、米国は中国周辺に数千人規模の軍事要員を配備しているとし、「対中戦略の一環として米国がアジアに軸足を移してきた」と述べた。

コホナ氏は「意図的にあおられたものを含む、現実・想像上の緊張を緩和する最善策は、当事者間の対話を促すことだ。人類の進歩には紛争ではなく平和が必要だ」と強調。「途上国のインフラ整備、気候変動対策、極度の貧困撲滅を促進し、世界をより良くする同盟こそ必要である。過去の米国の軍事介入は平和をもたらさず、むしろ各国の発展を阻み、多くの戦闘員・民間人の死傷を招いた」と指摘した。

また、ルビオ長官は日米関係について「我々は日本との間に非常に強固なコミットメントと同盟関係を持ち、緊密に協力している。現在も日米間で共同訓練が行われている」と述べ、日本の自衛能力強化についても「憲法の枠内であれば支持する」とした。

INPS Japan

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イラン・イスラエル戦争:インド人スパイ関与説と情報戦の深層

【メルボルン LondonPost=マジド・カーン】

2025年6月中旬に発生したイランとイスラエルの軍事衝突は、国際社会に大きな衝撃を与えた。イスラエルは今回の事態をイランによる「重大な戦略的誤算」と非難。一方、イランは甚大な軍事的損失に加え、防衛体制への国民の信頼が揺らぐ事態に直面した。

この衝突のさなか、一部メディアは「イラン国内のインド人が危険にさらされた」「標的にされた」と報じた。しかし、詳細な検証によって、状況はより複雑かつ事実に基づいたものであることが明らかになった。

6月12日と13日、イスラエルはイラン領内深部に対して、空爆と秘密作戦を組み合わせた高度な軍事作戦を実施した。ナタンツやイスファハンの核濃縮施設、ミサイル基地、レーダー施設など、戦略的インフラが標的となった。

『The Wall Street Journal』や『AP通信』によると、この作戦ではイスラエルの諜報機関モサド主導とみられるサイバー攻撃と無人機を用いてイランの防空網を無力化し、その後、有人機を投入して精密爆撃を行った。合計15カ所の施設が攻撃され、イスラム革命防衛隊(IRGC)の幹部や核科学者を含む多くの死傷者が出た。

イスラエルの攻撃は、そのタイミングと複雑さにおいてイラン側の想定を大きく超えており、特にSNS上では「防空システムはどこにあったのか?」という国民の疑問と批判が広がった。

イラン側が対応に失敗した要因の一つとして、イスラエルの戦略的意図を誤読したことが挙げられる。イランの分析官らは、イスラエルによる軍事行動は核協議(オマーン)での進展の行き詰まりと連動すると誤って予測していた。

その誤認により、イスラエル軍の動きを示す初期情報は「心理戦」と見なされ、真剣に受け取られなかった。この判断ミスは、要員の移動や資産の防護といった防衛行動の遅れを招き、結果として攻撃時に複数のIRGC高官が標的施設内に居合わせていた。

この事態は、単なるイラン諜報機関の失策ではなく、誤情報、準備不足、そして硬直化した指揮体制が複雑に絡み合った深刻な機能不全だった。現場の指揮官が即応判断を下す裁量を持たず、上層部の承認を待たねばならない体制が、対応の遅れに拍車をかけた。

軍事的な展開と並行して、「インド人が攻撃に巻き込まれた」「標的にされた」との噂がSNSや一部メディアで拡散された。中には「インド人留学生がミサイル攻撃の近くにいた」「犠牲者が出た」といった未確認の報道も含まれていたが、いずれも信頼できる証拠に基づいていなかった。

6月13日以降、在テヘラン・インド大使館は注意喚起を発出し、在留インド人に対し安全な地域への一時的な避難を促した。24時間対応のホットラインも設置され、インド人留学生や労働者との連絡が強化された。

『The Times of India』や『WION』といった主要メディアは、大使館の対応を中心に冷静な報道を行い、在イランのインド人に取材したインタビューでは「不安はあるが、今のところ直接的な危険は感じていない」との声が多く寄せられた。

誤情報が拡散した背景には、地政学的緊張に伴う不安感、SNS上での未確認情報の拡散、そして過剰な反応があるとみられる。インド政府の安全勧告が一部では「実際にインド人が被害を受けた」と誤って解釈され、外交的な混乱を引き起こすおそれもあった。

より広い視点では、今回の衝突はイラン防衛体制の脆弱性と、現代戦の性質の変化を浮き彫りにした。イラン国内では、諜報機構の刷新、軍指揮系統の分散化、そして予測分析への過度な依存を見直すよう求める声が高まっている。

イスラエルの作戦は、サイバー戦、人間情報(HUMINT)、精密爆撃を統合した「ハイブリッド戦」のモデルを示し、被害を最小限に抑えつつ、戦略的成果を上げた。この戦術は、今後の中東各国の軍事ドクトリンに影響を与えるとみられている。

一方、チャーバハール港などのインフラ事業に従事するインド人が「イスラエルのスパイ活動に関与していた」との報道がインドおよび一部の国際メディアで浮上した。

『The New Indian Express』や『India Today』によれば、複数のインド人がスパイ容疑でイラン当局に拘束されたとされているが、これらはすべて匿名情報に基づいており、具体的な証拠は示されていない。

イランでは過去にも外国人がスパイ容疑で拘束された例があるものの、イスラエルとの関係が立証されたケースはない。今回の報道も文書、証言、公式な確認を欠いており、あくまで憶測の域を出ていない。

一部の専門家は、こうした報道はイスラエルの心理戦の一環として、同国の情報網の広がりを印象づける狙いがあるとみている。また、イラン政府が外国人労働者に対する監視強化や国内の治安対策の失敗を覆い隠す目的でこの種の情報を利用している可能性もある。

