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│メディア│HIV/AIDS患者のための新感覚マガジン

【ブエノスアイレスIPS=マルセラ・バレンテ】

「国際女性HIV/AIDS患者の会」のラテンアメリカ・カリブ海支部が、ファッションや娯楽といった要素を含んだ、HIV/AIDS患者のための新しい感覚の雑誌をこの2月から発行し始めた。その名も『あなたはひとりじゃない』(No estas sola)。雑誌は患者の会の支部があるラテンアメリカ20ヶ国で発行されている。 

編集長のマリア・マンジージャさんは語る。「病院においてある雑誌ってのは、たいてい、HIVに感染している患者を悲劇の人生を送る犠牲者として描いています。でも、私が知っている患者は、もっと幸せそうで、エネルギーに満ちていて、タバコをすわない健康な生活を送っていて、自分の免疫システムに気を遣いながら生きているんです。」

 そこで彼女たちが創刊した雑誌では、単にHIV/AIDSに関する情報を提供するだけではなく、女性患者たちのネットワークに読者をひきつけ、生活がより楽しくなるような記事を提供することに重点が置かれている。 

ある記事では、女性患者とその家族の生活に焦点が当てられている。フランスの写真家ジョエル・ドレの撮った写真には、笑顔で健康的な2~3人が常に写っているのだが、そのうちどれが患者なのかは明示されていない。実際には、どれが患者なのかを読者が写真から見分けることは難しいのだ。 

また、別の記事では、アルゼンチンのデザイナーであるマリア・チェルが、体の美しい魅せ方について語っている。抗レトロウイルス薬を服用すると、副作用によって体の脂肪が変形し、顔や四肢、腹や乳房などが奇形になることがある。この記事では、脂肪が変形した患者が自分の体をいかに美しく見せることができるかを教えてくれるのである。 

女性エイズ患者のための新しい雑誌創刊の話題について報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan 

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東欧にも冷たい風

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【ブダペストIPS=ゾルタン・ドゥジシン】

欧州の経済成長の牽引役となることを自負し、世界経済危機の影響を受けないと主張していた東欧地域にも、景気低迷の打撃が及びつつある。 

中東欧の欧州連合(EU)加盟諸国でも、外資の流出が進み、通貨安が続き、経済成長の鈍化さらにはGDPの縮小も予測されている。

経済危機対策への高まる非難から辞任に追い込まれたハンガリーのジュルチャーニ首相は、1,800億ユーロの包括的救済策を西欧に要請。しかしこれは意見の分かれる要請であった。

 ハンガリーのエコノミスト、アンドラス・ナジー氏はIPSの取材に応えて「地域は同質で、問題は同一だという印象を与えようとしたのは間違いだった。彼は交渉において有利な立場を生み出せると考えたのだろうが、十分に準備されたものではなく、他の国はこの戦術に賛同してなかった」と語った。 

また、ナジー氏は「ハンガリー人は難局を訴えているが、チェコやポーランドは深刻な影響を受けることないと言っている。彼らはとても国粋主義的で、他の国々より優れているとのイメージを打ち出そうとしている。私は楽観論も悲観論も信じない。どうなるかはわからないのだから」と語った。 

域内諸国間の協調はこれまでも見られなかった。ただ通貨保護のためにチェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニアの中央銀行が協調して口先介入を行っている。 

また、フランスのサルコジ大統領が自動車メーカーに対しチェコの工場閉鎖を求めるなど、再び欧州に広がる保護主義の動向に対し、ポーランドのトゥスク首相の主導で連携の協議が行われている。 

ナジー氏は「西欧は自身が厳しい状況にあるため支援に積極的でないことは明らかだ。しかしこれらの国のいずれかが危機に瀕すれば、支援するだろう」と言う。こうした支援はハンガリーとラトビアに実施されてきた。次はルーマニアと予測されている。いずれかの国の破綻がもたらす波及効果を西欧は恐れている。 

東欧危機について報告する。 (原文へ
 
 INPS Japan

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|シエラレオネ|暴力扇動を理由にラジオ局が放送禁止に

【シエラレオネIPS=ランサナ・フォファナ】

シエラレオネのサミュエル・サム=スマナ副大統領は3月13日、与党全人民議会党(APC)が所有するラジオ局ライジング・サンFM88.8と最大野党シエラレオネ人民党(SLPP)が所有するラジオ局ラジオ・ユニティ94.9の無期限放送禁止を命じた。 

