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|視点|危機に瀕する人類: 核戦争の脅威と歴史的選択(相島智彦 創価学会インタナショナル平和運動局長)

【東京INPS Japan=相島智彦】

2022年2月のウクライナ侵攻に端を発した危機は、いまだ収束が見えない。核戦争の脅威は、ありえない仮定の話ではなくなった。中東やアフリカなど各地で争いが深刻化し、目を覆う惨状が続く中、人類は危険な崖っぷちに立っている。

冷戦終結後、核兵器使用のリスクが今ほど高く、長期化した時はない。核兵器がもたらす壊滅的な結末に目が向けられているが、議論は対立している。軍事的対立をさらにエスカレートさせるのか、それとも多国間の交渉と対話に戻るのか。人類は厳しい選択を迫られている。

歴史を動かす駆動力は何か。私たちSGIのメンバーは市民社会の側から、次のように考える。

非人道的な被爆の実相をもっと「伝えること」(inform)だ。

悲劇を繰り返さない! 先人の誓いを「受け継ぐこと」(inherit)だ。

そして希望の未来へ「魂を鼓舞すること」(inspire)である。

歴史は、人々が衝撃的な出来事に遭っても悲観とあきらめを振り払って抗い、踏みとどまるならば、思いがけない発展と進歩がもたらされることを示している。つまり、最も暗く絶望的と思われる時こそ、人間社会を根本的に改革する好機となり得るのだ。

核兵器のない世界へ。

戦争のない世界へ。

私たちは、青年を主役として、無数の思いが込められた平和への精神遺産を胸に、あらゆる次元で訴え続けたい。その声を強め、広げたい。

その意味でも、良質のメディアが果たすべき役割は、いやまして大きい。

国連や草の根レベルで核軍縮に取り組んできた経験から、私たちは3つの点を強調したい:

第一に、伝えるという点では、核兵器がもたらす壊滅的な結末をより多くの人々に伝える必要がある。大惨事を食い止めるには、これが極めて重要だ。

核兵器の使用、拡散、実験を禁ずる規範が弱体化し、失われつつあることが憂慮されている。2026年2月に期限を迎える新戦略兵器削減条約(新START)の後継枠組みも見当たらない。核兵器の非人道性についての認識を共有することは、信頼醸成のための対話の基礎となろう。

人類が核戦争の瀬戸際に最も近づいた1962年のキューバ・ミサイル危機への対応から学ぶことは多い。このような経験を二度と繰り返さず、核軍縮を進めるという決意が、1968年の核兵器不拡散条約(NPT)採択の重要な契機となった。米ソ両国がNPT調印式当日に戦略兵器制限交渉を開催する意向を表明したことは注目に値する。この交渉は、両国が核軍拡競争を減速させ、NPT第6条による核軍縮義務を果たすための第一歩を踏み出したことを意味する。

そうした歴史を振り返り、池田大作SGI会長は2023年1月、次のような提言を発表した。

Photo: SGI President Daisaku Ikeda. Credit: Seikyo Shimbun
Photo: SGI President Daisaku Ikeda. Credit: Seikyo Shimbun

核戦争の寸前まで迫った危機を目の当たりにしたからこそ、当時の人々が示したような歴史創造力を、今再び、世界中の国々が協力し合って発揮することが急務となっています。

NPTの誕生時に息づいていた精神と条約の目的意識は、核兵器禁止条約(TPNW)の理念と通じ合うものであり、二つの条約に基づく取り組みを連携させて相乗効果を生み出しながら、「核兵器のない世界」を実現させていくことを、私は強く呼びかけたいのです。

私たちは、昨年11月に逝去された池田会長の志を継いで、“核抑止を前提とした核兵器の絶えざる増強”から“惨劇を防止するための核軍縮”へと世界全体の方向性を変える転機を創出していきたい。

第二に、受け継ぐという点では、グローバル・ヒバクシャの声にさらに耳を傾けるべきだ。

生存している広島、長崎の被爆者の平均年齢は、85歳を超えた。

それに加えて、世界には、核物質の採掘や核実験、核兵器の製造過程等で影響を受けた、たくさんのグローバル・ヒバクシャと呼ばれる人々がいる。その実相は、苦難は、まだまだ広く語られていない。その物語を知らなければならない。忘れてはならない。

G7広島サミットで、各国首脳に対面で被爆証言を話した広島の小倉桂子氏の映像(リンク1)を、私たちは制作し、NPT準備委員会のサイドイベントでも上映し、多くの若者が心に刻んだ。

Photo: Algerim Yelgeldy, a third-generation survivor of the Semipalatinsk Nuclear Test Site, giving a testimony at a side event during the 2nd meeting of the States Parties to the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons. By Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan.
Photo: Algerim Yelgeldy, a third-generation survivor of the Semipalatinsk Nuclear Test Site, giving a testimony at a side event during the 2nd meeting of the States Parties to the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons. By Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan.

また、カザフスタンのNGO「国際安全保障政策センター(CISP)」とともに制作した、同国の核実験被害者の証言映像「私は生き抜く~語られざるセミパラチンスク」(リンク2)。この作品は、TPNWの第2回締約国会議のサイドイベントで上映された。

恐ろしい体験と向き合い、それを語り伝える。日本だけでなく世界中のヒバクシャを突き動かしているのは、自らが被った苦悩を誰一人として味わわせたくないという決心である。他者に思いを巡らせるこうした心情は、核兵器の根底にある論理、すなわち自己の利益や目的のためには他者の殲滅をも辞さないという考えとは対照的だ。核兵器が絶対悪であることを際立たせるのは、この決心である。

そして最後に、行動に向けて魂を鼓舞するうえで、核兵器廃絶という問題が、気候変動をはじめとする地球的な課題と結びついていることについて意識啓発することが必要だ。

大規模な核戦争による「核の冬」に至らなくとも、限定核戦争による「核の飢饉」で20億人もの人々が亡くなる可能性があることは、以前から科学者たちによって報告されている。核実験が、“被植民地”や先住民に甚大な被害をもたらしてきている。核廃絶は、差別や人権、気候正義や環境、ジェンダー、包摂性、人道や倫理など、さまざまな分野を横断する問題であることに、さらに焦点を当てるべきだ。

ことし9月の国連の未来サミットに先駆けて、日本の青年が連合して、「未来アクションフェス」を行い、核兵器と気候危機を連結した問題として、参集した7万に近い若者たちに警鐘を鳴らした。

Future Action Festival convened at Tokyo's National Stadium on March 24, drawing approximately 66,000 attedees. Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.
Future Action Festival convened at Tokyo’s National Stadium on March 24, drawing approximately 66,000 attedees. Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.

