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新たな同盟が今後長年に亘る外交方針を形成することとなる

【ニューヨークIDN=マーシャル・アウエルバック、ジェイムズ・カルデン】

11月の米大統領選に向けて、バイデン候補支持を表明した共和党関係者が相次ぐ中、民主党が受入れた安全保障分野の元高官、とりわけネオコン勢力が民主党の外交政策に及ぼす(一部は既に顕在化している)影響に焦点をあてた記事。バイデン政権が誕生した場合、経済・社会面ではよりリベラルな政策が採用される可能性があるが、外交面ではブッシュ政権時代の外交政策を率いたネオコン勢力との同盟関係から、トランプ政権より、より介入的な外交政策に方向転換が図られるだろうと予測している。(原文へFBポスト

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【ウィーンIDN=タリク・ラウフ】

1945年7月16日、米国ニューメキシコ州のアラモゴード実験場で、世界初の核爆発装置が爆発した。米国は続けて、8月6日と9日に広島と長崎への原爆攻撃を実行した。それから70年で、さらに9つの国が約2060回の核爆発実験を行い、大気や陸上、宇宙、世界の海で放射能汚染をまき散らし、数多くの罪なき人々の健康に永続的かつ壊滅的な被害をもたらしてきた。

1945年に開始された米ソ間の核軍拡競争の不可避の帰結として、ソ連はカザフスタン東部のデゲレン山と周りのステップ地域に世界最大のセミパラチンスク核実験場(通称ポリゴン)を設置した。ここでは、ソ連が初の核実験を行った1949年8月29日から1989年2月12日に至る40年の間に、456回もの核実験が行われた。これによって、100万人以上の健康が損なわれ、数千ヘクタールの土地が放射能によって汚染されて、数百年にわたって危険で利用不可能な土地になってしまった。中国・フランス・英国・米国の場合も、アルジェリアからオーストラリア、南太平洋の海や島々、ネバダ実験場、北極のノバヤゼムリャに至る場所で、同じような運命が待ち受けていた。

悪名高い核爆発実験は、米国が1030回、ソ連が715回、フランスが210回、中国と英国がそれぞれ45回、インドと北朝鮮、パキスタンがそれぞれ6回、イスラエルが少なくとも1回行っている。2060回の核爆発のうち、529回が大気中、約1500回が地上・地下・水中で実施された。500回以上に及んだ大気圏核爆発実験によって、北半球の人口全体が放射性セシウムに被爆したと推定されている。そしてこの汚染は、次の世代にも継承されると考えられている。

遺伝子や環境に悲惨な影響を及ぼす核爆発実験の最大の被害者はカザフスタンの住民であった。そこで、1990年10月に核実験の一時停止方針を発表していたソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領に対して、セミパラチンスク実験場を永久に閉鎖し使用中止にするよう説得する責任が、カザフスタンの当時のリーダーであったヌルスルタン・ナザルバエフ氏に課せられることになった。

ナザルバエフ大統領がリーダーシップを発揮してセミパラチンスク核実験場を恒久閉鎖し核兵器を放棄したことが、あらゆる空間での核爆発実験を禁止する包括的核実験禁止条約(CTBT)の協議(1996年)につながった。CTBTは、地下以外での核実験を禁止した部分的核実験禁止条約(PTBT、1963年)によって始まった核実験禁止の流れを完成させた。

セミパラチンスク核実験場の閉鎖とソ連の核実験停止を受けて、米国も1992年に核実験停止を発表した。後に大きな影響を与える1995年の核不拡散条約再検討・延長会議では条約の無期限延長に合意したが、それには条件があった。それは1996年までにCTBTの交渉を妥結するというものであった。残念なことに、カザフスタンが示した模範に反して、まったく無意味な核実験を中国とフランスが1996年に再開した。両国は厳しい国際的圧力を受けてようやく実験停止を発表し、その年の9月にCTBTに署名した。

Semipalatinsk Former Nuclear Weapon Test site/ Katsuhiro Asagiri
Semipalatinsk Former Nuclear Weapon Test site/ Katsuhiro Asagiri

1996年9月にCTBTが署名開放されて以降では、3つの国が、核実験の一時停止方針に反して核実験を実施した。1998年5月、インドが5回の核爆発実験を行ったと発表し核軍備管理上の文脈下で再び「ならず者国家」となった。1974年5月にインドが、カナダと米国に対して核不拡散を公約しておきながら、初の核実験を強行したことを思い出すとよい。結果として、持続不可能な安全保障状況が南アジアで生まれ、パキスタンが1998年5月に(インドの実験回数と同じ)6回の核実験を行った。そして2006年、北朝鮮が核装置を爆発させ、その後11年でさらに5回の核爆発実験を行っている。インド・北朝鮮・パキスタンの3カ国はいずれも、CTBTに署名していない!

