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イラン・イスラエル戦争:インド人スパイ関与説と情報戦の深層

【メルボルン LondonPost=マジド・カーン】

2025年6月中旬に発生したイランとイスラエルの軍事衝突は、国際社会に大きな衝撃を与えた。イスラエルは今回の事態をイランによる「重大な戦略的誤算」と非難。一方、イランは甚大な軍事的損失に加え、防衛体制への国民の信頼が揺らぐ事態に直面した。

この衝突のさなか、一部メディアは「イラン国内のインド人が危険にさらされた」「標的にされた」と報じた。しかし、詳細な検証によって、状況はより複雑かつ事実に基づいたものであることが明らかになった。

6月12日と13日、イスラエルはイラン領内深部に対して、空爆と秘密作戦を組み合わせた高度な軍事作戦を実施した。ナタンツやイスファハンの核濃縮施設、ミサイル基地、レーダー施設など、戦略的インフラが標的となった。

『The Wall Street Journal』や『AP通信』によると、この作戦ではイスラエルの諜報機関モサド主導とみられるサイバー攻撃と無人機を用いてイランの防空網を無力化し、その後、有人機を投入して精密爆撃を行った。合計15カ所の施設が攻撃され、イスラム革命防衛隊(IRGC)の幹部や核科学者を含む多くの死傷者が出た。

イスラエルの攻撃は、そのタイミングと複雑さにおいてイラン側の想定を大きく超えており、特にSNS上では「防空システムはどこにあったのか?」という国民の疑問と批判が広がった。

イラン側が対応に失敗した要因の一つとして、イスラエルの戦略的意図を誤読したことが挙げられる。イランの分析官らは、イスラエルによる軍事行動は核協議(オマーン)での進展の行き詰まりと連動すると誤って予測していた。

その誤認により、イスラエル軍の動きを示す初期情報は「心理戦」と見なされ、真剣に受け取られなかった。この判断ミスは、要員の移動や資産の防護といった防衛行動の遅れを招き、結果として攻撃時に複数のIRGC高官が標的施設内に居合わせていた。

この事態は、単なるイラン諜報機関の失策ではなく、誤情報、準備不足、そして硬直化した指揮体制が複雑に絡み合った深刻な機能不全だった。現場の指揮官が即応判断を下す裁量を持たず、上層部の承認を待たねばならない体制が、対応の遅れに拍車をかけた。

軍事的な展開と並行して、「インド人が攻撃に巻き込まれた」「標的にされた」との噂がSNSや一部メディアで拡散された。中には「インド人留学生がミサイル攻撃の近くにいた」「犠牲者が出た」といった未確認の報道も含まれていたが、いずれも信頼できる証拠に基づいていなかった。

6月13日以降、在テヘラン・インド大使館は注意喚起を発出し、在留インド人に対し安全な地域への一時的な避難を促した。24時間対応のホットラインも設置され、インド人留学生や労働者との連絡が強化された。

『The Times of India』や『WION』といった主要メディアは、大使館の対応を中心に冷静な報道を行い、在イランのインド人に取材したインタビューでは「不安はあるが、今のところ直接的な危険は感じていない」との声が多く寄せられた。

誤情報が拡散した背景には、地政学的緊張に伴う不安感、SNS上での未確認情報の拡散、そして過剰な反応があるとみられる。インド政府の安全勧告が一部では「実際にインド人が被害を受けた」と誤って解釈され、外交的な混乱を引き起こすおそれもあった。

より広い視点では、今回の衝突はイラン防衛体制の脆弱性と、現代戦の性質の変化を浮き彫りにした。イラン国内では、諜報機構の刷新、軍指揮系統の分散化、そして予測分析への過度な依存を見直すよう求める声が高まっている。

イスラエルの作戦は、サイバー戦、人間情報(HUMINT)、精密爆撃を統合した「ハイブリッド戦」のモデルを示し、被害を最小限に抑えつつ、戦略的成果を上げた。この戦術は、今後の中東各国の軍事ドクトリンに影響を与えるとみられている。

一方、チャーバハール港などのインフラ事業に従事するインド人が「イスラエルのスパイ活動に関与していた」との報道がインドおよび一部の国際メディアで浮上した。

『The New Indian Express』や『India Today』によれば、複数のインド人がスパイ容疑でイラン当局に拘束されたとされているが、これらはすべて匿名情報に基づいており、具体的な証拠は示されていない。

イランでは過去にも外国人がスパイ容疑で拘束された例があるものの、イスラエルとの関係が立証されたケースはない。今回の報道も文書、証言、公式な確認を欠いており、あくまで憶測の域を出ていない。

一部の専門家は、こうした報道はイスラエルの心理戦の一環として、同国の情報網の広がりを印象づける狙いがあるとみている。また、イラン政府が外国人労働者に対する監視強化や国内の治安対策の失敗を覆い隠す目的でこの種の情報を利用している可能性もある。

いずれにせよ、こうした報道はインドの外交的立場を複雑にし、テヘランとの間に不必要な摩擦を生む危険性をはらんでいる。

『The Hindu』や『The Wire』といったインド主要紙は、スパイ関与説に対して裏付けが乏しい点を指摘し、懐疑的な見解を示した。イラン国営メディアもこれらの報道を「西側による偽情報」として一蹴している。

匿名情報による報道と、これに続く公式な否定という構図は、情報戦の典型的なパターンに一致しており、相反する言説が世論や政策判断に影響を与える手段として用いられている。

仮にインド人がイスラエルの作戦に直接関与していなかったとすれば、なぜこのような報道が広がったのか。その一因は、現代の戦略的欺瞞という構造にある。第三国の関与を持ち出すことで、混乱を生み、信頼を損ね、外交的コストの転嫁が可能になる。

あるいは、まったく関係のない第三者が独自の意図でこうした危機を利用し、偽情報の拡散を図った可能性もある。

今回の衝突は、現代の戦争が物理的戦場にとどまらず、デジタル空間や情報領域でも同時に展開されていることを改めて示した。人的諜報の重要性はいまだ高く、今回のイスラエルの作戦も、長年にわたりイラン国内に構築された情報ネットワーク──おそらくIRGC内部の情報源も含まれる──によって支えられていたと考えられている。

さらに、米国および西側諸国との情報共有、特に衛星監視や通信傍受は、作戦成功において重要な役割を果たしたとみられている。しかし、明確な証拠がないままイスラエルの成功を外国人民間人の協力によるものとすることは、誤解を招きかねない。

最も重要な教訓は、現代の紛争がもはや伝統的な戦場だけで行われるものではなく、サイバー空間、メディアによる情報戦、秘密作戦といった複数の領域で同時に行われているという現実である。

この現実は、事実と操作された情報を見極めることを一層困難にし、政府、専門家、ジャーナリストに対して、かつてないレベルの注意と検証責任を求めている。(原文へ

INPS Japan/London Post

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1日で過去最多の1,200人超が英仏海峡を渡る 英国防相「国境管理は崩壊した」