SGIは、第2の「民衆行動の10年」キャンペーン(リンク3)として、2027年を目指し、平和・軍縮教育に注力して、核廃絶への新たな潮流をつくろうと挑戦している。

多くの人が、分野や立場を超え、連帯して、核廃絶への声をあげていくことが、ますます肝要だ。そのためにも、宗教間の協働も強めていきたい。

Anna Ikeda of SGI delivered a joint statement endorsed by 115 inter-faith and civil society organizations (CSOs) on 29 November. Photo Credit: SGI.
Anna Ikeda of SGI delivered a joint statement endorsed by 115 inter-faith and civil society organizations (CSOs) on 29 November. Photo Credit: SGI.

核兵器禁止条約の第2回締約国会議では、核兵器を憂慮する、信仰を基盤とした115団体の一員として、SGIの代表が共同声明を読み上げた。その一節を引用して、この小論を結びたい。

私たちはこの瞬間の緊急性を認識し、私たち全員――愛する自然界と人類という愛する共同体にとって、何が危機に瀕しているかを認識しています。私たちの運命は絡み合っており、私たちの前に立ちはだかる脅威を無視することはできません…この恐怖は、今この瞬間だけのものではありません。私たちは、壮大な挑戦は、やり遂げるまでは常に不可能だと感じるものだという知恵に慰めを得つつ、正義のためになされた過去の闘いの大胆さとビジョンから勇気を得ましょう。(英文へ

本記事は、INPS Japanが2009年以来創価学会インタナショナルと推進している核廃絶をテーマにしたメディアプロジェクト「Toward A Nuclear Free World」のうち、2023年4月から24年3月までに配信された関連記事を冊子にまとめた報告書に寄せられたメッセージである。

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人工知能:人類にとっての脅威か、それとも助け手か?

【タシケントLondon Post=ウトキール・アリモフ】

ロボットといえば、人間のように話し、人間の代わりにすべての仕事をこなすアシスタントというイメージが強い。今日、人工知能という新たな要素が急速に社会・経済生活に入り込み、私たちの日常生活に積極的に参加していることは周知の事実である。例えば、携帯端末のアプリケーション: 「google翻訳」、辞書、各種ゲームなども人工知能のわかりやすい事例だ。

いわゆる「人工知能」とは、特定のタスクを実行する際に人間の行動を模倣することができるシステムや技術のことで、受け取った情報を使って徐々に完成していく。一般的に、この技術は形式でも機能でもなく、データ収集、分析などを含むプロセスである。

この分野の将来について言えば、「人工知能」が人類に利益をもたらすのか、それとも害をもたらすのかという議論が50年近く続いている。科学者たちはまだ結論を出していない。人工知能の普及が人間に取って代わる結果、失業率が上昇するのではないかと心配する人がいる一方で、AIに肯定的な意見もある。最近では、インドネシアのニュースサイト『Indonews』が「未来の『人工知能』はエイリアンの侵略のようなものかもしれない」と題した分析記事を掲載し、国際的な学術界の間で多くの疑問が投げかけられている。

あらゆる知的問題を解決できる人工知能の出現は、人類を助けるだけでなく、将来的には人類を脅かすかもしれないという憂慮すべき仮説を生んでいる。

Utkir Alimov Photo: London Post
Utkir Alimov Photo: London Post

将来的には、知能を持った機械が、制御しようとする人間に抵抗するようになるかもしれないのだ。では、どうすれば自分より強いものをコントロールし続けることができるのか?もし私たちが文明の制御に間に合わなければ、将来の生存を決める投票する権利さえ失ってしまう可能性が高い。例えば、「人工知能」が気候問題を解決するためには、「人間を排除する」ことが最善の方法だと結論づけるかもしれない。

また、こうした「超人的な知性」が「フェイク」ニュースや誤ったコンテンツを生み出し、それが結果的に未解決の盗作問題を引き起こすこともある。つまり、”人工知能 “は 事実をチェックするものではなく、あくまでも事実を収集する装置なのである。

このように、私たちの生活における人工知能の役割は日々深まっている。人工知能が人類の勝利なのか敗北なのか、その議論は長く続くだろう。最も重要なことは、SF作家アイザック・アジモフの言葉を借りれば、ロボットを作る際のモットーは、人に危害を加えないことである。(原文へ

ウトキール・アリモフ氏は、ウズベキスタンの著名なジャーナリスト。インドのオスマニア大学国際関係学部卒業。ロシア、トルコ、セルビア、韓国、サウジアラビアで開催された様々な会議に参加。現在、ウズベキスタン国営通信社国際関係部副編集長。

INPS Japan/London Post

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ネパール産のピーナッツバターが日本へ

日本の社会起業家が輸出市場を開拓し、コータンのピーナッツ農家にスキルと収入をもたらしている。

【カトマンズNepali Times=ソニア・アワレ

日本の社会起業家が輸出市場を開拓し、コータンのピーナッツ農家にスキルと収入をもたらしている。

最高品質の紅茶といえばインドの産地ダージリンを思い浮かべるだろう。優れたビールはチェコのピルゼンで生産されている。また、カマンベールチーズはフランスの同名の村に由来する。では将来的に、ネパールのホータンが最高品質のピーナッツバターと同義となる日がくるだろうか。

Made in Nepal: Sanchai Natural Peanut Butter from Khotang to Japan

日本人の社会起業家が率いる新進気鋭のビジネス・ベンチャーが、このネパール東部のヒマラヤ山脈の辺境地区を、高級天然ピーナッツバター産地として世界地図に載せようとしている。

Photos: SANCHAI INC

仲琴舞貴さんは、ホータン県ハレシ市のドゥルチムを世界のピーナッツバターの首都にしようという計画を、コロナ禍で一時停止していたが、再び動かし始めた。彼女は現在、訓練した地元農民達と設立した工場を再稼働させるために戻ってきた。

仲(写真左)さんは、かつてホータンの子供たちへの慈善活動を支援していた日本のIoT企業に勤めていた。初めての訪問では、カトマンズからホータンまでの険しい山道を15時間かけて移動し、農民たちと会った。

彼女は、ホータン南部では落花生が主要な換金作物だが、例年より乾燥した天候のために不作となり、男性たちがインドや湾岸諸国へ出稼ぎに行かざるを得なくなっていることを知った。

「私は子供たちの生活を改善するためのより持続可能な方法を模索しており、そのためには単に援助を提供するのではなく、親たちを経済的に自立させることが最善だと結論づけました」と仲さんは語った。

Photos: SANCHAI INC

「その時点で私はピーナッツバターの作り方について何も知りませんでしたが、日本の上司を説得しなければなりませんでした。私は支援は利益を得るためではないネパールの人々のためだと説明しました。」