1996年にCTBTが国連総会で採択されると、発効に向けて批准を要する44カ国のうち36カ国が条約を批准している(フランス・ロシア・英国を含む)。残念なことに、南アジアでの1998年の核実験から1年を満たずして、米上院がCTBTの批准を拒否するという「蛮行」に出た。これまで、こうした意思表明を行った国はどこもないのである。CTBTが採択されてから、今や24年が経過したが、残り6カ国の批准を待つ間に条約は弱体化してしまった。新たな核軍拡競争に火が付き、CTBTが核兵器禁止条約(TPNW)に取って代わられる中で、CTBT発効の見通しは毎年低くなっている。

カザフスタンの役割

核実験を法的に禁止するCTBTを発効に導くリーダーシップが不在の中、1995年、2000年、2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で加盟国が行った核軍縮への約束が破られ、核戦争のリスクがますます高まり、核兵器の使用が人間に壊滅的な被害をもたらすとの認識が高まる中、カザフスタンは、ナザルバエフ初代大統領のリーダーシップの下で、核の危険を低減し、核不拡散と核軍縮を強化する漸進的なステップを取り続けている。

Image source: EurasiaReview
Image source: EurasiaReview

カザフスタンは、1991年の独立以来、核不拡散・核軍縮に向けた重要な措置を取ってきた。例えば、▽1410発の戦略核兵器(104基の大陸間弾道ミサイルSS-18と、空中発射巡航ミサイルを搭載した40機の戦略爆撃機Tu-95)と戦術核兵器(数量不明)の解体に向けたロシアへの返却(1995年4月)▽ウルバ冶金工場(UMP)で生産された約600キロの兵器級高濃縮ウランの米国への移転▽マンギシュラク原子力複合施設で生産された2900キロの核燃料(濃縮度最大26%のU-235)をIAEAの保障措置の下で民生利用するための、低濃縮ウランへの希釈▽残留プルトニウムを封じ込めるための、セメイ(旧セミパラチンスク)核実験場の13本の坑道と181本のトンネルの恒久的閉鎖▽非核兵器国としてNPTに加盟▽PTBT、CTBT、核兵器禁止条約の批准▽中央アジア非核兵器地帯の創設▽IAEAの保障措置に関して追加議定書に合意▽CTBT発効促進会議への支援▽核兵器の禁止と廃絶に向けた「人道の誓い」への参加▽IAEA低濃縮ウラン備蓄バンクをオスケメン(ウスト・カメノゴルスク)に招致、といったことが挙げられる。

カザフスタンの提案に従って2009年12月2日に国連総会が全会一致で可決した決議64/35は、8月29日を「核実験反対国際デー」とすることを決めた。

2010年以来、セミパラチンスク核実験場が1991年に閉鎖された日である8月29日は毎年、「核実験反対国際デー」とされており、「核爆発実験やその他の核爆発の影響と、核兵器なき世界という目標を達成するひとつの方法として核爆発をやめる必要性について」意識を喚起し教育を推進するための日となっている。

今年の国際デーは、人類初の核実験と核兵器使用(1945年7月~8月)から75年、さらには、セミパラチンスク核実験場閉鎖から30周年(2021年)の前年に当たるということだけではなく、今年初めに米国が、核爆発実験再開の可能性を匂わせて、核実験のモラトリアム(一時停止)とCTBTを危険にさらしている残念な現状があることからも、重要な意味を持った。

より広範な文脈では、極めて残念なことに、世界には依然として14カ国・107カ所に1万4000発以上の核弾頭と、約2000トンの兵器級核物質(高濃縮ウランとプルトニウム)が存在しているという事実がある。