いずれにせよ、こうした報道はインドの外交的立場を複雑にし、テヘランとの間に不必要な摩擦を生む危険性をはらんでいる。

『The Hindu』や『The Wire』といったインド主要紙は、スパイ関与説に対して裏付けが乏しい点を指摘し、懐疑的な見解を示した。イラン国営メディアもこれらの報道を「西側による偽情報」として一蹴している。

匿名情報による報道と、これに続く公式な否定という構図は、情報戦の典型的なパターンに一致しており、相反する言説が世論や政策判断に影響を与える手段として用いられている。

仮にインド人がイスラエルの作戦に直接関与していなかったとすれば、なぜこのような報道が広がったのか。その一因は、現代の戦略的欺瞞という構造にある。第三国の関与を持ち出すことで、混乱を生み、信頼を損ね、外交的コストの転嫁が可能になる。

あるいは、まったく関係のない第三者が独自の意図でこうした危機を利用し、偽情報の拡散を図った可能性もある。

今回の衝突は、現代の戦争が物理的戦場にとどまらず、デジタル空間や情報領域でも同時に展開されていることを改めて示した。人的諜報の重要性はいまだ高く、今回のイスラエルの作戦も、長年にわたりイラン国内に構築された情報ネットワーク──おそらくIRGC内部の情報源も含まれる──によって支えられていたと考えられている。

さらに、米国および西側諸国との情報共有、特に衛星監視や通信傍受は、作戦成功において重要な役割を果たしたとみられている。しかし、明確な証拠がないままイスラエルの成功を外国人民間人の協力によるものとすることは、誤解を招きかねない。

最も重要な教訓は、現代の紛争がもはや伝統的な戦場だけで行われるものではなく、サイバー空間、メディアによる情報戦、秘密作戦といった複数の領域で同時に行われているという現実である。

この現実は、事実と操作された情報を見極めることを一層困難にし、政府、専門家、ジャーナリストに対して、かつてないレベルの注意と検証責任を求めている。(原文へ

INPS Japan/London Post

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1日で過去最多の1,200人超が英仏海峡を渡る 英国防相「国境管理は崩壊した」

【ロンドンLondon Post】

英国では土曜日、過去最多となる1日で1,194人の移民が18隻の小型ボートで英仏海峡を渡り、記録的な越境となった。これを受けて、ジョン・ヒーリー国防相は「英国は国境管理の主導権を失った」と厳しく批判した。

内務省が確認したこの数値は、今年に入ってからの1日あたりの最多記録であり、5月に記録された825人というこれまでの2024年の最多記録を上回った。これにより、今年の海峡越境者数の累計は14,811人に達し、前年同期比で42%増、年初5カ月としては過去最多となった。

ヒーリー氏はこの状況を「衝撃的」と形容し、仏海岸で密航業者が「まるでタクシーのように」移民を乗せて運んでいると非難。フランス側が合意された新たなルール(浅瀬での警察によるボートの摘発)を適用していないことが危機の要因だと指摘した。

ヒーリー氏は、スカイニュースの番組『サンデー・モーニング・ウィズ・トレヴァー・フィリップス』で「事実として、過去5年間で英国は国境の管理能力を喪失し、前政権が亡命制度を混乱に陥れ、移民は過去最多を記録した」と述べた。「密航業者は別の場所から出発し、海上で移民を拾っているのです」と語った。

一方で、現在のフランスとの協力関係は「求められるレベルに達している」としながらも、ルール変更の早期実施が急務だと強調。「我々の最大の課題は、このルール変更を実行に移し、密航業者を摘発し、ボートに乗った人々を海上だけでなく、出発前の段階で止めることです」と述べた。

仏海上当局によると、土曜日に阻止できた移民は184人にとどまり、試みられた越境のわずか15%にすぎなかった。英国側では、国境警備隊や救命艇が救助に当たったが、対応が追いつかず、ヨットやカヤックでの遭難に対処するために漁船まで動員された。

SNS上では、移民がゴムボートに密集して乗る様子を撮影した動画が拡散されている。

この急増は、労働党政権が純移民数削減とビザ要件の厳格化方針を発表してから3週間も経たない時期に起きた。また、移民問題が争点となるスコットランドの重要な補欠選挙を木曜日に控えており、政治的影響も大きい。

保守党の野党は土曜日を「労働党にとっての恥の日」と呼び、「英国は海の上で混乱に陥り、国境警備隊は限界に達している」と非難した。

キア・スターマー首相は、「犯罪組織の壊滅」を掲げ、国際協力の強化、新たな国境安全司令部の設置、そしてテロ対策レベルの権限を関連機関に付与する方針を打ち出している。しかし、季節外れの穏やかな天候も重なり、過去最多の越境が発生したことで、首相の公約は重大な試練にさらされている。(原文へ

INPS Japan/London Post

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グローバル・サウスの指導者たちが国際協力の新たな設計図を描く

【タイ・バンコクIPS=ベン・フィリップス

国際協力を支えてきた従来の資金供給システムが突然崩壊した影響は甚大であり、世界各地に被害の連鎖をもたらした。その結果、世界はさまざまな危機に対してこれまで以上に脆弱になり、それに対応する力も低下している。その破綻の爪痕は誰の目にも明らかだ。問題は、次に何をすべきかである。|ENGLISH

こうした損害に警鐘を鳴らすグローバル・ノースの一部の論者は、壊された国際協力の仕組みを元に戻すべきだと主張している。

しかし、それは実現しないだろう。

国際協力の資金危機は、単なる財源不足ではなく、そのモデルへの支持が揺らぎ、さらにそのモデルが体現していた父権主義的な援助観への支持も失われていたことの表れだったからである。

旧来の仕組みがこれほど急速に崩壊したのは、その構造自体がもともと不安定だったからにほかならない。

一方、グローバル・ノースでは、「現実主義者」を自称する別の論者たちが、今後の国際協力について、展望に乏しい二つの案を提示している。

しかし、そのどちらも明るい未来を描くものとは言い難い。

一つ目は、共有すべき世界的課題に投入できる資金が今後も減少し続けることを前提に、「より少ない資源でより多くを実現する(Do more with less)」という発想である。

