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国連総会ハイレベルフォーラム、「平和の文化」を訴える

【ニューヨークIDN=J・R・ナストラニス】

国連総会が9日、「平和の文化と非暴力」について討論するハイレベルフォーラムを開催した。このフォーラムは、あらゆる部門で多次元にわたる紛争が噴出し世界が引き裂かれようとしている今日の時代状況のなかで、世界市民性を涵養(かんよう)するうえで重要な貢献を成した。

サム・カハンバ・クテサ国連総会議長が招集した第4回「平和の文化に関する国連ハイレベルフォーラム」では、国連の高官や著名な平和活動家らが、「平和は単に紛争の不在を意味するものでも、紛争の終結によって自動的にもたらされるものでもなく、多様性や平等、民主的参加、教育へのアクセスといった価値を実現する社会を作り上げることによってもたらされるものである。」と指摘した。

終日にわたって開催される国連ハイレベルフォーラムは、2012年以来ニューヨークの国連本部で開かれており、元国連事務次長でバングラデシュ大使のアンワルル・K・チョウドリ氏が起草委員会の委員長となって1999年に国連総会で採択された平和の文化に関する「宣言」と「行動計画」を履行する重要性について、協議する場となっている。

Ambassador Einar Gunnarsson of Iceland/ UN Photo

今回のフォーラムでは、政府、地域のリーダー、宗教指導者、教育関係者、メディアなど、全ての利害関係者が非暴力の文化を創出するうえで各々の役割を持っていることが強調された。多くの発言者が、ポスト2015年の時代において、世界の民衆の生活の全般的な改善に向けたビジョンを前進させていくことが優先されねばならないという点で意見が一致した。

クテサ国連総会議長の代理で発言したアイスランドのアイナール・ギュナルッソン国連大使は、「平和は、開発が伴わなければ見果てぬ夢に過ぎません。これこそが、平和の文化を促進し平和な社会を確実にするうえでの中心的な課題のひとつです。」と語った。70年以上にわたって、平和への欲求が国連の活動のほぼすべての面を突き動かしてきた。しかし、テロやサイバー犯罪、人身売買、気候変動といった新しい諸課題が、その夢の実現を遠ざけている。

United Nations Sustainable Development Summit 2015/ Sustainable Development Knowledge Platform

「『国連持続可能な開発サミット』(9月25日~27日)で採択される予定の、2030年に向けた『持続可能な開発アジェンダ』は、平和で包摂的な社会の促進を必要とする17の開発目標を含んでいます。そして、その効果的な履行を確実にする責任は、私たちにあるのです。」とギュナルッソン大使は指摘した。

潘基文国連事務総長は、「今回のフォーラムは『国際社会が直面している極めて困難な現実』に立ち向かうためのものです。今日世界では、戦禍に引き裂かれた数多くの地域で、国際人道・人権法の恐るべき違反が横行しており、概して平和的で民主的な社会においても、少数派の人々が攻撃されています。私たちは、こうした被害から目をそむけたり、心を閉ざしたりすることはできません。」と強調した。

潘事務総長は、マハトマ・ガンジーの厳しい警告を引用して「他者の信条に対して、単に寛容になるだけではなく、自分のこととして尊重できなければ、地球に永続的な平和は訪れない。」と語った。

マハトマ・ガンジーの孫にあたるアルン・ガンジー氏は、基調講演でこのテーマについて論じ、「ナショナリズムで世界を維持することはできないと祖父は考えていました。なぜなら、ナショナリズムは、他者への配慮がなくても自らが存在できるという印象を作り出してしまうからです。私たちの将来と運命は互いに繋がっています。安定した中で生きていく唯一の方法は、安定を創り出すことであり、それは、協働した努力でなければなりません。」と語った。

Arun Gandhi/ UNTV
Arun Gandhi/ UNTV

ガンジー氏はまた、「祖父の非暴力の哲学は個人の変革に関わるものでした。私たちはみな、社会の一部を構成しています。私たちがそれぞれ非暴力を理解し、それを実践しなければ、平和を信じる政府をつくることなどできません。平和は個人から始まらねばならないのです。」と語った。

ガンジー氏は、話を核心に戻し、子どもの頃に鉛筆を投げ捨ててしまい、祖父に拾ってくるように諭された想い出について次のように語った。「その際祖父が説明してくれたことは、『人間が天然資源を使うということは、自然への暴力に他ならない』ということでした。暴力は資源の浪費や他者の搾取によってなされるものです。今日、米国だけでも、毎年200億ドル分もの食料が廃棄されている一方、100万人以上が空腹のうちに床に就かねばならない状況にあります。」

「非暴力の文化は、愛と尊重、理解、感謝、自己実現によって創られるものです。」と指摘したうえで、「私たちは、万物とのつながりを尊重しなくてはなりません。私たちはある目的のために存在しているのであり、その目的を見つけ、実行せねばならないのです。」とガンジー氏は強調した。

ラウンドテーブル

フォーラムでは、2つのラウンドテーブルで中核的なテーマについて討論を行った。「ポスト2015年持続可能開発アジェンダの文脈における平和の文化」と題された一つ目のラウンドテーブルでは、今後15年間で「平和の文化」をどう涵養していくのか、その戦略について話し合った。さらに「平和の文化促進におけるメディアの役割」と題された二つ目のラウンドテーブルでは、さまざまな形態のメディアを、寛容と相互理解の促進のためにいかに使用しうるかについて検討した。

Ambassador Anwarul Chowdhury/ Hiro Sakurai, SGI
Ambassador Anwarul Chowdhury/ Hiro Sakurai, SGI

チョウドリ大使は、一つ目のラウンドテーブル開会にあたって、「国際社会は社会に埋め込まれた構造的暴力をなくす努力をしなくてはなりません。平和がなければ、持続可能な開発のための2030年アジェンダの目標を達成することは不可能だ。」と強調した。

ルーマニアのエミル・コンスタンティネスク元大統領は、「チュニジアやエジプト、シリアでの近年の民衆運動は、対話と効率的な外交の不在に対する注目を高めました。紛争の予防には包括的でバランスの取れたビジョンが必要で、そのためには、さまざまな民族的・宗教的集団の利益や、独立国市民の権利と義務について理解がなければなりません。」と語った。

ユネスコのフェデリコ・マヨール元事務局長は、「この25年、多くの素晴らしい計画やアジェンダ、行動計画が存在したが、約束はなされたものの行動が伴わなかったことから、それらは『全く無用であった』と言わざるを得ません。現実には、子どもが毎日餓死していく中で、各国は軍事支出に投資を重ねてきたのです。また環境面でも不可逆的と思われるプロセスが進行しており、持続可能性は既に危機に立たされています。」と語った。

マヨール元事務局長はまた、「現在の世代にはこの状況を反転させる大きな責任があります。なぜなら、国際社会は後戻りできない地点に来ているからです。まもなくここ国連で採択される予定の措置は非常に良いものになるだろうと確信しています。しかし、私たちの手には既に素晴らしい決議文書が多数あり、その後何も起こらなかったというこれまでの教訓を想起しておくべきです。これ以上の先送りはできません。」と警告した。

その他のパネリストは、コロンビアのマリア・エマ・メジャ国連大使、ポスト2015年開発計画に関する事務総長特別顧問のアミーナ・モハメッド氏、グローバル政策フォーラムおよびソーシャル・ウォッチのアドバイザーであるバーバラ・アダムズ氏である。加えて、国連広報局NGOプログラム実行委員会を代表して、エリザベス・シューマン氏がパネリストとして参加した。