【ロンドンLondon Post】

英国では土曜日、過去最多となる1日で1,194人の移民が18隻の小型ボートで英仏海峡を渡り、記録的な越境となった。これを受けて、ジョン・ヒーリー国防相は「英国は国境管理の主導権を失った」と厳しく批判した。

内務省が確認したこの数値は、今年に入ってからの1日あたりの最多記録であり、5月に記録された825人というこれまでの2024年の最多記録を上回った。これにより、今年の海峡越境者数の累計は14,811人に達し、前年同期比で42%増、年初5カ月としては過去最多となった。

ヒーリー氏はこの状況を「衝撃的」と形容し、仏海岸で密航業者が「まるでタクシーのように」移民を乗せて運んでいると非難。フランス側が合意された新たなルール(浅瀬での警察によるボートの摘発)を適用していないことが危機の要因だと指摘した。

ヒーリー氏は、スカイニュースの番組『サンデー・モーニング・ウィズ・トレヴァー・フィリップス』で「事実として、過去5年間で英国は国境の管理能力を喪失し、前政権が亡命制度を混乱に陥れ、移民は過去最多を記録した」と述べた。「密航業者は別の場所から出発し、海上で移民を拾っているのです」と語った。

一方で、現在のフランスとの協力関係は「求められるレベルに達している」としながらも、ルール変更の早期実施が急務だと強調。「我々の最大の課題は、このルール変更を実行に移し、密航業者を摘発し、ボートに乗った人々を海上だけでなく、出発前の段階で止めることです」と述べた。

仏海上当局によると、土曜日に阻止できた移民は184人にとどまり、試みられた越境のわずか15%にすぎなかった。英国側では、国境警備隊や救命艇が救助に当たったが、対応が追いつかず、ヨットやカヤックでの遭難に対処するために漁船まで動員された。

SNS上では、移民がゴムボートに密集して乗る様子を撮影した動画が拡散されている。

この急増は、労働党政権が純移民数削減とビザ要件の厳格化方針を発表してから3週間も経たない時期に起きた。また、移民問題が争点となるスコットランドの重要な補欠選挙を木曜日に控えており、政治的影響も大きい。

保守党の野党は土曜日を「労働党にとっての恥の日」と呼び、「英国は海の上で混乱に陥り、国境警備隊は限界に達している」と非難した。

キア・スターマー首相は、「犯罪組織の壊滅」を掲げ、国際協力の強化、新たな国境安全司令部の設置、そしてテロ対策レベルの権限を関連機関に付与する方針を打ち出している。しかし、季節外れの穏やかな天候も重なり、過去最多の越境が発生したことで、首相の公約は重大な試練にさらされている。(原文へ

INPS Japan/London Post

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神権政治家と治安主義者―イラン・イスラエル間エスカレーションの危険な構造的論理

【ニューヨークATN=アハメド・ファティ】

イスラエルとイランの最新の応酬は、中東を再び地域戦争の瀬戸際に追いやった。メディアは空襲警報、ミサイル攻撃、報復のドローン攻撃といった派手な見出しを並べているが、真に注目すべき語られざる物語は、軍事戦略や外交的失敗ではなく、むしろ「エスカレーションを前提とする統治構造」そのものにある。

これは、中庸派や外交官によってではなく、「神権政治家」と「治安主義者」という2つの強大な権力集団によって支配される体制同士が作り出した戦争である。

Ahmed Fathi.
Ahmed Fathi.
イランにおける二重権力構造:神と銃

イランでは、権力は「宗教的権威」と「軍事的支配」に分かれているが、それは決して均衡が取れているわけではない。最高指導者アリー・ハメネイ師は宗教的正統性を与え、イスラム革命防衛隊(IRGC)がその命令を実行することで国家を支配している。

IRGCは単なる軍隊ではない。石油輸出からテクノロジー監視に至るまで、多くの経済的利権を有する「国家の中の帝国」である。

イランの軍事的対応は単なる報復ではなく、自国の統治体制を示す手段でもある。IRGCは危機によって生き延びる:戦争は国内弾圧を正当化し、制裁は自立を促し、孤立はイデオロギー的純粋性を強調するために利用される。

神権政治家たちは、イスラエルや西側諸国との対立を「神聖な抵抗」として描くことによって、この体制を支えている。そしてこの神話が機能する限り、国内の反対意見や異論は「裏切り」あるいは「異端」として排除できるのだ。

イスラエルの極右治安主義者たち

イスラエルもまた、制度的な転換の途上にある。現首相ベンヤミン・ネタニヤフの連立政権には、超国家主義者や宗教的強硬派が含まれており、イランとの対立を単なる政策ではなく「運命」として捉えている。

モサド(諜報機関)、IDF(イスラエル国防軍)、エリートのサイバー部隊などは、従来は戦略立案に関与してきたが、現在では外交政策そのものを動かすようになっている。

彼らの方針は単純だ――「優位性による抑止」。先制攻撃は警告ではなく、この地域におけるイスラエルの永続性を宣言するものである。

しかしこれは単なる軍事戦術にとどまらない。ネタニヤフにとってイランは、自身の政治的生存のための「外部の脅威」として利用されており、それは国内の分断や司法問題、民主主義の後退から国民の目をそらす道具となっている。エスカレーションは失策ではなく、「制度の一部」なのである。

戦略的誤算ではなく、構造的エスカレーション

我々が目にしているのは、従来の「安全保障のジレンマ」ではなく、「統治のジレンマ」である。

テヘランでもエルサレムでも、紛争は支配の正当性を支えている。神権政治家は実存的脅威を叫び、反対意見を封じ込める。治安主義者たちは、非合理な敵に対しては武力しか通じないと主張する。いずれの場合も、戦争やその脅威は失敗ではなく、「国家運営の手段」となっている。

互いを常に緊張状態に置くことは、双方の利益になる。これは偶然ではなく「構造」そのものである。どちらの体制も、緊張の緩和には報いない。逆に、平穏こそが危険である。それは問いを生み、改革を促し、権力構造を揺るがすからだ。

米国政府は外交戦略を根本から見直すべきだ

米国の対イラン・対イスラエル政策は何十年にもわたり、「イランを制裁し、イスラエルを武装させ、混乱を抑える」という機械的な公式に頼ってきた。しかしこの公式はもはや時代遅れである。なぜならそれは、永続的な対立を生み出す「国内の権力メカニズム」を理解していないからだ。

米国と欧州の同盟国が本気で解決を目指すのであれば、ミサイルや遠心分離機を「病の根源」ではなく、「症状」として捉える必要がある。

長期戦略には以下が必要だ:

  • 武装経済構造を標的にすること:戦争によって利益を得る制度や機関への圧力を強化する。
  • 市民社会への投資:包囲されているというナラティブに異を唱える声――イランの女性人権活動家やイスラエルの人権擁護者などを支援する。
  • 外交の再構築:外交交渉を取引の手段とするだけでなく、和平を不可能にしている国内構造そのものに焦点を当てる。
結論:戦争という論理を無効化せよ

国際社会が「封じ込め」ではなく「構造的関与」に戦略を転換しない限り、この悪循環は続き、さらに悪化するだろう。今日のミサイルの応酬は異常事態ではない。それは、「脅威の中でこそ生き延びるよう設計された政権」の必然的な帰結である。

この連鎖を断ち切るには、単に「自制」を呼びかけるだけでは不十分だ。エスカレーションの論理そのものを「非正当化」しなければならない。

神権政治家と治安主義者が平和を選ぶことはない――少なくとも、戦争が彼らに与える「力」の方が、和平よりも大きい限りは。

だからこそ、政策立案者は次のように問い直さなければならない。「次の攻撃をどう防ぐか」ではなく、「この絶え間ない包囲状態から利益を得ているのは誰か――そして、どうすればそれを終わらせられるか」と。

私たちは今、「平和ではなく、恒久的な危機の中でこそ生き延びるよう設計された」政治システムと向き合っているのだ。(原文へ

INPS Japan/ATN

Original URL: https://www.amerinews.tv/posts/theocrats-securocrats-iran-israel-escalation

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女性と戦争:暴力の犠牲者、そして平和の声

【国連IPS=ジュリアナ・ホワイト】

2023年、約6億1200万人の女性と少女が、紛争地帯から半径50キロ圏内に暮らしていた。これは10年前と比べて50%以上の増加である。戦争中、女性や少女は性暴力をはじめとするジェンダーに基づく暴力の犠牲になりやすい。

現在、120を超える国が武力紛争に関与しており、約1億1730万人が家を追われている。そのうち、女性と少女はほぼ半数を占めており、世界の難民の大多数を構成している。

UN Women(国連女性機関)によれば、武力紛争における女性の死者数は2022年から2023年にかけて倍増し、戦争による死者全体の40%を女性が占めている。

戦争中、女性や少女は拷問、レイプ、性的奴隷、人身売買、栄養失調、必要不可欠なケアへのアクセスの欠如など、過酷な暴力にさらされる。こうした暴力は、スーダン、ナイジェリア、パレスチナ、エチオピア、コンゴ民主共和国(DRC)といった国々で蔓延している。

国連事務総長の「紛争下の性的暴力に関する報告書」によると、2023年には3688件の性的暴力が確認された。そのうち女性と少女が占める割合は95%に達し、前年に比べて50%の増加となった。

Credit: UN

残虐な性的暴行を生き延びた後でさえ、当事国の多くは被害者に十分なケアを提供していない。病院は本来、紛争下においても安全が保障されるべき場であるが、多くは攻撃によって破壊され、閉鎖を余儀なくされている。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、性と生殖に関する健康サービスの中断により、女性と少女が望まぬ妊娠や妊産婦死亡、深刻な性的・生殖器損傷、感染症にさらされるリスクが高まると警告している。

また、UN Womenの報告では、紛争下にある国々では1日あたり約500人の女性と少女が妊娠・出産に関連する合併症で死亡しているとされている。

戦争の影響を受けるのは病院だけではない。多くの学校も、軍による占拠や破壊により閉鎖を余儀なくされている。

「教育への攻撃2024」報告書(GCPEA発行)によると、2022年から2023年の間に学校への攻撃は約6000件にのぼった。

Credit: UN

その攻撃では、死亡、負傷、レイプ、拉致、建物の深刻な損壊などが報告されており、特に女子生徒は学習を再開するのがより困難な状況に置かれている。

「教育は、子ども自身にとってだけでなく、世界の平和、安定、そしてすべての人々の繁栄にとって不可欠です。学校は聖域として扱われるべきであり、たとえ戦時下であっても、すべての子どもが教育を受ける権利を確保することは私たち全員の責任です」と、ヴァージニア・ガンバ国連事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)は2017年の国連会合で語っている。

戦争中、男性からの圧倒的な不平等を受けながらも、平和への解決策を担うのは女性である。調査によれば、女性が和平交渉に参加することで合意の実行率が高まり、合意の持続期間も男性のみで結ばれたものより長くなる傾向がある。

昨年、2024年10月15日には、コロンビアの和平合意の実施から8年を迎えた。同合意は、策定段階から女性を参加させた点で新たな基準を打ち立てたものの、依然として女性の代表性は大きく欠けている。

2020年から2023年の間に行われた和平交渉のうち、8割には女性が関与しておらず、調停の7割でも同様だった。明確な成果があるにもかかわらず、女性はいまだに和平プロセスから排除されている。

女性の平和活動への参画を促進するため、国連などの人権機関は女性の権利を擁護し、各国に対し包摂的な環境の整備を求めている。

しかし、紛争当事者、交渉者、その他関係者が国際的な約束を果たさなければ、女性の平等かつ実質的な参加は実現しない。資金不足や男性優位の軍事・政治権力構造が、依然として大きな障壁となっている。

「女性たちは、男性による戦争の代償を支払い続けている」とUN Womenのシマ・バフース事務局長は語る。「これは、女性に対するより広範な戦争の一環として起きている。女性の権利が意図的に標的とされることは、紛争国に限らず、戦時下では一層深刻になる。私たちはジェンダー平等の“兵器化”を多くの場面で目撃している。この現状に立ち向かい、変化を求めなければ、その代償は何十年にもわたって続き、平和は永遠に手の届かないものとなるだろう。」(原文へ

INPS Japan/IPS UN Bureau

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危機に直面する国連、ニューヨークとジュネーブを離れて低コストの拠点を模索

【国連本部IPS=タリフ・ディーン】

米国では、ビジネスの成功や不動産の価値を左右する要因として、「ロケーション、ロケーション、ロケーション(立地がすべて)」という決まり文句がよく使われている。

現在、国連はシステム全体の構造改革を進める中、深刻な資金難に直面しており、主要な議題の一つとして国連機関の再配置が交渉のテーブルに上っている。高コストの拠点にとどまるのか、より安価な勤務地に移転するのかが問われている。

UN Secretariat Building/ Katsuhiro Asagiri
UN Secretariat Building/ Katsuhiro Asagiri

国連の二大拠点であるニューヨークとジュネーブは、「世界で最も物価の高い都市」とされており、現在の予算内での運営が困難となっている。

ニューヨークには、国連本部のほか、国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、UNウィメン、国連児童基金(UNICEF)など複数の国連機関が拠点を置いている。

一方、ジュネーブは「世界外交の中心地」とされ、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)、国際労働機関(ILO)、国際移住機関(IOM)、世界知的所有権機関(WIPO)、世界気象機関(WMO)など、40を超える国際機関・国連機関が集積している。

