【IPS国連=ナウリーン・ホセイン】
―「世界人道デー」は、極めて複雑で、しばしば危険な状況の中で、人命を救う活動に従事する人道支援要員とその活動をたたえる日である。
今年、国連の指導者らは国際社会に対し、紛争地域で活動する人道支援要員を保護するとともに、任務中に負傷したり命を落としたりした人々について、加害者の責任を追及するよう訴えている。
国連総会は2008年末、イラクのバグダッドにあるカナル・ホテルで起きたテロ攻撃から5年後の8月19日を「世界人道デー」に定めた。この攻撃では、当時のセルジオ・ビエイラ・デメロ国連事務総長特別代表(イラク担当)を含む国連職員22人が死亡した。
20日水曜日、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、このテロ攻撃から23年を迎えるにあたり、犠牲となった国連職員に哀悼の意を表し、彼らの遺志は「紛争、災害、絶望のただ中で支援を届けるすべての人道支援要員の中に生き続けている」と述べた。
グテーレス事務総長はまた、民間人や人道支援要員を守るための国際人道法が、「憂慮すべき頻度で、しかも処罰されることなく」侵害されていると指摘した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、2025年には人道支援要員に対する暴力が過去最悪を記録し、712件の事件が報告された。その結果、350人が死亡、322人が負傷、235人が誘拐され、280人が拘束された。
人道支援活動の安全を調査する「Humanitarian Outcomes」の「Aid Worker Security Database(人道支援要員安全データベース)」によれば、今年に入ってからもすでに136件の重大事件が発生している。これは、近年、人道支援要員を標的とする事件が増加し続けていることを示している。報告された攻撃件数は、2022年の300件から2023年には471件、2024年には634件へと急増した。
「こうした深刻な数字の一つひとつの背後には、人の名前があります。彼らは同僚であり、友人であり、家族であり、そして私たちの中で最も献身的な人々なのです」と、国連人道問題担当事務次長兼緊急援助調整官のトム・フレッチャー氏は語った。

フレッチャー氏は、ウクライナからオンラインで記者団の取材に応じた。同氏は現在、最近ドローン攻撃を受けた地域を含む被災地を視察している。
同氏は、民間人やインフラを標的とするドローンの使用が増えていると警告した。今回の訪問中にも多数のドローンを目撃し、自身と同行チームの近くにドローンが飛来したため、身を守るため避難しなければならない場面もあったという。
ウクライナ、ガザ、スーダン、ソマリアなど、危機が続く地域ではドローンがますます広く使用されている。これらの兵器は人間が操作する一方、AIによって誘導することも可能であり、民間人の日常生活のあり方を変え、人道支援要員の活動にも大きな影響を及ぼしている。
ドローンは、民間人や支援要員の間に「集団的な不安感」を生み出している。一方、ドローン攻撃やその実行者について、十分な責任追及が行われているとは言い難い。攻撃を行う側は、自らが何を標的としているかを認識している可能性が高いにもかかわらずである。
さらに、ドローン技術は低価格化し、入手も容易になっている。そのため、紛争当事者がさまざまな使用方法を試す中で、より多くの主体がドローンを手にするようになっている。
フレッチャー氏は、ドローンはワクチンの配送や緊急時の生存者捜索など、人道支援活動に有益な形で活用することもできると認めた。しかし紛争下での利用の多くは、「非人道的で無謀なものだ」と指摘した。
「これほどドローンが日常会話の一部になっている場所を、私はほかに知りません。避難所で会った子どもたちから、民間人、人道支援要員、私の同僚に至るまで、誰もが一人称視点(FPV)ドローンの音と、光ファイバー式ドローン、中距離ドローン、そして私たちの活動に重大な脅威を与えている徘徊型兵器の音を聞き分けることができるのです」とフレッチャー氏は語った。
フレッチャー氏は国際社会、とりわけ国連加盟国に対し、国際人道法を順守し、国家を含む紛争当事者の責任を追及するよう求めた。加盟国は独立した調査を実施するため、より強力な措置を取ることができるし、そうすべきだと訴えた。
また同氏は、国際人道法について対話と検討をさらに深める必要性を繰り返し強調し、その中にはドローンのような新興技術から人道支援要員をどのように守るかという問題も含まれるとした。
技術が「人間性を追い越すことなく」、また「責任追及を追い越すことのない」ようにする責任は、加盟国とその技術を開発する企業にあるという。
さらに、ドローンの製造や流通に関わる企業とも対話し、自らの技術がどのような危険を生み出しているのかを理解してもらう必要があると訴えた。
国連や世界的な連帯の精神を信じる人々は、加盟国には今なお国際人道法上の責任を果たす意思があると信じている。
「もし世界があまりにも取引優先で、利己的かつ内向きになり、加盟国がもはやこうした責務を果たす能力も意思も失ってしまったのだとすれば、私たちは本当に暗いディストピア的現実の中にいることになります」と、フレッチャー氏はIPSに語った。
さらに、一般市民も自国政府に責任を果たすよう求めることができると指摘した。
「手遅れになる前に、こうしたリスクを管理するよう指導者に求める世論の声が必要です。しかし、私がともに働いてきた多くの人々、命を落とした同僚たち、そして私たちが支援するためにここにいる多くの人々にとっては、残念ながら、すでに手遅れなのです。」
INPS Japan/IPS UN Bureau Report
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