だが、この考え方は失敗するだろう。

実際には、パンデミック、エネルギー不安、自然災害など、地球規模の脅威に対する共同対応に十分な資源を投入できなくなるからである。

その結果は、人類の存続そのものを脅かしかねないほど危険であり、共有された脅威に早い段階で対処する場合に比べ、すべての国に桁違いのコストを強いることになる。

もう一つの考え方は、これまで政府間で担ってきた責任を民間部門に委ねるというものである。

しかし、このアプローチも失敗するだろう。

世界共通の脅威に対応するための資金が決定的に不足するだけでなく、極端な格差をさらに加速させ、説明責任と権力を寡頭支配に明け渡す結果になりかねない。

As the old system for financing international cooperation collapses, global crises—from pandemics and disasters to energy insecurity—are leaving vulnerable communities exposed, while shrinking public resources and the transfer of responsibility to private power threaten to deepen inequality and weaken collective action. Image: INPS Japan
国際協力のための旧来の資金供給システムが崩壊する中、パンデミック、災害、エネルギー不安などの世界的危機が脆弱な地域社会をさらなる危険にさらしている。一方で、公共資金の縮小と民間権力への責任移譲は、格差を深め、集団的対応力を弱める恐れがある。画像:INPS Japan

こうした三つの実行不可能な発想―

旧来の秩序を復活させようとし続けること。

衰退を管理しながら受け入れること。

民間部門に責任を委ねること。

―が、現在のグローバル・ノースにおける国際協力論の大半を占めている。

しかし幸いなことに、グローバル・サウスの多くの政府は、共有された地球規模課題のための新たな資金調達の仕組みづくりに着実に取り組んでいる。

「世界公共投資」連合の誕生

セネガルとコロンビアの外相が共同議長を務める「世界公共投資(Global Public Investment)政府連合」には、すでに30か国以上が参加している。

その目的は、現在の世界的な転換期を、新たな国際協力体制を築く契機へと変えることである。

ウルグアイ国際協力庁のマルティン・クラビホ長官は、こう語る。

「私たちの課題は共通であり、リスクも共通です。そして、それに対する解決策も、ますます共有されるべきものになっています。」

「今必要なのは、協力の考え方そのものを進化させることです。各国が能力に応じて貢献し、必要に応じて恩恵を受け、資源の使い道について対等な立場で意思決定に参加する枠組みへ移行しなければなりません。」

コロンビア外相であり、同連合の共同議長を務めるロサ・ヨランダ・ビジャビセンシオ・マピ氏は、次のように述べる。

「世界公共投資は、各国政府が協力して地球規模の課題や危機を乗り越えるための、21世紀型の最も理にかなった答えです。」

「公共資金を大幅に拡充することが不可欠です。そして、その資金は、より代表性が高く、より効果的な仕組みの下で運営されなければなりません。」

また、セネガル外相で共同議長のシェイク・ニアン氏は、こう強調する。

「私たちは、従来の『援助する国』『援助される国』という発想を超え、対等で包摂的なパートナーシップへ移行しようとしています。」

「開発段階に関係なく、すべての国には貢献できることがあり、同時に正当な要求もあります。」

「国家、地域、世界が抱える課題を解決するために、慈善だけに頼ることはできません。また、民間企業だけが私たちを救ってくれると期待することもできません。必要なのは、より多く、そしてより質の高い公共資金です。」

2030年へ向けたロードマップ

この連合は、2025年7月、第4回開発資金国際会議で発足した。

同年9月には、国連総会の機会に第1回会合を開催した。

2026年には、3月にボゴタ、5月にナイロビで会合を開き、9月にはニューヨークで再び会合を開く予定である。

グローバル・サウスを基盤としながらも、グローバル・ノース諸国にも参加を呼びかけている。

ガーナの外相サミュエル・オクゼト・アブラクワ氏は、次のように語る。

「私たちが求めているのは慈善ではありません。求めているのは対等なパートナーシップです。」

レソト外相リンフォ・タウ氏も、こう述べる。

「これからの国際協力は、責任の共有と共通の利益をよりよく反映した仕組みへと進化しなければなりません。」

市民社会とも連携

Credit: Coalition of Governments on Global Public Investment
写真:世界公共投資に関する政府連合

各国政府は、市民社会とも密接に連携している。

クラブ・デ・マドリード(Club de Madrid)の事務局長、マリア・エレナ・アグエロ氏は次のように評価する。

「ここに結集している指導者たちは、多国間主義を再生し、つくり直そうとする先駆者です。」

「彼らがともに築こうとしている仕組みは、前世紀から引き継がれてきた手法よりもはるかに公平なものになるでしょう。すべての国が発言権を持ち、当事者として関与できるからです。」

「それはまた、世界中の人々の暮らしを改善するうえで、はるかに効果的な国際協力にもつながるでしょう。」

「危機の管理」ではなく「転換」を

参加国の指導者たちは、現在の混乱を単に和らげるだけでは不十分だと強調している。

彼らは、従来の手法はもはや戻ることはなく、戻るべきでもないと明確に認識している。

その代わりに目指しているのは、危機を突破口へと変え、相互依存が深まる世界にふさわしい国際金融の仕組みを、各国が対等な立場で再設計することである。

ケニア外務省のコリル・シンゴエイ筆頭次官は、次のように述べる。

「今日の世界の現実により即した、より包摂的で、より代表性が高く、より適切に機能する新たな国際金融アーキテクチャーが、緊急に必要とされています。」

また、パナマ外相のハビエル・エドゥアルド・マルティネス=アチャ・バスケス氏は、こう問いかける。

「私たちは、危機を管理した世代として記憶されたいのでしょうか。それとも、国際協力の流れを変えた世代として記憶されたいのでしょうか。」

「世界公共投資は、国際協力を変革するだけでなく、人類の未来そのものを変える力を持っています。」

各国の指導者たちは、2030年までに国際協力を変革するためのロードマップも策定している。

セントルシア外相のアルバ・バプティスト氏は、次のように述べた。

「適切なモデルを提示するために、長年にわたり多大な知的努力が積み重ねられてきました。」

そして最後に、こう締めくくった。

「今、私たちはそれを実行に移す責務を負っています。」

Credit: Coalition of Governments on Global Public Investment
写真:世界公共投資に関する政府連合
ベン・フィリップス氏は、『How to Fight Inequality(いかに不平等と闘うか)』および『Public Good: Building a Winning Narrative to Bring the World Together(公共善――世界を結びつける物語を築く)』の著者。