こうした中、国連がジュネーブから一部撤退する可能性が報じられると、スイス政府は「ジュネーブにおける国連の存在を支えるための寛大な財政支援パッケージ」を発表した。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は「スイス連邦評議会の決定に非常に感謝している。スイスとの連携により、多国間主義の推進に引き続き取り組む」と述べた。

また、「ジュネーブにおける国連の存在は、国連システムの不可欠な一部である。スイスの支援は、この継続的な取り組みにとって極めて重要である」と語った。

ロイターによれば、スイスは2025年から2029年にかけて、ジュネーブを国際外交の拠点として維持するために、2億6900万スイスフラン(約3億2937万ドル)を支出する計画である。

このうち1億3040万フランについては、年内に議会の承認を求める予定で、前回期間から5%の増額となっている。政府はすでに2150万フランを「ジュネーブ拠点の国際機関への緊急支援」として承認済みである。

U.N. spokesperson Stephane Dujarric/ UN Photo
U.N. spokesperson Stephane Dujarric/ UN Photo

ステファン・デュジャリック国連報道官は記者団に対し、「スイス政府の寛大な支援を歓迎する。ジュネーブにおける国連の存在は極めて重要であり、歴史的な意味もある」と述べた。

元国連エイズ合同計画(UNAIDS)代表で、かつてニューヨークの国連に勤務していたソマー・ウィジャヤダサ氏は「この措置は確かに寛大だが、スイス政府にとって年約6000万ドルの支出は“微々たるもの”である。ジュネーブに拠点を置く40の国連機関がスイスにもたらす経済的貢献は計り知れない」と指摘している。

国連は「UN80」構想に基づき、全機関の官僚機構を監査し、重複を統合する中で、一部のプログラムを運営コストの低い地域へ移転することを模索している。

例えば、UNAIDS(国連エイズ合同計画)は、1995年にエイズ・パンデミックの最中に創設され、当時330万人がHIVに感染し、100万人近くが死亡していたが、現在ではHIV/AIDSは治療可能な病気として管理されている。

ウィジャヤダサ氏は「UNAIDSはWHOと再統合され、運営コストの低いグローバル・サウスの国々に拠点を置くべきである。これらの国では依然としてHIVの行動的感染の課題が深刻であり、より地域に根ざした啓発活動に焦点を当てた軽量なプログラムが有効である」と述べた。

また、ニューヨークとジュネーブに分かれて存在する国連軍縮局(UNODA)も例に挙げた。国連は米国、ロシア、インド、中国などの年間軍事予算の増加を抑えることができておらず、軍縮に失敗している。

たとえば、国連は核兵器禁止条約(TPNW)という法的拘束力のある条約を採択したが、核兵器を放棄した国はなく、核武装を目指す国も存在する。

ウィジャヤダサ氏は「現代の通信技術をもってすれば、ニューヨークやジュネーブにある高コストの部局を維持する必要はない。開発途上国に拠点を移しても、効率的かつ効果的に業務を遂行できるはずだ」と主張した。

一方、国連の再配置計画の一環として、UNFPA(国連人口基金)とUNウィメンをニューヨークからケニアのナイロビへ移転する案も浮上している。ナイロビはグローバル・サウスで唯一の主要な国連本部であり、第4の国連拠点とされている。

UN Office in Nairobi photo credit: UN News
UN Office in Nairobi photo credit: UN News

ナイロビには、国連環境計画(UNEP)、国連人間居住計画(UN-Habitat)の本部があり、その他にもUNICEF、UNDP、FAO、UNIDO、UNODC、UNV、WHOなど多くの国連機関が活動している。

しかし、現在のケニアは政治的危機に見舞われており、混乱が続けば、さらなる国連機関のナイロビ移転に慎重になる可能性がある。

『ニューヨーク・タイムズ』2025年6月26日付の記事「ケニア人、致命的な税制抗議から1年後に再び警察と衝突」によると、少なくとも8人が死亡し、数百人が負傷したとされており、「ウィリアム・ルト大統領政権に対する国民の怒りが露わになった」と報じている。

同日、国連人権高等弁務官事務所は「ケニアでのデモにおいて複数の死者および多数の負傷者が出ているとの報告を深く憂慮している」と声明を発表した。

「一部のデモ参加者に銃創が確認されている。国際人権法において、法執行機関による致死的武力の使用は、生命の保護または切迫した危険の回避が必要な場合に限られるべきである」と述べている。

ステファン・デュジャリック報道官も6月26日、記者団に対し「ケニアでの暴力に深く懸念を抱いており、状況を注視している。命が失われたことに悲しみを感じる。独立かつ透明性のある調査が行われることを期待する」と語った。

ヨーロッパにおいて国連機関をホストしている国々は以下のとおりである:

  • オーストリア(ウィーン):国連ウィーン事務局(UNOV)、国際原子力機関(IAEA)、国連工業開発機関(UNIDO)、国連薬物犯罪事務所(UNODC)
  • オランダ(ハーグ):国際司法裁判所(ICJ)
  • フランス(パリ):国連教育科学文化機関(UNESCO)
  • イタリア(ローマ):国連食糧農業機関(FAO)、世界食糧計画(WFP)、国際農業開発基金(IFAD)/ブリンディジ:国連グローバルサービスセンター(UNGSC)、国連人道支援備蓄庫
  • ドイツ(ボン):国連砂漠化対処条約(UNCCD)事務局、国連ボランティア計画(UNV)、国連防災機関(UNDRR)
  • デンマーク(コペンハーゲン):国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)
  • イギリス(ロンドン):国際海事機関(IMO)
  • スペイン(マドリード):世界観光機関(UN Tourism)
  • ベルギー(ブリュッセル):国連地域情報センター(UNRIC)、人権高等弁務官事務所欧州地域事務所、国連人道問題調整事務所(OCHA)リエゾン事務所

また、ナイロビ以外で国連が移転先として検討している都市には、カタールのドーハ、ルワンダのキガリ、スペインのバレンシアが含まれている。(原文へ

INPS Japan/IPS UN BUREAU

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再定住が人生を変えた―今、彼女は他の人々にも同じ機会を求めて闘っている

【INPS Japan/ 国連ニュース】

かつてアフガニスタンで、法的地位も教育を受ける権利も持たずに生きていた10代の少女、マディハ・アリ・チャンゲジさん。今では、難民再定住の重要性を訴える当事者として、国際社会に向けて積極的に発信している。

現在、彼女はニュージーランドで難民および人権を専門とする弁護士として活動しており、14歳で故郷を追われた自身の経験と、その後に続いた不安定な生活について、6月26日の会合で証言した。

