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EmpowerHer フォーラム :女性の起業家精神と世界平和の追求


【ニューヨークATN=アハメド・ファティ

国連本部で開催されたエンパワーハー・フォーラムが成功裏に終了した後、ATNの取材に応じた同フォーラムの議長を務めるアニ・ホァン氏は、この画期的なイニシアチブを創設した動機と今後の抱負について語った。世界中の女性起業家を鼓舞し、支援することを使命とするエンパワーハー・フォーラムは、エンパワーメントとコラボレーションの象徴である。

ATN

女性の声に力を: 世界的な女性の団結
ホァン氏は、フォーラム設立の意図について、女性起業家のための専用プラットフォームを提供し、イノベーションを促進し、経済的自立を育成することだと説明した。また、起業家精神を通じて女性の自己改革とエンパワーメントを促すというフォーラムのコミットメントを強調した。

変革の触媒:エンパワーハー・フォーラムの内部
エンパワーハー・フォーラムが他の女性中心のプラットフォームと異なる点について質問されたホァン氏は、①体験の共有と相互学習に重点を置くユニークなフォーラムであること、さらに、②フォーラムが女性達の業績を紹介するだけでなく、参加者間の協力やリソースの共有を促し、起業の課題を効果的に克服できるようにする役割を担っている点を挙げた。

エンパワーメントへの洞察
男女平等を推進する上での女性の役割についての質問に対し、ホアン氏は、①自信をつけること、②継続的に学ぶこと、③社会活動に積極的に参加することを挙げ、セルフ・エンパワーメントの重要性を強調した。また、女性同士の相互支援の重要性を指摘し、進歩の重要な原動力として集団的成長と連帯を提唱した。

未来を描く
ホァン氏は、エンパワーハー・フォーラムをグローバル・プラットフォームに拡大し、物理的な会合とオンライン交流の両方を活用して、その影響力を最大化するという野心的な計画を概説した。また、世界規模で女性の起業と成長をさらに後押しするため、トレーニング、ワークショップ、資金援助の仕組みを統合する意向を示した。

人間性の調和
ホァン氏は、「Let Peace Prevail(平和を勝ち取ろう)」という曲についての議論に移り、この曲が生まれた深い動機について語った。この曲のユニークな音楽的言語と文化的要素の融合は、平和と団結への普遍的な共感を育むことを目的としていると語った。

Ahmed Fathi, ATN
Ahmed Fathi, ATN

平和の触媒としての音楽
平和を推進する上で音楽が果たすユニークな役割を振り返り、ホァン氏は言語や文化の壁を超える音楽が持つ比類ない力を強調した。また、音楽が紛争を解決し社会の調和を促進する上で極めて重要な役割を果たしてきた歴史的な前例を挙げながら、共感を呼び起こし、相互理解と和解を促進する音楽の能力を強調した。

エンパワーメントと平和のために団結しようという呼びかけ
ホアン氏の洞察は、より公平で調和のとれた世界を形成する上で、エンパワーハー・フォーラムのような取り組みや「Let Peace Prevail(平和を勝ち取ろう)」のような芸術的試みが持つ変革の可能性に光を当てた。エンパワーメントと平和への揺るぎないコミットメントを持つこれらのイニシアチブは、刻々と変化する世界情勢の中で希望の光となっている。(原文へ

INPS Japan

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ガザ地区の戦闘休止を冷却期間に

この記事は、戸田記念国際平和研究所が配信したもので、同研究所の許可を得て転載しています。

この記事は、2023年11月25日に「Australian Financial Review」に初出掲載され、執筆者の許可を得て再掲載したものです。

イスラエル人とパレスチナ人は、何とかして過去に終止符を打たなければならない。さもなければ、混乱の未来に直面するだろう。

【Global Outlook=ラメシュ・タクール】

イスラエル人の人質50人とパレスチナ人の収監者150人を交換するため、ガザ地区での戦闘を4日間休止する取り決めは、紛争の動態を再構築するだろう。

ガザにおけるイスラエルの今の戦略には、五つの目標がある。ハマスの解体、人質の返還、イスラエル人兵士へのリスク低減、民間人の犠牲抑制、ガザ地区外への戦闘拡大の回避である。(

ハマスが10月7日に攻撃を仕掛けた目的は、できる限り多くの人を殺害し、レイプし、切断し、燃やし、誘拐すること。つまり、国民を守るイスラエル政府の能力に対する国民からの信頼を損なうこと、大勢の民間人の死者を出し、アラブ人街を炎上させる極めて暴力的な反応をイスラエルから引き出すこと、世界中のムスリムを激怒させ、西側諸国の都市を大勢の抗議者で埋め尽くすこと、イスラエルを国際的に孤立させること、アブラハム合意を解体すること、そして、アラブ諸国との国交正常化プロセスを中断させることである。

イスラエルは、人々が記憶する限り最も困難で緊迫した市街戦のさなかにある。ハマスの軍事力とインフラを削ぐため、数週間にわたって空爆した後、地上攻撃を行い、イスラエルはガザ北部を掌握した。戦闘計画は、ハマスを民間人から分離し、民間人を南部に移動させ、戦闘員を攻撃するというものだった。これは部分的に成功しただけである。なぜなら、ハマスは一般住民の間にあまりにも深く根を張っているからである。

情報戦の進捗状況は、さらにばらつきが大きい。大虐殺のビデオ画像も、継続中の軍事攻撃への支持を引き出すことが徐々にできなくなっている。占領地帯に国際メディアを入れて、戦時国際法に違反しているハマスの罪の証拠を開示し、情報を機密解除し、ビデオ映像や傍受した通信を公開するというイスラエルの戦術は、イスラエルが犯している戦争犯罪は虐殺の域に達するというハマスの宣伝に対抗するという意味では、限定的な成功しか収めていない。

軍事力とナラティブが交錯する戦争において、イスラエルは、反乱勢力が仕掛ける古典的な罠の挟み撃ちに陥っている。イスラエルにとっては勝利しないことが敗北であり、ハマスにとっては生き残るだけでも勝利である。

戦場がガザ地区南部に移行するにつれ、この不均衡はさらに悪化し得る。近隣諸国が受け入れを拒否するなか、民間人はそこからどこへ行けば良いというのだ? イスラエルは、安全なルートを通じた人道援助や支援物資の提供を、より明確に優先する必要があるかもしれない。

また、召集された30万人の予備役は、イスラエルのハイテク経済の崩壊を防ぐために本業に復帰する必要があるため、時間の経過はイスラエルにとって不利に働く。一方、ハマスもイランとヒズボラによる支援には限界があるということを分かっている。

戦闘休止によって、双方が状況を吟味し、短期および長期目標を再調整することが可能になる。

1日あたり十数名の人質解放が可能になるよう停戦が延長されるなら、ハマスは武器や戦闘員を再編成し、再武装し、再配置するための貴重な時間を稼ぎ、イスラエル民間人への攻撃を再開するだろう。