INPS Japan/ IPS UN Bureau Report

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神権政治家と治安主義者―イラン・イスラエル間エスカレーションの危険な構造的論理

【ニューヨークATN=アハメド・ファティ】

イスラエルとイランの最新の応酬は、中東を再び地域戦争の瀬戸際に追いやった。メディアは空襲警報、ミサイル攻撃、報復のドローン攻撃といった派手な見出しを並べているが、真に注目すべき語られざる物語は、軍事戦略や外交的失敗ではなく、むしろ「エスカレーションを前提とする統治構造」そのものにある。

これは、中庸派や外交官によってではなく、「神権政治家」と「治安主義者」という2つの強大な権力集団によって支配される体制同士が作り出した戦争である。

Ahmed Fathi.
Ahmed Fathi.
イランにおける二重権力構造:神と銃

イランでは、権力は「宗教的権威」と「軍事的支配」に分かれているが、それは決して均衡が取れているわけではない。最高指導者アリー・ハメネイ師は宗教的正統性を与え、イスラム革命防衛隊(IRGC)がその命令を実行することで国家を支配している。

IRGCは単なる軍隊ではない。石油輸出からテクノロジー監視に至るまで、多くの経済的利権を有する「国家の中の帝国」である。

イランの軍事的対応は単なる報復ではなく、自国の統治体制を示す手段でもある。IRGCは危機によって生き延びる:戦争は国内弾圧を正当化し、制裁は自立を促し、孤立はイデオロギー的純粋性を強調するために利用される。

神権政治家たちは、イスラエルや西側諸国との対立を「神聖な抵抗」として描くことによって、この体制を支えている。そしてこの神話が機能する限り、国内の反対意見や異論は「裏切り」あるいは「異端」として排除できるのだ。

イスラエルの極右治安主義者たち

イスラエルもまた、制度的な転換の途上にある。現首相ベンヤミン・ネタニヤフの連立政権には、超国家主義者や宗教的強硬派が含まれており、イランとの対立を単なる政策ではなく「運命」として捉えている。

モサド(諜報機関)、IDF(イスラエル国防軍)、エリートのサイバー部隊などは、従来は戦略立案に関与してきたが、現在では外交政策そのものを動かすようになっている。

彼らの方針は単純だ――「優位性による抑止」。先制攻撃は警告ではなく、この地域におけるイスラエルの永続性を宣言するものである。

しかしこれは単なる軍事戦術にとどまらない。ネタニヤフにとってイランは、自身の政治的生存のための「外部の脅威」として利用されており、それは国内の分断や司法問題、民主主義の後退から国民の目をそらす道具となっている。エスカレーションは失策ではなく、「制度の一部」なのである。

戦略的誤算ではなく、構造的エスカレーション

我々が目にしているのは、従来の「安全保障のジレンマ」ではなく、「統治のジレンマ」である。

テヘランでもエルサレムでも、紛争は支配の正当性を支えている。神権政治家は実存的脅威を叫び、反対意見を封じ込める。治安主義者たちは、非合理な敵に対しては武力しか通じないと主張する。いずれの場合も、戦争やその脅威は失敗ではなく、「国家運営の手段」となっている。

互いを常に緊張状態に置くことは、双方の利益になる。これは偶然ではなく「構造」そのものである。どちらの体制も、緊張の緩和には報いない。逆に、平穏こそが危険である。それは問いを生み、改革を促し、権力構造を揺るがすからだ。

米国政府は外交戦略を根本から見直すべきだ

米国の対イラン・対イスラエル政策は何十年にもわたり、「イランを制裁し、イスラエルを武装させ、混乱を抑える」という機械的な公式に頼ってきた。しかしこの公式はもはや時代遅れである。なぜならそれは、永続的な対立を生み出す「国内の権力メカニズム」を理解していないからだ。

米国と欧州の同盟国が本気で解決を目指すのであれば、ミサイルや遠心分離機を「病の根源」ではなく、「症状」として捉える必要がある。

長期戦略には以下が必要だ:

  • 武装経済構造を標的にすること:戦争によって利益を得る制度や機関への圧力を強化する。
  • 市民社会への投資:包囲されているというナラティブに異を唱える声――イランの女性人権活動家やイスラエルの人権擁護者などを支援する。
  • 外交の再構築:外交交渉を取引の手段とするだけでなく、和平を不可能にしている国内構造そのものに焦点を当てる。
結論:戦争という論理を無効化せよ

国際社会が「封じ込め」ではなく「構造的関与」に戦略を転換しない限り、この悪循環は続き、さらに悪化するだろう。今日のミサイルの応酬は異常事態ではない。それは、「脅威の中でこそ生き延びるよう設計された政権」の必然的な帰結である。

この連鎖を断ち切るには、単に「自制」を呼びかけるだけでは不十分だ。エスカレーションの論理そのものを「非正当化」しなければならない。

神権政治家と治安主義者が平和を選ぶことはない――少なくとも、戦争が彼らに与える「力」の方が、和平よりも大きい限りは。

だからこそ、政策立案者は次のように問い直さなければならない。「次の攻撃をどう防ぐか」ではなく、「この絶え間ない包囲状態から利益を得ているのは誰か――そして、どうすればそれを終わらせられるか」と。