「世界から見えない存在だった」

「私は世界にとって“見えない存在”として育ちました」とアフガニスタンでの生活を振り返る。「権利も、機会も、安全もありませんでした」。

転機が訪れたのは2018年。家族がニュージーランドへの再定住を認められたことで、尊厳と希望、そして未来を取り戻すことができたと語る。

現在は法律家として難民支援に取り組むとともに、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が支援する「再定住および補完的経路に関するコア・グループ(CRCP)」のアドバイザーとして、国際的な政策形成にも携わっている。

彼女の証言は、UNHCRが発表した『2026年版 世界再定住ニーズ予測』の公表に先立ち、場の空気を引き締めるものとなった。

シリア情勢の変化と再定住ニーズ

UNHCRは、2026年に再定住を必要とする難民の数を約250万人と見積もっており、2025年の推定290万人からはやや減少している。この変化は主に、シリアの一部地域で自主的帰還が可能となったことによるものだが、依然として再定住ニーズは歴史的に高い水準にある。

再定住が必要とされる主な出身国には、アフガニスタン、シリア、南スーダン、スーダン、ミャンマー(ロヒンギャ)、コンゴ民主共和国が含まれる。イラン、トルコ、パキスタン、エチオピア、ウガンダといった主要な受け入れ国では、引き続き多くの難民が滞在しており、緊急の再定住ニーズに直面している。

UNHCRの報道官シャビア・マントゥ氏は、「再定住は、単に保護を提供するだけでなく、尊厳と社会的包摂への道を切り開くものです」と述べ、「それは国際社会による真の連帯の証です」と強調した。

深刻な減少傾向への懸念

一方で、UNHCRは懸念も表明している。2025年の再定住枠は、過去20年間で最も低い水準にまで落ち込む見通しであり、新型コロナウイルスによる混乱期をも下回ると予測されている。この減少は、これまでの進展を後退させ、特に脆弱な立場にある難民をさらに危険に晒す可能性がある。

そのような中で、チャンゲジさんの証言は、単なる個人的な経験談を超え、行動を促すメッセージとなった。「再定住は、単なる人道的行為ではありません。それは、私たちが共有する未来への戦略的な投資なのです」と彼女は語った。

受け入れ社会に貢献する難民たち

チャンゲジさんは、難民を単に「脆弱な存在」として捉えるべきではないと強調する。世界各地で再定住した難民たちは、新たな地域でコミュニティを再建し、ビジネスを立ち上げ、社会・経済の活性化に貢献している。「私たちは解決策を提供し、イノベーションを牽引しているのです」と語った。

UNHCRは各国に対し、現在の再定住プログラムの維持に加え、迅速かつ野心的な拡充を求めている。また、地域や状況に応じた多様なニーズに柔軟に対応できる制度の整備も求めている。

困難な状況にもかかわらず、2024年には11万6,000人以上の難民がUNHCR支援のもとで再定住を果たしている。

2026年の国際目標は12万人の再定住。UNHCRは、各国が断固たる意思をもって行動すれば、十分に達成可能な数字であると強調している。

「私の物語を何百万という人々に当てはめてみてください。その影響は、難民だけでなく、彼らを受け入れる社会にとっても計り知れないものになるのです」とチャンゲジさんは述べた。(原文へ

INPS Japan

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生死の決定を機械に委ねることは、道徳的に正当化できない(「ストップ・キラーロボット」エグゼクティブ・ディレクター、ニコール・ファン・ローヤン氏インタビュー)

【CIVICUS/IPS】

自律型兵器システムに関する国際条約の制定を求める270以上の団体によるグローバル市民社会連合「ストップ・キラーロボット(Stop Killer Robots)」のエグゼクティブ・ディレクター、ニコール・ファン・ローヤン(Nicole van Rooijen)氏が、CIVICUSのインタビューに応じた。

2025年5月、国連加盟国はニューヨークで初めて、自律型兵器システムの規制という課題に正面から取り組む会合を開催した。この兵器は、人間の介入なしに標的を選定・攻撃することが可能であり、「キラー・ロボット」とも呼ばれている。これらは倫理的・人道的・法的に前例のないリスクをもたらし、市民社会は、これらが国際法を根本から損ない、世界的な軍拡競争を引き起こす恐れがあると警告している。ガザやウクライナなどの紛争地では、すでにある程度の自律性を備えた兵器が配備されており、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、2026年までに法的拘束力のある条約を採択するよう呼びかけている。

Q: 自律型兵器システムとは何か?なぜそれが前例のない課題をもたらすのか?

自律型兵器システム、または「キラーロボット」とは、人間が起動した後、追加の人間の介入なしに標的を選定し、攻撃することができる兵器です。これらのシステムは、センサーからのデータを処理し、あらかじめ設定された「標的プロファイル」に従って、いつ、どのように、どこで、誰に対して武力を行使するかを自律的に判断します。

私たちのキャンペーンでは、「致死的自律型兵器システム(lethal autonomous weapons systems)」という用語よりも、「自律型兵器システム」という表現を用いています。それは、致死的であるかどうかにかかわらず、こうしたシステムが深刻な危害を及ぼす可能性があるからです。

これらの兵器は、空、陸、海、宇宙といったあらゆる領域において、武力紛争のみならず、法執行や国境警備などの文脈でも使用され得ます。そのため、倫理的・人道的・法的・安全保障上の多くの懸念が浮上しています。

特に深刻なのは、周囲に人がいるか、あるいはプログラムされた標的プロファイルに合致する人物や集団を認識して作動する対人型システムです。これらの兵器は、人間をアルゴリズムによって数値化し、データポイントとして扱うもので、人間性を剥奪する行為です。

どのような機械、コンピュータ、アルゴリズムであっても、人間を人間として認識することも、尊厳ある権利の主体として尊重することもできません。自律型兵器は「戦争状態にある」という意味すら理解できず、ましてや「人間の命を奪うとはどういうことか」など理解できるはずがありません。機械に生死の判断を委ねることは、道徳的に正当化できません。

赤十字国際委員会(ICRC)は、自律型兵器が民間人や非戦闘員の存在が避けられない戦闘状況において、国際人道法を著しく侵害するリスクがあるとし、「そのような状況を想定すること自体が困難である」と述べています。

現在のところ、こうした兵器の開発や使用を規制する国際法は存在していません。技術が急速に進化する一方で、法的な空白が残されていることは極めて危険です。自律型兵器が、既存の国際法に反する形で配備され、紛争を激化させ、責任の所在が不明な暴力を可能にし、市民を危険にさらす事態が現実となり得るのです。

このような懸念から、国連事務総長と赤十字国際委員会の総裁は、2026年までに自律型兵器システムに関する法的拘束力のある国際文書を交渉・採択するよう緊急に呼びかけています。

最近の協議は規制の進展につながったか?