Photos: SANCHAI INC
Photos: SANCHAI INC

その後、彼女は日本のピーナッツ専門家を訪ね有名なレシピを入手してから基本的な器具を持参してホータンを再訪し、ピーナッツバターのサンプルを試作した。日本に戻ると、誰もが、地元の小さな品種のピーナッツを使ったピーナッツバターが今まで味わった中で一番おいしいと認めた。 「その美味しさに驚きました。現地の人々に製造技術を教え、会社を設立できると確信しました。」と仲さんは振り返る。幸運なことに、工場がオープンする直前に村に電気が通った。

「日本人として、ここでの時間に対する無頓着さに慣れるのには時間がかかりました」と仲さんは笑って振り返った。

集まった農家はすべて女性で、男性の多くが出稼ぎに出ていたためだ。意図せずして、ピーナッツ事業は女性のエンパワーメントのツールにもなった。

仲さんとチームは60世帯に有機栽培のピーナッツを生産する訓練を行い、会社は中間業者よりも高い価格でピーナッツを買い取り、300人の農家が利益を得た。

Photos: SANCHAI INC

「私たちの全体的なアイデアは、単にお金を渡すのではなく、スキルを提供することで生活水準を持続的に向上させることでした。」と仲さんは説明した。 次に、10人の女性スタッフにピーナッツバター作りのトレーニングを行った。

傷んでいないピーナッツを手作業で選ぶ

選別したピーナッツの外殻を取り除く

ピーナッツを丁寧にローストする

ピーナッツをきれいに洗い、2つに割る

ピーナッツをもう一度選別する

ピーナッツを混合する

輸出市場にとって品質管理は最重要事項であり、優れた原材料と加工方法によって、ホータンピーナッツバターの独特な味と風味が維持されており、タンパク質含有量は1.3%で、他の同様の製品よりも高い水準である。

仲さんは福岡で育ち、美容室チェーンを経営する父親からビジネスの基礎を学んだ。彼女はIoT企業の研究員として上京した。3年後の2017年12月に株式会社サンチャイを開業し、1年後にはホータンピーナツバターの輸出を開始した。

ネパール国内ではLe Sherpa Farmers’ Market、Local Project Nepal、Himgiri Organic Farmでの流通がパンデミック後に再開された。現在、売上の90%を日本市場が占め、シンガポール、欧州、米国市場にも関心を持つ企業が現れている。

「製品の背後にあるストーリーを人々に話すと、彼らは興奮し、さらに購入に興味を持ってくれます。私は、ネパールの農村部の人々に寄付をし、手助けをするという気持ちを抱かせるようにしています」

「私たちの取り組みは小さなものでしたが、そのおかげでホータンの女性たちに活躍の場が与えられ、彼女たちの家族の生活水準が上がり、今ではリーダーになっています。」と仲さんは語った。(原文へ

INPS Japan/Nepali Times

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太平洋諸島民は古来より、大地、空、波から知恵を得てきた

この記事は、2024年3月13日に「The Conversation」に初出掲載され、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で再掲載されたものです。

太平洋諸島民は古来より、大地、空、波から知恵を得てきた。その知恵には科学的裏付けがあることが、研究により示されている。

【Global Outlook=パトリック・ナン/ロズリン・クマール】

2023年のある日の午後、われわれはフィジーの村の集会所で住民たちと一緒に座り、熱帯サイクロンを予測する伝統的な方法について話し合っていた。1人の男性が、「マヌマヌニカギ」と呼ばれる翼の黒いコグンカンドリのことを口にした。熱帯サイクロンが沖で形成されているときのみ、陸地の上を滑空するという。会話が続く中で、住民たちは少なくとも11種類の鳥の名前と、差し迫った天候の変化を告げる奇妙な行動を教えてくれた。

その晩遅くに辞去する際、1人の老人がわれわれをそばに呼んだ。彼は、われわれが彼らの知見を真剣に受け止めたことを喜んでおり、年配の太平洋諸島民の多くは冷笑されることを恐れて伝統的知識について語ろうとしないと言った。

これは、気候変動への適応とその暮らし方に与える脅威について、科学的観点からの理解が支配的であることを反映している。われわれの新たな研究は、そのような態度を改めるべきであることを示唆している。

われわれは、気候変動に対処するための太平洋の伝統的知識に関するエビデンスを再検討し、それらの知識の多くが科学的に妥当と思われることが分かった。つまり、これらの伝統的知識は今後、太平洋諸島のコミュニティーを維持していくうえで重要な役割を果たすべきだということである。

立証された、堅牢な体系

われわれの研究は、長年にわたり伝統的知識への研究関心を抱いている他の研究者26名との共同執筆であり、そのほとんどは太平洋諸島出身者である。

太平洋諸島には3,000年またはそれより前から人が住み、気候が生活や生存にもたらす多くの困難を経験してきた。彼らがうまく対処できたのは、運ではなく、意図的なもの、長年にわたってさまざまな人間集団が編み出してきた伝統的知識の堅牢な体系によるものである。

太平洋の島の生活に脅威を与える気候関連の短期的影響の最たるものは熱帯サイクロンであり、それは農作物に損害を与え、淡水を汚染し、インフラを破壊する恐れがある。また、南西太平洋でエルニーニョ現象が発生している期間によく見られる長期的な干ばつも、広範囲にわたる被害をもたらす

太平洋の伝統的知識は、自然現象の原因と発現を説明し、最善の対処方法を明らかにする。それは一般的に、口頭で世代から世代へと伝えられる。

本稿では、動物、植物、水、空に関連するそのような知識を紹介したうえで、それらの知見がいかに科学的な道理にかなっているかを示す。

ただし、伝統的知識は、それ自体が本質的な価値を持つことに留意することが重要である。それらを検証するために科学的説明が必要ということではない。

海と空を読む

フィジーのドルアドルア島の住民は、波が砕ける様子を読み解いて、熱帯サイクロンが来る1カ月も前からそれを予測している。バヌアツのトレス諸島では、潮の状態を説明する13通りの表現が存在しており、その中にはまれな事象の先触れとなる異常も含まれている。

これらの観察は、科学的にも道理にかなっている。遠方の嵐は、風雨が到来するかなり前に沿岸部に打ち付ける波のうねりをもたらし、通常の波のパターンを変える可能性がある。

サモアでは、伝統的な言い伝えの中で10種類の風が認識されている。東から吹く風<マター・ウポル(matā ‘upolu)>は大雨、ひょっとすると熱帯サイクロンの差し迫った到来を告げる。南風<トゥアー・オロア(tuā’oloa)>は、最も恐れられている。南風は、その死への欲求が満たされたときに初めて止むといわれている。

太平洋諸島の多くのコミュニティーでは、雲のないダークブルーの空は熱帯サイクロン到来の前兆と考えられている。その他の前兆には、通常、雲の急速な動きや「短い虹」の出現などがある。

これらの知見は、科学によって裏付けられている。虹は時に、遠くのにわか雨によって「短くされ」たり、部分的にぼんやりしたりする。そして、西洋科学では、雲や風の変化がサイクロンの発達の前兆となり得ることが昔から認識されていた