私たちは今、「平和ではなく、恒久的な危機の中でこそ生き延びるよう設計された」政治システムと向き合っているのだ。(原文へ

INPS Japan/ATN

Original URL: https://www.amerinews.tv/posts/theocrats-securocrats-iran-israel-escalation

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女性と戦争:暴力の犠牲者、そして平和の声

【国連IPS=ジュリアナ・ホワイト】

2023年、約6億1200万人の女性と少女が、紛争地帯から半径50キロ圏内に暮らしていた。これは10年前と比べて50%以上の増加である。戦争中、女性や少女は性暴力をはじめとするジェンダーに基づく暴力の犠牲になりやすい。

現在、120を超える国が武力紛争に関与しており、約1億1730万人が家を追われている。そのうち、女性と少女はほぼ半数を占めており、世界の難民の大多数を構成している。

UN Women(国連女性機関)によれば、武力紛争における女性の死者数は2022年から2023年にかけて倍増し、戦争による死者全体の40%を女性が占めている。

戦争中、女性や少女は拷問、レイプ、性的奴隷、人身売買、栄養失調、必要不可欠なケアへのアクセスの欠如など、過酷な暴力にさらされる。こうした暴力は、スーダン、ナイジェリア、パレスチナ、エチオピア、コンゴ民主共和国(DRC)といった国々で蔓延している。

国連事務総長の「紛争下の性的暴力に関する報告書」によると、2023年には3688件の性的暴力が確認された。そのうち女性と少女が占める割合は95%に達し、前年に比べて50%の増加となった。

Credit: UN

残虐な性的暴行を生き延びた後でさえ、当事国の多くは被害者に十分なケアを提供していない。病院は本来、紛争下においても安全が保障されるべき場であるが、多くは攻撃によって破壊され、閉鎖を余儀なくされている。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、性と生殖に関する健康サービスの中断により、女性と少女が望まぬ妊娠や妊産婦死亡、深刻な性的・生殖器損傷、感染症にさらされるリスクが高まると警告している。

また、UN Womenの報告では、紛争下にある国々では1日あたり約500人の女性と少女が妊娠・出産に関連する合併症で死亡しているとされている。

戦争の影響を受けるのは病院だけではない。多くの学校も、軍による占拠や破壊により閉鎖を余儀なくされている。

「教育への攻撃2024」報告書(GCPEA発行)によると、2022年から2023年の間に学校への攻撃は約6000件にのぼった。

Credit: UN

その攻撃では、死亡、負傷、レイプ、拉致、建物の深刻な損壊などが報告されており、特に女子生徒は学習を再開するのがより困難な状況に置かれている。

「教育は、子ども自身にとってだけでなく、世界の平和、安定、そしてすべての人々の繁栄にとって不可欠です。学校は聖域として扱われるべきであり、たとえ戦時下であっても、すべての子どもが教育を受ける権利を確保することは私たち全員の責任です」と、ヴァージニア・ガンバ国連事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)は2017年の国連会合で語っている。

戦争中、男性からの圧倒的な不平等を受けながらも、平和への解決策を担うのは女性である。調査によれば、女性が和平交渉に参加することで合意の実行率が高まり、合意の持続期間も男性のみで結ばれたものより長くなる傾向がある。

昨年、2024年10月15日には、コロンビアの和平合意の実施から8年を迎えた。同合意は、策定段階から女性を参加させた点で新たな基準を打ち立てたものの、依然として女性の代表性は大きく欠けている。

2020年から2023年の間に行われた和平交渉のうち、8割には女性が関与しておらず、調停の7割でも同様だった。明確な成果があるにもかかわらず、女性はいまだに和平プロセスから排除されている。

女性の平和活動への参画を促進するため、国連などの人権機関は女性の権利を擁護し、各国に対し包摂的な環境の整備を求めている。

しかし、紛争当事者、交渉者、その他関係者が国際的な約束を果たさなければ、女性の平等かつ実質的な参加は実現しない。資金不足や男性優位の軍事・政治権力構造が、依然として大きな障壁となっている。

「女性たちは、男性による戦争の代償を支払い続けている」とUN Womenのシマ・バフース事務局長は語る。「これは、女性に対するより広範な戦争の一環として起きている。女性の権利が意図的に標的とされることは、紛争国に限らず、戦時下では一層深刻になる。私たちはジェンダー平等の“兵器化”を多くの場面で目撃している。この現状に立ち向かい、変化を求めなければ、その代償は何十年にもわたって続き、平和は永遠に手の届かないものとなるだろう。」(原文へ

INPS Japan/IPS UN Bureau

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危機に直面する国連、ニューヨークとジュネーブを離れて低コストの拠点を模索

【国連本部IPS=タリフ・ディーン】

米国では、ビジネスの成功や不動産の価値を左右する要因として、「ロケーション、ロケーション、ロケーション(立地がすべて)」という決まり文句がよく使われている。

現在、国連はシステム全体の構造改革を進める中、深刻な資金難に直面しており、主要な議題の一つとして国連機関の再配置が交渉のテーブルに上っている。高コストの拠点にとどまるのか、より安価な勤務地に移転するのかが問われている。

UN Secretariat Building/ Katsuhiro Asagiri
UN Secretariat Building/ Katsuhiro Asagiri

国連の二大拠点であるニューヨークとジュネーブは、「世界で最も物価の高い都市」とされており、現在の予算内での運営が困難となっている。

ニューヨークには、国連本部のほか、国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、UNウィメン、国連児童基金(UNICEF)など複数の国連機関が拠点を置いている。

一方、ジュネーブは「世界外交の中心地」とされ、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)、国際労働機関(ILO)、国際移住機関(IOM)、世界知的所有権機関(WIPO)、世界気象機関(WMO)など、40を超える国際機関・国連機関が集積している。

こうした中、国連がジュネーブから一部撤退する可能性が報じられると、スイス政府は「ジュネーブにおける国連の存在を支えるための寛大な財政支援パッケージ」を発表した。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は「スイス連邦評議会の決定に非常に感謝している。スイスとの連携により、多国間主義の推進に引き続き取り組む」と述べた。