パネル討論「平和の文化促進におけるメディアの役割」は、リベリアのマージョン・V・カマラ国連大使が司会進行を行った。パネリストは、バングラデシュのアブルカラム・アブドゥル・モメン国連大使、国連のクリスティーナ・ギャラック事務次長(広報担当)、「メタ非暴力センター」のマイケル・ナグラー代表、「フェミリンク・パシフィック」(フィジー)の代表で創設者のシャロン・バグワン=ロールズ氏である。

討論開始にあたってリベリアのカマラ大使は、「自由で参加型の情報交換を通じて変化を強力に生み出すメディアには、『平和の文化』を前進させるうえで重大な役割があります。」と語った。

バングラデシュのモメン大使は、個人的な経験を語る中で、「メディアは巨大な政治力を生み出し、適切に使われることで、社会変化をもたらす重要な主体となってきました。メディアは、その旧来のあり方を超えて、これまでになかったような形で、人々に情報を提供し教育するオンラインの社会基盤を包含するようになってきています。『ペンは剣よりも強し』という標語は、メディアをポジティブな方向に変化させる取り組みの緊急性を強調したものです。とりわけメディアには、憎悪と不寛容を終わらせ、相互尊重の発想を生み出すことが必要です。」と語った。

「フェミリンク・パシフィック」のバグワン=ロールズ氏は、パネル討論をまとめて、「コミュニティ・メディアには、国連安保理決議1325(2000)に基づいた安全保障の観念を変える能力があります。旧来型の広報を超えるような役割をコミュニティ・メディアが担わなければ、ポスト2015年におけるその役割は限定されたものになるでしょう。報道内容は、目標達成という観点から進歩や不足を反映したものでなければならないし、女性自身が平和や安全、開発といった言葉を定義できるようなものでなければなりません。」と語った。

バグワン=ロールズ氏はまた、「一体誰がニュースをつくり、なぜそれが家父長的な権力のあり方を基盤にしてはならないのか?」と問いかけるとともに、「国連加盟国は、地域社会の見方に敏感でなければなりません。」と強調した。そして「世界市民を涵養するという目標を見据えて、持続可能な平和と開発を前進させる努力の中で、多様性と権力の脱中心化を図れるような立法、規制面での環境整備が必要です。」と語った。(原文へ

翻訳=IPS Japan

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イスラエルはいかに世界市民に貢献しているか

【ハイファIDN=メル・フリクバーグ】

イスラエルは様々な方法で世界市民に貢献している。例えば、途上国から留学生を受け入れ開発問題に対処する支援を行ったり、緊急事態を潜り抜けてきた自国の経験を生かして世界各地で支援活動や緊急援助を実施している。

ダヴィド・ベングリオン氏など、イスラエルの創始者らは、専門知識や資源を途上国と共有することによって、善への力になるというビジョンを表明している。

“Golda Meir” by Marion S. Trikosko/ Wikimeida Commons

「私は、これまで手掛けてきた他のいかなるプロジェクトよりも、イスラエルの国際協力プログラムを誇りに思っています。それは、ユダヤ主義の中核にある社会的公正への取り組みを象徴するものだからです。」と、ゴルダ・メイア元首相は、イスラエルの対外支援政策の重要性について見解を述べている。

多くのイスラエルの大学が、公衆衛生や農業を学ぶ途上国からの留学生に奨学金を提供している。

イスラエルの大学・学界と緊密に協力している英国のピアース財団もそうした組織の一つだ。イスラエルに登場しつつある国際開発部門に対して、支援インフラを提供している

「私たちの取り組みは、必須技術を提供し、イスラエルと途上国との間に永続的な関係を育んでいこうとするものです。」とピアース財団は述べている。

「私たちのプログラムは、意義のある社会変革を生み出し、尊重と理解を増進し、人々が自らのコミュニティーと大切にしている大義を支援するよう鼓舞するものです。」

Pears Foundation

イスラエルはまた、世界市民の取組みの一環として、強力な紛争解決産業の育成に力を入れており、留学生を対象に修士レベルの各種プログラムを提供している。

「イスラエルには、紛争解決に関連した65の研究機関と数多くのプログラムがあります。人口800万人に満たない国としてはかなりの数にのぼります。」とハイファ大学法学部長のガド・バルジライ教授はIDNの取材に対して語った。

しかし、パレスチナ問題に関して批判的な人々は、イスラエルの理論上の専門知識と、実際に同国が行っていることの間には大きな溝があると指摘している。

メディア・コンサルタントでアルジャジーラ元記者、そして現在はパレスチナ自治政府の報道官をつとめているノール・オデー氏は、IDNの取材に対して、「イスラエルの紛争解決に関する助言は、その政府自身が(パレスチナ問題に関して)実行に移せていないという意味で、きわめて矛盾に満ちたものです。」と語った。

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Nour Odeh

バルジライ教授は、「イスラエルの学者のほとんどはパレスチナ占領に批判的であり、人権問題への関わりという意味では米国の学者よりもよっぽど活動的です。」「イスラエルは深刻な安全保障上の問題に直面しており、議論はこの点を踏まえたものでなければなりません。イスラエルは、中東の動乱の只中にあり、ISIS(イスラム国)支配地域から僅か9マイルしか離れていないのです。」と指摘している。

これに対してオデー報道官は、「イスラエルは建国以来、安全保障を口実にしてきました。それは、自己充足的な予言であり、(パレスチナ)占領を正当化する手段となってきました。」と反論した。

「イスラエルは、安全保障について語るかたわら、ユダヤ人入植地を拡大しさらなる人権侵害を行い、紛争の火に油を注いでいます。」とオデー報道官は付け加えた。

Professor Gad Barzilai

バルジライ教授の下で、ハイファ大学法学部は、ガザ地区における人権や国際法、緊急事態下での法の支配に関する会議を年間で40回ほど開き、その学生の多くが人権問題に関わっている。大学はまた、様々な人権問題に関して「法律クリニック」を開設している。

また、イスラエルの学生は、民主主義に関するプログラムを少なくとも一つは受講している。

「イスラエル国民は幼少時から、隣人(パレスチナ人)との問題を政治的に意識し懸念を持ちながら暮らしています。」

「しかし、パレスチナ紛争をいかにして解決するかという点に関しては、イスラエル社会を2分している左派と右派の間で異なった見解があります。つまり、イスラエル国民の3割は、人権は安全保障に優先すると考え、7割は安全保障がより重要だと考えているのです。」

「しかし、ガザ地区からのロケット攻撃によって、両者の見解は複雑化し二極化に向かっています。イスラエルでは(パレスチナ問題を)軍事的に解決することを求める人々がいる一方で、より平和的な解決策を求める人々がいるのです。」

ベンヤミン・ネタニヤフ首相の政権はイスラエル史上最も右寄りですが、議会における左右両勢力の差は少ししかないのが現状です。」と、バルジライ教授はIDNの取材に対して語った。

しかし、オデー報道官は、バルジライ教授とは異なった考えだ。

「ユダヤ人入植者はイスラエル政府の一部であり、イスラエルのほとんどの政権がユダヤ人入植地を政治的にも経済的にも支援してきました。」とオデー報道官は語った。

「イスラエル人が『(パレスチナ)占領には反対している』という時、その『占領』の定義が重要になります。というのも、イスラエルの『占領』の定義は、国際社会や国際法のそれとは異なっているからです。」