バヌアツでは、月の周りの光輪(ハロー)は雨が近いことを示している。この知見もやはり、科学的に正しい。西洋科学では、上層の薄い巻雲は付近に嵐があることを示している。氷の結晶を含んだ雲を通して月の光が透けることにより、ハロー効果が生まれる。

動物や植物の知恵

先に述べた通り、鳥たちは天候の変化の前触れになると太平洋各地でいわれている。

トンガでは、グンカンドリが陸上を飛ぶ(海鳥としては異例の行動)のは、熱帯サイクロンが発達していることを示唆する。この伝統的知識は、トンガ気象局のロゴに採用されている。フィジーバヌアツ北部でも、鳥の行動が同じように解釈される。

この知見は、科学的にもつじつまが合う。例えば北米のある研究では、キンバネアメリカムシクイがインフラサウンド(超低周波音)の変化を検知することによってトルネードを回避することが示された。別の研究(太平洋のグンカンドリに関するデータはこの研究によるもの)では、海鳥が、恐らく風の強さや方向を感知することによってサイクロンを迂回していると思われることが分かった。

太平洋諸島の昆虫の行動に関する伝統的知識も、雨季の天候を予測するために用いられる。

ハナバチ、ワスプ、スズメバチは、通常木の枝に巣を作る。巣が地面に近い場所に作られると、きたる雨季は、恐らく熱帯サイクロンが増えることによって雨量が通常より多くなるだろうと、太平洋諸島民は知ることができる。このタイプの巣作りを見ると、住民は、食料の貯蔵といった適切な準備を行うことができる。

昆虫の行動から天候の変化を予測できることが、研究により示唆されている。例えば、フランス領ギニアに巣作りするワスプに関する研究では、より保護された場所に素早く巣を移す能力が、雨量の多い時期を生き延びるために役立っていると思われることが分かった。

太平洋の各地で、一部の植物挙動に雨が近いことを示す共通の兆候が見られる。例えばプランテンの中心の芽が真っ直ぐではなく、著しく湾曲する。

これは、極端な気象から生殖器を守るために植物の葉が閉じるという過程によって、科学的に説明することができる。

さらに温暖化した未来に備えて

植民地化によって西洋の世界観が世界中に強要されて以来、伝統的な知識は脇へ追いやられてしまった。これは太平洋諸島にもいえることで、一部の場所では伝統的な知識がほとんど忘れ去られた

しかし、西洋の知識にも伝統的な知識にも、それぞれの長所と短所がある。例えば科学に基づく知識は一般的なもので、それを現実的にローカル規模で適用できないこともしばしばある。

気候変動の影響が悪化するなか、島の人々にとって最適の計画は、両方のアプローチを組み合わせたものであるべきだ。そのためには、オープンマインドな姿勢と多様な知識の源を尊重する心が必要となる。

パトリック・D・ナンは、サンシャイン・コースト大学(オーストラリア)の法社会学部地理学の教授。
ロズリン・クマールは、サンシャイン・コースト大学の地理社会学の非常勤研究員。

この記事は、戸田記念国際平和研究所が配信したもので、同研究所の許可を得て転載しています。

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国連の未来サミットで子どもの保護と参加が重要視される理由

【カトマンズ/ナイロビIPS=クル・C・ゴータム、ムスタファ・Y・アリ】

国連は今年、年次総会の期間中である9月22日から23日にかけて、「未来サミット」を開催する。各国の首脳や政府代表がニューヨークの国連本部に集まり、「未来の世代の権利を保護し、正式に保障する」ことを目的とした多国間かつ行動指向の「未来のための協定」について議論し、合意し、承認する予定だ。

この協定の草案には、持続可能性、平和と安全保障、科学技術、若者、ガバナンスを巡る行動計画が既に詳述されており、サミットは「一世代に一度の機会」と呼ばれている。

The 2nd meeting of state parties to TPNW will take place at the United Nations Headquarters in New York between 27 November and 1 December this year.
The 2nd meeting of state parties to TPNW will take place at the United Nations Headquarters in New York between 27 November and 1 December this year.

実際、パンデミック後の政治、経済、安全保障、社会の力学(および再編成)が世界秩序を再定義し、多国間組織への信頼を蝕み、国際法の限界を露呈している今、人類を正義と公平の道へ導くための緊急行動が求められている。

世界は転換期を迎えており、「未来のための協定」の手段である多国間主義が、便宜のために放棄される危機に瀕している。

子どもたちのためのより良い世界を目指す擁護者として、宗教間の協力を含め、サミットと協定の背後にある立派な意図に賛辞を送りたい。しかし、現在の協定草案には多くの改善の余地がある。つまり、未来そのものである子どもたちが、若者や未来の世代と混同されるか、僅かにしか言及されていないのだ。

この協定は、成人、青少年、若者に焦点を当てている。しかし自分たち固有のニーズや権利を表現できない、最も弱い立場にある乳幼児の保護と福祉は、明確に優先されていない。

子どもたちが世界の人口の3分の1を占め、今後30年間で42億人の子どもが生まれると予測されていることを考えれば、彼らの権利を保護し、福祉を促進することが、人類のより良い未来を確保することを目指したいかなる協定の中心に据えられるべきであることは自明であろう。

子どものいない未来はない

私たちは、驚異的な科学の進歩、経済的繁栄、そしてかつてないほどの男女平等の世界に生きている。しかし、飢えに苦しみ、家を失い、切実に保護を必要とする子どもたちの数は、世界的にかつてないほど増えている。

UNICEF
UNICEF

ユニセフによると、10億人近い子どもたちが多面的貧困の中で暮らし、さらに3億3,300万人の子どもたちが極度の貧困に苦しんでいる。これらの衝撃的で歴史的に前例のない数字は、増大する不平等、新型コロナウイルスのパンデミック、壊滅的な食料とエネルギーの危機、気候緊急事態、新たなそして長期化する紛争によってさらに悪化している。

昨年だけでも1,050万人以上の子どもたちが、主に紛争や暴力のために家を追われた。現在、世界中で家を追われた子どもたちの数は5,000万人以上、紛争地帯で暮らす子どもたちの数は4億6,000万人を超えると推定されている。

いわゆる「通常の」、安定した、平和な環境においてさえ、子どもたちは急速に拡大するデジタル環境の危険、差別、不平等、虐待、そして一部は宗教の名の下に行われる搾取に日常的にさらされている。

「未来のための協定」に子どもたちが明示的に言及されなければ、子どもたち固有の権利や独自の視点が忘れ去られてしまう危険性がある。子どもの権利委員会の前委員長が2月に強調したように、「もし国連が、人々を中心としたパートナーシップと連帯のための、より包括的な多国間プラットフォームとなることを真に約束するのであれば(中略)、子どもたちを未来サミットのプロセスから排除することはできない(中略)。子どもたちは、サミットとその結果としての「未来のための協定」の主体であると同時に、サミットの前、最中、そしてサミット後の積極的な参加者であるべきだ。」

子どもは訴えている!