国連総会決議79/62に基づき、2025年5月にニューヨークで非公式協議が開催されました。この協議では、2024年の国連事務総長報告書で提起された課題を中心に、外交界における理解の拡大が図られました。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)における技術的な議論を補完する形で、人道法を超えた広範なリスクが強調されました。

国連総会のプロセスには重要な利点があります。それは、すべての国が参加できる「普遍的な参加」の原則です。これは、特に多くのグローバル・サウス諸国がCCWの締約国でないことを考えると、極めて重要です。

協議の2日間で、各国代表と市民社会は、人権上の影響、人道的結果、倫理的ジレンマ、技術的リスク、安全保障上の脅威について幅広く意見を交わしました。地域ごとの事情や、警察活動・国境管理・非国家主体や犯罪集団による使用の可能性といった実際のシナリオも議論されました。時間の制約はあったものの、参加の幅と議論の深さはかつてないものでした。

私たち「ストップ・キラーロボット」キャンペーンにとって、これらの協議は非常に力強く、有意義なものでした。ジュネーブとニューヨークという2つの国連プロセスは、相互補完的に機能することができます。前者は条約文案などの技術的基盤を築き、後者は政治的なリーダーシップと推進力を醸成する場です。この2つを連携させることで、国際的な法的拘束力を持つ文書の採択に向けた努力は最大化されるのです。

なぜ世界では規制をめぐって意見が分かれるのか?

大多数の国は、自律型兵器システムに関して法的拘束力のある条約を支持しています。そして、多くの国が、「禁止」と「積極的義務」を組み合わせた2層構造のアプローチを提唱しています。

しかし、約10数カ国がいかなる規制にも反対しています。これらの国々は、世界で最も軍事力を有する国々であり、自律型兵器の主要な開発国・生産国・使用国でもあります。

彼らの反対の背景には、軍事的優位性の維持や経済的利益の確保、そしてビッグテック企業や軍需産業によって喧伝される兵器の「利点」への過信があると考えられます。あるいは単に、外交よりも力による解決を重視しているとも言えるでしょう。

いずれにしても、このような姿勢は、いま私たちが最も必要としている多国間協調、対話、ルールに基づく国際秩序の再強化を阻害するものであり、国際社会全体でこれに対抗する必要があります。

地政学的緊張と企業の影響力は規制をどう困難にしているのか?

地政学的な緊張の高まりと企業の影響力の増大は、新興技術の規制策定を困難にしています。

ごく一部の強国が、狭い軍事的・経済的利益を優先し、長年にわたって武器管理を支えてきた多国間協調を損なっています。同時に、テック企業を中心とする民間部門が、説明責任の枠組みの外で政治的意思決定に強い影響を及ぼしています。

こうした二重の圧力のもとでは、規制枠組みが確立されないまま、自律型兵器の開発が加速し、世界の安全保障と人権に甚大な影響を及ぼす恐れがあります。

市民社会はこの議論にどう関わり、規制を求めているのか?

私たちは、2012年にこの脅威にいち早く対応するため、「ストップ・キラーロボット」キャンペーンを開始しました。人権団体や人道的軍縮の専門家が連携し、現在では70カ国以上・270以上の団体が参加する国際的な連合体となっています。

私たちは、武器技術の進化や各国の政策動向についての研究を通じて、自律型兵器のもたらすリスクを明らかにし、国際的な議論を先導してきました。

私たちの戦略は、国、地域、国際のあらゆるレベルの意思決定者に働きかけ、条約の必要性を訴えるものです。政治リーダーが、自律型兵器が戦場や市民生活の中でどのように使われ得るかを理解することが、効果的な働きかけにつながります。

また、世論の圧力も極めて重要です。近年、ガザやウクライナでの紛争における兵器の自律化の進行、そして顔認証技術など民間技術の軍事利用が拡大する中で、こうした技術の非人間性と規制の欠如に対する懸念が高まっています。

私たちは、「自動化された害」の全体像の中で自律型兵器をその極致として位置づけ、この技術と規制との間に存在する危険なギャップを明らかにしています。

さらに、軍事、兵器、テクノロジーの専門家と連携し、現場からの知見をキャンペーンに取り入れています。こうした兵器を実際に開発・運用している人々の声を伝えることで、現状の深刻さと規制の必要性をより強く訴えることができます。

私たちは、人々に対し、署名、議会誓約への参加要請、SNSでの情報拡散など、具体的な行動を呼びかけています。こうした草の根の圧力が、外交官や政策決定者に対して、必要不可欠な法的セーフガードの前進を促す力になるのです。(原文へ

INPS Japan/IPS/CIVICUS

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『保護する責任』20年──理念と現実の乖離

【国連IPS=ジェニファー・シンツー・リン・レヴィン】

国連加盟国は今週、ジェノサイド(集団虐殺)、戦争犯罪、民族浄化、人道に対する罪の防止に対するコミットメントを改めて表明した。だがこの誓いがなされる一方で、世界の大国はこれらの義務を果たせていない現実が突きつけられている。

「保護する責任(Responsibility to Protect=R2P)」原則の採択から20年を迎えた今週、国連では本原則に関する記念の本会議が開催された。多くの代表がR2Pの予防能力に一定の成果を認めた一方で、各国の一貫性の欠如と二重基準が厳しく批判された。

スロベニア代表は、ジェノサイドや人権侵害に関する議題での安全保障理事会常任理事国の拒否権行使を批判し、「人々の尊厳が脅かされているとき、迅速な対応が必要であるにもかかわらず、拒否権がそれを妨げている」と述べた。さらに、R2Pが関与する事案においては常任理事国による拒否権行使を認めるべきではないと提案した。

A view of the meeting as Security Council members vote the draft resolution on Nuclear-Test-Ban Treaty on 23 September 2016. UN Photo/Manuel Elias.
A view of the meeting as Security Council members vote the draft resolution on Nuclear-Test-Ban Treaty on 23 September 2016. UN Photo/Manuel Elias.

この発言は名指しこそ避けたものの、アメリカ合衆国とロシア連邦という、過去1年以内に拒否権を行使した2カ国を暗に批判するものである。米国は中東問題、とりわけパレスチナに関連して、ロシアはスーダンおよび南スーダンをめぐって拒否権を行使している。

こうした批判は今回が初めてではない。「説明責任・一貫性・透明性(ACT)」連合に属する中小規模国グループは、すでに「ジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪への対応に関する安全保障理事会の行動規範(Code of Conduct)」を提案しており、R2P公式サイトによれば、この規範は「大量虐殺の防止・阻止を目的とする信頼性ある決議案に対し、安全保障理事会のすべてのメンバー(常任・非常任を問わず)が反対票を投じることを控えるよう求めている」。2022年時点で、121カ国と2つのオブザーバーがこれに署名している。

R2Pは、ルワンダ旧ユーゴスラビアでのジェノサイドに国際社会が適切な対応を取れなかった反省を踏まえ、市民を大量虐殺などから保護することを国家の義務として再定義するために設けられた。