私は、今年8月29日に、カザフスタンがあらためて核実験と核兵器に反対する声を上げ、次のような緊急の呼びかけをすべきだと考えている。

Nazarbayev Award Winners/ photo by Katsuhiro Asagiri

・核実験のモラトリアムを継続すること。

・CTBTおよび核兵器禁止条約の早期発効の努力を強化すること。

・核戦争に勝者はなく、決して戦われてはならないとの原則を確認した決議を国連総会が採択すること。

・セミパラチンスク核実験場が永久閉鎖された来年の8月29日に、ヌルスルタン(アスタナ)で大きな国際会議を開き、カザフスタンだけではなく世界中の核実験被害者を悼み、その生を称賛すること。

・延期された2020年NPT再検討会議を2022年春にウィーン(オーストリア)で開くよう支持すること(ウィーンには、NPTの原則のうち2つ[核検証/保障措置と、原子力の平和利用における国際協力]をカバーする国際原子力機関と、包括的核実験禁止条約機関準備委員会の本部がある)。

・あらゆる核兵器の廃絶という目標に力を尽くした適切な人物(あるいは団体)に「2021年非核世界・グローバル安全保障ナザルバエフ賞」を授与すること。

核兵器が初めて使用されてから75年、セミパラチンスク核実験場の閉鎖から29年、そして「核実験反対国際デー」開始から10年目の今日、核兵器を削減・廃絶し、「プロメテウスの核の炎」を永久に消すために一致団結して最大限の努力を払うという、世界の人々、とりわけ核兵器の被害者への約束を、改めて誓おうではないか。(原文へ

INPS Japan

タリク・ラウフ氏は、国際原子力機関(IAEA)核検証・安全保障政策局の元局長、IAEAの「低濃縮ウランバンクおよび核燃料サイクルへの多国間アプローチ」問題に関するコーディネーター、NPTに対するIAEA代表団元団長代理、2015年NPT再検討会議および2014年NPT準備委員会会合議長に対する核軍縮問題上級顧問、カナダNPT代表団専門研究員(2000年まで)を歴任。

*プロメテウスはギリシャ神話に登場する男神で、自然界の猛威や寒さに怯える人類を哀れみ、火があれば、暖をとることもでき、調理も出来ると考え、ゼウスの反対を押し切り、天界の火を盗んで人類に与えた。人類は火を基盤とした文明や技術など多くの恩恵を受けたが、同時にゼウスの予言通り、その火を使って武器を作り戦争を始めるに至った。

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【ニューヨークIDN=J.ラストラニス】

地球温暖化が進行している実態を明らかにした「2020科学を通じた団結(United in Science)」の公表(9/9)に際して警鐘を鳴らしたグテーレス国連事務総長の講演内容を収録した記事。温室効果ガスの濃度は上昇し続けており、シベリアでは今年1月から6月まで続いた「熱波」(8万年に1回の確率という人為的な地球温暖化がなければ起き得なかった現象)により永久凍土の溶解や森林火災が相次ぎ発生している。グテーレス事務総長は、新型コロナからの回復を契機に、大惨事に向かう旧来の経済活動を見直し、持続可能な軌道に修正するよう各国に訴えている。(原文へ

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アフリカでポリオ根絶宣言―歴史的達成

【ジュネーブ/ブラザビルIDN=ロナルド・ジョシュア】

新型コロナウィルス感染症の拡大で世界経済が大混乱に陥り、世界中でワクチン開発が激しくなる中、組織的な予防接種キャンペーンを通じて、主に5歳未満の子どもに影響を及ぼす感染性の強い疾病がアフリカにおいて根絶された。アフリカでは、天然痘が40年前に根絶されて以来、2つ目のウィルスの根絶となり、歴史的に大きな一歩を記した。

ARCC(アフリカ地域でのポリオの状況を判断する独立委員会)の議長であるローズ・ガーナ・フォンバン・レケ教授は、アフリカにおけるポリオの根絶を宣言して、「今日はアフリカにとって歴史的な一日だ」と表明した。

ポリオウィルスは神経系に侵入して数時間のうちに全身麻痺を引き起こすこともある。このウィルスは、一般的には顔や口を通じたヒト間接触によって、稀には汚染された水や食物を媒介して伝染し腸内で増殖する。

初期的症状としては、高熱・倦怠感・頭痛・嘔吐・首のこり・手足の痛みなどがある。感染者の200人に1人に下肢麻痺が出現し、そのうち5~10%が呼吸筋麻痺により死亡するとされている。