国連の未来サミットが開催されてまもなくの11月19日から21日にかけて、アラブ首長国連邦のアブダビで、世界の主要な宗教と精神的伝統の指導者たち、そして各国政府と国際機関の代表者たちが、「子どものための宗教者ネットワーク」第6回フォーラムに集う。

安全なコミュニティのための諸宗教連合(IAFSC)が主催するこのフォーラムは、未来の立役者である子どもたちの声と権利を高めることを目的としており、子どもたちのための安全で安心で持続可能な世界を構築するという問題に、宗教間の視点から取り組む。

ガザ地区で起きている子どもたちを巡る最近の記憶で最大の悲劇を前に、世界の宗教的・世俗的指導者たちが集い、祈りをささげ、私たちが今日目撃しているような無分別な子どもたちの殺傷を「二度と」許さないための行動を喚起するのに、これほどふさわしいテーマ、場所はないだろう。

フォーラムの「安全な世界を構築する」というテーマは、デジタル世界における子どもの尊厳、家族の役割と協力的なコミュニティ、レジリエンスの構築、そして世界的な衝撃、新たな危機、パンデミックに直面した際のメンタルヘルスの強化などを取り上げる。

フォーラムは「安全な世界の構築」のテーマの下、紛争、戦争、外国人嫌悪、ヘイトクライム、過激主義の根本原因、紛争へのレジリエンスの構築、紛争や戦争が子どもたちに与える影響、そして子どもたちのための平和で包括的な世界の構築を取り上げる。最後のテーマである「持続可能な世界の構築」では、責任あるライフスタイル、飢餓、子どもの貧困、不平等、倫理的価値と教育、そして気候変動に配慮したスチュワードシップについて議論する。

このフォーラムは、信仰、文化、人種、経済・社会的背景に関係なく、子どもたちが恐れや制限を受けることなく成長し活躍できる未来のために、世代を超えた対話、相互理解、協力、そして子どもたちのため、子どもたちと共に主張する適応能力を育むことが期待されている。

子どもたちの権利と声を「未来のための協定」の中心に据えることを怠れば、私たちは、現在の世界人口の3分の1、そして将来生まれてくる何十億もの子どもたちの期待を裏切ることになる。子どもは訴えている!私たちは努力を結集し、行動を強化し、子どもたちの声を中心に据えて、すべての人にとって安全で、安心でき、持続可能で、希望に満ちた世界を築くために団結しなければならない。(原文へ

クル・ゴータム氏は、ユニセフの元事務局次長、ありがとうインターナショナル・アドバイザリー・グループ議長、子どものための宗教者ネットワーク(GNRC)第6回フォーラム国際組織委員会議長。ムスタファ・Y・アリ博士は、GNRC事務局長であり、ありがとうインターナショナル・ナイロビ事務局長。

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ジェノサイドを忘れない スレブレニツァの母たち

【INPS Japan/ 国連ニュース】

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争のさなか、1993年にボスニアの町スレブレニツァに国連の安全地域が設置された。しかし1995年7月、町はボスニア・セルビア人勢力に制圧され、1週間で8000人以上のボスニア人少年・男性が殺害された。

スレブレニツァ虐殺は、第二次世界大戦後のヨーロッパで最大の残虐行為とされている。1996年、虐殺の生存者と行方不明者の家族が、虐殺で家族を失った6,000人の生存者を代表する活動団体「スレブレニツァとジェパの母たち」を設立した。同団体は正義と説明責任を提唱し、ジェノサイドの生存者のために資金を集めている。

2023年6月、「スレブレニツァの母たち」の活動メンバーのうち3人が国連を訪れ、高官と会談し、展示 “Stories of Survival and Remembrance – A call to action for genocide prevention “を見学した。(原文へ

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多国間主義におけるカザフスタンのリーダーシップ: 世界の平和と安定の道標

【INPS Japan/London Post】

しばしば「スウィングステート」と呼ばれる中堅国は、超大国や大国ほどの影響力を行使することはできないかもしれないが、世界情勢における戦略的重要性は否定できない。これらの国々は、地政学的な位置、豊富な天然資源、外交および経済の強み、そして軍事能力を活用し、しばしば大きな紛争では中立を保ち、世界の安定を維持する上で重要な役割を果たしている。これらの国々は、世界経済の分断を克服し、中央回廊のような重要な中継ルートを通じてサプライチェーンを確保する上で、重要な鍵を握っている。また中堅国は大国とは異なり、複雑な政治状況を切り抜ける敏捷性と、特定の紛争や問題の当事者からの信頼を得ることができる。

グリーン・トランジション(環境配慮や持続可能性のある社会への移行)の文脈では、中堅国は重要な鉱物やその他の重要物質の供給を確保する上で不可欠である。多国間で解決しようとする傾向のある中堅国は、国際問題の解決において中心的な役割を果たしている。

カザフスタンは今日、影響力のある中堅国として際立っている。カシム・ジョマルト・トカエフ大統領は、Euronewsのオピニオン記事の中で、自国がグローバルな舞台で積極的な役割を果たす可能性を強調した。「わが国のような国は、経済力、軍事力、そしておそらく最も重要なのは、食料・エネルギー安全保障、グリーン・トランジション、ITからサプライチェーンの持続可能性に至るまで、グローバルな舞台で大きな影響力を行使するために必要な政治的意志と外交的洞察力を有している。」と語った。トカエフ大統領が指摘するように、これらの強みは、世界の経済・政治大国がますます協力できなくなっているなかで、特に重要である。それとは対照的に、「カザフスタンのような国々は、自分たちの身近な地域とその先の地域の安定、平和、発展を確保し、妥協と和解への道を切り開くことができる。」とトカエフ大統領は語った。

カザフスタンは、水の安全保障、テロリズム、麻薬密売といった国境を越えた課題に取り組むため、中央アジアやコーカサス地域の他の中堅国との協力を強化している。アゼルバイジャンやトルコとのパートナーシップは、中央アジアを欧米市場に開放する中央回廊プロジェクトの実現に不可欠である。カザフスタンはまた、欧州諸国とも緊密に連携してエネルギー需要を確保しており、アジア諸国にとっても魅力的な投資先となっている。こうした中堅国との協力関係は、ハイレベルの二国間会談を通じて強固なものとなっており、トカエフ大統領は2024年だけでも数十回の会談を行っている。