これは、この2週間国内全土で両党の過激派組織間の衝突が激化する中で行われたもの。IPSの取材に応えたカルグボ情報通信相は、こうした衝突が「ようやく勝ち得た平和と安定を崩壊することを認めるわけにはいかない」と述べた。

 多くの評論家によれば、15年間野党の地位に甘んじていたAPCが2007年の選挙で政権を勝ち取ったのもラジオで草の根の支持を集める一方でSLPPへの信頼を失墜させた「ラジオ戦争」に助けられたものであるという。今度はSLPPが政権奪回を狙って同じ戦略を展開している。 

今回の放送禁止命令の前にも、市民の間からは与党支持者を中心に放送禁止命令を求める声が聞こえていた。ルワンダの大虐殺にラジオ局が果たした役割との類似点も指摘されている。 

しかしシエラレオネ・ジャーナリスト協会(SLAJ)は、メディアの規制機関である独立メディア委員会(IMC)の調査を経ていない今回の弾圧を即時非難。ウマル・フォファナSLAJ会長は、同国の芽生えたばかりの民主主義にとって悪い兆しであり、言論の自由を封じる試みだと述べた。

市民社会も非難の声を上げており、市民社会団体連合のチャールズ・マムブ氏は、民主主義の進展を覆す不当で受け入れがたい動向として、決定の即時撤回を求めていくと述べている。 

ただラジオ局閉鎖の動きを支持する声も多く聞こえる。政治アナリストのジョージ・トーマス氏は、内戦の再発を恐れる。「この2つのラジオ局が放送禁止とならなければ、国は再び混乱と内乱に陥る。ラジオ局が支持者に戦闘準備を呼びかけ、国の分裂に加担することは明らかだ」と話す。 

国の分断に寄与してきたシエラレオネの「ラジオ戦争」を巡る動向について報告する。 (原文へ
 
翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 


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|国連|戦争も平和もメディア次第

|米国-イラン|「悪の枢軸」から「新年おめでとう」へ

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【ワシントンIPS=アリ・ガリブ】

イランの正月にあたる3月20日、オバマ米大統領はホワイトハウスの公式サイトでイランの国民と政府に新年のビデオ・メッセージを送り、「私たちが求めている将来を理解してもらいたい」と呼びかけた。 

「人的交流を再開し、パートナーシップと通商の機会を増す将来、かつての不和を克服し、あなたやあなたの隣人そしてより広い世界が安全で平和に暮らすことのできる将来」だとした。

 イランを「悪の枢軸」のひとつに挙げたブッシュ前大統領や他の強硬派の西側および中東指導者とは対照的である。 

オバマ大統領はさらに「米国はイラン・イスラム共和国が国際社会の中で本来あるべき場所にあることを望む」と述べた。地域ならびに国際社会においてイランには果たすべき重要な役割があることを暗に認めたと言えよう。 

来週には政権が命じた米政策の公式なレビューが完了する。核問題は対イラン政策において最も議論のある問題と捉えられている。米国とイスラエルのタカ派や強硬派はイランに対する軍事行動をこの10年間折に触れて求めてきた。しかしオバマ大統領は「このプロセスは脅しによっては進展しない」と新年の挨拶で述べている。 

ハワイ大学の教授でイラン専門家のファリデ・ファルヒ氏は「オバマ大統領の姿勢は、あらゆる課題に取り組む外交と2国間の建設的な関係に専心するもの」と述べ、「イランの国民は好きだが、政府は嫌いだ」と繰り返したブッシュ政権との違いを評価している。 

さらに注目すべき点としてオバマ大統領は「regime(政権、体制)」という言葉を使用していないばかりか、「イスラム共和国」という呼称に言及している。全米イラン・アメリカ協議会(NIAC)のトリタ・パルシ会長は「これは政権交代を求めていないことを示唆するものであり、オバマ大統領はイランの体制を認めている」と、「Iranian regime」と常に述べていた前政権との違いを指摘する。 

ペルシャ語の字幕も付けられ、最後にはペルシャ語で新年の挨拶を述べたオバマ大統領のイランへのメッセージについて報告する。 (原文へ
 
翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 

|ニカラグア|カリブ海沿岸地域住民への差別

【マナグアIPS=ホセ・アダン・シルヴァ】

中央アメリカ議会(PARLACEN)のブリジット・ブディエ・ブリアン議員の異議申し立てによりニカラグアで初めて行われた人種差別裁判で、同国沿岸地域に住む先住民族およびアフリカ系住民、特に女性に対する差別的扱いが明らかになった。 