また、「ジュネーブにおける国連の存在は、国連システムの不可欠な一部である。スイスの支援は、この継続的な取り組みにとって極めて重要である」と語った。

ロイターによれば、スイスは2025年から2029年にかけて、ジュネーブを国際外交の拠点として維持するために、2億6900万スイスフラン(約3億2937万ドル)を支出する計画である。

このうち1億3040万フランについては、年内に議会の承認を求める予定で、前回期間から5%の増額となっている。政府はすでに2150万フランを「ジュネーブ拠点の国際機関への緊急支援」として承認済みである。

U.N. spokesperson Stephane Dujarric/ UN Photo
U.N. spokesperson Stephane Dujarric/ UN Photo

ステファン・デュジャリック国連報道官は記者団に対し、「スイス政府の寛大な支援を歓迎する。ジュネーブにおける国連の存在は極めて重要であり、歴史的な意味もある」と述べた。

元国連エイズ合同計画(UNAIDS)代表で、かつてニューヨークの国連に勤務していたソマー・ウィジャヤダサ氏は「この措置は確かに寛大だが、スイス政府にとって年約6000万ドルの支出は“微々たるもの”である。ジュネーブに拠点を置く40の国連機関がスイスにもたらす経済的貢献は計り知れない」と指摘している。

国連は「UN80」構想に基づき、全機関の官僚機構を監査し、重複を統合する中で、一部のプログラムを運営コストの低い地域へ移転することを模索している。

例えば、UNAIDS(国連エイズ合同計画)は、1995年にエイズ・パンデミックの最中に創設され、当時330万人がHIVに感染し、100万人近くが死亡していたが、現在ではHIV/AIDSは治療可能な病気として管理されている。

ウィジャヤダサ氏は「UNAIDSはWHOと再統合され、運営コストの低いグローバル・サウスの国々に拠点を置くべきである。これらの国では依然としてHIVの行動的感染の課題が深刻であり、より地域に根ざした啓発活動に焦点を当てた軽量なプログラムが有効である」と述べた。

また、ニューヨークとジュネーブに分かれて存在する国連軍縮局(UNODA)も例に挙げた。国連は米国、ロシア、インド、中国などの年間軍事予算の増加を抑えることができておらず、軍縮に失敗している。

たとえば、国連は核兵器禁止条約(TPNW)という法的拘束力のある条約を採択したが、核兵器を放棄した国はなく、核武装を目指す国も存在する。

ウィジャヤダサ氏は「現代の通信技術をもってすれば、ニューヨークやジュネーブにある高コストの部局を維持する必要はない。開発途上国に拠点を移しても、効率的かつ効果的に業務を遂行できるはずだ」と主張した。

一方、国連の再配置計画の一環として、UNFPA(国連人口基金)とUNウィメンをニューヨークからケニアのナイロビへ移転する案も浮上している。ナイロビはグローバル・サウスで唯一の主要な国連本部であり、第4の国連拠点とされている。

UN Office in Nairobi photo credit: UN News
UN Office in Nairobi photo credit: UN News

ナイロビには、国連環境計画(UNEP)、国連人間居住計画(UN-Habitat)の本部があり、その他にもUNICEF、UNDP、FAO、UNIDO、UNODC、UNV、WHOなど多くの国連機関が活動している。

しかし、現在のケニアは政治的危機に見舞われており、混乱が続けば、さらなる国連機関のナイロビ移転に慎重になる可能性がある。

『ニューヨーク・タイムズ』2025年6月26日付の記事「ケニア人、致命的な税制抗議から1年後に再び警察と衝突」によると、少なくとも8人が死亡し、数百人が負傷したとされており、「ウィリアム・ルト大統領政権に対する国民の怒りが露わになった」と報じている。

同日、国連人権高等弁務官事務所は「ケニアでのデモにおいて複数の死者および多数の負傷者が出ているとの報告を深く憂慮している」と声明を発表した。

「一部のデモ参加者に銃創が確認されている。国際人権法において、法執行機関による致死的武力の使用は、生命の保護または切迫した危険の回避が必要な場合に限られるべきである」と述べている。

ステファン・デュジャリック報道官も6月26日、記者団に対し「ケニアでの暴力に深く懸念を抱いており、状況を注視している。命が失われたことに悲しみを感じる。独立かつ透明性のある調査が行われることを期待する」と語った。

ヨーロッパにおいて国連機関をホストしている国々は以下のとおりである:

  • オーストリア(ウィーン):国連ウィーン事務局(UNOV)、国際原子力機関(IAEA)、国連工業開発機関(UNIDO)、国連薬物犯罪事務所(UNODC)
  • オランダ(ハーグ):国際司法裁判所(ICJ)
  • フランス(パリ):国連教育科学文化機関(UNESCO)
  • イタリア(ローマ):国連食糧農業機関(FAO)、世界食糧計画(WFP)、国際農業開発基金(IFAD)/ブリンディジ:国連グローバルサービスセンター(UNGSC)、国連人道支援備蓄庫
  • ドイツ(ボン):国連砂漠化対処条約(UNCCD)事務局、国連ボランティア計画(UNV)、国連防災機関(UNDRR)
  • デンマーク(コペンハーゲン):国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)
  • イギリス(ロンドン):国際海事機関(IMO)
  • スペイン(マドリード):世界観光機関(UN Tourism)
  • ベルギー(ブリュッセル):国連地域情報センター(UNRIC)、人権高等弁務官事務所欧州地域事務所、国連人道問題調整事務所(OCHA)リエゾン事務所

また、ナイロビ以外で国連が移転先として検討している都市には、カタールのドーハ、ルワンダのキガリ、スペインのバレンシアが含まれている。(原文へ

INPS Japan/IPS UN BUREAU

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再定住が人生を変えた―今、彼女は他の人々にも同じ機会を求めて闘っている