他方、戦闘休止が長引くほどイスラエルにとっては戦闘を再開することが政治的に困難になるだろう。それにより、ハマスのガザ地区における支配力とそこからイスラエルの安全保障を脅かす能力を破壊するという、イスラエルの最大の目的が妨げられる。

コストと利益が不均等であるということは、イスラエルに対して猛攻撃を加えることができるというメッセージとしてハマスに10月7日の再現を煽るものである。イスラエルは報復しようとしても、それを果たす前に停戦を強いられるだろう。

これを阻止する唯一の方法は、以前から存在していた二重の抑止力を再構築すること、すなわち、イスラエルの優れた情報活動と報復能力によってハマスの攻撃を抑止し、米国による介入という脅威によって地域のハマス同盟国を抑止することである。

そのためにイスラエルはまず、情報活動の失敗、国境の物理的障壁、10月7日のイスラエル軍の初動までの時間という、三つの疑問に答える必要がある。

また、ユダヤ人に対するホロコースト以来最悪の攻撃が加えられた日に国家の舵を取っていたビンヤミン・ネタニヤフが現職に留まるとは考えにくい。パレスチナ自治政府に対抗してハマスの強化に加担したのではないかという疑惑が調査で裏付けられようものなら、なおさらである。

また、イスラエルは2007年からガザ地区の陸路、海路、空路を封鎖し、230万人の住民に壊滅的な人道的影響を及ぼしており、封鎖を解除するよう圧力を受けるだろう。だからこそ、国連がガザ地区を「占領されたパレスチナ領域」と呼ぶのである。封鎖を解除しなければ、世界最大の天井のない監獄というガザ地区のナラティブが言われ続けるだろう。

ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の継続的拡大にも、終止符を打たなければならない。イスラエルの国内政治における内部的緊張を緩和しようとすると、外交政策において余りにも高い代償を強いられることになる。願わくは、イスラエルが再び、サウジアラビアのような主要アラブ諸国との国交正常化を模索して欲しい。

その一方で、イスラエルは国際的な支持基盤が縮小しつつあるという新たな常態に二つの面で適応しなければならない。西側世界では、若者たちがイスラエルに背を向けてパレスチナの大義に転向し、明白な世代間の分断が生じている。

また、西側世界が世界情勢に関するナラティブを支配する能力を徐々に失うなか、西側諸国とイスラエルは、イスラエル・パレスチナ関係の歴史がどのように見られているかを受け入れなければならなくなるだろう。

多くの人は、罪悪感に駆られたキリスト教西側諸国がユダヤ人に対し、ホロコーストの償いをパレスチナという通貨で支払ったと考えている。パレスチナを分割してイスラエルを建国することを賛成33、反対13で承認した国連総会決議181号(1947年)は、その時点で西側諸国に支配されていた。反対票の数を見れば、植民地独立後の世界における国連加盟国のバランスがいっそうよく分かる。

実際問題として、これは、イスラエルが世界唯一のユダヤ人の祖国として存在する権利を認めると同時に、パレスチナ人の彼ら自身の国に対する権利を認めるということを意味している。ハマスの軍事的破壊は必要かもしれないが、双方の最大限の要求には及ばないまでもそれぞれの最低限のニーズを満たす外交と交渉を伴わなければ、十分ではない。

われわれの誰もが、過去を振り返り、被害者意識と不満に満ちたナラティブを固定化し、内面化することがあるだろう。脱植民地化のイデオロギーが染み込んだ昨今の社会正義概念の基準を用いて歴史をさかのぼろうとすれば、人類がこれまで知る中で最も不安定で暴力的な時代が必ずや訪れるだろう。

そうではなく、われわれは未来に目を向けて、歴史的な不正義に終止符を打ち、力を合わせて許容可能な共存の未来を切り開くこともできる。

ラメッシュ・タクールは、元国連事務次長補。現在は、オーストラリア国立大学クロフォード公共政策大学院名誉教授、同大学の核不拡散・軍縮センター長、および戸田記念国際平和研究所の上級研究員を務める。「The Nuclear Ban Treaty :A Transformational Reframing of the Global Nuclear Order」の編者。

国連保健機関、ガザの飢饉を警告

【ジュネーブIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン】

ガザ地区(長さ50km、幅5~8kmの狭く細長い種子島ほどの面積に200万人の人が住む 世界で最も人口密度が高い場所)の状況は壊滅的であり、ガザ北部は差し迫った飢饉に直面している。3月18日に発表されたIPC(総合的食料安全保障レベル分類)パートナーシップによる最新の分析によると、他の地域も危機に瀕している。ガザ地区への大幅な食糧搬入が許可されない限り、100万人以上が壊滅的な飢餓に直面すると予想されている。

ここ数ヶ月の敵対行為の前には、5歳未満の子どもの0.8%が急性栄養失調に陥っていた。しかしこの報告書によると、北部では、2月の時点で、この数値は12.4~16.5%にのぼっている。

Tedros Adhanom Ghebreyesus/ WHO
Tedros Adhanom Ghebreyesus/ WHO

世界保健機関のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、「IPCの発表は、ガザ地区の人々が直面している悲惨な状況を反映しています。この危機が起こる前、ここには住民を養うのに十分な食糧があり、栄養失調になることはまれでした。今、人々は死に、さらに多くの人々が病気になっています。」と語った。

食料、水、その他の必要物資の供給を大幅に、かつ早急に増やさなければ、状況は悪化の一途をたどるだろう。既にすべての世帯が日々の食事を抜き、大人は子どもが食べられるように食事を減らしている。

数千人の生活と健康への長期的影響

WHOは、現在の状況が数千人の命と健康に長期的な影響を及ぼすと警告している。今この瞬間も、子どもたちは栄養失調と病気の複合的な影響によって命を落としている。栄養失調になると、重症化しやすくなり、回復が遅れたり、病気に感染して死亡したりしやすくなる。

栄養不良、栄養価の高い食品の摂取量の少なさ、繰り返される感染症、保健衛生サービスの欠如が長期的に及ぼす影響により、子どもたちの成長は全体的に伸び悩む。これは、将来の世代全体の健康と幸福を損なうことになる。

WHOとIPCのパートナーは、医療従事者と患者のために医薬品、燃料、食糧を届ける危険度の高いミッションを実施しているが、物資を届けるよう要請しても、しばしば妨害されたり、拒否されたりしている。道路が寸断され、病院内やその近くでも戦闘が続いているため、配達できる物資は少なく、遅々として進まない。

IPCの報告書は、WHOや国連のパートナー、非政府組織(NGO)が数カ月にわたって目撃し、報告してきたことを裏付けている。私たちのミッションが病院に到着すると、疲れ果てて空腹を訴える医療従事者に会い、食料や水を求められる。救命手術や手足の欠損から回復しようとしている患者、がんや糖尿病の患者、出産したばかりの母親、生まれたばかりの赤ん坊など、飢えとそれにつきまとう病気に苦しむ人々を目の当たりにする。