ブリアン議員のティーンエージャーの娘が白人の友達数人とディスコへ行き、一人だけ入場を拒否されたことが事件の発端となった。議員は調査を開始。首都マナグアのナイトクラブでも先住民族あるいはアフリカ系住民、特に女性が入場を拒否されている事実が明らかになったのだ。 

ニカラグアカリビアン沿岸自治区大学(URACCAN)のアルタ・フーカー学長は、これは単にナイトクラブの問題ではないと言う。

 URACCANの統計では、先住民族の人口は、ニカラグア総人口570万の10から12パーセントを占めるという。しかし、アフリカ系住民の数についてははっきりしない。 

アフリカ系市民は英国の奴隷船で現在のニカラグア、ホンジュラスのカリブ海沿岸へ連れて来られた奴隷の子孫である。これら地域は、植民地時代には欧州列強の紛争が絶えなかった所で、スペインが支配する中央高原と太平洋側平地はスペイン語を話す白人と混血のメソティゾの居住地となった。そして、アフリカ人の子孫は、先住民族居住地のカリブ海沿岸地域で暮らすことになったのだ。 

カリブ海沿岸地域は、ニカラグアの他の地域と異なり多様な言語、文化が残っている。フーカー学長は、「スペイン語を話すことが就職のための必須条件となっている。白人でスペイン語を話す太平洋岸地域の出身ならば、職はすぐに見つかり給料も高い」と語る。 

社会学者で「ニカラグア大西洋沿岸の正義と人権センター」(CEJUDHCAN)のロティー・カニングハム所長は「雇用者は、大西洋側の大学よりもマナグアおよび中央地域の大学を出た女性を好んで採用する。銀行融資にも同様の差別がある」と語る。 

公共機関が差別撤廃の努力を行っていない訳ではないが、「大西洋沿岸の人道・市民・自治権センター」(CEDEHCA)のミリアム・フーカー会長は「人種差別は国の組織に深く根付いている。国はカリブ海沿岸地域の投資、交通インフラ、生活インフラなどを蔑にしており、これが地域の社会/経済面に大きく影響している」と語る。 

国連開発計画(UNDP)の2005年報告によれば、ニカラグアの貧困率は47パーセントであるのに対し、大西洋岸の2自治区の貧困率は79パーセントに達するという。 

歴史的背景に負うところの大きいニカラグアの人種差別について報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 

明らかになるガザでの真実

【エルサレムIPS=ジェロイド・ケセル、ピエール・クロシェンドラー】

『鉛の棺作戦』と名付けられたイスラエル軍によるガザ侵攻作戦に参加したイスラエル兵士の証言が波紋を呼んでいる。イスラエルの日刊紙『ハーレツ(Haaretz)』は19日、無抵抗のガザ市民を殺害した事実を裏付けるイスラエル兵の証言を報じた。 

「遠くから歩いてくる老女。明らかに武器を所持している様子もない。しかし、我々は上からの命令でその女性を殺害した」と、ガザから帰還したある下士官は語る。また、ある歩兵分隊長はパレスチナ人の母子3人を狙撃した時の様子を生々しく説明。「命令に従っただけ」と発言したが、さらに「現地ではパレスチナ市民の命は我々兵士の命よりも軽視されている」とも話した。

 パレスチナ人権センターの調べによると、イスラエル兵により殺害されたパレスチナ人の数は1,434人。そのうち960人が一般市民、さらに288人が子どもであるという。パレスチナ各地でイスラエル兵による残虐行為や家屋破壊への批判が高まるなか、イスラエル政府も一連の『戦争犯罪』に対する調査に乗り出す構えをようやく見せた。 

ハーレツ紙の記者、アモス・ハレル氏は兵士の証言には信憑性が十分にあると言う。「ガザ各地からこのような証言が相次いでいる。報告内容は彼らがガザで目にしたこと全てである」。また、「ガザで起きた真実について、軍はこれまで『知りたくない』という理由から内部調査を怠ってきたのではないだろうか」と、ハレル氏は推測する。 

一方のイスラエル側、エフード・バラク国防相は「我々イスラエル軍は世界に誇る軍隊である。今後もこのような事件に関して積極的に調査するつもりだ」と自信を見せた。ガザ攻撃に参加したイスラエル兵士の証言について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 

|バルカン半島|爆撃の副次的な影響による「殺害は続く」

【ベオグラードIPS=ヴェスナ・ペリッチ・ジモニッチ

NATOによるセルビアの爆撃から10年が過ぎ、ガンの報告症例の増加が懸念されている。1999年の11週間に及んだ爆撃では、5万発以上の爆弾とミサイルとして劣化ウランで強化された15トンの弾薬が、主にセルビア南部とコソボの116カ所に落とされた。 