「イスラエル国民の多くが、分離壁や、依然として残っている大規模入植地、東エルサレムの継続的なユダヤ化を支持しているのです。」

「イスラエル国民は、紛争とパレスチナ人追放の歴史的背景を理解することを拒否しており、『占領』の解釈については未熟だと思います。」

「ネタニヤフ氏が『パレスチナ人などいない』と主張して1996年の選挙に勝ったことを忘れてはなりません。」とオデー報道官はIDNの取材に対して語った。

カレン・シャービット博士は、海外とハイファ以外のイスラエル国内から多数の学生を集め、4年前に開設されたハイファ大学国際修士プログラム(平和・紛争解決研究)を主導している。

「社会科学をベースにした学際的なプログラムであり、一部を英語で行っています。」とシャービット博士はIDNの取材に対して語った。

International MA Programs in Peace and Conflict Management, Diplomacy Studies, and Child Development at the University of Haifa

「学生たちは、地域レベルの集団間紛争や多様なコミュニティーについて、さらには、国内や国際レベルの民族紛争について学んでいます。」

「イスラエル・パレスチナ紛争に関しては、様々な観点やアプローチがあります。例えば、イスラエルのユダヤ人とパレスチナ人がいかにして同じ地域で共存できるかといったことなど、地域レベルでの研究を進めている学生もいるのです。」

「また、ユダヤ人と、イスラエル国内では自らを二級市民だとみなしているアラブ人(全人口の約2割)との間で良好な関係を作り出すためにいかなる政策を実行しうるかという点に関して、国家レベルで事態を捉えようという学生もいます。」

「また国際レベルでは、国際社会からのインプットについて検討しています。」とシャービット博士は語った。

シャービット博士のプログラムはまだ始まって4年目だが、既に一部の教え子が平和産業への重要な貢献を果たしている。

卒業生の一人は、ハイファ市当局が創設した「ハイファ対話・紛争解決センター」のコーディネーターを務めている。

「またある卒業生は、Givat Haviva(共有社会センター)のプログラムを作りました。」とシャービット博士は語った。

シャービット博士は、「多くのイスラエル国民がアラブ人との紛争解決に関心を持っていません。」と指摘したうえで、「だからこそさらなる教育が必要なのです。」と語った。

「もし政治的問題を解決しようというのなら、民衆を教育するためにもっと多くのことがなされねばなりません。」とシャービット博士はIDNの取材に対して語った。(原文へ

翻訳=IPS Japan

This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.

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「核実験禁止条約の将来いまだ見通せず」と国連が指摘

【国連IPS=タリフ・ディーン】

1996年に国連総会で採択された包括的核実験禁止条約(CTBT)は、ひとつの大きな理由によって、いまだに発効していない。それは、既に183カ国が署名し、164カ国が批准しているにも関わらず、発効要件国(44か国)のうち、依然として主要な8か国が、条約への署名、あるいは批准を拒否しているためである。

未署名3か国(インド、北朝鮮、パキスタン)と未批准5か国(米国、中国、エジプト、イラン、イスラエル)は、条約採択以来19年間、CTBTとの関わりを避けている。

潘基文事務総長は、「核実験に反対する国際デー」記念会合が開催された9月10日、CTBT未署名・未批准のすべての国々、とりわけ当該主要8か国に対して、「核兵器なき世界を目指すための欠かせないステップ」としてのCTBTに署名・批准するよう、改めて呼び掛けた。

現在、多くの核保有国が、自発的な核実験の中断(モラトリアム)を実施している。

「しかし、それが法的拘束力を有する条約の代わりとはなりえません。なぜなら、それは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が3度にわたって核実験を実施した事実が物語っています」と潘事務総長は語った。

国連事務総長によるこの警告は、北朝鮮が核兵器生産のための動きを再開したとの報道が15日に出される中で、なされたものだ。

しかし、「これら8か国が近い将来にCTBT署名・批准に動く可能性は低い。」とジョン・ハラム氏は指摘する。ハラム氏は、「核軍縮を目指す会」(PND)とシドニー大学(オーストラリア)平和・紛争研究センターの共同プロジェクトである「人間の生存プロジェクト」(HSP)のメンバーである。

ohn Hallam/ University of Sydney

「これら8か国が2016年までにCTBTに署名・批准をすることはなさそうだ。」とハラム氏は語った。

例えば米国は、署名は済ませているが、共和党がCTBTの批准に明確に反対している。

ハラム氏によれば、インドとパキスタンも、CTBTに署名・批准のいずれも行わないとの意思を明確にしているという。「とりわけ、ナレンドラ・モディ政権下のインドが署名・批准する可能性はほとんどないでしょう(一方、インドの核軍縮運動は長年にわたってCTBTの署名・批准を求めてきた。)」とハラム氏は語った。

さらにハラム氏は、「中国とその他数か国は、米国が条約に批准次第、自分たちもそうすると主張しています。」と語った。

「核実験に反対する国際デー」を記念して9月10日に開かれたハイレベル・パネルディスカッションで潘事務総長は、「核実験を終わらせるという目標は、私の外交官としてのキャリアを通じて、重要な関心事でした。」と指摘したうえで、「国連事務総長として、そしてCTBTの寄託者として、私は核実験の法的禁止を成し遂げることを重要視し、歴史上最大規模のものも含め、456回もの核実験が行われてきたセミパラチンスク核実験場(カザフスタン)に自ら足を運びました。そして、核実験の被害者と面談し、核実験が社会や環境、経済に及ぼした永続的な被害をこの目で見てきました。」と語った。

潘事務総長はまた、「70年前にニューメキシコ州で最初の核実験が行われて以来、世界では2000回以上の核実験が繰り返されてきました。そしてこれらの実験によって、世界中で、手つかずの自然環境と地元の人々に大きな被害がもたらされました。」と語った。

潘事務総長は、「核実験による環境、健康、そして経済への打撃から二度と立ち直れなかった人々も多くいます。地下水の汚染、がん、白血病、放射性降下物 – これらは核実験による有毒な遺産の一部にすぎません。」と指摘したうえで、「過去の実験の犠牲者に敬意を表する最善の方法は、今後いかなる核実験も行わせないことです。」と訴えた。

CTBTは、核兵器の開発を量的、質的に制限するための法的拘束力を持つ検証可能な手段である。

ハラム氏はIPSの取材に対して、「米国は、ネバダやアラスカ、マーシャル諸島を含む太平洋地域、宇宙空間において、1000回以上の核実験を行ってきました。」と語った。

ネバダ核実験場で行われた実験は、風下の住民に対して大規模な汚染をもたらし、深刻な健康被害を生じさせた。

"Daigo Fukuryū Maru" by carpkazu - Licensed under public domain via WikimediaCommons
“Daigo Fukuryū Maru” by carpkazu – Licensed under public domain via WikimediaCommons

米国が行った最大の核実験は15メガトンの「キャッスル・ブラボー」で、これによって日本の漁船「第五福竜丸」の乗組員全員が被爆(久保山無線長が半年後に死亡)し、マーシャル諸島も汚染された。