WHOは現在、栄養クラスターのパートナーとして、ラファの栄養安定化センターを支援し、医学的合併症を伴う重度の急性栄養失調の子どもたちを治療している。

「私たちは、ガザ北部のカマル・アドワン病院と、ラファの国際医療部隊野戦病院の2つのセンターの設立を支援しています。WHOは、アル・アクサ病院とアル・ナジャール病院の小児科病棟に対し、栄養物資や医薬品の提供、医療従事者のトレーニング、母乳育児を含む乳幼児への適切な授乳方法の普及などを通じて支援しています。」とWHOは語った。

さらなる栄養センターが必要

WHOは、合併症を伴う栄養不良に対処する医療従事者の訓練を行っている。また、治療を必要とする子どもたちのために、病院やセンターに医薬品を供給する支援を行っている。

ガザの主要な病院すべてに、栄養センターと安定化センターを増設しなけれ ばならない。栄養不良の管理を地元で拡大するためには、地域社会そのものが支援を必要としている。

WHOをはじめとする国連パートナーは、イスラエルに対し、より多くの 検問所を開放し、水、食料、医薬品、その他の人道支援物資のガザ地区への流入と輸送を加速化するよう求めている。(原文へ

INPS Japan

*INPS Japanでは、ガザ紛争のように複雑な背景を持つ現在進行中の戦争を分析するにあたって、当事国を含む様々な国の記者や国際機関の専門家らによる視点を紹介しています。

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|アフリカ| 海底ケーブルの損傷でインターネットが中断

【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】

 電話や長距離通話サービスやデジタル携帯電話ネットワークのない世界とはどんなものなのだろう。世界中の何十億という人々が、文字にすることなく親戚に電話をかけたり、ビジネスをしたり、情報を交換したりしているのだから、想像するのは難しい。

Netblocksによると、コートジボワールが最も深刻な障害に直面し、リベリア、ベナン、ガーナ、ブルキナファソが大きな影響を受けた。インターネット企業のCloudflareは、自社の監視アカウントを通じて、ガンビア、ギニア、リベリア、コートジボワール、ガーナ、ベナン、ニジェールで大規模な障害が続いていることを確認した。

午前8時までに、ナイジェリア、コートジボワール、ガーナで銀行閉鎖が報告された。

ケーブルの損傷によるネットワークの混乱は近年アフリカで発生している。しかし、「今日の混乱はもっと大きなものを示唆しており、これは最も深刻なもののひとつだ」とNetblocks社のリサーチ・ディレクター、イシク・メーテル氏は語った。

いくつかのケースでは、シャットダウンは意図的なものだった。たとえばセネガルでは、活動家グループが企画したサイレント・マーチの直前、火曜日に通信省が携帯電話会社にインターネット・アクセスを停止するよう指示した。

このデモ行進は、2月25日に予定されていた大統領選挙の突然の延期に抗議するためのものだった。先週の激しい衝突では3人が死亡し、多数の逮捕者が出た。

ナイジェリア、コートジボワール、リベリア、ガーナ、ブルキナファソ、南アフリカは、10カ国中最悪の被害を受けている。マイクロソフトは顧客に対し、ケーブルの修理が長期化する可能性があると警告した。西アフリカのデータセンターおよび接続プロバイダーであるMain Oneは、海底ケーブルシステムの断線によるインターネット停止を非難した。

比較的良好な位置にある南アフリカ

南アフリカは比較的良い位置にあるように見えるが、シエラレオネやリベリアを含むいくつかのアフリカ諸国では、実際に国に入ってくる光ファイバーケーブルは1本だけである。これらの国からのインターネット・トラフィックは、ケーブルが断線すると基本的に停止する。ナミビアとレソトも影響を受けた。

「当然ながら、これは生活、ビジネス、そして政治のあらゆる側面に大きな影響を与える」とジャハジーア氏は続けた。「衛星を経由して迂回できる通信もありますが、衛星トラフィックは世界のデジタル通信の1%程度にすぎません」。

デジタル植民地主義 “と呼ばれるものに対する疑問が浮上している。「以前は、ケーブルは公共部門と民間部門のパートナーシップの組み合わせによって資金を調達していましたが、現在ではアルファベット、メタ、ファーウェイなどの大手民間企業がケーブルインフラに資金を提供することが増えています。このことは、デジタル・インフラの管理と監視に深刻な影響を及ぼしている。」

「貧しい国々は、しばしば裕福な企業体の条件を受け入れるしかない。これはアフリカのデジタル主権にとって信じられないほど危険なことであり、もっと公に議論されるべきことである。」(原文へ

INPS Japan

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国連事務総長が映画『オッペンハイマー』は核の終末の厳しい現実を示したと警告

【国連IDN=タリフ・ディーン】

数々の賞を受賞した映画『オッペンハイマー』は、原子爆弾の開発に貢献したとされるロバート・オッペンハイマー博士の生涯を題材にしたもので、核軍縮を求める長年の運動と、世界で最も破壊的な兵器のひとつである核兵器のもたらす死と破壊に再びスポットライトを当てることとなった。

米国が1945年8月に広島・長崎に2発の原爆を投下した際、世界はこれほど甚大な人的災害を経験したことがなかった。両原爆による死者は14万人~22万6000人と推定されている。

「世界芸術科学アカデミー」理事で「グローバル安全保障研究所」所長であるジョナサン・グラノフ氏はこの映画について、今日の数千発の核兵器の持つ破壊力は我々の想像力をはるかに凌駕していると語った。

「この映画は、原爆を作る過程における個々の人間の行為に焦点を当てることで、このような装置を作ったのが人間の手であるならば、それを廃絶するのもまた人間の手によるものだということを私たちに思い起こさせてくれます。この任務を無視するのかそこに向かって努力するのかは、私たちの良心にかかっています。」と語った。

グラノフ氏の発言は、アルベルト・アインシュタイン博士からの強い警告を想起させる。「解き放たれた原子の力は、われわれ思考様式以外のすべてのものを一変させてしまった。こうして私たちは前代未聞の破滅へと突き進んでいる。」

こうしてアインシュタインは1955年、バートランド・ラッセルや他9人の著名な科学者らとともに強力な宣言を発し、人々にこう選択を迫った。「もし人々が皆その気になれば、人類の前には、幸福と知識と知恵の不断の進歩が横たわっている。それなのに争いを忘れることができないという理由で、死を選ぼうとするのか。私は一個の人間として人間に向かって訴える。『人間性』を想い出しなさい。それ以外を忘れなさい。それができれば、新しいパラダイスヘの道が開ける。さもなければ、人類の絶滅しかないだろう。」

現代の偉大な英雄の一人、ジョセフ・ロートブラット博士

映画『オッペンハイマー』は現代のヒーローであるジョセフ・ロートブラット博士を無視しているとグラノフ氏は指摘した。ロートブラット博士もアインシュタイン=ラッセル声明の署名者の一人であり、ナチスの原爆開発は不可能だと悟った時点でマンハッタン計画から降りた人物でもある。

ロートブラット博士は、同計画を主導した軍人グローブズ将軍に対してその事実を告げたが、原爆は単にナチスを抑止するためだけではなく、ソ連の力に対抗する意味合いも込めて開発が進められていることを知った。