トカエフ大統領の広範な外交経歴を考慮すると、彼の多国間主義と国際協力に対する支持は心強いものである。カザフスタンは今年末、気候変動、生物多様性の損失、汚染の影響を含む世界的な水危機に対処するため、フランスとともに第1回「ワン・ウォーター・サミット」の共同議長を務める。このイベントは、世界中の影響を受けている国や地域社会を団結させることを目的としている。さらにカザフスタンは、アルマトイに中央アジアとアフガニスタンに焦点を当てた国連持続可能な開発目標(SDGs)地域センターの設置を提案し、アルメニアとアゼルバイジャンの和平交渉の促進に積極的に関与している。

「大国が多国間プロセスをますます信頼しなくなり、小国が必要な影響力を欠く中、中堅国が主導する義務がある。」と、トカエフ大統領は主張した。カザフスタン独自の強みとベテラン外交官をリーダーに、多国間主義の強化、より安全なサプライチェーン、より大きな平和と安定に向けた新時代を切り開く態勢を整えている。(原文へ

INPS Japan/London Post

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核武装した欧州連合?物議を醸す提案

【国連IPS=タリフ・ディーン】

ロシアからの間接的な威嚇が続き、ウクライナに対する核攻撃の警告が発せられる中、欧州の一部の政治家が欧州連合(EU)も核兵器を保有すべきだとの議論を展開し始めた。

しかし、国際反核法律家協会(IALANA、ドイツ)のフォルケルト・オーム共同代表はIPSの取材に対して、「EUの核保有を呼びかけることは国際法に反します。」と語った。

国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見は、国家は、自衛の極端な状況下にあっても、国際人道法の条件を満たした兵器でもって自らを防衛することができるのみであると判示しています。しかし核兵器はこの条件を満たしません。核兵器には放射性物質が含まれているため、『クリーン』な核兵器など存在しないのです。EU、とりわけ一部のドイツの政治家による議論や発言は、多くの点で国際法を蔑ろにしています。」とオーム共同代表は指摘した。

「ドナルド・トランプ氏が米大統領に返り咲くことが予想される中、EU最大の政治会派のトップが、欧州も米国からの支援なしに戦争に備え、自らの核の傘を持つべきだと主張している。」と米オンライン雑誌『POLITICO』が報じた。

中道右派「欧州人民党」グループのマンフレッド・ウェーバー議長は、「トランプ氏とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2024年の枠組みを決める2人の人物だ。」と述べた。

欧州連合の構成27カ国は、オーストリア・ベルギー・ブルガリア・クロアチア・キプロス・チェコ共和国・デンマーク・エストニア・フィンランド・フランス・ドイツ・ギリシャ・ハンガリー・アイルランド・イタリア・ラトビア・リトアニア・ルクセンブルク・マルタ・オランダ・ポーランド・ポルトガル・ルーマニア・スロバキア・スロベニア・スペイン・スウェーデンである。

しかし、フランスは、米国・英国・中国・ロシア・インド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮と並んで、EUで唯一核兵器を保有している。

IALANA副代表で、核政策法律家委員会シニア・アナリストのジョン・バローズ氏は、IPSの取材に対し、「欧州連合(EU)やその他欧州機関が核兵器を取得することへの関心は、ロシアの違法なウクライナ侵攻と、それに伴う核の脅威に起因しています。」と指摘したうえで、「しかし、解決策は欧州の核兵器への依存を増やすことではありません。むしろ、ウクライナに対するロシアの戦争を早期に終結させることであり、これにはウクライナ側の痛みを伴う妥協が必要となってくるだろう。」と論じた。

John Burroughs/ LCNP
John Burroughs/ LCNP

「それによって、紛争から生じる核戦争の真の危険性を排除し、ロシアとの軍備管理および軍縮協議を再開する道を開くことが可能となります。これは、EUまたは他の欧州の組織が核兵器を取得するよりもはるかに良い道です。欧州自前の核武装はIALANAドイツ支部が声明で指摘しているように、核不拡散条約に違反し、すでに進行中の核軍拡競争を加速させ、他の地域での核拡散を助長する恐れがあります。」と、バローズ氏は指摘した。

「『欧州の核』への関心は、かつて米大統領を務め、また今度務めることになるかもしれないトランプ氏が『米国は北大西洋条約機構(NATO)から手を引く』と示唆したことによって加速した面がありますが、この懸念は誇張されています。」

「米国政府全体としてはNATOに深くコミットしており、そのことは、NATOからの脱退には米議会の同意が必要との法律を米議会が可決し、ジョー・バイデン大統領もそれに署名した事実に表れています。他方、フランスと英国の核戦力は、NATOを通じて欧州防衛のために利用可能だという現実もあります。」

「英仏の核戦力は米ロの核戦力ほど大きくも多様でもないが、ロシアなどの国々に攻撃を思いとどまらせるには十分な規模です。しかしより根本的には、IALANAドイツ支部の声明が述べているように、米国の核であれ欧州の核であれ、核兵器に依存すること自体が、法に基づく世界秩序と相いれないものであり、核依存を増すことは間違った方向です。」とバローズ氏は語った。

ウェーバー議長は、「私たちはNATOを望んでいますが、トランプの時代でも、それなしで自らを防衛できるほど強力でなければなりません。」と、キエフへの列車訪問の帰路で『POLITICO』との電話インタビューで語った。」

ドイツで強い影響力を持つ保守派のウェーバー議長は、「米国で誰が(大統領に)選ばれようとも、欧州は自らの外交政策をしっかりと持ち、独自の守りを固めねばなりません。」と語った。

しかしこの発言は、欧州による核防衛という難問を惹起した。『POLITICO』によれば、NATOは現在、ベルギー・ドイツ・イタリア・オランダ・トルコの6カ所の空軍基地に配備された米国の核兵器に大きく依存している。

「欧州は抑止力を構築しなければなりません。抑止力を持ち、自らを防衛せねばなりません。いざという時、核の選択肢が本当に決定的なものになることは誰もが知っています。」とウェーバー議長は語った。

Russian President Vladimir Putin addresses participants of the Russia-Uzbekistan Interregional Cooperation Forum in Moscow, Russia/ By Kremlin.ru, CC BY 4.0
Russian President Vladimir Putin addresses participants of the Russia-Uzbekistan Interregional Cooperation Forum in Moscow, Russia/ By Kremlin.ru, CC BY 4.0

ロシアによるウクライナへの全面侵攻以来、プーチン大統領の核のレトリックは激しさを増しており、西側諸国に対する間接的な核使用の威嚇を定期的にほのめかしてきた。

EU内で、より大きな役割を果たすことができる唯一の国はフランスで、約300発の核弾頭を保有している。

260発弱の核兵器を保有している英国は欧州の核保有国ではあるが、EUの一員でない。「おそらく、我々のオプションを明確にしておくために、英国のEU脱退という問題はあったものの、英国の友人たちと建設的な話を始める段階にあるのではないだろうか。」とウェーバー議長は続けた。