アフリカでは「過去4年間、野生株のポリオウィルスの新規症例が報告されておらず、野生株のポリオの根絶基準を満たしました。」とレケ教授は語った。

ARCCの決定は、47の加盟国における数十年に及ぶポリオ監視、予防接種、実験に関する記録・分析の結果としてなされたものだ。世界保健機関(WHO)アフリカ支部が8月25日に出したプレスリリースによれば、現地での検証のための訪問も行われている。

1996年、アフリカの元首らは、カメルーンのヤウンデで開催されたアフリカ統一機構(OAU)第32回定例会合において、ポリオ根絶を目指すことを宣言した。当時、アフリカでは、年間推定7万5000人の児童がポリオに罹患していた。

同年、ノーベル平和賞の受賞者のネルソン・マンデラ南アフリカ共和国大統領(当時)が、「国際ロータリー」の支援を得て、「アフリカからポリオを追い出せ」キャンペーンを開始し、ポリオ根絶の動きに弾みがついた。マンデラ大統領の呼びかけで、アフリカ各国の指導者らが、子どもたちにポリオワクチン接種を普及させる取り組みを強化した。

アフリカで野生株のポリオの症例が最後に確認されたのは2016年のナイジェリアであった。以来、ポリオ根絶の取り組みによって、最大180万人の子どもが麻痺などの症状を免れたほか、約18万人の命が救われた。

「これはアフリカにとって記念すべき出来事です。将来のアフリカの子どもたちは、野生株のポリオに罹患する危険から解放されて生きることができます。」とWHOのアフリカ地域責任者であるマツィディソ・モエティ博士は語った。「この歴史的な達成は、各国政府や地域、ポリオ根絶を目指す世界のパートナー、慈善家のリーダーシップとの協力なしには不可能でした。とりわけ、ポリオワクチン接種の最前線で取り組んできた医療従事者の人々に特別の賛辞を贈りたい。彼らの中には、この崇高な目的の為に命を落とした者もいるのです。」と語った。

Map of Africa
Map of Africa

「しかし、野生株のポリオウィルスの再発を避けるためにワクチンの接種率を上げ続け、ワクチンに由来するポリオの脅威に対して、引き続き対処し続けねばなりません。」とモエティ博士は語った。

野生株のポリオウィルスをアフリカで根絶したことは大きな成果だが、アフリカの16カ国では、ワクチン由来ポリオウィルス2型(cVDPV2)が発生している(ワクチン由来ポリオとは、経口ワクチンを作る際に使用された弱毒型のウィルスが生存・変異し、重い症状を伴う新たな感染を引き起こすものをいう)。これは、ワクチン接種率の低い地域で起こることが多い。

その16カ国とは、アンゴラ・ベニン・ブルキナファソ・カメルーン・中央アフリカ共和国・チャド・コートジボワール・コンゴ民主共和国・エチオピア・ギニア・ガーナ・マリ・ニジェール・ナイジェリア・トーゴ・ザンビアである。

WHOアフリカ地域ポリオ根絶プログラムのコーディネーターであるパスカル・ムカンダ氏は、「アフリカ諸国は、医療の仕組みが脆弱であり、実務上の困難を抱えているにも関わらず、野生株のポリオウィルスの根絶のために効果的に協力してきました。」と語った。

「ポリオ根絶プログラムが確立してきた革新と専門能力によって、野生株の根絶認証後も成果を維持し、ワクチン由来ポリオウィルス2型も根絶できると確信しています。」とムカンダ博士は付け加えた。

「ポリオ根絶を通じて得られた専門能力は、新型コロナウィルス感染症やアフリカを長年にわたって苦しめてきたその他の保健問題に対処し、普遍的な医療制度をアフリカで構築するうえで有益だろう。」と、モエティ博士は語った。

世界ポリオ根絶のためのイニシアチブ(GPEI)の貢献によって、アフリカにおけるポリオ症例は1988年から99.9%も減少した。WHOアフリカによれば、これによって世界はポリオ根絶にまた一歩近づいたという。

現在、世界の人口の9割以上は野生株のポリオウィルスから守られた状態にあり、世界全体でのポリオ根絶達成に近づいている。野生株のポリオウィルスの流行が確認されているのは、パキスタンとアフガニスタンのみとなった。