「ロートブラット博士は、もし米国が原爆を開発・使用すれば軍拡競争の危険があると見ていました。」とグラノフ氏は語った。ロートブラット博士は、科学と世界の諸問題に関するパグウォッシュ会議を創設し、1995年にはノーベル平和賞を受賞した。

オッペンハイマー博士も同様に軍拡競争の危険は感じており、きわめて破壊的な水素爆弾の開発には反対した。代わりに、核兵器の危険性を封じ込めるために、国際レベルでの外交や法、協力を促した。

オッペンハイマー博士はこうした政治的主張によって迫害され、セキュリティクリアランスを剥奪された。「映画は、実際には原則的なことが問題になっているのに、代わりに個人間の反目をゆがんだ形で強調している。」とグラノフ氏は指摘した。

世界芸術科学アカデミー(WAAS)

最終的にオッペンハイマー、ロートブラット、ラッセル博士は1960年、世界芸術科学アカデミー(WAAS)という著名な組織の設立に尽力し、世界から核兵器の脅威をなくし、生命の破壊ではなく改善に科学をより広範に使用しうるような近代的な取り組みを導くことになった。

WAASは今日でもその遺産を保っており、「継続的な進歩」、そして究極的には人間の安全保障という約束を果たすために活動している。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は3月18日に安保理で行った演説で映画『オッペンハイマー』に言及した。同作は10日、ハリウッドのアカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞など7部門で受賞していた。

グテーレス事務総長は「世界終末時計は誰にも聞こえるぐらいの音でカチカチと音を鳴らしています。学界から市民社会に到るまで、この核の狂気を終わらせる呼びかけがなされています。」と語った。

「ローマ教皇は、核兵器の保有は『不道徳』だと述べました。自らの将来について懸念する世界中の若者たちは、変革を要求しています。広島・長崎の被爆者は、権力に対して真実を語り、時代を超えた平和のメッセージをたゆみなく送り続けています。」そしてハリウッドでは「核による終末という厳しい現実を世界の多くの人々にまざまざと見せつけました。」とグテーレス事務総長は指摘した。

ブリティッシュコロンビア大学(バンクーバー)グローバル公共政策グローバル問題大学校「軍縮・グローバル・人間の安全保障」プログラムの責任者を務めるM・V・ラマナ教授は、映画『オッペンハイマー』は「それ以前の兵器よりもはるかに大きな破壊力を持つ原爆の発明と使用によって世界がいかに変えられてしまったかを示している。」と語った。

ヒロシマ・ナガサキ

オッペンハイマー博士が広島・長崎を破壊した原爆の創造を1940年代に監督して以来、核兵器の破壊力は格段に大きくなった。

ラマナ氏は、「核兵器を人間と都市の上に運ぶ方法は、射程・精度・数のいずれの面においても進化してきました。」と指摘したうえで、「資源と権力をめぐる終わりなき競争に駆り立てられて、核兵器保有国は他国の民衆を攻撃する軍事力の一方的な使用に常日頃から関与してききました。」と語った。

「ロシアのウクライナに対する攻撃や、イスラエルのガザに対する全面的な爆撃はその最新の一例に過ぎません。」とラマナ博士は語った。

米国は、朝鮮やベトナム、カンボジア、アフガニスタン、イラクなどのはるか遠方の国々への軍事攻撃で世界を主導し、数えきれないほどの人々を殺害してきたとラマナは指摘する。

「気候変動の危機が厳しさを増し、『血と土地』の論理を振りかざす国家主義的な運動が各国で激しくなる中、軍事的な対立の危険が増しており、核兵器がいつかどこかで使用されてしまうリスクも高まっています。」

ラマナ博士は最後にこう指摘した。「核兵器を廃絶する緊急性が高まっているだけではなく、オッペンハイマー博士や、とりわけアインシュタイン博士のような人々を熱狂させた別のアイディアについて真剣に再考すべき時だと思います。すなわち、(アインシュタインの挑発的なフレーズを使わせてもらうならば)「視野の狭い国家主義という時代遅れの概念」から脱却して『ひとつの世界』へと到るという道のことです。」(原文へ

INPS Japan

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|視点|映画『オッペンハイマー』が見落としたもの(浅霧勝浩INPS Japan理事長)

核廃絶を求める私たちこそがグローバル・マジョリティーだ。(ジャクリーン・カバッソ西部諸州法律財団事務局長)

「グローバル・ヒバクシャ:核実験被害者の声を世界に届ける」(寺崎広嗣創価学会インタナショナル平和運動総局長インタビユー)

高まる水危機で紛争の危険が高まり、SDGs実現も危ぶまれる

【国連IDN=タリフ・ディーン】

中東の激動の政治と言えば、石油というたったひとつの宝の商品がもたらす不確実な富の問題に長らく集約されていた。

中東のある外交官はかつて「水を求めて乾いた砂漠を掘れば、必ずと言っていいほど石油が出てくる。」と語ったものだ。

しかし、水危機の高まりはそれを凌駕しており、途上国の数十億人の生活に影響を与えている。そして彼らの手には、残念なことに、石油も水もないのである。

3月22日に国連が発表した最新の報告書は、水をめぐる緊張が世界全体で紛争を悪化させていると警告した。

国連の水問題フォーラム「UNウォーター(国連33機関で構成)」を代表して国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が発行した『国連世界水開発報告2024年版』は、平和を維持するには各国が国際協力と国境を越えた合意を促進しなくてはならないと指摘している。

世界で30億人以上の人々が国境を越えた水資源に依存している。しかし、すべての共有水について協力協定を結んでいるのは24カ国にすぎない。

今日、22億人が依然として安全に管理された飲み水を手にすることができず、35億人が安全に管理された衛生サービスを利用できない。

17項目の持続可能な開発目標(SDGs)の中では、第6目標が「すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する」ことを謳っている。水資源や下水処理、生態系の持続可能な管理に焦点を当て、人々の可能性を広げる環境の重要性を謳っている。

しかし現在のところ、この第6目標を含むSDGsのどれもが順調に進んでいるようには見えない。

安全に管理された衛生を巡る状況は暗く、35億人が衛生サービスを利用できていない。都市や自治体は、加速する都市人口の増加に対応できていない。

「2030年までにすべての人が水を利用できるようにするという国連の目標は達成に程遠い。」と報告書は述べている。

国連総会(加盟193カ国)のデニス・フランシス議長は、3月22日の「世界水の日」いおける発言で、「水は生命の本質であり、水には本来国境などなく、境界線や文明を超えて自由に流れるものだ。今日ニューヨークに降る雨は、雄大なナイル川や美しいセーヌ川から流れてきたものかもしれない。私たちの生態系や水循環、ひいては私たちの世界の相互関係を鮮明に示している。」と語った。