一方、ソ連が行ったこれまでで最大の核実験は、北極圏にあるノバヤゼムリャ島で60年代初頭に行われたもので、「ツァーリ・ボンバ」(爆弾の皇帝)として知られている。

60メガトンの同実験は、ネネツ人の神聖なる狩猟地を蒸発させ、世界中に放射性降下物をまき散らし、地震波によって数時間にわたり地球を鐘のように振動させたのである。

ハラム氏は、「ソ連は約800回の核実験を行ったが、その多くがセミパラチンスクで行われ、広範な放射性物質による汚染を引き起こし、地元の人々に壊滅的な被害をもたらしました。」と語った。

さらに、英国(そのほとんどがオーストラリアのマラリンガエミュフィールド)、フランス(アルジェリアと仏領ポリネシア)、中国(新疆ウィグル自治区)、インド(ラジャスタン州ポカラン)、パキスタン(バロチスタン)、北朝鮮によって核実験が行われ、フランス・中国・英国による核実験では地元住民や実験参加者の間で放射線由来の疾病に苦しみ死に至るものが相次いだ。

「核実験は、核軍拡競争と核拡散の屋台骨を成しています。従って、核実験の再開、或は(北朝鮮を含め)いずれかの国が新たな核実験を行うことになれば、決して望まない奈落へと世界を近づけることになるでしょう。」とハラム氏は語った。

「核兵器の拡散を止め、『核実験に反対する』規範を定着させるための最善の道は、核実験を違法化している包括的核実験禁止条約を発効させることです。」とハラム氏は訴えた。

ICAN
ICAN

他方、カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は、世界的なオンラインキャンペーンである「ATOM」(実験の禁止=Abolish Testing、我々の使命=Our Mission の頭文字をとったもの)を開始し、世界の指導者に対して核実験を完全に終了させるよう呼びかけている。(原文へ) 

翻訳=IPS Japan

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【オックスフォードIPS=ファルハン・ジャハンプール】

核不拡散条約(NPT)第6条は、非核保有国が核兵器取得を禁じられていることへの見返りの一環として、核保有国に核軍縮を義務づけている。NPTのこの条項とは別に、その義務を補強しているその他多くの決定が存在する。

しかし、核保有国は核不拡散を熱心に追求する一方で、NPTを初めとした国際規則の多くに違反してきた。

国際司法裁判所の1996年の勧告的意見は「厳格かつ実効的な国際管理のもとで、全面的な核軍縮に向けた交渉を誠実に行い、その交渉を完結させる義務がある」と述べている。核兵器国はこの意見を無視している。

The International Court of Justice in Session/ ICJ
The International Court of Justice in Session/ ICJ

核保有国、とりわけ米国とロシアは、自国の核兵器の近代化と多様化を進めることでNPTにさらに違反しつづけている。米国は、既存の核戦力の有効性をさらに延ばす新型核弾頭である「高信頼性代替核弾頭」を開発してきた。

米国、そしておそらくはロシアも、大規模な放射能汚染を引き起こすことなく、戦場において使用しうる、比較的低い爆発力を持った戦術核弾頭を開発している。バラク・オバマ大統領が核兵器を削減し究極的には廃絶すると誓っているにも関わらず、米国は、今後10年間で3480億ドルかけてB61-12」を開発するなど、新型の核兵器を開発している最中であることが明らかになってきている。

インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮は、核兵器国とはみなされていない。NPT第9条は「核兵器国」を、1967年1月1日以前に核装置を製造し実験した国と定義しているため、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮は核兵器国とはみなされないのだ。

これらすべての国々がNPTに違反しており、例えばインドに原子炉や先進核技術を提供する米国の約束など、核支援を行うことも条約違反だ。また、米国によるイスラエルやパキスタンに対する軍事協力も同じく条約違反である。

核兵器国には拡散の罪がある

イラクの軍縮について規定し、法的拘束力もある国連安保理決議687号第14節は、中東に非大量破壊兵器(WMD)地帯を創設することについて述べている。

また、クウェートからサダム・フセインを追放する米国主導の有志連合に加わった国々の間では、イラクからWMDを一掃すれば、次はイスラエルが核兵器を廃棄するよう求められるとの明確な了解が存在した。イスラエル、ひいては同節を履行していない国々は、法的拘束力のある同決議に違反していることになる。実際、米国とイスラエルは、中東で核兵器を保有しているとみなされている。

"Iraq-dusk". Licensed under public domain via Wikimedia Commons
“Iraq-dusk”. Licensed under public domain via Wikimedia Commons

アパルトヘイト時代、イスラエルと南アフリカ共和国は核兵器製造で協力しており、イスラエルが主導する立場だった。2010年、両国高官が1975年に行った会合の「機密」外交文書が見つかったと報じられた。これによると、南アフリカ共和国のP・W・ボータ国防相(当時)が、イスラエルのシモン・ペレス国防相(当時)に(ミサイルに搭載する)核弾頭の提供を要請し、イスラエルは「3種類のサイズ」の核弾頭を提供できると応じたという(結局、核弾頭そのものは提供されなかったが南アフリカ共和国はイスラエルが提供したトリチウムを元に核爆弾を製造した:IPSJ)。

この文書は、米国の研究者サーシャ・ポラコウ=スランスキー氏が、両国の親密な関係に関する研究を進める中で発見したものだ。イスラエル政府は、この文書が公開されないように努力してきた。1977年、南アフリカ共和国はイスラエルとの協定に署名し、少なくとも6発の核爆弾の製造が決まった。

1995年の核不拡散条約運用検討・延長会議は、「地域諸国による中東非核・非大量破壊兵器及び非運搬システム地帯の早期設立」を求めた。しかし国際社会は、イスラエルへの核放棄要求を怠ることで、この決議を無視してきた。実際、イスラエルと米国は、中東非核兵器地帯化に関するいかなる提案にも反対してきている。

2000年のNPT運用検討会議は、「インド、イスラエル、パキスタンに対して、速やかに、かつ無条件で、非核兵器国としてNPTに加盟するよう」求めている。加盟国はまた、条約の普遍性を達成するための「決然とした努力」をなすことに合意している。しかし2000年以来、インド・パキスタン・イスラエルに非核兵器国として加盟するよう促す取り組みはほぼなされていない。

イラン政府と、フランス、ドイツ、英国(EU-3)の外相が2003年に合意したテヘラン宣言では、イランが(国際原子力機関との)追加議定書に加盟し、2年以上はウラン濃縮を一時停止することに合意しただけではなく、中東全域で大量破壊兵器を廃棄することを呼び掛けている。

その際、英独仏の3外相は「3国はイランと協力して、国連の目的に従って、中東に非大量破壊兵器地帯を創設するなど、地域における安全と安定を促進してゆく。」と公約した。この宣言の署名から12年が経過するが、英独仏3か国と国際社会は、依然として中東非大量破壊兵器地帯の創設を実現していない。

冷戦期、北大西洋条約機構(NATO)は、ソ連軍が欧州各地の首都に近いことを理由に、核兵器の先制使用を排除していなかったが、この方針は冷戦終焉後も改定されていない。米国防総省が、イラン核施設破壊のために核兵器を搭載したバンカーバスター(RNEP)の使用を検討してきたとの信憑性の高い報告が繰り返されてきた。

人類は、過去2000年以上にわたって、「正義の戦い」の要件を定めようとしてきた。この数十年の間で、それら原則の一部は、法的拘束力のある国際協定や条約の中に反映されてきた。例えば、第一次世界大戦後に作られた国際連盟規約や、1928年のパリ不戦条約国連憲章などがそうだ。

