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|東南アジア|栄養強化小麦という戦略

【バンコクIPS=マルワーン・マカン-マルカール】

インドネシアで販売されているインスタント麺「インドミー」は、特に子供や女性にとって必要とされるビタミンやミネラルを補強した小麦粉が使われているとして評判の商品だ。

インドミーを製造している「PTインドフード」社は、1999年に方針転換を行い、栄養強化した小麦を使うことにした。この方針はインドネシアで全国的な流れになり、2002年には、すべての加工食品の栄養強化を義務制とする立法まで成立した。東南アジアで他に同様の立法措置を採っている国はフィリピンしかない。

国連児童基金(ユニセフ)はマレーシアで8月22日から開かれている会議において、その他の国々もインドネシアの方針に追随するよう呼びかけた。ユニセフのカル・ガウタム副代表は、「栄養強化を義務制にしないと、企業は特定の消費者向けにだけ栄養強化商品を販売して、貧困層が見捨てられることになる。立法措置を採ればすべての人に利益が行き渡るだろう」と語った。

 ユニセフによれば、東アジアと太平洋地域において、2200万人の子供がビタミン・ミネラル欠如による栄養不足に苦しんでいる。フィリピンでは、子供の3分の1が体重不足、インドネシアとベトナムでは、5才未満の子供の4分の1が体重不足である。

また、ビタミンやミネラルが不足すると、病気になりやすくなる。世界的に見れば、これが原因で5才以下の子供100万人と妊娠中の女性5万人が毎年死亡しているという。

世界的なネットワーク「栄養強化小麦イニシアチブ」(FFI)によると、世界の国々の26%が小麦を鉄分や葉酸などで強化しているという。2年前には19%だった。FFIは、2008年までに世界の小麦の70%を栄養強化のものにすべきだとの大胆な目標を掲げている。そのためには、中国・インド・ロシア・マレーシア・タイ・ベトナムなどの協力が特に必要になっている。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan
 
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