Remains of some of the over 800,000 victims of Rwanda’s genocide. Credit: Edwin Musoni/IPS
Remains of some of the over 800,000 victims of Rwanda’s genocide. Credit: Edwin Musoni/IPS

ガンビアやケニアといった地域では、R2Pが調停に成果を挙げた実例もあるが、グテーレス国連事務総長が「保護する責任:原則的かつ集団的な行動への20年の誓約」と題した報告書で指摘したように、シリアやミャンマーのように拒否権の行使によって国連が行動できなかった地域もある。

The International Criminal Court (ICC) in The Hague, Netherlands
The International Criminal Court (ICC) in The Hague, Netherlands

R2Pの効果を妨げているもう一つの要因は、スロベニアおよびオーストラリアの代表が指摘したように、「国家の責任回避と説明責任の欠如」である。

国際刑事裁判所(ICC)国際司法裁判所(ICJ)の判決が軽視され、制裁が科される状況も問題視されている。この批判は、ICCが米国およびイスラエルの軍事行動に関する捜査を開始したことに対し、米国が4人のICC判事に制裁を科したことに対するものとみられる。

米国およびイスラエルはいずれもICCの管轄権を認めておらず、その判決には従わない立場を取っている。

ATN
ATN

ホワイトハウスの声明でドナルド・トランプ大統領は次のように述べた:「米国はICCの違法行為に関与した者に対して、資産の差し押さえや米国への入国禁止など、具体的かつ重大な結果を科す。我々の国家の利益を損なう恐れがあるため、ICCの職員や家族の入国は許可されない。」

国連総会では、多くの代表が国際裁判所や国際法廷の公正な判断を支持する立場を改めて強調した。影響力の大きい加盟国から言葉による非難や経済的な圧力があっても、その姿勢を貫くべきだと訴えた。

現在、R2Pの原則と実行の間に最も深刻な乖離が見られるのがガザでの紛争である。インドネシア代表は、パレスチナに対するジェノサイドを「R2Pにとって最も緊急の試金石」と呼び、国際法の尊厳を再生し、国連の信頼を回復するよう各国に強く促した。

国連への信頼が揺らぐ中、加盟国の多くは、人道犯罪への対応を通じて国連の正統性を再確立すべきだとの圧力を感じている。

ある代表はこう述べた―「歴史は私たち全員を裁くことになる。」(原文へ

United Nations Headquarters in New York City, view from Roosevelt Island. Credit: Neptuul | Wikimedia Commons.
United Nations Headquarters in New York City, view from Roosevelt Island. Credit: Neptuul | Wikimedia Commons.

INPS Japan/ IPS UN BUREAU

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スーダン各地で飢饉のリスクが高まる


【国連IPS=オリトロ・カリム】

2025年に入り、スーダンにおける食料安全保障の状況は著しく悪化している。スーダン内戦が長期化する中、数百万人の市民が深刻な食料不安に直面しており、飢饉に陥る危険性が高まっている。人道支援の専門家は、スーダンの状況を「現在世界最悪の飢餓危機」と評している。

2年以上にわたる武力衝突により、スーダンでは重要なインフラや無数の生計手段が破壊され、基本的なサービスにアクセスできない人々が急増している。国連世界食糧計画(WFP)は、スーダン人口の約半数にあたるおよそ2,460万人が急性の食料不安に陥っていると推定している。また、約63万8,000人が最も深刻な飢餓レベルにあるとされ、これは世界で最も高い数値だ。

6月12日、WFP、国連児童基金(UNICEF)、国連食糧農業機関(FAO)は、上ナイル州における食料安全保障の現状に関する共同声明を発表した。この地域では武力衝突が激化しており、人道支援の供給が困難になり、食料供給源も壊滅的な打撃を受けている。統合食料安全保障段階分類(IPC)の最新調査によると、上ナイル州の13郡のうち11郡で緊急レベルの飢餓が発生しているという。

とりわけ脆弱な地域はナシール郡とウラン郡で、3月以降、武力衝突と空爆が続いている。これらの地域では住民の避難が急増しており、専門家らは「飢饉が差し迫っている」と警告している。現在、およそ3万2,000人が最も深刻な飢餓(IPCフェーズ5=壊滅的状況)にあり、これは以前の予測の3倍に達している。

WFP南スーダン事務所代表のメアリー=エレン・マクグローティ氏は、「今回も、紛争が食料安全保障に壊滅的な影響を与える様子が浮き彫りになりました」と述べた。「紛争は家や生計を破壊するだけでなく、地域社会を分断し、市場へのアクセスを断ち、食料価格を急騰させます。長期的な平和が不可欠ですが、今は何よりも、上ナイル州の紛争下にある家庭へ、安全に食料を届け、飢饉を防ぐことが急務です」と語った。

上ナイル州だけでなく、戦闘の中心地となってきたハルツーム州周辺地域でも、食料安全保障は著しく悪化している。WFPスーダン事務所代表のローラン・ブケラ氏は、ハルツームおよびその周辺地域について「広範な破壊が進んでおり、複数の地域で飢饉のリスクが極めて高い」と述べた。

「ニーズは極めて大きい」とブケラ氏は言う。コレラの深刻な流行、水・医療・電力の欠如が加わり、状況は悪化しているという。ハルツームの南約40キロに位置するジャバル・アウリヤでは、「飢餓、困窮、絶望の極みにある」と報告している。

またブケラ氏は、ハルツームのような深刻に破壊された危険な地域に、避難民が戻ってくる可能性にも懸念を示している。これは支援活動のさらなる困難につながる恐れがあるという。「我々は急速に支援体制を拡大し、増大するニーズに対応しています。毎月700万人に支援を届けることを目標とし、飢饉に直面している地域や極度の危険下にある地域を優先しています」と語った。

資金不足も事態の悪化を加速させている。命を救うための栄養補給物資は数百万人にとって手の届かないものとなっており、その中には多くの子どもや妊産婦も含まれる。南スーダンで急性栄養不良の危機に直面している子どもの数は、ここ数カ月で230万人に増加し、20万人以上の増加となった。

「最も被害の深刻な地域ではアクセスが困難であり、保健・栄養施設の閉鎖が、早期介入や治療の機会を減らしています。また、コレラの流行がすでに厳しい状況にさらに追い打ちをかけており、多くの子どもたちが生死の境に置かれています」とUNICEF南スーダン代表のノアラ・スキナー氏は述べた。マクグローティ氏も「今こそ、栄養不良の予防と治療のためのサービスを継続・拡充する必要があります」と訴えた。

敵対行為によりスーダン全土でアクセスが制限されているものの、国連は現在、月間400万人以上に支援を届けており、これは2024年初頭の4倍に相当する。以前は支援が届かなかったハルツームのような地域でも、制限が緩和され、人道支援の提供が可能となりつつある。WFPは、制限のさらなる緩和により、700万人への支援を目指している。