NATOの軍事作戦はセルビア政府による200万人のアルバニア人の抑圧を阻止するためのものとされた。9年間国連の統治下にあったコソボは昨年2月に独立を宣言している。

 劣化ウラン(DU)は戦車や大型軍事車両の装甲を貫通するために爆弾の先端に取り付けられる。DUの健康への影響について専門家の意見は分かれ、ガンを引き起こし、腎臓、脳、肝臓、心臓に害を及ぼすというものもいるが、健康や環境に問題はないとする研究もある。 

国連環境計画(UNEP)は2000年にコソボで調査を行い、地表に広範囲のDU汚染は検知されなかったと結論した。汚染地点はあったが、汚染の程度は低かった。2001年の世界保健機関(WHO)の報告書も同じ結論だったが、この調査に参加した英国人の専門家、K.バブストック氏は「報告書には全データが反映されていない」とベオグラードの日刊紙「ポリティカ」に語っている。 

地元の医師たちも独自の報告を行っている。コソボの町ミトロヴィツァのSrbljak医師は、「コソボの子供の白血病は1999年以前には1,000人に1人だったのが、100人に1人と10倍になっている」という。放射線科のCvetkovic医師は、「1999年以前は3カ月に1症例の割合で腫瘍を発見していたが、今は毎日見つかる」とIPSの取材に応じて語った。「診断の精度が上がったわけではない。患者も若年化している傾向がある」 

同じようにNATOの爆撃を受けた隣国のボスニア・ヘルツェゴビナでもガンが急増している。ボスニアとコソボで平和維持活動に当たったイタリア兵にも、DUに関連するとみられる健康問題が報告されている。 

コソボには今なお10万人ものセルビア人が住んでいるが、セルビア当局にとってDU問題はコソボと同じようにはるか遠くの問題のようだ。軍の医学校のM.ミソビッチ氏はDU弾の投下された地点から50m以内にいた4,000人ほどの退役軍人を調査中で、「今のところガンの増加は見られないが、この先10~15年を見守っていく」とセルビアのメディアに語っている。 

劣化ウラン弾の健康への影響について報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 

|オーストラリア|アフガニスタンへの貢献増大を求める圧力強まる

【ワシントンIPS=スティーブン・デ・タルチンスキ】

アフガニスタンにおける責任分担を巡りアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)に貢献する42カ国の間で駆け引きが強まる中、オーストラリア政府は予測される増派要請についてその意思をあまり明らかにしていない。 

3月24日に米国で行われる豪米首脳会議では、世界経済危機と並んで、アフガニスタン戦争が優先議題となるだろう。

 3月24日に米国で行われる豪米首脳会議では、世界経済危機と並んで、アフガニスタン戦争が優先議題となるだろう。 

およそ1,100人の部隊を派遣するオーストラリアは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国以外では最大のISAF貢献国であり、ラッド豪首相はオバマ米大統領に増派を求められると予想される。 

ジェエル・フィッツギボン国防相は増派を検討すると示唆しているが、スティーブン・スミス外相は先月、オーストラリア軍の増派はNATO諸国がそのコミットメントを強化してから初めてあり得るとの公的立場を改めて表明した。 

オーストラリアは、ドイツ、フランス、イタリア、スペインなどNATO加盟国のアフガニスタンにおける貢献は、兵力ばかりでなく、派兵している地域の相対的危険の観点からも、不十分であるとの認識を米国、英国、カナダとともに長年にわたり持ってきた。 

オーストラリアに対する対アフガニスタン貢献増大の高まる圧力について、対米関係やアフガニスタンからの撤退を視野に置くNATO加盟国の動向を論点に分析する専門家の諸議論を報告する。 (原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 


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|インド|気候変動対策にいち早く取り組む女性農家たち

【ザヒーラバードIPS=ケヤ・アチャルヤ

インド南部の内陸乾燥地帯に広がる75の村でサンガス(sanghas)と呼ばれる村単位での集団である女性5,000人が地球温暖化に対処する一環として化学肥料を使わず、過剰に水を必要としないオーガニック農法を実践している。 

インドでは農業が温室効果ガス排出の28パーセントを占める。水田や畜牛から排出されるメタンと、肥料から出る亜硝酸化物が主である。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2007年の報告によると、インドの降水パターンは数日間にわたる豪雨が増えるなど変動が激しくなると予測されており、それが直接農業の混乱をもたらすだろうとしている。気温が摂氏0.5度上昇すると1ヘクタール毎に0.45トン、小麦の生産量が減るという。