Peace Gun/ UN Photo
Peace Gun/ UN Photo

いくつかの考え方がこれらすべての定義に共通している。例えば、いかなる軍事行動も①自衛に基づいていなければならない、②国際法に従っていなければならない、③均衡したものでなければならない、④最終手段でなければならない、⑤民間人や非戦闘員を標的としてはならない、などである。

その他の考え方には、次のようなものがある。つまり、①仲裁の強調、②紛争解決において最初に武力に訴えることの放棄、③集団的自衛の原則、などである。核兵器の使用がこうした要件といかにして両立するかを見出すのは困難である。しかし、核軍縮を求める声が国際的に高まっているにも関わらず、核保有国はNPTの規則を遵守して核兵器をなくすことを拒絶し続けている。

バラク・オバマ大統領は、2009年4月5日にプラハで行った初めての主要な外交政策演説において、核兵器を廃絶するという彼のビジョンについて次のように語った。「数千もの核兵器の存在は、冷戦時代の最も危険な遺物である。冷戦は過去のものとなった。しかし、これら何千もの兵器は消えていない。世界的な核戦争の脅威は低下したが、歴史の皮肉というべきか、核攻撃の危険性はむしろ高まった。」

さらにオバマ大統領はこう続けた。「そこで本日、私ははっきりと、信念を持って、アメリカは核兵器のない世界の平和と安全を追求することを誓約したい…。」

残念なことに、こうした素晴らしい意見は実行に移されていない。それどころか、全ての核保有国は自国の核戦力を強化し近代化する政策を推し進めている。こうした国々は、核兵器を開発していると疑いをかけた国を選択的に罰することには熱心であるが、核兵器を廃絶するという自国に課せられた義務については公約を果たしていない。(原文へ

* ファルハン・ジャハンプール氏は、イスファハン大学外国語学部の元教授・学部長で、ハーバード大学元上級研究員。オックスフォード大学ケロッグ校の一員で生涯教育学部の講師でもある。

翻訳=IPS Japan

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【イエテボリ(スウェーデン)IPS=ギュンナー・ウェストベル】

核兵器廃絶に関するキャンベラ委員会」には、かつて、英国の陸軍元帥や米国の元国防長官や将軍、フランスの元首相といった元政治家や軍人が委員として名を連ねていた。

委員会は1996年の報告書で、「核兵器が永久に保持され、しかも偶発的にせよ決定によるにせよ使用されることがないという主張には、なんの信憑性もない。唯一完全な防御法は、核兵器を廃絶し絶対に二度と作らないという保証を得ることしかない。」と述べている。

まさにこれが重要な点だ。核兵器は、その存在が許されているかぎり、いずれ使われることになる。世界の核兵器の1%以下が使用される「小規模」の核戦争であっても、人口10億人以上を死に至らしめる飢饉を引き起こしかねないのだ。

ブルース・ブレア大佐は、1970年代の一時期、大陸間核弾道ミサイルの発射管理官を務めていた人物である。ブレア大佐は、「私は核ミサイルの発射方法を知っており、発射に許可はいらなかった」と述べている。90年代に彼は、「無許可のまま核兵器が発射される可能性は本当にあるのか?」という問いに関する米上院の検討委員会のメンバーとなった。

この問いに対するブレア大佐の回答は「イエス」であり、そのリスクは決して小さくなかった。

今年の「ヒロシマ・デー」、すなわち8月6日に、スウェーデンの主要紙『アフトンブラーデット』は、現在は核兵器廃絶に向けた「グローバル・ゼロ」運動の代表を務めるブレア大佐のインタビューを掲載した。記者が「ブレアさん、核兵器がまた使用されることがあると思いますか?」と尋ねたところ、ブレア氏は暫く黙った後、「残念ながらそれは避けられないと思います。ツイッターのメッセージよりも短いデータ暗号があれば充分なのです。」と回答している。

ブレア氏の話を聞いて、許可されない核兵器発射あるいは核爆発を予防する目的を持った安全装置である「行動許可伝達システム」のことを思い出した。

ロバート・マクナマラ氏が60年代中旬に米国防長官であったとき、潜水艦からのミサイル発射を可能にするには、司令官が発射を許可する暗号を受け取らなくてはならないとする命令を発した。

しかし海軍は、たとえば司令部との交信が妨害されたケースなど、自らの判断で核を発射するのを妨げられることを嫌った。初期暗号の「00000000」がこうした理由から長年保持され、一般的に知られるようになった。しかしマクナマラ氏は、職を辞してからかなり長い間、このことを知らなかったという。

ある旧ソ連の海軍提督が私に、1980年ごろまで暗号なしで潜水艦から核ミサイルを発射できる状態にあったと話してくれたこともあった。

発射システムの制御システムについて論じられるとき、私たちは、後知恵的にではあるが、確かに「プランB」はあるということを知る。もし司令部との通信が途絶え、司令官が戦争状態にあると考えるとき、現場の判断で核ミサイルは発射されうるというものである。これがどう機能しているかについて私たちが知らされることはないが、「プランB」は存在するのである。

今日の状況はどうだろうか? 許可されない核ミサイルの発射は、果たして起こり得るだろうか? この問いに対するブレア大佐の回答は「イエス」である。すなわち、過ち、誤解、ハッカーの侵入、人的ミスなど依然として常にリスクが存在しているというのだ。

冷戦終結後、私たちは(核戦争勃発寸前の)「危機一髪」の事態が実際に起こっていたことを知った。キューバミサイル危機、とりわけ「残されたソ連の潜水艦」(ワシリー・アルキポフ中佐が核魚雷の発射を回避した事件)の問題が起こった。1983年9月には「ペトロフ事件」(スタニスラフ・ペトロフ中佐による核戦争回避事件)が起こった。さらに同年11月には、北大西洋条約機構(NATO)の演習「エイブル・アーチャー83」(ソ連がNATOの核ミサイル発射演習を本物の核攻撃の偽装と誤解した事件) という恐らくは最悪の危機(最悪だがほとんど知られていない)が起こった。当時ソ連の指導者はいつでもNATOからの攻撃がありうるとみなし、他方でNATOはソ連の妄想に気づいていなかったのである。

この他にも真相が明らかになっていない危険な事例が多く存在する。

数学者でリスク分析の専門家であるマーティン・ヘルマン氏は、40年に亘った冷戦期間中、重大な核戦争が起きるリスクは1年あたり1%もあったと推定している。これは合計すれば40%にのぼっていたということであり、人類は絶滅しないで済むほんの僅かの可能性しかもっていなかったということになる。私たちは実に幸運に恵まれていたのである。

ICAN
ICAN

おそらく、今日、リスクは低下しているのかもしれない。しかし、拡散のリスクがあり、核兵器研究にさらなる資金が割り当てられ、国際関係が緊張する中、リスクは再び上昇しているかもしれない。

核兵器が存在する限り、リスクは存在する。地球の全滅、あるいは確証破壊のリスクである。

核兵器と自分たち、どちらを取るか。両者は共存できない。どちらかがなくならねばならないのである。

核兵器の禁止が必要だ。そして、それは実現可能な課題である。(原文へ

翻訳=IPS Japan

*ギュンナー・ウェストベルク氏は、イエテボリ大学(スウェーデン)の医学教授で、2004~08年に核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の共同議長を務めた。