水の過剰、不足、汚染、そのいずれであれ、水を巡る複雑に絡んだ状況は、気候変動の容赦ない影響によってさらに複雑化している。

フランシス議長は、水を巡るこうした状況が、社会的緊張や経済格差、政治的不安定の問題をさらに悪化させ、紛争と社会的不安定のリスクを高めていると指摘した。

だが、こうした過去の難題の中には、集団的な解決や協調のヒントが潜んでいる。水を巡る協力は、水が確保された平和な社会を作るうえで、単に利益をもたらすというだけではなく、不可欠なものなのである。

「気候変動の影響が増大し、人口が増加する中、最も貴重な資源の保護と保全に向けて各国内および各国間で団結することが緊急に必要とされている。」とフランシス議長は語った。

ユネスコのオードレ・アズレ事務局長は、「水資源への負荷が強くなる中、地方や地域での紛争のリスクも高まっている。ユネスコのメッセージは明確だ。すなわち、もし平和を守りたいのなら、水資源を守るだけではなく、この領域において地域と世界全体での協力を強化するために緊急に行動しなくてはならない。」と語った。

国際農業開発基金(IFAD)とUNウォーターで代表をそれぞれ務めるアルバロ・ラリオは「水は、持続可能かつ公正な形で管理されれば、平和と繁栄の源になりうる。また、文字通り農業の血液ともなり、多くの人々にとって社会経済的な原動力になる。」と語った。

ユネスコの報告書によると、2001年から2021年までの間に、干ばつによって影響を受けた人々は14億人に上る。

2022年時点で、世界人口の約半数が少なくとも一年の一部で深刻な水不足に見舞われており、4分の1は年間再生可能な淡水供給量の8割以上を使用する「極めて高い」レベルの水ストレスに直面している。

気候変動によってこうした現象の頻度と程度は強まると見られ、社会的不安定のリスクは高まっている。

他方で、オックスファムが3月21日に発表した報告書は、世界で最も影響力のある食料・農業企業のわずか28%しか水使用量を減らしておらず、水の汚染を減らす対策をしている企業はわずか23%しかいないと警告している。

「世界ベンチマーキング同盟」のデータを使用して350社を分析したオックスファムの今回の報告書は、3月22日の「世界水デー」に先立って発表された。

45年以上前に水に関する初めての大きな会議を招集した国連は、推定20億人が安全な飲み水を手にすることができず、最大30億人が年間のうち少なくとも1カ月は水不足を経験しているとしている。

分析の対象となったカルフール社やアブリル・グループをはじめとした350社は、世界の食料・農業企業の年商の半分以上を占めている。淡水利用の7割は農業向けであり、世界の産業ではこれ以上に水を使用する部門はない。工業的農業は水汚染に大きな責任を負っている。

オックスファムの分析はまた、350社中108社しか、水の少ない地域からの水利用についての情報開示をしていないと述べている。

「大企業が大量の水を汚染したり消費したりすれば、その犠牲になるのは地域社会だ。井戸は空になり、水道代は上がり、水源が汚染されて飲み水には適さなくなる。水が少なくなれば飢餓につながり、病気が増え、居住地を追われることにもなる。」とオックスファムフランス支部のセシル・ドゥフロー支部長は語った。

「企業が自らの慣行を変えるような善意に期待することはできない。政府が企業に自らの責任を取らせ、企業の利益追求に対して公共財を守らねばならない」とドゥフローは話す。

水と富は分かちがたく結びついている。富裕層は安全な飲み水を手にすることができるし、自費で高い水を買うこともできる。他方で、貧困層は、公的な上水道を利用できないことも多いし、水道代に収入の相当の部分を割かねばならない。

ペットボトル水市場の急成長は、大企業がいかに水を収奪・商品化しているか、それによっていかに不平等や汚染、害悪が加速されているかを示している。

国連によれば、巨大化するペットボトル水産業は、持続可能な開発目標の第6目標(安全な飲み水をすべての人の手に)の進展を遅らせている。

フランス当局は、2023年5月から2カ月、ボルビック地区を含んだピュイ・ド・ドーム県の干ばつ被害地域で多くの人々に水道使用制限を課している。

しかしこの制限は、多国籍企業ダノン社の子会社であるボルビック社には適用されていない。同社はこの間も、ボルビックの水ペットボトル生産のために地下水を使用し続けている。オックスファムによれば、2023年、ダノン社の利益は8億8100万ユーロに達しており、株主に12億3800万ユーロを配当している。

地球の気温上昇によって、干ばつの頻度が増し、降雨パターンや水の流出のあり方が変化することで、東アフリカや中東などの元々水資源の少ない国ではさらに水が少なくなるであろう。

人々が長い時間列に並んだり長距離を水を汲みにいったりするなど、日常的な水源へのアクセスでどれだけ苦労しているか、汚染された水を利用することでいかに健康を崩しているかを、オックスファムは長らく観察してきた。

たとえば、南スーダン・レンクにある中継キャンプでは300人以上の人々がたった一つの蛇口を共有しており、コレラなどの感染症蔓延の危険が高まっている。オックスファムは昨年、ソマリアやケニヤ北部、エチオピア南部の一部の井戸の9割が完全に枯れていると警告した。

オックスファムは各国政府に次の行動を求めている。

・水は人権と公共財の問題であると認識すること。人間への水の提供に関しては、利益追求を優先してはならないこと。

・水の汚染問題を含め、企業が人権や環境権・環境法を乱用・違反しないよう責任を取らせること。

・水の確保や公的水供給への補助、持続可能な水管理、気候変動に強い水・衛生に投資すること。水と衛生に関する国家計画・政策において、女性のリーダーシップ発揮や参加、全ての段階での意思決定を確実にすること。(原文へ

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人工知能は社会への脅威

この記事は、戸田記念国際平和研究所が配信したもので、同研究所の許可を得て転載しています。

【Global Outlook=ドン・バード】

筆者は数十年にわたり、人工知能の周辺で、また、時にはその領域内で仕事をしてきた。現在は、社会の有害な分極化を解消するための取り組みにおいて米国で最も効果を挙げている組織の一つ、ブレイバー・エンジェルズ(Braver Angels)でタスクフォースの共同議長を務めている。

現在AIを利用している、あるいは近いうちに利用しそうな多くの用途が、筆者の頭を悩ませている。実のところ、その一部に筆者は恐怖を覚えているし、読者も恐怖を覚えることを願うばかりだ! 考えて欲しい三つの事実がある。(

(1)「ディープフェイク」は、AIで生成した音声や動画である。ディープフェイクは、詐欺や政治的不正工作、あるいはポルノ制作のために使われ得る。実際にそのような例がソーシャルメディアに登場しており、「実はデサンティスが大好きだ」とヒラリー・クリントンが動画の中で語っている。「彼は、まさにこの国が必要としているタイプの人物であり、私は本気でそう言っている」。また、ある人の顔を別人の体に貼り付けるポルノビデオは、ますます広がりつつある。

(2)米国と中国はいずれも、何らかのAI制御兵器を実戦配備しようと躍起になっているようだ。これには、自律型致死兵器システム(LAWs)、すなわち、単に敵の「資産」(ドローン、線路など)を破壊するのではなく、人を殺す判断を自力で下すことができる兵器が含まれる。