Tedros Adhanom Ghebreyesus, Director General, World Health Organization at the AI for Good Global Summit 2018/ By ITU Pictures from Geneva, Switzerland, CC BY 2.0
Tedros Adhanom Ghebreyesus, Director General, World Health Organization at the AI for Good Global Summit 2018/ By ITU Pictures from Geneva, Switzerland, CC BY 2.0

GPEIは、WHOアフリカがカバーする47カ国で今回なされた成果について、各国政府を称賛した。

「アフリカで野生株のポリオウィルスを根絶したことは、我々の時代における保健政策上の最大の成果の一つであり、世界からポリオを根絶するという目標を完成するうえで大きな力を与えることになろう。協力してアフリカからポリオを根絶した各国政府や医療従事者、地域のボランティア、宗教指導者、保護者に対して、感謝と称賛を贈りたい。」とWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長は語った。

強力なリーダーシップと革新が、アフリカでの野生株のポリオウィルスを根絶するうえでカギを握った。高いレベルの人口移動、医療サービスへのアクセスを拒む紛争や政情不安、国境を越えて急速に広まるウィルスの能力等の問題を乗りこえて、子どもたちに予防接種をする取り組みを協調して行うことに各国は成功した。

加えて、各国政府や民間部門、多国間組織、慈善団体などのドナーが、ポリオのない世界を達成するために継続して支援を行い共通の目標を持ち続けたことが、アフリカにおいて、以前よりも多くの子どもたちにポリオワクチンを接種し、ポリオを根絶するインフラ構築に寄与した。

「今年グローバルヘルスが大きな試練に直面している中で、アフリカで野生株のポリオ根絶が宣言されたことは希望と進歩の兆候であり、これらは、協働と忍耐を通じて達成されたことを示しています。」と国際ロータリーのホルガー・クナーク会長は語った。

SDGs Goal No. 3
SDGs Goal No. 3

野生株のポリオを根絶するために用いられた資源と専門能力は、アフリカの公衆衛生と感染症対策制度の発展に大きく寄与している。ポリオ関連のプログラムは、新型コロナウィルス感染症に対するアフリカの対応から、ワクチンで予防可能なその他の疾病に対する定期的な予防接種の支援に至るまで、地域社会に極めて大きな保健上の利益をもたらしている。

これは重大な一歩ではあるが、現状に満足しているわけにはいかない。アフリカで引き続き予防接種の推進と保健システムの強化に取り組むことが、野生株のポリオの進化に対して防御し、アフリカの16カ国で確認されているワクチン由来ポリオウィルス2型(cVDPV2)の流行に対抗するうえで、きわめて重要だ。このポリオウィルスは予防接種が少ない地域で広がるリスクが高いあるため、新型コロナウィルス感染症の拡大でワクチン接種が阻害されている地域は、cVDPV2の感染爆発リスクに晒されている。

GPEIは、あらゆる形態のポリオに対して注意を怠らないよう各国およびドナーに呼びかけた。あらゆるポリオウィルス株が世界から根絶されない限り、これまで積み上げられた多大な成果も、危機に瀕することになる。(原文へ)|スペイン語

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【ボゴタIDN=ルツ・マリナ・ベルナル】

私はマリナ・ベルナルと申します。コロンビア各地の避難民の多くが流れてくる首都ボゴタに近いソアチャ市に一人で住んでいます。

私の活動は様々なコミュニティーを廻って人々と対話する必要があるので、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大とそれに伴うロックダウン(都市封鎖)は大きな足かせになっています。

私が人権活動家になったのは息子のファイル・レオナルド・ポラス・ベルナルが2008年に強制失踪したのがきっかけです。当時私は夫と4人の子供たちと幸せに暮らしていました。しかしレオナルドの死後、事件の真相に関する政府当局の見解に疑問を抱くようになり、まもなくして殺害の脅迫を受けるようになりました。残った子供たちを守るため、説得して安全な場所に移らせました。夫はこの状況に耐えられず、離婚して私が家を出ざるを得ませんでした。

Map of Colombia

息子は2008年1月8日に誘拐されました。私は8カ月にわたって病院やホームレス施設などを探して回りました。息子は失踪当時26歳でしたが、私が妊娠時に遭遇した交通事故が原因で、生まれながらにして右手足が不自由なうえ認知障害があり、知能は8歳程度でした。帰り道が分からなくなったのではと、心配でたまりませんでした。