【INPS Japan/ 国連ニュース】

かつてアフガニスタンで、法的地位も教育を受ける権利も持たずに生きていた10代の少女、マディハ・アリ・チャンゲジさん。今では、難民再定住の重要性を訴える当事者として、国際社会に向けて積極的に発信している。

現在、彼女はニュージーランドで難民および人権を専門とする弁護士として活動しており、14歳で故郷を追われた自身の経験と、その後に続いた不安定な生活について、6月26日の会合で証言した。

「世界から見えない存在だった」

「私は世界にとって“見えない存在”として育ちました」とアフガニスタンでの生活を振り返る。「権利も、機会も、安全もありませんでした」。

転機が訪れたのは2018年。家族がニュージーランドへの再定住を認められたことで、尊厳と希望、そして未来を取り戻すことができたと語る。

現在は法律家として難民支援に取り組むとともに、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が支援する「再定住および補完的経路に関するコア・グループ(CRCP)」のアドバイザーとして、国際的な政策形成にも携わっている。

彼女の証言は、UNHCRが発表した『2026年版 世界再定住ニーズ予測』の公表に先立ち、場の空気を引き締めるものとなった。

シリア情勢の変化と再定住ニーズ

UNHCRは、2026年に再定住を必要とする難民の数を約250万人と見積もっており、2025年の推定290万人からはやや減少している。この変化は主に、シリアの一部地域で自主的帰還が可能となったことによるものだが、依然として再定住ニーズは歴史的に高い水準にある。

再定住が必要とされる主な出身国には、アフガニスタン、シリア、南スーダン、スーダン、ミャンマー(ロヒンギャ)、コンゴ民主共和国が含まれる。イラン、トルコ、パキスタン、エチオピア、ウガンダといった主要な受け入れ国では、引き続き多くの難民が滞在しており、緊急の再定住ニーズに直面している。

UNHCRの報道官シャビア・マントゥ氏は、「再定住は、単に保護を提供するだけでなく、尊厳と社会的包摂への道を切り開くものです」と述べ、「それは国際社会による真の連帯の証です」と強調した。

深刻な減少傾向への懸念

一方で、UNHCRは懸念も表明している。2025年の再定住枠は、過去20年間で最も低い水準にまで落ち込む見通しであり、新型コロナウイルスによる混乱期をも下回ると予測されている。この減少は、これまでの進展を後退させ、特に脆弱な立場にある難民をさらに危険に晒す可能性がある。

そのような中で、チャンゲジさんの証言は、単なる個人的な経験談を超え、行動を促すメッセージとなった。「再定住は、単なる人道的行為ではありません。それは、私たちが共有する未来への戦略的な投資なのです」と彼女は語った。

受け入れ社会に貢献する難民たち

チャンゲジさんは、難民を単に「脆弱な存在」として捉えるべきではないと強調する。世界各地で再定住した難民たちは、新たな地域でコミュニティを再建し、ビジネスを立ち上げ、社会・経済の活性化に貢献している。「私たちは解決策を提供し、イノベーションを牽引しているのです」と語った。

UNHCRは各国に対し、現在の再定住プログラムの維持に加え、迅速かつ野心的な拡充を求めている。また、地域や状況に応じた多様なニーズに柔軟に対応できる制度の整備も求めている。

困難な状況にもかかわらず、2024年には11万6,000人以上の難民がUNHCR支援のもとで再定住を果たしている。

2026年の国際目標は12万人の再定住。UNHCRは、各国が断固たる意思をもって行動すれば、十分に達成可能な数字であると強調している。

「私の物語を何百万という人々に当てはめてみてください。その影響は、難民だけでなく、彼らを受け入れる社会にとっても計り知れないものになるのです」とチャンゲジさんは述べた。(原文へ

INPS Japan

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生死の決定を機械に委ねることは、道徳的に正当化できない(「ストップ・キラーロボット」エグゼクティブ・ディレクター、ニコール・ファン・ローヤン氏インタビュー)

【CIVICUS/IPS】

自律型兵器システムに関する国際条約の制定を求める270以上の団体によるグローバル市民社会連合「ストップ・キラーロボット(Stop Killer Robots)」のエグゼクティブ・ディレクター、ニコール・ファン・ローヤン(Nicole van Rooijen)氏が、CIVICUSのインタビューに応じた。

2025年5月、国連加盟国はニューヨークで初めて、自律型兵器システムの規制という課題に正面から取り組む会合を開催した。この兵器は、人間の介入なしに標的を選定・攻撃することが可能であり、「キラー・ロボット」とも呼ばれている。これらは倫理的・人道的・法的に前例のないリスクをもたらし、市民社会は、これらが国際法を根本から損ない、世界的な軍拡競争を引き起こす恐れがあると警告している。ガザやウクライナなどの紛争地では、すでにある程度の自律性を備えた兵器が配備されており、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、2026年までに法的拘束力のある条約を採択するよう呼びかけている。

Q: 自律型兵器システムとは何か?なぜそれが前例のない課題をもたらすのか?

自律型兵器システム、または「キラーロボット」とは、人間が起動した後、追加の人間の介入なしに標的を選定し、攻撃することができる兵器です。これらのシステムは、センサーからのデータを処理し、あらかじめ設定された「標的プロファイル」に従って、いつ、どのように、どこで、誰に対して武力を行使するかを自律的に判断します。

私たちのキャンペーンでは、「致死的自律型兵器システム(lethal autonomous weapons systems)」という用語よりも、「自律型兵器システム」という表現を用いています。それは、致死的であるかどうかにかかわらず、こうしたシステムが深刻な危害を及ぼす可能性があるからです。

これらの兵器は、空、陸、海、宇宙といったあらゆる領域において、武力紛争のみならず、法執行や国境警備などの文脈でも使用され得ます。そのため、倫理的・人道的・法的・安全保障上の多くの懸念が浮上しています。

