【東京INPS Japan=浅井伸之】
SDGsの目標年である2030年まで、残すところあと4年となりました。残念ながら、169のターゲットの多くは、期限までの達成が困難とみられています。さらに憂慮すべきことに、一部の政治指導者はSDGsに否定的な姿勢を示し、これまでの前進に逆行する政策さえ進めています。|英語版|
その一方で、私は2026年2月、バンコクの国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)で開催された「アジア太平洋持続可能な開発フォーラム」に参加し、SDGsが今なお多くの政府にとって重要な指針であり続けていることを目の当たりにしました。

このフォーラムは毎年、選定されたSDGsについて各国の進捗を検証し、優れた解決策を共有するとともに、残された課題を明らかにするために開催されています。今年、重点的に取り上げられた目標の一つが、創価学会とSGIが長年にわたり取り組んできた目標11でした。私は、SGIがこの10年にわたり加盟しているSDGs市民社会ネットワークの支援を得て、同フォーラムに参加しました。
フォーラムでは、多くの政府関係者が、それぞれの目標に照らした進捗評価や具体的な取り組みを紹介しました。興味深かったのは、その発言の中で、関連する他の目標にもたびたび言及していたことです。
例えば、ある政府関係者は、目標11に掲げられた公共交通の改善について説明し、それが自動車から排出される温室効果ガスの削減につながり、目標13の達成にも貢献すると強調しました。また、目標5以外の目標を推進する際にも、ジェンダー平等の視点を取り入れていると述べた参加者もいました。
このように、複数の目標を常に念頭に置き、その相互のつながりを意識する姿勢は、SDGsが採択された当初には、それほど一般的ではありませんでした。しかし現在では、他の目標を犠牲にして一つの目標だけを達成することは許されない、という認識が共通理解となっています。これは非常に意義のある前進です。
ちなみに日本政府はこの点を重視し、国際社会において「シナジー・アプローチ」、すなわち相乗効果を重視する手法を推進しています。これと歩調を合わせ、環境省の関連機関である地球環境戦略研究機関(IGES)は、複数のターゲットの達成に同時に寄与する政策と、ターゲット間に対立やトレードオフを生じさせかねない政策の双方を示しています。
ここ数年、開発資金は減少し、複数の国連機関が財政危機に直面しています。この傾向は今後も続くとみられ、資金や援助をいかに効果的かつ効率的に活用するかが、ますます重要になっています。 こうした状況において、メディアプロジェクト「SDGs for All」は、SDGsをより幅広い視点から捉える機会を提供し、読者が世界の状況をより深く理解する一助となるものです。
このプロジェクトを通じて得た学びを胸に、私たちも2030年まで、最大限の努力を続けてまいります。

本稿は、INPS Japanが創価学会インタナショナルと推進しているSDGs for Allメディアプロジェクトの報告書(2025年4月~26年3月までに配信されたプロジェクト記事をまとめたもの)に寄稿されたものである。
INPS Japan

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