9月16日、警察から息子と思われる遺体の写真を確認するよう要請する連絡がありました。ソアチャから600キロも離れたオカーニャで、大量死体の中に発見されたとのことでした。

認知障害がある息子が自らそんなに遠くまで旅をしたとは俄かに信じられませんでした。それでも、息子の遺体を引き取りに夫と長男とともにオカーニャに向かいました。そこで、同じくソアチャから失踪した息子の遺体を引き取りにきた3家族と出会ったのです。

私たちの疑問は、なぜソアチャにいた息子たちがはるばるオカーニャに来ることになったのかという点でした。検察官は薄ら笑いを浮かべながら「あなたが麻薬テロリストグループの指導者の母親か。」と尋問してきました。私はこの検察官に、「右手足に障害を抱えて読み書きすらできない人物が、そのようなグループを率いることができるものでしょうか。」と問いただしました。すると検察官の顔から笑いが消え、「彼は国軍との戦闘で死んだ。」と告げたのです。

それを聞いて、国軍に2年間在籍していた長男は泣き崩れました。それまで私も長男が国軍で国のために尽くしていることを誇りに思っていました。だからこそ、国軍がもう一人の無防備な息子を殺害するなど想像すらできなかったのです。

私は直ちに行動を起こすことにしました。それは当時のアルバロ・ウリベ大統領が、私の息子とその他8人のソアチャ出身の青年たちが犯罪者であると仄めかしたからです。

Álvaro Uribe, Presidente de Colombia.paramilitar/ By Center for American Progress -, CC BY-SA 2.

私は息子の写真に彼の名誉を挽回するために闘うと誓いました。まもなくソアチャで私と同じ境遇の母親達と出会い、「ソアチャの母たち」を結成しました。仲間は当初の8人から19人へと増えていきました。

真相は、国軍の兵士が私の息子を誘拐して、戦闘中に撃たれて死亡したゲリラ戦闘員だと発表していたのです。国軍はこうして数千人に及ぶ無防備な一般市民を犯罪者に仕立て上げて超法規的に殺害することで、ゲリラ掃討作戦における成果(敵戦闘員の死傷者)をかさ増しして報奨金や昇進を得ていたのです。

私はコロンビアの紛争を理解するために何年にも亘って人権問題を改めて学ぶ必要がありました。その結果、私の祖国では、強制失踪、拷問、性暴力、子ども兵士の徴用等で800万人以上が人道に対する犯罪の犠牲者になっているおぞましい実態を知りました。

全く未知の世界に足を踏み入れた感覚でした。それまでの私は、愛する家族に囲まれて、現実の世界に目を向けず狭い世界の中で生きていたのです。コロンビアがどのような国であるのかを全く理解していませんでした。しかし現実を知るにつけ、幻想は瞬く間に崩壊し、それまでの生活が一変することになりました。2008年以来、私は大統領か検事総長との面会を繰り返し要請しましたが、拒否されていました。しかし2010年の大統領選挙に向けたキャンペーン期間中、ウリベ大統領が「ソアチャの母たち」を思い出し、ついに私たちを大統領官邸に招いたのです。

他のメンバーは大統領の招きを受入れましたが、私は拒否しました。2週間後、ウリベ大統領はメンバー1人当たり7800ドルを拠出しました。しかし私は殺された息子との思い出や尊厳を売り渡すことはできないと思い、拠出金の受け取りを拒否しました。他のメンバーは私の反応に憤慨し、その時はグループから離れざるを得ませんでした。

まもなくして私の家族全員宛てに殺人予告が届くようになりました。玄関のドアの下に脅迫状を差し込んでいくのです。長男はこの状況を2年以上耐え抜きました。ある日の脅迫状には、「おまえが無駄死にするのは残念だな。しかしそれがお前の母親を黙らせる唯一の方法だ。」と記されていました。

このような状況でも内務省と検察当局は保護してくれませんでした。その後、なんとか外国からの支援を得ることができました。人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルが、この状況に注目し、私たちを支援するキャンペーン「ソアチャの母たちにバラと希望を届けよう」を開始してくれたのです。私たちは世界中から、5500本のバラと25000通以上の励ましの手紙を受け取りました。