「西部諸州法律家協会」(米カリフォルニア州オークランド)のジャクリーン・カバッソ代表はIPSの取材に対し、「ロシアの違法なウクライナ侵攻とそれに伴う騒がしい核使用の威嚇の中で、ドイツ政府の元高官や政治家の一部が欧州連合による核保有を主張し始めています。」と語った。

例えば、緑の党のヨシュカ・フィッシャー元外相は昨年、『シュピーゲル』誌に対し、「プーチンの帝国主義的なイデオロギーに従う隣国ロシアがある限り、このロシアを抑止せずにはやっていけません。」と語っている。

抑止力とは、ドイツが独自の核兵器を保有することも含まれるのか、と問われたフィッシャー元外相は、「それは実に難しい問題だ」としたうえで、ロシアのプーチン大統領は「核の威嚇を行っている」と指摘し、 「ドイツ連邦共和国は核兵器を保有すべきかと問われればノーだ。では欧州はとうかと問われればイエスだ。EUには独自の核抑止力が必要だ。」と語った。

Jacqueline Cabasso, Executive Director, Western States Legal Foundation. Photo Credit: Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director, INPS Japan.
Jacqueline Cabasso, Executive Director, Western States Legal Foundation. Photo Credit: Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director, INPS Japan.

「IALANAドイツの声明で指摘されているように、このような計画は核不拡散条約やその他の関連法規に違反します。しかし、それ以上に憂慮すべきは、フィッシャー元外相らが示唆しているような核の脅威が常態化し核拡散が正当化されることです。」と、カバッソ事務局長は語った。

「すべての核保有国が核兵器を質的、場合によっては量的にアップグレードし、新たな多極的軍拡競争が進行中であり、核保有国間の戦争の危険性が高まっていいます。このような状況でさらに世界の核保有国の数が増えることになれば、それは実に恐ろしいことです。」

「ドイツをはじめとするEU加盟国は、核兵器保有を示唆するいかなる主張もはねのけ、核兵器への依存を率先して否定し、あらゆる外交手段を駆使してロシアとの温度差を縮め、ウクライナ戦争を終結させ、核軍縮プロセスを開始するために核保有国間の交渉を促進すべきです。」と、カバッソ氏は主張した。

ブリティッシュ・コロンビア大学(バンクーバー)公共政策グローバル問題大学校「軍縮・グローバル・人間の安全保障プログラム」の責任者であるM・V・ラマナ教授は、EU加盟国の大部分はNPTに非核兵器国として署名している事実を指摘した。

NPT第2条は「核兵器を保有しない締約国は、いかなる移譲者からも、直接的または間接的に核兵器やその他の核爆発装置、あるいはそれらの制御を受け取らないこと、また、核兵器やその他の核爆発装置を製造またはその他の方法で取得しないこと、ならびにその制御を求めないこと」と規定している。

同様に、EU加盟国であれ(例えばフランス)、そうでない場合であれ(例えば米国)、NPTの締約国である核兵器国は、条約第1条によって「核兵器その他の核爆発装置又はその管理をいかなる者に対しても直接又は間接に移譲しないこと及び核兵器その他の核爆発装置の製造若しくはその他の方法による取得又は核兵器その他の核爆発装置の管理の取得につきいかなる非核兵器国に対しても何ら援助、奨励又は勧誘を行わないこと」を義務付けられている。

提案されている「EUのための核兵器」を誰が管理することになるのか、その詳細に立ち入るまでもなく、このような兵器庫がNPTの精神に反し、すでに脆弱な核不拡散・軍縮規範を弱体化させることは明らかである。

IALANAが指摘しているように、EU諸国はこのような考えから距離を置き、核兵器のない世界に向けて邁進すべきです。」とラマナ氏は語った。(原文へ

This article is brought to you by IPS Noram, in collaboration with INPS Japan and Soka Gakkai International, in consultative status with UN ECOSOC.

INPS Japan/IPS UN Bureau

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世界の破壊者:世界戦争と気候危機の時代におけるオッペンハイマー伝の妥当性

【カトマンズNepali Times=ソニア・アワレ

2005年にカイ・バード氏とマーティン・J・シャーウィン氏によって初めて出版された「アメリカン・プロメテウス:J・ロバート・オッペンハイマーの勝利と悲劇」以来、多くの出来事があった。この本はピューリッツァー賞を受賞して波紋を広げたが、クリストファー・ノーラン監督がこの作品を脚色した2023年の超大作映画『オッペンハイマー』がアカデミー賞を席巻したことから大きな関心を呼び起こしている。

「アメリカン・プロメテウス」は、科学者の「その輝かしさに匹敵する内部葛藤」を描いた精緻な作品であり、主人公であるオッペンハイマー博士の人生と時代を語り直すことで、大量破壊兵器とテロの恐怖に対抗するための「核時代における合理性」を呼びかけている。

この本は25年にわたる研究と執筆を経て完成し、冷戦終結以来、世界終末時計が今日ほど真夜中に近づいたことはないという厳しい現実を想起させるものである。この時計は、1943年に、世界最高水準の米国科学者たちがドイツに先行して原子爆弾を製造するためにニューメキシコ州のロスアラモスに集結して以来、時を刻み続けている。

ドイツは1945年5月に降伏したが、それでも米軍のタカ派は、同年8月に広島・長崎に対して原爆を使用し20万人の一般市民を殺害した。アメリカ人は、日本本土への攻撃を長期化させれば多くの命を奪うと主張して原爆投下を正当化した。オッペンハイマー自身は、その破壊力があまりに凄まじいものであれば将来的な使用を抑止するだろうと感じていた。しかし本書は、彼が長崎への2発目の原爆使用や水爆の開発に反対したことを思い出させてくれる。

その後80年にわたって核兵器が戦争で使用されていない事実は、彼の主張にある程度の妥当性があることを示している。しかし、核拡散は止まらず、現在ではパキスタン、インド、北朝鮮などの国々も原子爆弾を保有している。

ネパール文学フェスティバルにおいてネパール・タイムズとのインタビューに応じたカイ・バード氏は、ウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナに対する戦術核兵器使用の脅威や、イスラエルによる戦略的曖昧性、イランによる差し迫った核兵器保有などを例に挙げ、「核の物語は終わっておらず、非常に悪い結末を迎える可能性があります。」と、強調した。

近隣では、ネパールは互いに友好的でない核武装国に囲まれている。インドはパキスタンや中国との間で頻繁に国境紛争を抱え、ネパール人兵士はインド軍に従事している。

アミタフ・ゴーシュ氏はインドによる核実験後に出版した著書『カウントダウン』(1999年)の中で、戦術的な核兵器の使用でも、風によって運ばれる放射性降下物がヒマラヤ地域の氷河に到達し、アジアの河川と帯水層を放射能汚染する可能性があると記している。