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【東京IDN=上田勇】

Isamu Ueda, Komeito
Isamu Ueda, Komeito

今年、国会では安全保障法制が大きなテーマとなった。「国際安全保障環境の変化を踏まえ、日本およびアジア地域の安全保障をどう確保していくか」「国際社会の平和に日本がどこまで貢献すべきか」-これらの論点について精力的な議論が行われてきた。

日本政府は、公明党も参画した1年間の与党協議の結論を踏まえ、憲法解釈を一部変更した上で新たな安全保障法制案を国会に提出した。最も大事なポイントは2点である。

一つは、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生を契機とする事態であっても、日本に死活的な影響が及ぶことが明白な場合には、自衛の措置を取れることとした。ただし、日本は国連憲章51条が定める集団的自衛権の全面的な行使は、憲法上の制約があるため引き続き認めないこととした。「自国防衛のための限定的な集団的自衛権の行使」が許容されたのであり、日本は今後も海外派兵は行わない。

もう一つは、国連決議が出され国連加盟国に対し行動要請が出される事態等に対し、日本にふさわしい貢献を積極的に行うことだ。ただし、日本の自衛隊の活動は憲法上の制約があるため、「戦闘が行われていない現場」での後方支援活動に限定される。

日本が今後好戦的になる、などの批判があるが、間違いだ。日本は戦後70年間、一度も他国と交戦せず、平和国家路線を歩んできた。この路線は今後も堅持される。(原文へ

IDN-InDepth News/IPS Japan

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「変革の世代」が、核兵器廃絶の実行を誓う

【広島INPS=ロナルド・ジョシュア】

新しい「変革の世代」が、「地球上の全ての人々にむごたらしい死の脅威を突き付けている」1万6000発から7000発の核兵器を世界からなくすことを明確に呼びかけるとともに、(広島・長崎への原爆投下から)70年間に及ぶ核廃絶の約束を実行することを誓い、存在感を示した。

広島・長崎の街を壊滅させた原爆投下から70年を記念して広島で3日間にわたり開催された「核兵器廃絶のための世界青年サミット」のまとめとして8月30日に発表された「核兵器廃絶のための青年の誓い(誓い)」はこう述べている。「核兵器は過ぎ去った時代の象徴であり、私たちの目の前の現実に大きな脅威をもたらしている。しかし、私たちが創造している未来に、その居場所はない。」

International Youth Summit for Nuclear Abolition

青年サミットは、国連アジア太平洋平和軍縮センター(UNRCPD、バンコク)が主催して広島で開かれた第25回国連軍縮会議に続いて行われたものである。

青年サミットには、地方・地域・国際の各レベルで核軍縮やその他の関連分野に積極的に関わっている世界20か国以上(オーストリア、カナダ、コスタリカ、ドイツ、インド、イタリア、日本、ケニア、ラトビア、モンゴル、オランダ、パキスタン、フィリピン、ルーマニア、タイ、チュニジア、イギリス、アメリカ)から30人の主要な青年活動家が集まった。

彼らはまた被爆者とも会い、世界から核兵器をなくすための将来的な戦略について話し合った。

「誓い」はこう締めくくられている。「あなたも、私たち『変革の世代』と共に声をあげ、行動を呼びかけよう。私たちは、核兵器が私たちの生命を、未来の世代を脅かし続けているのに、何もせずにいることを拒否する。さあ、私たちと一緒に行動して、変革を起こそう!」

参加者らは、「70年間にわたって『二度と繰り返さない』という演説が行われ、声明が発表・支持されてきた。それでも私たちは、いまだに核兵器の人質にとられたままでいる。」と指摘したうえで、「私たち世界中の青年は、これら数十年に及ぶ核廃絶の約束を果たすべく、立ち上がろうと勇気を奮い起こしている。私たちは、共通の未来への脅威を根絶しなくてはならない。あなたも、私たち『変革の世代』に加わってほしい。さあ、行動を起こす時だ。」と訴えた。

Working group in session | Credit: Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan

「誓い」はさらにこう続く。「私たち青年は、人間の安全保障と持続可能性を求める。核兵器が存在したまま、これを完全に実現するのは不可能だ。青年の目には、核兵器のない世界への可能性が見える。私たちの目には、恐怖と軍拡ではなく、外交・協力・信頼にもとづく安全保障への可能性が見えるのだ。」

「核兵器の廃絶は私たちの責務であり、権利だ。核廃絶のチャンスが失われるのを、もはや黙って見過ごしはしない。私たち青年は、あらゆる多様性と深い団結のもと、この目標の実現を誓う。私たちは『変革の世代』なのだ。」

「核兵器が存在し続けることは受け入れられない。私たちの共通の未来を守るために、行動を起こさねばならない」と「誓い」は述べ、「変革の世代」として次のことを誓った。

・仲間の意識を広く啓発するために、自らが知識を学び、自信をつける。

・活動する上で多様性が重要であることを自覚し、ジェンダーの視点が軍縮に影響を与えることを自ら学んでゆく。

・各自の地域社会や国で行動を起こし、声をあげ、核廃絶を求める。

・核兵器の非人道性や、被爆者・核実験被害者の体験を周囲と共有する。

・核廃絶運動への参加を周囲に促し、活動する全員の一致団結を築く。

・すべての国家に、核兵器を禁止・廃絶する国際条約の交渉開始を呼びかける。

・各自の国の議会に、核兵器の製造・投資・実験・配備・威嚇・使用を禁止および違法化する国内法制の整備を呼びかける。

「誓い」は、250人が参加した公開フォーラムで発表された。フォーラムでは、核時代平和財団のリック・ウェイマン氏と創価学会インタナショナル(SGI)のアナ・イケダ氏が共同議長を務め、国連事務総長の青少年問題特使であるアフマド・アルヘンダウィ氏に「誓い」が手渡された。

Credit: Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan

アルヘンダウィ特使は「平和を可能とする世代になろう。この青年サミットは、青年は平和と核兵器のない世界を求めているという力強いメッセージを世界に発信しました。国際社会はこの声に耳を傾けねばなりません。」と発言した。

公開フォーラムではまた、幼少時代を広島原爆ドームのすぐ隣の実家で過ごした被爆者の田邊雅章氏制作の映画も上映された。田邊氏は、「私の映画を観ることで、(原爆が投下されるまで)実際にそこには人々の生活と営みがあったのだということを知っていただきたい。是非世界の指導者にも、この真実を知ってほしいのです。」と語った。

青年参加者らは、このサミットへの参加を通じて、より緊張感が深まったと述べた。「マインズ・アクション・カナダ」のエリン・ハント氏は、「青年によるこのネットワークは、核兵器が何を引きおこすかについて共通した理解を持つに至りました。これはきわめて重要なことだと思います。」と語った。

核時代平和財団のデイビッド・クリーガー会長、国際平和教育研究所名誉創設者のベティー・リアドン氏、SGIの池田大作会長、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のマイケル・クライスト議長などの平和活動家から支援メッセージが寄せられた。

このイベントは、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)、マインズ・アクション・カナダ、核時代平和財団、SGI、婦人国際平和自由連盟(WILPF)の代表らによって主催された。

後援には、広島市、長崎市、広島平和文化センター、核兵器廃絶長崎連絡協議会、核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会、平和首長会議、ICAN、IPPNW、バーゼル平和事務所グローバル・ゼロ核兵器禁止世代(BANg)が加わっている。

