【国連IPS=ナウリーン・ホサイン】
原則として、核兵器の不拡散は国際社会が一致できる課題である。しかし、ごく一部の国々にとって、こうした原則には条件が付き、自国の安全保障戦略をめぐって妥協を拒む姿勢が伴っていた。|ENGLISH|
核兵器不拡散条約(NPT)第11回運用検討会議は5月22日、最終成果文書について締約国間のコンセンサスに至らないまま閉幕した。これは、4月27日に始まった4週間にわたる広範な討議に加え、会議に先立って行われた特別会合、協議、ブリーフィングを経た末の結果であった。

会議前および会期中に示された以前の草案と比べ、最終草案では、核兵器国の義務、なかでも軍縮努力に関する文言が大幅に弱められた。それでもなお、2015年、2022年に続き3回連続で、NPT締約国は成果文書を採択することができなかった。
会議の閉会会合で、NPT運用検討会議議長を務めたベトナムのドー・フン・ヴィエット国連常駐代表は、核兵器がもたらす集団的脅威には集団的対応が必要だと述べた。ヴィエット氏は、2031年にはNPTが成果文書を採択できないまま20年を迎えることになると警告した。また、締約国には、軍縮交渉を誠実に追求することを求める第6条が履行されるまでNPTを支え続ける責任があり、今日の脅威に対処する手段として同条約を強化する必要があると訴えた。
会議閉幕後、ヴィエット氏は記者団に対し、現在の国際環境は、近年の緊張の高まりを受けて「緊急の行動」を必要としていると語った。会議はコンセンサスに達しなかったものの、各国の積極的な関与は「NPTと多国間主義全体の価値を示している」と評価した。一方で、締約国によるコミットメントの履行という観点から、条約の将来に懸念を示した。

国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長は、NPT締約国が核不拡散体制への「信頼のさらなる低下」を防ぎたいのであれば、測定可能な措置を通じて「目に見える形でコミットメントを示す必要がある」と指摘した。
中満氏は、国際社会全体が今回の会議から教訓を汲み取る必要があると述べ、まずは既存の条約に基づく軍縮に関する約束の実施を加速させるべきだと指摘した。また、各国によるNPTに基づく約束の履行をめぐり、説明責任と透明性を高める措置を含む「運用検討プロセスの強化」を求める声も強まっている。
「不拡散と軍縮は表裏一体であり、核兵器国が第6条に基づく軍縮義務へのコミットメントとその履行を示さないまま、不拡散義務だけが守られると考えるのは誤りである」と中満氏は述べた。
核兵器保有国を含むNPT締約国は、NPTを多国間外交と核軍縮体制の「礎」と繰り返し位置付けてきた。しかし、包括的核実験禁止条約(CTBT)や核兵器禁止条約(TPNW)など他の核関連条約については、そうした認識はほとんど示されなかった。最終成果文書草案はこれらの条約に限定的に言及しているものの、それらが定める軍縮義務については詳しく触れていない。
最終成果文書草案で注目されたのは、NPT運用検討会議の文脈で初めて、核実験がもたらす人道的・環境的影響に言及した点である。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の専門家らは、これは市民社会や核兵器使用・核実験の被害を受けた地域社会による働きかけの成果だと指摘した。
とりわけ草案は、「核兵器使用および核爆発実験の被害を受けた人々や地域社会への支援、ならびに核兵器使用および核爆発実験後の環境修復を求める声が高まっていることを認識する」とともに、「この点に関してすでに行われている取り組みを歓迎する」としている。
また草案には、加盟国に対し、核兵器使用や核実験の被害を受けた人々や地域社会の経験を共有することを通じて、「核軍縮および不拡散に関するあらゆる課題について、教育を含め、人々の意識向上を図るための具体的措置を講じる」よう求める文言も盛り込まれた。

NPTの重要性を認めるこうした姿勢は、核武装国の行動や発言とは矛盾している。国連安全保障理事会の5常任理事国を含むこれらの国々は、いずれもNPTの原則や、より広範な軍縮努力と相いれない立場を維持している。これらの国々は、核戦力を拡大する計画を公然と示し、「拡大核抑止」や核共有といった概念でそれを正当化しながら、安全保障戦略における核兵器の重要性を高めている。さらに、自国の核戦力拡大を検討する国々にも、そうした考え方が影響を及ぼしている。安保理理事国のうち2カ国(=米国とロシア)は、それぞれ別個の進行中の紛争に関与しており、地政学的緊張を一段と悪化させるとともに、安全保障戦略としての核兵器をめぐる不安を再燃させている。これらの紛争に終わりが見えない中、そうした不安はさらに深まり、今後何年にもわたって世界および地域の安全保障政策を形作っていくことになる。
ICANのような市民社会団体にとって、NPTが成果を出せなかったことは、核保有国とその同盟国の間で拡散リスクが高まっていることを象徴している。
「核抑止による安全を主張する国々が、これらの兵器が実際に人々や環境に何をもたらすのかについての議論を避けたがるのには理由がある。彼らは、核兵器がもたらす恐怖と残虐性の真の規模を人々に知られたくないのだ。なぜなら、そうした被害を認めれば、核兵器を保持することに対する説得力ある正当性はすべて失われるからである。」と、ICANプログラム部長のスージー・スナイダー氏は述べた。
では、これらの国々に立場を転換させるには何が必要なのか。スナイダー氏はIPSの取材に対し、核兵器に対する「負の烙印を強める(=スティグマ化する)」ことが一つの方策になると語った。核兵器がもたらす壊滅的破壊と、それが標的となる地域社会だけでなく自国民にも及ぼす影響を、これらの国々の人々に認識させるためには、核兵器使用のタブーを強め、国民の意識を高めることが不可欠である。スナイダー氏はまた、核拡散には文字通り莫大な費用がかかっていると指摘し、2024年には核武装国が核戦力に毎秒3000米ドル以上を費やしたと述べた。

最後に、核抑止論に基づく安全保障ドクトリンそのものに異議を唱える必要がある。ICANの国連連絡担当を務めるセス・シェルデン氏は、核兵器が軍事的観点から無用であり、政策的観点から持続不可能であると見なされるようになれば、核保有国は自らの立場を再評価するだろうと指摘した。「核兵器は非合理である。核抑止は寓話にすぎない。そして、あらゆる技術は、もはや有用ではないと見なされた時点で放棄される。」とシェルデン氏は述べた。

2026年NPT運用検討会議はコンセンサスを得られないまま閉幕したが、加盟国には、NPTプロセスの内外で核軍縮の課題を進めるための他の道筋がなお残されている。各国間には個別の非核兵器地帯条約が存在し、CTBTやTPNWのような条約も、締約国に対して法的拘束力のある義務を課している。スナイダー氏は、TPNWが今年末に初の再検討会議を開催すると確認した。一方、NPTは現在の形で存続しており、締約国は核体制に関するその義務と保障措置を認識している。
国連総会は2024年、起こり得る核戦争の影響を検証する独立科学パネルの設置を後押しした。同パネルの専門家らは、2027年に調査結果を発表する予定である。
核体制への信頼を回復するには、核体制をめぐる世界の世論を喚起することが極めて重要である。さもなければ、中満氏が警告したように、世界は「極めて危険な道筋」に向かうことになる。
「軍拡競争の力学を生み出すのではなく、より持続可能な平和へと向かう道に戻ろうではありませんか。」と中満氏は語った。
This article is produced to you by IPS NORAM, in collaboration with INPS Japan and Soka Gakkai International, in consultative status with UN ECOSOC.

INPS Japan
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