(3)ChatGPTのような「大規模言語モデル(LLM)」の開発者は一般的に、それらのモデルが偏見や危険な情報を含んでいるなどの有害な文章を生成しないようにする機能を搭載している。しかし、再三再四にわたり「ガードレール」機能の抜け穴が発見されており、LLMが公開されてから数分で発見される場合もしばしばである。テロリストがそのような抜け穴を利用して、症状が1週間現れないため感染を広げる時間がたっぷりある新しい致死的病原体を開発する方法を学習することを想像して欲しい。

市民の間の信頼は民主主義社会の不可欠な要素であるが、AIはすでにそれを損ないつつある。2023年初め、有名なAI研究者であり批評家のゲイリー・マーカスは、「われわれは、もはや何を信じたら良いか全く分からない世界に極めて急速に行き着こうとしている。それは社会にとって、例えばこの10年間で、すでに問題となっている。この先はますます悪化する一方だと思う」と述べた。音声や動画のディープフェイクは、信頼が損なわれる一つの方法である。無害に見えるが、現実と人工の境界を曖昧にするものも、しかりである。

しかし、昔ながらの言い回しを使った偽情報キャンペーン、ますます極端化し分極化する見解に基づくコンテンツをしばしば提案するソーシャルメディア、いわゆる「ハルシネーション」など、他にもいくつかの脅威がある。ハルシネーションとは、完全に間違っていることをLLMが自信たっぷりに主張してくる、驚くほどよく見られる現象である。ミシェル・ウィリアムズによる「われわれはAIをどこまで野放しにするのか?(How far will we let AI go?)」という記事では、「ChatGPTが、銃は子どもたちにとって有害ではないと主張する研究をでっち上げ」、高く評価された学術雑誌に掲載された論文を引用したが、そんな雑誌は存在していないという事例を報告している。その一方で、コンピュータービジョンの進化は著しく、人間になりすますコンピューターを識別するReCAPTCHAやその他の手法を役に立たなくする恐れがある。また、自己の決定を説明することができる「説明可能なAI(Explanable AI)」は長年活発に研究が行われてきた分野であるが、今後1年や3年で説明可能性が普及すると思わないほうがいい。

AIがどのようにわれわれの脅威になるのかと聞かれた場合、専門家も一般人も、おおむね二通りのうちいずれかの反応をする。未来のAGIすなわち「汎用人工知能」は、近い将来ではないにしても、文明の存続にとって、さらには人類の存続にとってさえ深刻な脅威となるだろうというもの、あるいは、それはすでにわれわれの民主主義および/または社会にとって深刻な脅威となっているというもののいずれかである。筆者は、2番目の「AIは今日の民主主義と社会にとって脅威となっている」というグループである。われわれに何ができるだろうか?

さまざまな理由から、明白な解決策(開発の停止または凍結、認可制、ウォーターマーキングなど)のほとんどは、あまり多くの成果を挙げられそうにない。しかし、社会への脅威の一部は、ソーシャルメディアによって大幅に増幅されている。ソーシャルメディア企業はすでに、投稿が拡散する前にチェックを行っているが、別の方法でコンテンツをチェックするよう各社に要請することがかなり有益かもしれない。「AI生成された本物ではないコンテンツの害に対処する(Addressing the harms of AI-generated inauthentic content)」と題する短いながらも示唆に富んだ論文では、有名な偽情報研究者らが次のように論じている。

「言論の自由を守るという明白な課題があるだけでなく、AIに対する規制は、法令を遵守する事業者によって開発されたツールにしか効果がないだろう。しかし、AIのアルゴリズムやデータはオープンソース化されており、コンピューティング能力はますます低廉化しているため、悪意の行為者は、提案されているウォーターマーク基準のような規制枠組みに従う気は一切なく、独自の生成AIツールを開発するようになるだろう。AIによるコンテンツ生成ではなく、ソーシャルメディアプラットフォームを通した拡散を対象にした、別の規制枠組みを検討する必要がある。コンテンツに対する規制を、そのリーチに基づいて課すことも考えられる。例えば、ある主張が大勢の人の目に触れる前に、制作者に対してその事実性や来歴を証明するよう求めるといったことだ」

しかし、これらの問題を本当に解決できる技術はないだろう。ロバート・ライトは、「AIは危険になった。だから、外交政策の中心とするべきだ(AI has become dangerous. So, it should be central to foreign policy)」という記事の中で、戸田記念国際平和研究所の使命と特に関連性がある見解を表明しており、筆者もこの見解に同意する。

「ワシントンではAIの規制に関する真剣な議論がなされている。(…)AIの問題は、革新的な国内政策だけでなく、外交政策の基本的方向転換も必要である。このような変化は、ジョージ・ケナンが1947年に「フォーリン・アフェアーズ」誌に発表した、ソ連『封じ込め』政策を主張する『X論文』がもたらした変化の規模に匹敵する。しかし、今回の敵対国は中国であり、対立ではなく関与に向けた方向転換が必要である。AI革命という観点から見ると、第2次冷戦へと向かっている現在の流れを逆転させ、責任をもって技術進化を導くための国際努力に中国を引き入れることが、米国にとって極めて重要な利益となる」

AIによって増幅された偽情報は、特に危険である。なぜなら、近頃ではあまりにも多くの人が、突拍子もない極端な情報に飛びつくからだ。市民を教育し、AIが生成したコンテンツを識別できる可能性を高めることが重要であり、多少なりとも有用であるはずだ。しかし、筆者が真の解決と考えるのはただ一つである。到底受け入れ難い普通ではあり得ない極端な考え方に、激怒ではなく懐疑的な姿勢で反応するよう、十分な数の人々を説得することである。

ブレイバー・エンジェルズのような団体が何をできるかは、今後の課題である。

ドン・バード 1984年にインディアナ大学コンピュータサイエンスの博士号を取得。音楽情報検索分野の創設および音楽情報システムへの貢献で知られている。またテキスト情報検索、情報の視覚化、ユーザーエクスペリエンス・デザイン、数学教育などに学術界内外で取り組んでいる。バードは、オープンソースの楽譜作成システム「ナイチンゲール(Nightingale)」の作者である。現在は引退し音楽活動に時間を費やしているが、有害な社会の分極化を解消する取り組みを行う草の根団体「ブレイバー・エンジェルズ (https://braverangels.org)」 の活動に力を注ぎ、AIによる分極化と闘う「タスクフォース」の共同議長を務めている。

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緊迫感をもって国連の開発目標達成に努力すべき

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【カトマンズIDN=シモーネ・ガリンベルティ】

「持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラム」(APFSD)が先ごろ、バンコクで開催された。例年通り、このフォーラムは地域諸国の政府代表による公的な発言と、主に市民社会が国連の諸機関やプログラムと組んで実施する多数の素晴らしいサイドイベントから成り立っている。

今回で11回目となるこのフォーラムは、「2030アジェンダ」の実施状況を討論する主要な場となっている。これまで、持続可能な開発目標(SDGs)に関する新しい地域進捗報告書の発表と同時期に開催されてきた。