 ザヒーラバードでは、ダリットと呼ばれるインドのカースト制度の最下層に属する女性達が、過剰に水、化学肥料、殺虫剤を使いすぎないオーガニック農法で農作物を作り気候変動に対抗しようとしている。 

その女性達はデッカン開発協会(DDS)の援助のもとに乾燥して荒廃した土地を蘇らせ、19種類もの在来種の農作物を作っている。DDSは過去25年にわたりインドのこの乾燥地帯でダリットの女性達が土地を所有できるよう支援したりサンガスを組織したりしている。 

Samammaの1エーカーの土地ではホースグラム150キロ、雑穀200キロ、亜麻仁50キロ収穫される。彼女はそのうち穀物を50キロ、家畜飼料用豆類30キロを自分のためにとっておき、残りを市場で売る。今では75の村で5,000人の女性がこの農法を徐々に採用している。DDSのP.V.サティーシュ氏は「気候変動に関する枠組みにおいては、このような乾燥地農業は気温上昇の副産物に対抗する復元力となる」と言う。 

DDSは今では有機農法監視システムで国際的なParticipatory Guarantee Scheme (PGS) のOrganic India Councilが認定した有機農法の監視システムにおいて女性たちに関わっている。このシステムはオーガニック農家自身による第三者認定で、2006年に農家やNGOとの協議のうえ食糧農業機関(FAO)とインド農務省によってインドで開始された。 

ザヒーラバードでオーガニックと認定された食物や穀類にはPGSラベルを貼った包装がされハイダラバードの小売店で売られる。女性達は発注の多さに圧倒されていると言う。 (原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 

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|インド|論争が続く農産物先物取引

|米国|オバマ政権のタリバン分離政策

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【ワシントンIPS=ガレス・ポーター】

米・NATO軍の撤退と引き換えにアフガニスタンからアルカイダを追放するための交渉がアフガニスタン、サウジアラビア、パキスタン担当官とタリバン・リーダーの間で行われる可能性が浮上した。新政権のこの戦略は先週、CENTROM(米国中央司令部)のペトレイアス司令官およびアフガニスタン/パキスタン担当特使のホルブルック元大使による議会説明の後に報道されたもの。 

ペトレイアス大将は以前から、カブール政府支持を受け入れる兵士に対し金銭および職を与えることで、アフガニスタン反乱軍を分離する戦略を強く支持していた。

 バイデン副大統領は、先週ブリュッセルで行ったスピーチの中で新政府が更に練り上げている同構想について言及。アルカイダあるいはそれに近いタリバン兵士は全体の約5パーセントで、反乱兵士の少なくとも70パーセントは収入を目的に戦闘に参加していることから懐柔が可能と語った。 

しかし、多くの専門家はこの極めて楽観的な見方を支持していない。ニューヨーク・タイムズのカーロッタ・ガル記者は、3月11日の記事の中で、「西側外交官と既にタリバンと接触しているアフガニスタン担当官は、タリバン・グループから一部の司令官あるいはグループを切り離そうとする試みは成功しないだろうと語った」と述べている。反乱軍側が、降伏とアフガン政府の受け入れ、そして彼らが信用していない外国軍の駐留を認めよとの要求を受け入れることはないだろうというのが、その理由だ。 

また、マックラチー紙のジョナサン・ランデー記者がカブールから伝えたところによると、反乱軍リーダーは勝利を確信していること、カルザイ政権が益々弱体化していることから、分離政策の成功は極めて疑わしいという。 

分離政策は昨年12月、ニューヨーク大学のバーネット・ルービン、パキスタン人ジャーナリスト、アーメド・ラシドの両氏により提案され、サウジアラビアが調停に乗り出したとの報道で俄かに現実性を帯びた。 

以前はアルカイダの壊滅に消極的であったサウジアラビアも、2003年以来国内の対アルカイダ政策で成功を納めており、宗教面でもまた唯一のタリバン承認国でもあることからタリバン指導者の信頼を得ている。 

2007年10月、ヘルマンド州のタリバン指揮官がカルザイ政府に対し南部10州の支配権、外国軍撤退のスケジュール、タリバン捕虜の全員釈放などを求める要求書を提出したとの報道もあり、ルービン/ラシド両氏がフォーリン・アフェアーズ誌で指摘したように、タリバンとの取り決めでは米/NATO軍撤退の日取りを明確にすることが不可欠となろう。 

オバマ政権のアフガン新戦略について報告する。 (原文へ


翻訳/サマリー=IPS Japan