特に深刻なのは、周囲に人がいるか、あるいはプログラムされた標的プロファイルに合致する人物や集団を認識して作動する対人型システムです。これらの兵器は、人間をアルゴリズムによって数値化し、データポイントとして扱うもので、人間性を剥奪する行為です。

どのような機械、コンピュータ、アルゴリズムであっても、人間を人間として認識することも、尊厳ある権利の主体として尊重することもできません。自律型兵器は「戦争状態にある」という意味すら理解できず、ましてや「人間の命を奪うとはどういうことか」など理解できるはずがありません。機械に生死の判断を委ねることは、道徳的に正当化できません。

赤十字国際委員会(ICRC)は、自律型兵器が民間人や非戦闘員の存在が避けられない戦闘状況において、国際人道法を著しく侵害するリスクがあるとし、「そのような状況を想定すること自体が困難である」と述べています。

現在のところ、こうした兵器の開発や使用を規制する国際法は存在していません。技術が急速に進化する一方で、法的な空白が残されていることは極めて危険です。自律型兵器が、既存の国際法に反する形で配備され、紛争を激化させ、責任の所在が不明な暴力を可能にし、市民を危険にさらす事態が現実となり得るのです。

このような懸念から、国連事務総長と赤十字国際委員会の総裁は、2026年までに自律型兵器システムに関する法的拘束力のある国際文書を交渉・採択するよう緊急に呼びかけています。

最近の協議は規制の進展につながったか?

国連総会決議79/62に基づき、2025年5月にニューヨークで非公式協議が開催されました。この協議では、2024年の国連事務総長報告書で提起された課題を中心に、外交界における理解の拡大が図られました。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)における技術的な議論を補完する形で、人道法を超えた広範なリスクが強調されました。

国連総会のプロセスには重要な利点があります。それは、すべての国が参加できる「普遍的な参加」の原則です。これは、特に多くのグローバル・サウス諸国がCCWの締約国でないことを考えると、極めて重要です。

協議の2日間で、各国代表と市民社会は、人権上の影響、人道的結果、倫理的ジレンマ、技術的リスク、安全保障上の脅威について幅広く意見を交わしました。地域ごとの事情や、警察活動・国境管理・非国家主体や犯罪集団による使用の可能性といった実際のシナリオも議論されました。時間の制約はあったものの、参加の幅と議論の深さはかつてないものでした。

私たち「ストップ・キラーロボット」キャンペーンにとって、これらの協議は非常に力強く、有意義なものでした。ジュネーブとニューヨークという2つの国連プロセスは、相互補完的に機能することができます。前者は条約文案などの技術的基盤を築き、後者は政治的なリーダーシップと推進力を醸成する場です。この2つを連携させることで、国際的な法的拘束力を持つ文書の採択に向けた努力は最大化されるのです。

なぜ世界では規制をめぐって意見が分かれるのか?

大多数の国は、自律型兵器システムに関して法的拘束力のある条約を支持しています。そして、多くの国が、「禁止」と「積極的義務」を組み合わせた2層構造のアプローチを提唱しています。

しかし、約10数カ国がいかなる規制にも反対しています。これらの国々は、世界で最も軍事力を有する国々であり、自律型兵器の主要な開発国・生産国・使用国でもあります。

彼らの反対の背景には、軍事的優位性の維持や経済的利益の確保、そしてビッグテック企業や軍需産業によって喧伝される兵器の「利点」への過信があると考えられます。あるいは単に、外交よりも力による解決を重視しているとも言えるでしょう。

いずれにしても、このような姿勢は、いま私たちが最も必要としている多国間協調、対話、ルールに基づく国際秩序の再強化を阻害するものであり、国際社会全体でこれに対抗する必要があります。

地政学的緊張と企業の影響力は規制をどう困難にしているのか?

地政学的な緊張の高まりと企業の影響力の増大は、新興技術の規制策定を困難にしています。

ごく一部の強国が、狭い軍事的・経済的利益を優先し、長年にわたって武器管理を支えてきた多国間協調を損なっています。同時に、テック企業を中心とする民間部門が、説明責任の枠組みの外で政治的意思決定に強い影響を及ぼしています。

こうした二重の圧力のもとでは、規制枠組みが確立されないまま、自律型兵器の開発が加速し、世界の安全保障と人権に甚大な影響を及ぼす恐れがあります。

市民社会はこの議論にどう関わり、規制を求めているのか?

私たちは、2012年にこの脅威にいち早く対応するため、「ストップ・キラーロボット」キャンペーンを開始しました。人権団体や人道的軍縮の専門家が連携し、現在では70カ国以上・270以上の団体が参加する国際的な連合体となっています。

私たちは、武器技術の進化や各国の政策動向についての研究を通じて、自律型兵器のもたらすリスクを明らかにし、国際的な議論を先導してきました。

私たちの戦略は、国、地域、国際のあらゆるレベルの意思決定者に働きかけ、条約の必要性を訴えるものです。政治リーダーが、自律型兵器が戦場や市民生活の中でどのように使われ得るかを理解することが、効果的な働きかけにつながります。

また、世論の圧力も極めて重要です。近年、ガザやウクライナでの紛争における兵器の自律化の進行、そして顔認証技術など民間技術の軍事利用が拡大する中で、こうした技術の非人間性と規制の欠如に対する懸念が高まっています。

私たちは、「自動化された害」の全体像の中で自律型兵器をその極致として位置づけ、この技術と規制との間に存在する危険なギャップを明らかにしています。

さらに、軍事、兵器、テクノロジーの専門家と連携し、現場からの知見をキャンペーンに取り入れています。こうした兵器を実際に開発・運用している人々の声を伝えることで、現状の深刻さと規制の必要性をより強く訴えることができます。

私たちは、人々に対し、署名、議会誓約への参加要請、SNSでの情報拡散など、具体的な行動を呼びかけています。こうした草の根の圧力が、外交官や政策決定者に対して、必要不可欠な法的セーフガードの前進を促す力になるのです。(原文へ

INPS Japan/IPS/CIVICUS

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