アジア太平洋地域のSDGs進捗状況報告書は、より持続可能で、公正で、強靭な未来を実現するための同地域の取り組みが、ひどい状況であることを改めて確認した。

特に貧困に苦しむ人々の数(目標1)や、持続可能な産業、イノベーション、インフラの強化(目標9)に関しては、若干の進展があったものの、目標や指標の大多数が達成には程遠い状況にある。

この驚くべき状況に対して諸政府や市民社会が緊急に対応しなくてはならないのだが、残念ながら緊迫感に欠けるのが現状だ。

振り返ってみると、「昨年9月に開催されたSDGsサミットの政治宣言でさえ、多くの人々が期待した高い期待に応える必要があった。ガバナンスの問題、すなわち、民衆と国家との間で権力がいかに行使され、共有されるかについて再検討することが喫緊の課題であることは明白だ。

さまざまな形態の政策決定が、「2030アジェンダ」が私たちの生活に直接的かつポジティブな影響と変化をもたらすであろうという話題の中心とならなければならない。

SDGsの実行を約束する

SDGsの実施を確実にするために必要なガバナンスの変化について、どのように議論を始めればよいのだろうか。

APFSDのような地域フォーラムは、取り上げられ議論される内容だけでなく、通常設計され提供される形式においても、そのような再考に貢献できるだろうか。ある意味で、持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラムは、ガバナンスにおける政策革新が「2030アジェンダ」の最も重要な実現要因になることを実証するプラットフォームになりうる。

このフォーラムの成り立ちとその実施を分析し、再検討に付さねばならない。主催者は、フォーラムにより参加しやすく、参加者をより包摂的にする努力を行ってきたと言って差し支えないだろう。

毎年、サイドイベントと関連イベント(この二つは明確に区別されねばならないのだが)の数は間違いなく増えてきている。ほとんどはオンラインでも参加でき、地域の利害関係者が参加しやすくなっている。

いわゆる「関連」イベントはフォーラムの公式議題とより密着したものであり、少なくとも文書の上では公式会議に直接の影響を与える。他方で、「サイド」イベントである会合やワークショップなどはより独立しており、フォーラムの公式議題とは緩いつながりしかない。

これら二つのカテゴリーのイベントをフォーラム自体とより一体的なものとすることはできないだろうか。 閣僚や高級官僚があらかじめ準備した声明を読み上げるだけの無味乾燥な公式会議を行うのみならず、これらとは別にサイドイベントや関連イベントとうまく連携することはできないだろうか。これらの「見てくれ」だけの発言に対して、何らかの「影響」を与えることはできないだろうか。

フォーラムに参加する諸国の代表が、サイドイベントだけに参加しているような利害関係者と交流・対話を持つことはできないだろうか。

サイドイベントが実質的には「内輪の議論」になってしまっている状態から脱して、公式の議論にこれら利害関係者の議論を完全に組み込むことはできないだろうか?

たとえば、「関連」イベントのカテゴリーに入っている「APFSD青年フォーラム」と「民衆フォーラム」は、フォーラム自体に完全に統合することが可能だ。現在は、これらのイベントと公式会議との間にはわずかなつながりしかない。

たとえば、「APFSD青年フォーラム」と「民衆フォーラム」の代表に公式会議での冒頭発言を認めることはできるはずだ。これだけでも歓迎すべき動きだが、まだ他にもできることはある。

たとえば、各国ごとの宣言を基礎にして「APFSD青年フォーラム」が出している主要な成果である「APFSD2024に先立つアジア太平洋地域青年の呼びかけ」が追求される必要がある。

それは大変素晴らしく、大胆な提言なのだが、単に象徴的な意味合いにおいてすら重きを置かれていない。例年呼びかけがなされているにも関わらず、誰にも気づかれないままゴミ箱行きになっている。この現状を変えるためにどうすればいいだろうか?

単純な解決策は、「APFSD青年フォーラム」と「民衆フォーラム」の代表やサイドイベントの参加者がフォーラム公式のさまざまな部会に参加し発言することを認めることだ。

第二の道は、公式日程の部会やプログラムを「主要」フォーラムへと移動することだ。フォーラムの部会は厳格になりすぎて、各国政府の高位代表の排他的な領域になってしまっていた。

代わりに、若者を含めた市民社会の関係者が政府代表と交流し意見を発表できるようにして、いわゆる「行動呼びかけ」がフォーラム自体で完全に議論され分析されるようにすればよい。

各国毎にできることはもっとあるだろう。APFSDの参加各国は、地域の国連機関と連携して、バンコクにおける主要イベントに向けた準備として国内で議論を組織することができる。

これらの協議によって、各国のフォーラムが「自発的国別報告」と接続・統合されて、各国がSDGsを実行する上での助けになることだろう。

単なるおしゃべりの場ではなく

ここで提案している変化は徐々に実行することもできるものだが、それにしても必要なのはビジョンだ。提案を現実に変換するには、明らかにAPFSDのこれまでのやり方を大幅に変更する必要がある。

地域の市民に対して、フォーラムをより包摂的で参加しやすく、意義あるものにするためには、より多くの資源と発想の転換が必要だ。アジア太平洋で保守的な発想が支配的であることを考えれば、このことの意義は大いに強調されねばならない。

各国政府はフォーラムを大きく変革させることを究極的には認めねばならない。それによってこのフォーラムは、「2030アジェンダ」を実行する各国政府の行動とコミットメントに対して政府が応答する真の基盤となることだろう。

しかし、アジア太平洋経済社会委員会(UN-ESCAP)の事務局は、完全に参加できないとしても、その招集能力を活用して、フォーラムの形式に新たな変化をもたらすためにできるのことが何かあるのではないだろうか。

これまでとは大きく異なるAPFSDはまた、若者や社会の他のメンバーが政策決定プロセスに影響を与える真の機会を持つ、より参加型のボトムアップの意思決定の実験への扉を開くだろう。

実際、フォーラムの運営のされ方には誰も満足していないだろう。現在のところそれは単なる「おしゃべりの場」に過ぎない。

他の実践に学ぶことは常に有益であるが、人類が直面している大きな難題―「2030アジェンダ」が完全履行されれば乗り越えることができる難題―の解決にはより多くの形の熟慮を必要とする。

APFSDやそれと同様の国連の地域フォーラムは、より意味があり、より踏み込んだ議論を通じて、SDGsを実現するために諸政府が行っていることを議論し分析するために、より多くのことを成すことができるだろう。

APFSDは、SDGs実行に関する市民社会のアイディアを形だけのものとして受け取るのではなく、真剣に議論する最重要のフォーラムに生まれ変わるべきなのである。(原文へ

※著者は、SDGsや若者を中心とした意思決定、より強固でより良い国連のあり方について執筆している。

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国連の未来サミットに向けて変革を求める青年達が結集

【東京IPS Japan=浅霧勝浩】

Future Action Festival Poster. Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.
Future Action Festival Poster. Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.