全世界で1300万人の会員を擁し、平和・文化・教育を推進し核兵器廃絶を50年以上にわたって訴え続けている仏教者のネットワークSGI本部の平和運動担当の浅井伸行氏は、「若者には、現状を変化させる潜在力と能力がもともと備わっています。広島・長崎への原爆投下から70年を迎える中、世界は重大な岐路に立っています。世界中の若者が手を取り合って、核兵器なき世界に向かって突破口を作り出す時にきています。」と語った。(原文へ

翻訳=INPS Japan

撮影・編集:INPS Japan浅霧勝浩

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【広島IPS=ラメシュ・ジャウラ】

広島で3日にわたって開催された国連軍縮会議が、「核実験に反対する国際デー」を翌日に控えるなか閉幕した。会議では、核兵器なき世界を実現する必要性は強調されたが、その目標にどう向かうかについてはコンセンサスが得られなかった。

国連アジア太平洋平和軍縮センター(UNRCPD、バンコク)が日本の外務省、広島市、広島県との協力の下で8月26日から28日に開催したこの会議には、世界の各地域から80人以上の政府関係者や専門家が参加した。

日本でこの会議が開催されるようになって25回目だが、今年は、広島・長崎への原爆投下及び国連創設から70年という節目の年にあたり、とりわけ重要な会議であった。

The atomic bomb dome at the Hiroshima Peace Memorial Park in Japan was designated a UNESCO World Heritage Site in 1996. Credit: Freedom II Andres_Imahinasyon/CC-BY-2.0
The atomic bomb dome at the Hiroshima Peace Memorial Park in Japan was designated a UNESCO World Heritage Site in 1996. Credit: Freedom II Andres_Imahinasyon/CC-BY-2.0

UNRCPDのユーリー・クリボノス所長代理は、会議の内容を総括して、「核軍縮と核不拡散における機会と課題」に関する討論は「率直かつダイナミックなものでした」、と語った。

プレゼンテーションやパネル討論では、4月27日から5月22日にかけて国連本部で開催された2015年核不拡散防止条約(NPT)運用検討会議の件が注目された。

2015年NPT運用検討会議の議長を務めたアルジェリアのタウス・フェルーキ大使は、広範な重要問題に関してかなりのコンセンサスが得られていたにも関わらず、なぜ会議は普遍的に受け入れられるような最終文書の合意に失敗したのかについて、詳細に説明した。問題は、「中東非核・非大量破壊兵器地帯の創設に関する国際会議」を2016年3月1日までに招集するという提案を、米・英・加が拒絶したことにあった。

日本の岸田文雄外相は、この問題に関して、他の政府関係者や専門家らと同じく、「中東非核・非大量破壊兵器地帯の創設に関する国際会議」問題のために最終成果文書が採択されなかったことを遺憾に思うと述べた。

岸田外相は、2015年NPT運用検討会議で新たな行動計画を策定できなかったことでNPTの有効性を疑問視する議論が出てきている点を指摘する一方で、「しかし明確に申し上げておきたいのは、NPT体制は、これまで国際社会の平和と安定に極めて重要な役割を果たしてきており、その役割は今日でも変わっていないということです。」と語った。

広島軍縮会議は、NPTの効果的な履行を確保する措置に関する様々な見方について議論しただけではなく、核兵器廃絶という目標達成における、未発効の包括的核実験禁止条約(CTBT)の役割、核兵器の使用がもたらす人道的影響、核不拡散・軍縮体制強化のための非核兵器地帯(NWFZs)の重要性についても話し合われた。

各セッションのパネリストらは、自治体や市民社会、核軍縮教育の役割が大きくなってきていることをとりわけ指摘した。核軍縮教育に関しては、核兵器国であろうとなかろうと、世界中のすべての国の人々に対して核兵器がもたらす脅威に対する共通の理解を形成するうえで、被爆者(平均年齢が80歳を超えた)の証言の重要性が指摘された。

Sesson 4: Collaboration with Civil Society, the 25th UNConference on Disarmament Issues in Hiroshimia/ Katsuhiro Asagiri of International Press Syndicate

UNRCPDのクリボノス所長代理は、広島会議は、「核使用のリスクからこの地球を守るという目標にどのように到達するのかについて新たな考えを模索する良い出発点になりました。」と語った。

広島県の湯﨑英彦知事と広島市の松井一實市長(世界161の国・地域の6779自治体から成る平和首長会議の会長で、被爆者を父に持つ)は、長崎市の田上富久市長とともに、核兵器なき世界に向かって協力してキャンペーンを強化することを訴えた。田上市長はまた、日本非核宣言自治体協議会の会長でもある。

Post Press Conference of the 25th UN Conference on Disarmament Issues in Hiroshima/ Katsuhiro Asagiri of International Press Syndicate
Post Press Conference of the 25th UN Conference on Disarmament Issues in Hiroshima/ Katsuhiro Asagiri of International Press Syndicate

広島・長崎両市長は、(軍備管理協会事務局長でモデレーターをつとめたダリル・キンボール氏が打ち出した)来年5月の主要国主要会議(伊勢志摩サミット)に合わせて広島で核軍縮サミットを開催するという提案に関して、核兵器なき世界に向けた意識喚起が促進されるとして、歓迎の意を示した。

外務省関係者は、この提案に関して公的に発言することはなかったが、広島出身の岸田外相は、「核軍縮における真の前進を得るために、実際的かつ具体的な措置を着実に前進させるうえで」核兵器国と非核兵器国が協力する必要性を強調した。

岸田外相は、来る国連総会に「核兵器の完全廃絶に関するあらたな決議案」を提出するとの意向を明らかにした。こうした決議は、「原爆投下から70年にふさわしく、NPT運用検討会議を基礎として、今後5年に関する国際社会のガイドラインとして機能しうるもの」だと語った。

次回のNPT運用検討会議は2020年の開催が予定されている。

平和首長会議は、2020年までに「核兵器がない世界」を達成するという「2020ビジョンキャンペーン」をその取り組みの中核に据えている。

このキャンペーンは、2003年10月に英国マンチェスターで開かれた平和首長会議の幹事会において暫定的に開始された。そして同年11月の「第2回核兵器廃絶地球市民集会ナガサキ」において、「核兵器禁止緊急キャンペーン」として立ち上げられている。

2005年8月、全体会議において「2020ビジョンキャンペーン」としてこれを継続することが決められた。

岸田外相は、会議へのメッセージで「被爆の実相は世界で十分に理解されているとは言いがたい」と述べて、広島・長崎両都市の住民らの見解を代弁するとともに、「核兵器なき世界を達成するために、世界の政治指導者や若者などが広島・長崎を訪問し、被爆の実相を目で確かめてみることがきわめて重要です。これを通じて、核兵器なき世界という希望を共有することができるものと信じます。」と語った。(原文へ

翻訳=IPS Japan

Filmed by Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan
Filmed by Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan
Filmed by Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan
Filmed by Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan
Filmed by Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan

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【広島IPS=浅霧勝浩、ラメシュ・ジャウラ

国際社会が、来年の包括的核実験禁止条約(CTBT)署名開放20周年に向けて取り組みを強めるなか、CTBTの早期発効を実現するため2年前に発足した「賢人グループ」(GEM: Group of Eminent Persons)が初めて日本で有識者会合を開催し、同条約発効のために批准が必要な8か国に対して緊急に批准することを強く求めるなどとした「広島宣言」を発表した。