とはいえ、この支援体制は非常に不安定である。ブケラ氏によれば、WFPは今後6カ月間の「緊急食糧および現金支援」に向けて、5億ドルの資金を緊急に必要としている。また、間近に迫った雨季は、洪水による感染症の拡大やインフラ被害のリスクを高め、支援物資の供給にもさらなる負担を強いると見られている。

さらに、人道支援従事者に対する攻撃の増加が支援活動に深刻な脅威をもたらしている。「人道支援関係者および物資に対する無差別で容認しがたい攻撃がエスカレートしています。先週も、WFPとUNICEFの合同車列が、包囲下の北ダルフール州エル・ファシールに到着する数時間前に攻撃を受けました」とブケラ氏は述べた。「4月には、ザムザム難民キャンプ近郊で戦闘が激化し、複数の支援従事者が命を落としています」

この危機に持続的な終止符を打つには、恒久的な敵対行為の停止が不可欠である。WFP、FAO、UNICEFの共同報告では、暴力の程度が低い地域では食料安全保障が改善されていると指摘されている。そうした地域では農作物の生産が安定し、人道支援も円滑に行われているためであり、平和が確立されれば状況が好転する可能性を示している。(原文へ

INPS Japan/IPS UN Bureau

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希望を届ける放送―アフガンの10代少女、女性の声ラジオで未来を取り戻す

著者は、タリバンによる政権奪還前にフィンランドの支援を受けて訓練を受けた、アフガニスタン在住の女性ジャーナリストです。安全上の理由により、名前は伏せられています。

【カブールIPS=匿名記者】

メーラギズは、アフガニスタン北東部バダフシャーン州出身の16歳の少女です。ルビーなどの宝石で知られるこの地は、「愛と美の地」としても親しまれています。

2021年にタリバンが政権を奪還して以降、女性たちの自由は厳しく制限され、将来への希望を断たれた生活を強いられるようになりました。その影響で、女性の間では精神的な危機や自殺が急増しています。

そんな中、メーラギズは「女性の声ラジオ」との出会いによって、人生を取り戻すことができたと語ります。以下は、彼女自身の言葉による体験談です。


Map of Afghanistan
Map of Afghanistan

かつて10年生の私は夢と希望に満ちていました。毎日、昨日よりも努力して、将来達成したい目標のために勉強を重ねていました。私の村には電気がなかったため、灯油ランプのそばで夜遅くまで勉強していたのです。いつか夢が叶うと信じて。

ある日、庭で日記を書いていると、クラスメートの叫び声が聞こえました。「もう学校に通えない、勉強できない」と。私は呆然とし、声も出せませんでした。

日が経つにつれ、「この状況は一時的なものだ」と信じ、勉強を続けました。世界の他の地域の少女たちのように成功したい、その一心で。

しかし、ついに私の中の何かが折れました。少女たちはいつ学校に戻れるのか?その問いに、答えは永遠にないかのようでした。私は戦う意欲を失い、不眠と食欲不振に陥り、夢見た世界は真っ黒に染まっていきました。

日々はどんどん苦しくなり、もう耐えられないと思いました。怒りと絶望のあまり、ある日、私はすべての教科書を燃やしてしまったのです。

その後は、未来のことを考えないように、家事や身体を動かすことに没頭しました。もう勉強しようとは思いませんでした。

ある日、母と買い物に出かけた帰りに、人生を変える出会いが訪れました。女性専用レストラン「ケドバヌ」で昼食を取っていたとき、バダフシャーンで最も人気のあるラジオ局「サディー・バノワーン」で医師がうつ病について語っていたのです。

その語り口に私はすっかり引き込まれ、食事の手を止めて耳を傾けました。母に目配せをして伝えると、彼女も真剣に耳を澄ませました。医師の言葉、そしてまるでアフガンの少女たちの苦しみを理解しているかのような司会者の質問に、私たちは釘付けになりました。

放送終了後、私はラジオ局に電話をかけ、個別に相談ができるか尋ねました。すると、喜ばしいことに、医師に直接相談できると教えてもらいました。

翌日、私はラジオ局の門の前に立っていました。期待と不安が入り混じった気持ちで。

アフガニスタンでは皆が自分の問題に追われており、私のような少女の悩みに耳を傾けてくれる人などいないのでは…そう思っていました。

けれど、あの放送で心を動かされた同じ医師に直接会い、相談できたことで、私は生きる力を取り戻すことができました。

「魂を傷つけたり、家族を苦しめたりするのではなく、別の生き方を探しましょう。神を信じましょう」と彼女は私に語ってくれました。

彼女の助言は、私の人生への姿勢を変えてくれました。困難に立ち向かう力をくれたのです。

友人に会いに出かけること、オレンジや赤、黄色のような明るい色の服を着ること、楽しいことを見つけること。そういった前向きな行動を促されました。

これまでに4回の無料心理療法を受け、精神状態は約30%改善しました。以前とは違い、今の私は、人生に鮮やかな色彩を見出せるようになったのです。

女性の声ラジオ:制限の中の灯火

「女性の声ラジオ」は2010年から放送を開始し、バダフシャーンの女性たちの間で特に愛されてきた人気番組です。現在は24時間体制で放送され、男女問わず多くの聴取者に向けて情報を発信しています。

しかし、2021年以降のタリバン政権下で、この女性専用ラジオ局にも厳しい制限が課されました。政権発足当初、広告に数秒の音楽が含まれていたという理由で23日間の閉鎖措置を受けたこともあります。

それでも放送再開後は、「マクタブ(学校)」という新番組を立ち上げました。これは、7年生から12年生までの少女たちのために、教師や専門家がカリキュラム教材をラジオで提供するものです。

また、心理療法番組「サイコセラピー」では、家に閉じ込められた多くの女性たちの心の支えとなるよう、専門医がうつ病やストレスへの対処法を紹介しています。将来的には、こうしたニーズに応えるために、大規模な心理療法センターの設立も計画されています。

さらに「女性の懐に抱かれた芸術」は、創造性と勇気にあふれた女性たちの取り組み―ビジネスや投資など―を紹介する番組で、他の女性たちにとってのロールモデルとしても機能しています。

新たな章の始まり

そして今、私は幸運にも「女性の声ラジオ」で働く機会を得ました。ここでの勤務は3カ月目に入りました。

初日に迎えてくれた仲間たちの笑顔と温かいハグは、今でも忘れられません。

私はここで「困難を乗り越えること」「他者を支えること」という、人生で最も大切なことを学んでいます。

UN Photo
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世間にとって「女性の声ラジオ」はただの放送局かもしれません。でも、私にとっては“人生の大学”―幸せに生きる術を学ぶ場所なのです。

私は今、小さくても力強い家族の一員なのです。(原文へ

INPS Japan/IPS UN Bureau

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