今年9月にニューヨークの国連本部で開催される「国連の未来サミット」に先立ち、核兵器廃絶と気候危機の解決に向けて若者の理解と行動を促す青年・市民団体の共同イベント「未来アクションフェス」(同実行委員会主催)が3月24日、東京の国立競技場で開催された。会場には日本各地から約7万人が参加したほか、ライブ配信を通して延べ50万人以上が視聴した。

このイベントでは、今日の国際社会が直面している複合的な危機について、会場の大型画面に映し出されたクイズ形式で共に学ぶセッションがあった。また、国連広報センターの根本かおる所長が、核兵器や気候変動問題に取り組む若者代表らとともに問題意識を深堀するトークセッション、さらには広島原爆で奇跡的に焼け残った「被爆ピアノ」による演奏や、歌やダンスを通じて平和の尊さを伝えるパフォーマンスが披露されるなど、参加者一人ひとりが、自身の問題意識を広げたり、変革の担い手として明日から行動と連帯を育む勇気と希望を持てる空間を提供していた。

Mr. Jacob Koller played “Merry Christmas, Mr. Laurence” on the A-bombed Piano which miraculously survived the atomic bombing of Hiroshima in 1945. Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan
Mr. Jacob Koller played “Merry Christmas, Mr. Laurence” on the A-bombed Piano which miraculously survived the atomic bombing of Hiroshima in 1945. Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan

トークセッションに参加したジェンダーの視点から核兵器の廃絶を目指す団体「GeNuine」の共同創設者である徳田悠希さんは、「今回このイベントに先立って実施された『青年意識調査』では、『若い世代の声が反映されていないと思う』という回答が80%を超えていました。ここまでくると、個人の感覚ではなく制度やシステムに問題があって、そのせいで若い世代が諦めてこういった問題から離れていってしまう現状が明らかになったと思います。」と語った。

Yuki Tokuda, co-founder of GeNuine (Left) Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.
Yuki Tokuda, co-founder of GeNuine (Left) Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.

「しかしここには『そうではないんだよ』という思いを持つ人々が7万人も集まっています。だから一緒に声を上げていけば制度だって変わるかもしれないし、変わった先に生きたい未来を選択するための席があるはずだという希望が持てます。明日から今回のイベントのことを忘れずに、できることをやっていきましょうというメッセージを伝えられたらいいなと思っています。」と語った。

このイベントでダンスパフォーマンスを披露した富永幸葵さんは、長年広島での被爆経験の「語り部」として生涯を全うした祖母の活動を身近に見てきた。「祖母は自身の被爆経験を語る際、必ず後半には、広島を離れて実際に核兵器を保有しているインドやパキスタンを訪れたり、紛争で貧困が蔓延し、地雷が埋められている地域に実際に足を運んで見に行ったエピソードなどを織り交ぜて、『今も広島で起こったことは終わっていません。あなたのできることで平和を伝えていってください。』と若い世代に呼びかけていました。」と語った。

Yuki Tominaga, third generation Hibakusha from Hiroshima, continues her grandmothers legacy while using her passion for dance as a medium to communicate about peace and Hiroshima bombing. Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.

「祖母の語る言葉には勝るものはないので遺志を継ぐなんてことはできないと思っていましたが、『あなたのできることで平和を伝えていったらいいんだよ。』と言ってくれて、それを契機に好きなダンスを通じて平和や広島の被爆経験のことを伝える活動に携わるようになりました。」「かつての私がそうであったように、とかく被爆証言や平和活動、平和イベントというのは、どこか暗くて悲しくて、楽しくないという印象があるかもしれませんが、私は若者が楽しく関心を持ちやすいダンスパフォーマンスを入口にして、平和と広島について語り合っていく、被爆者と若い世代の架け橋になりたい。」と富永さんは語った。

このイベントの実行委員会が、昨年11月20日から本年2月29日まで、日本在住の10代から40代の個人を対象に行った「青年意識調査」(119,925人が回答)の結果は、9割超が「社会をより良くするために貢献したい」と回答するなど、若者の声が反映されない現状を指摘しつつも、彼女たちのように、問題意識を行動へとつないでいける若者達の大きなポテンシャリティーを浮き彫りにした。また、質問には「社会について」「気候変動について」「核兵器について」「青年と社会構造、国連について」の項目が設けられていたが、8割以上が「核兵器は必要ない」と回答する一方で、「国連の必要性を感じている」との認識が示された。

A panel discussion with Kaoru Nemoto, director of the United Nations Information Center(3rd from left), and youth representatives delved into nuclear weapons and climate change. Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.
Melissa Parke, Executive Director of ICAN. Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.

こうした「変革の世代」となりうる若者の大きなポテンシャルについては、国連や市民社会組織も注視しており、このイベントには、国連ユース担当のフェリペ・ポーリエ事務次長補やオーランド・ブルームユニセフ(国連児童基金)親善大使、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のメリッサ・パーク事務局長らがメッセージを寄せ、若者への期待が述べられた。

本年9月にニューヨークの国連本部で初めて開かれる「国連の未来サミット」では、世界が直面する重大な課題への協力の強化と、SDGsのさらなる推進を実現するために、国や国際的な枠組みにおける若者の意思決定への参画が議論の柱の一つであり、若者が主体的に参加し、その声で国際社会を動かしていくことが期待されている。

実行委員会では、「国連の未来サミット」における議論の促進に貢献するため、「青年意識調査」に寄せられた声を踏まえた主に4つの柱(①気候危機の打開、②核兵器なき世界の実現、③意思決定プロセスへの若者の参画、④国連改革)からなる「共同声明」を発表し、チリツィ・マルワラ国連大学学長・国連事務次長に手渡した。マルワラ事務次長は、未来サミットで「皆さんの声は持続可能な未来のために不可欠です。」と強調し、「若い皆さんこそが未来そのものなのです。平和な世界の実現に向けて共にもっと努力していきましょう。」と呼び掛けた。

Tshilisi Marwala, President of the UN University and UN Under-Secretary-General (Center) who endorsed the joint statement from the organizing committee, acknowledged the critical importance of young voices in shaping the Summit’s agenda and urged them to “be a beacon of hope and a driving force for change.Photo: Yukie Asagiri, INPS Japan.

同イベントはアムネスティ・インターナショナル日本、創価学会インタナショナル(SGI)ユース、赤十字国際委員会(ICRC)、ピースボート、カクワカ広島、GeNuine等が協力団体として参画し、国連広報センター、平和首長会議、長崎平和推進協会等が後援。会場には協力団体や後援団体による展示ブースや記念撮影スポットが設置され、参加者が問題意識や知識を広げ、具体的な行動に踏み出す様々な入口を提供していた。(原文へ

Inter Press Service, The Nepali Times, London Post, Global Issues
Future Action Festival Filmed and edited by Katsuhiro Asagiri, Yukie Asagiri and Kevin Lin of INPS Japan Media.

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This article is brought to you by INPS Japan, in collaboration with Soka Gakkai International in consultative status with UN ECOSOC.

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