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|UAE|マララの夢を実現する

【アブダビWAM】

「マララ・ユスフザイさん(14歳)は女子教育に反対する民兵組織が跋扈するパキスタン北西部のスワット渓谷にあって、勇気を持って女子教育の権利を追求したとして、パキスタン政府から『第1回国家平和賞』を受賞した。しかし、パキスタンではそれまで彼女の存在は殆ど知られていなかった。」とアラブ首長国連邦(UAE)の日刊紙が報じた。

「しかし、僅か14歳の少女を銃撃するというイスラム武装勢力『パキスタンのタリバン運動(TTP)」の凶行は、パキスタン国民のみならず世界中にマララさんの存在を知らしめることとなった。以来、世界各地の政治指導者や一般の人々が、学生活動家のマララさんとの無条件の連帯を表明している。」と、英字日刊紙カリージ・タイムスが12日付の論説の中で報じた。

 現在英国で療養中のマララさんは、タリバンに対する抵抗のシンボル的存在になった。国連の潘基文事務総長は、「マララさんは、ノーベル平和賞に推薦されるだろう」と語り、事実、世界各地でこれまでに何十万人もの人々が彼女をノーベル平和賞に推薦するオンライン署名を行っている(ノーベル平和賞候補は各国政府及び国会議員により推薦されるため、こうした署名は各国政府に嘆願書とともに提出される:IPSJ)。

さらに英国と世界銀行の資金援助で、パキスタンの最も貧しい地域の300万家庭を対象に、金銭的インセンティブ(動機付け)で子どもの就学を奨励する構想がスタートすることとなった。パキスタンのアシフ・アリ・ザルダリ大統領と教育問題の国連特使を務めるゴードン・ブラウン前英首相が、国連が「マララの日」と宣言した今月10日にあわせて、この構想を発表した。

「もしこの構想が適切に実行に移されれば、パキスタンにおける女子教育に、前向きな変化をもたらすだろう。パキスタンの最貧地域、とりわけマララさんの出身地域である北西部のカイバル・パクトゥンクワ州並びにバロチスタン州における女性の識字率は同国で最低レベルである。これらの地域では、女性が一家の稼ぎ手になることが期待されていないことから、両親は娘の教育を重視しない傾向がある。またこの地域で草の根教育活動に従事している市民社会組織らは、女性の教育問題になると、両親が最大の障壁になることがしばしばある。」と、カリージ・タイムス紙は報じた。

しかし、両親に対して、娘たちに教育機会を受けさせることと引き換えに、現金によるインセンティブ(動機付け)が提供されるならば、娘たちに家事の手伝いを期待するよりも、むしろ、通学させることに同意するだろう。

「こうしてマララさんは、パキスタンの何百万人もの少女たちに教育機会への道を開いた。今後マララさんの夢が、日の目を見られるか否かは、今や、各国の指導者と民衆の手にかかっている。」とカリージ・タイムズは所見を述べた。(原文へ

翻訳=IPS Japan

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