私は、ベルギー、デンマーク、ドイツ、アイルランド、オランダ、スペインで現地のアムネスティ―グループの人々と会い、国際司法裁判所や欧州連合議会で私たちがコロンビアで置かれている現状を訴えました。こうして国際社会の目が「ソアチャの母たち」に注がれることになったのです。

2013年、息子を殺害した6人の国軍兵士が起訴され、「人道に対する罪」で有罪宣告を受けました。しかし彼らは、その後2016年に政府とコロンビア革命軍(FARC)との間で成立した和平合意により設立された「平和のための特別法廷」で裁かれる権利を主張し、その結果全員が釈放されてしまいました。

私の息子に起こったことは、氷河の一角に過ぎません。ですから「ソアチャの母たち」としての活動にとどまらず、今ではコロンビア各地で人権を踏みにじられた母親達を支援し、彼女たちの声を代弁する活動を行っています。

2月20日にコロンビア北部のマグダレーナ・メディオ州での1年間にわたったプロジェクト(家族が強制失踪の犠牲者となった180家族との活動)を終えてソアチャの自宅に戻ってきました。それから間もなくして、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う都市封鎖が発令されました。

子どもたちは近くに住んでいません。殺人予告を受けていたため何年も前に遠くに移しました。ネイヴァ、メデリン、ヴィラヴィセンティオ等、各地を転々とさせましたが、彼らが安全に保護されていることで、私もこの活動に専念できるので、これでよかったと思っています。今では5人の孫にも恵まれていますが、残念ながら安全を考慮して一緒の時間を過ごせていません。

都市封鎖は、収入が途絶えれば生活を支える余裕がないこの国のほとんどの民衆にとって、あまりにも過酷な措置です。私の場合、いくつかの友人やグループの支援をいただいて、自分では購入できなくなった薬を入手しています。

Image: Virus on a decreasing curve. Source: www.hec.edu/en
Image: Virus on a decreasing curve. Source: www.hec.edu/en

私はワッツアップを使って内外の人々と連絡をとりながら、読書や編み物、刺繍などをして都市封鎖期間を過ごしています。

一方、ホームレスの人々が心配です。彼らには自らを安全に隔離できる清潔な場所がありませんし、世間は彼らのことを気にかけていません。何もできない自分が無力に感じています。そこで友人らに声をかけて、「屠殺者(ウリベ元大統領に関するドキュメンタリーの題名)」のロゴが印刷されたマスクを作って販売し、その収益金を恵まれない人々に食料を寄付する活動をすることにしました。

今回の新型コロナウィルス感染症の世界的流行(パンデミック)は、私たちが前に進んでいけるか、そして助けを必要としている人々に手を差し伸べるどれほどの寛容な心があるかが改めて試されている機会だと思います。(以上が取材に応じたマリア・ベルナルさんの証言内容)

50年に亘ったコロンビア内戦に終止符を打った和平合意により設立された「平和のための特別法廷」は、2002年から08年の間に国軍により超法規的に殺害されゲリラ戦闘員の死体として宣言された4439人の犠牲者を特定した。国連が7月に発表した報告書によると、ラテンアメリカで5番目に感染者数が多いコロンビアでは、パンデミックという緊急事態を利用して人権擁護者や元ゲリラメンバーを標的にする暴力が増加している。(原文へ

マリナ・ベルナルは1960年生まれ。コロンビアの平和・人権擁護活動家で、「ソアチャの母」創立メンバー。ボゴタ南部の国軍により子供が誘拐・殺害された母親達による真相球面を求める運動を率いてきた。2016年ノーベル平和賞候補に推薦された。

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【サンフランシスコIDN=スティーヴン・ローゼンフェルト】

綿密な調査に基づいて、米国の民主主義制度が現職大統領によりいかに合法的に乗っ取られようとしているかを1930年代のドイツの経験と比較(20の類似点を指摘)して分析したNY大学ロースクールのニューボーン教授の近著「 When at Times the Mob Is Swayed: A Citizen’s Guide to Defending Our Republic」を解説した記事。バート・ニューボーン氏は、アメリカ自由人権協会(ACLU)を経てNY大学ロースクールブレナン・センターを創設、200以上の最高裁訴訟、ホロコースト訴訟に関わってきた法学者。(原文へ

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ブロンクス動物園がかつてアフリカ人青年を檻に入れて見世物にしたことを謝罪