中東の緊張が核対立にエスカレートすれば、そこで働く200万人のネパール人が危険にさらされ、ほとんどが安全のために帰国を余儀なくされるだろう。イスラエルではネパール人学生がハマスに殺され、ロシアが軍事侵攻しているウクライナでは戦闘で命を落とし続けてる。

Oppenheimer poster/The Nepali Times
Oppenheimer poster/The Nepali Times

核兵器を最も厳しく批判していたのは、最初の原子爆弾の設計者自身だった。この本には、日本が降伏した後、オッペンハイマー博士がトルーマン大統領と面会した際、「大統領、自分の手は血で汚れているように感じる。」と、大統領に語ったことが記されている。トルーマン大統領は後に側近に、あの「泣き虫の科学者野郎」には二度と会いたくないと語ったという。

オッペンハイマー博士は、著名な科学者としての新たな名声を利用して、核軍拡競争を遅らせようとした。「アメリカン・プロメテウス」の著者たちは、「彼は、自らが世に解き放つ手助けをした核兵器の脅威を封じ込めることで、私たちを爆弾文化から遠ざけようと果敢に努力した。」と記している。

しかし、1950年代のジョセフ・マッカーシー上院議員による共産主義者を摘発・排除する運動「赤狩り」が全米を席巻する中、オッペンハイマー博士の平和活動は問題視され、彼を沈黙させ屈辱を与えることを目的とした公聴会に引き出された。

「オッペンハイマーはマッカーシズムの魔女狩りの主要な有名人の犠牲者となりました。そして今日、世界中で移民、少数民族、宗教的少数派、技術やグローバリゼーションによって混乱した労働者に対する同様の排外主義が起きているように思えます。」とバード氏は、ネパーリタイムズのインタビューに対して語った。

700ページに及ぶこの伝記は、オッペンハイマー博士の早熟な子供時代から始まる政治スリラーのようだ。彼は岩石や鉱物に魅了され、ニューヨーク鉱物学クラブが彼が12歳の少年であるとは知らずに講演を依頼するほどだった。

ハーバード大学やケンブリッジ大学に在籍中は惨めな日々を送り、精神状態は試され、統合失調症と診断される。しかし、ドイツのゲッティンゲンで量子物理学を学び、米国に帰還後はバークレー校で原子物理学の基礎研究の中心となる。彼は左翼運動を支持するが、共産党には入党しなかった。

今日、全面核戦争と気候崩壊のどちらが悪いかという理論的な議論があります。前者は後者よりも即時的かつ不可逆的な影響を持つが、事実としてどちらも人間が引き起こした脅威であり、私たちにはそれらを取り除く力がある。

原子力の利用は常に諸刃の剣であった。原爆以外にも、多くのエネルギー専門家が気候変動に優しい原子炉開発を推進している。しかし、原子炉には放射性廃棄物処理の問題があり、チェルノブイリや福島で発生したようなメルトダウンの危険性もある。

エネルギーの未来は、オッペンハイマー博士が断固として反対した熱核爆弾を駆動するのと同じ物理学を利用した核融合炉にあるかもしれない。核融合はよりクリーンなエネルギーであり、副産物は水だけである。

ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスのヌリエル・ルービニ氏は、「再生可能エネルギー(成長速度が遅すぎて大きな変化をもたらさない)や、炭素回収・隔離やグリーン水素のような高価な技術では、問題が解決できない可能性が高まっています。その代わりに、商業用炉が今後15年以内に建設されれば、核融合エネルギー革命が起こるかもしれません」と語った。

オッペンハイマー博士は、核テロに対する唯一の防衛策は核兵器の廃絶であり、核軍拡競争の時代にあっては、人類の道徳的な生存も心配していたという。彼の友人で理論物理学者仲間のイシドール・アイザック・ラビ博士は、『爆弾を落とせば、正義の者も不正義の者も同じように被害を受ける』と言った。

日本では、原爆投下を生きのびた被爆者とその子孫が遺伝的欠陥に苦しみ続けている。また、南太平洋、カザフスタン、その他の核実験が行われた地域では、放射性降下物による壊滅的な健康被害に多くの人々が今も苦しんでいる。米国のロスアラモスの核実験場でも、実験前に警告を受けていなかった風下に住む15,000人のナバホ族が今なお世代を超えた健康被害に苦しんでいる。

I Want To Live On: The Untold Stories of the Polygon. Documentary film. Credit:CISP

「アメリカン・プロメテウス」は、動揺する世界における核軍縮の緊急性を思い起こさせます。バードとシャーウィンは、恐ろしい武器を発明した科学者の道徳的ジレンマと迫害を語り、将来の世代が核兵器の使用を防ぐ方法に取り組む必要があることを伝えている。(原文へ

INPS Japan/Nepali Times

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世界環境デー2024

【ニューヨーク/東京INPS Japan/IPS NORAM】

世界中で生態系が脅かされている。

森林から乾燥地まで。

農地から湖まで。

干ばつと砂漠化は、淡水と土壌の生態系を最も脅かしている。

これらは地球上の生命を可能にする重要な結合要素である。

乾燥地は水不足に直面している地域である。

乾燥地域は世界の陸地面積の約41%を占め、世界の放牧地の78%を占めている。

また、世界の作物の44%を生産し、世界の家畜の半分を養っている。

20億人以上の人々の生活と生計を支えている。

世界の約14億の生計は、淡水へのアクセスに直接依存している。

しかし、地球上の土地の40%が劣化し、世界人口の半数に影響を及ぼしている。

5秒毎にサッカー場1面分の土壌が侵食されている。

しかし、3cmの表土を生成するには1,000年かかる。

2000年以降、干ばつの期間は29%増加している。

2050年までに、干ばつは世界人口の75%に影響を及ぼすだろう。

土地の回復は、「国連生態系回復の10年」の重要な柱である。

これは、世界中の生態系の保護と復活のための呼びかけである。

だからこそ、2024年の世界環境デーは、土地の回復、砂漠化の阻止、干ばつへの耐性の強化に焦点を当てているのだ。

時間を戻すことはできないが、森を育て、水源を復活させ、土壌を取り戻すことはできる。

私たちは大地と共存できる世代(再生の世代)なのだ。(原文へ

#再生の世代 (#GenerationRestoration):人間による環境破壊。その影響は気候変動や、生態系の損失、土地の砂漠化など目に見える形で日々深刻化している。この時代を生きる私たちには、環境を守り、あるべき状態へと土地や自然を回復させていく責任がある。世界環境デー2024年のテーマは 「私たちの土地、私たちの未来。私たちは #再生の世代」(Our Land. Our Future We are #GenerationRestoration) 土地の回復、砂漠化の阻止、干ばつへの耐性の構築に焦点を当てている。

NPS Japan/ IPS UN Bureau

IPS North America

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