8月25日・26日の2日間に亘って「賢人グループ会合」の開催地となった広島市は、日本の本州に位置する近代都市であるが、第二次世界大戦末期には長崎市と並んで投下された原子爆弾により街の大半が壊滅し、無辜の老若男女が非人道的な被害を被った世界で唯一の被爆都市である。そして、その凄惨な被爆の実態については(核攻撃を生き延びた)被爆者の方々によって今日まで語り継がれている。

「被爆地ヒロシマほど、CTBTの発効を実現する緊急性が明白であり、『賢人グループ』ほど、この目標の実現につながる経験と専門知識を備えた人々はいません。」と、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)ラッシーナ・ゼルボ事務局長は、会合の参加者に語り掛けた。

Lassina Zerbo/ CTBTO
Lassina Zerbo/ CTBTO

ゼルボ事務局長のイニシアティブにより2013年9月にニューヨークの国連本部で発足した「賢人グループ」は、各国の元政府高官や国際的に認められた核軍縮・不拡散の専門家ら21人で構成され、あらゆる核実験の全面禁止を目指し、CTBTの発効を促進する取り組みを支持・補完するとともに、この目標が達成されるよう国際社会における取り組みを再活性化することを目的としている。

原爆投下から70周年となる「賢人グループ会合(第4回広島会合)」は、日本政府と広島市の後援を得て実現したが、ゼルボ事務局長は会合に先立つ8月6日、広島の平和記念式典に出席するため来日していた。

ゼルボ事務局長はまた、「賢人グループ会合」開催前日の8月23日にも、ペリー元国防長官、湯崎英彦広島県知事と核軍縮をテーマとしたパネルディスカッションに参加し、多くの学生をはじめ会場を埋めた約100人の聴衆との意見交換にも臨んだ。

ゼルボ事務局長は、開会の挨拶で、世界の指導者に対して、イランと主要国(E3+3:中国、フランス、ドイツ、ロシア、英国、米国)間の最近の核合意によって生まれた機運を生かし、核不拡散と核軍縮を巡る協議においてもCTBT発効に向けて希望を持ち積極性に取り組むよう強く訴えた。

イラン核合意が私たちに示唆しているのは、軍備管理と国際安全保障に関して「多国間外交は可能だというだけではなく、21世紀の複雑で重層的な難題に対処していくうえで最も効果的な方法ということです。またいかなる安全保障合意や軍縮協定についても、その価値を判断する基準は検証体制に対する信頼度にあります。イラン核合意の場合と同じく、CTBTの有用性もその検証と実施体制に対する信頼度にかかっています。この点については条約発効前の現段階でも検証体制に十分な信頼が確保されています。」とゼルボ氏は語った。

同じく開会の挨拶に登壇したペリー氏は、CTBTへの批准は安全保障政策として、国際レベルのみならず、国内レベルにおいても米国の国益にかなうものだという信念を表明した。ペリー氏はまた、現在の政治情勢はCTBT発効の見通しに暗い影を落としているという認識を示すとともに、同条約が発効するまでの間、核爆発を伴う実験をしない「モラトリアム」を維持していくことの重要性について改めて表明した。

GEM meeting in HIROSHIMA/ CTBTO

今回の賢人会議にはメンバーからは、阿部信泰氏元軍縮問題担当国連事務次長(日本)、デス・ブラウン元国防大臣(英国)、ジャヤンタ・ダナパラ元軍縮問題担当国連事務次長(スリランカ)、セルジオ・ドゥアルテ元国連軍縮担当上級代表(ブラジル)、ミシェル・デュクロ元外務省軍縮局長(フランス)、ウォルフガング・ホフマンCTBTO準備委員会事務局元事務局長(ドイツ)、リー・ホジン国連協会副会長(韓国)、ウィリアム・ペリー元国防長官(米国)ら10人が参加した。

さらに、イシュトヴァーン・ミコラ国務大臣(ハンガリー)、ユスロン・イーザ・マヘンドラ駐日大使(インドネシア)、北野充外務省軍縮不拡散・科学部長(日本)、イェルザン・アシクバエフ外務次官(カザフスタン)が、職権上の会員として参加した。

「賢人グループ会合」は、第一回ニューヨーク会合(2013年9月)、第二回ストックホルム会合(2014年4月)及び第3回ソウル会合(2015年6月)において合意された行動計画の進捗状況を確認するとともに、来るCTBT署名開放20周年を念頭に現下の国際的な環境を検討した。そして、核兵器の完全な廃絶を目標として、核兵器の拡散及び更なる開発の防止を支援するために国際社会を結束させる緊急性があることで一致した。

参加者はまた、日本とカザフスタンが共同議長国を務める予定の第9回CTBT発効促進会議(9月末にニューヨークで開催)に向けて、関連する諸問題について協議するとともに、CTBTの発効を促進するためにとりえる実践的な方策について議論した。

CTBTには、これまでに183か国が署名を終え、そのうち核保有国であるフランス、ロシア、英国を含む163か国が批准も済ませている。しかしCTBTが発効するには、核技術を有する(条約の附属書2に掲げられている、ジュネーヴ軍縮会議の構成国であって、IAEA「世界の動力用原子炉」の表に掲げられている)44か国すべてが署名並びに批准を終えなければならないこととなっている。そのうち、中国・エジプト・イラン・イスラエル・米国の5か国は署名しているが未批准、インド・パキスタン・北朝鮮の3か国は署名すらしていない。

CTBTO
CTBTO

「賢人グループ」は、広島宣言を採択し、グローバルな核兵器の廃絶を達成すること、とりわけ、「核軍縮・不拡散のために最も不可欠かつ実践的な手段の1つである」CTBTの発効に対する彼らのコミットメントを再確認した。さらに、それぞれの批准プロセスを円滑化することを目的に,附属書2の残る8カ国の指導者に働きかける多国間アプローチを要請した。

「賢人グループ」はまた、「政治指導者,各国政府,市民社会及び国際的な科学者団体に対して,核軍縮・不拡散の観点及び核兵器の使用が人類に及ぼす壊滅的な影響を防止する観点から、 CTBTが必要不可欠な役割を有していることについて,認識を高めることを呼びかけた。」(原文へ)(スペイン語版

翻訳=IPS Japan

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Filmed by Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan

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Filmed by Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director, President of INPS Japan.

INPS Japanの浅霧勝浩マルチメディアディレクターは、来日中のラメシュ・ジャウラ編集長と共に、広島・長崎の街を壊滅させた原爆投下から70年を記念して広島で3日間にわたり開催された「核兵器廃絶のための世界青年サミット」を取材した際に、国連事務総長の青少年問題特使であるアフマド・アルヘンダウィ氏とのインタビューを行った。

青年サミットには、地方・地域・国際の各レベルで核軍縮やその他の関連分野に積極的に関わっている世界20か国以上(オーストリア、カナダ、コスタリカ、ドイツ、インド、イタリア、日本、ケニア、ラトビア、モンゴル、オランダ、パキスタン、フィリピン、ルーマニア、タイ、チュニジア、イギリス、アメリカ)から30人の主要な青年活動家が集まった。

サミットでは、核時代平和財団のリック・ウェイマン氏と創価学会インタナショナル(SGI)のアナ・イケダ氏が共同議長を務め、国連事務総長の青少年問題特使であるアフマド・アルヘンダウィ特使に成果文書である「誓い」が手渡された。

Credit: Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan

翻訳=INPS Japan

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