【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】

ブラックライヴズ・マタ―(Black Lives Matter 通称:BLM)は、これまでにも世界各地で人種差別主義者の銅像や差別的な企業方針等について、数々の謝罪を引き出してきたが、今回、ニューヨークのブロンクス動物園が、1906年にアフリカ出身の男性を檻に閉じ込めて見世物にしたことを公式に謝罪した。

同動物園の運営団体「野生生物保護協会(WCS)」は7月29日に発表した声明のなかで、「平等・透明性・説明責任の名において、私たちは野生生物と自然環境を保護するという動物園の使命を全うしていくためにも、この動物園が過去の歴史において人種差別を助長する役割を果たした事実に向き合わねばなりません。」と述べた。

WCSは、「良識に欠けた人種的不寛容」に該当するとして2つの例を挙げた。一つはムブティ族(現在のコンゴ民主共和国の先住民)出身の青年オタ・ベンガさん(当時23歳)に対する取り扱いである。ベンガさんは、1906年、ブロンクス動物園で1匹のオランウータンとともにサル用の鉄製の檻に閉じ込められ、一週間にわたって見物客の目にさらされた。WCSは、黒人聖職者からの抗議を受けて「この恥ずべき出来事に終止符が打たれた」と指摘した。

記録によると、ブロンクス動物園から解放されたベンガさんは、ニューヨーク市のブルックリンで牧師が運営する施設に引き取られ、後にバージニア州リンチバーグ市にあるタバコ工場で働いた。WCSは、「人間としての尊厳を奪われ、故郷に帰ることもかなわず、オタ・ベンガさんは、10年後に自殺した。」と説明した。

WCSはまた、同団体の創業者2人(マディソン・クラントとヘンリー・フェアフィールド・オズボーン)についても、「優生思想に基づく疑似科学的な人種差別」を説いたとして非難した。

優生思想とは、能力が劣っていると見なされる者の遺伝子を排除して、優秀な人類を後世に遺そうという思想で、20世紀初頭には多くの支持者がいた。またこの思想はのちのナチス・ドイツの政策形成に大きな影響を及ぼした。「マディソン・グラントの著書『偉大な人種の消滅 “The Passing of the Great Race”』からの抜粋は、ニュルンベルク国際軍事裁判でナチス戦犯を擁護する証拠資料に含まれていました。」と、WCSは指摘した。

「私たちは、動物園によるこうした所業や創業者らの過ちを私たちが非難してこなかったことで、何世代にもわたって多くの人々が傷ついてきたことについて、深く謝罪します。」とWCSは声明のなかで述べた。

ブロンクス動物園は今年が創立125周年にあたり、歴史を振り返る作業を始めていた。そこに警官によるジョージ・フロイド氏の殺害に端を発した人種差別を巡る議論が全米を席巻する事態が加わり、今回の公式謝罪へとつながった。

同動物園では、過去の過ちを認識する作業として、オタ・ベンガさんに関する全ての記録をまとめてオンラインで公開する予定だ。

WCSは、「私たちは、動物園の歴史について、とりわけ外部の作家や研究者がアクセスできる透明性を確保した環境を構築するために新たなプロジェクトを実施してまいります。」と述べている。(原文へ

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【ムジナ(南アフリカ)IDN=ジェフリー・モヨ】

南アフリカ共和国(南ア)北部のジンバブエ国境近い街ムジナ。ジェラルド・ギャバさん(47歳)の10代になる3人の子供達は、埃っぽい通りで手作りの紙のボールで遊んだり、借家のベランダで床に散らばった本を読んだりしている。ギャバさんはその傍らで、ベランダに広げた葦の敷物の上に寝転がっている。勤め先の建設会社がロックダウンの影響で休業に追い込まれ、3カ月前に仕事を失った彼は、明らかに手持ち無沙汰であった。

ジンバブエから移住してきたギャバさんは、「新型コロナウィルス感染症が世界的に流行している中、とうとう自分の子供達さえ学校閉鎖で自宅待機を余儀なくされています。」と語った。

ギャバさんの妻ミリライさん(42)が、いまや一家で唯一の稼ぎ手である。より良い機会を求めて南アに移住するまでジンバブエで営んでいた屋台の仕事を借家の近くで始めたのだ。

Coronaviruses are a group of viruses that have a halo, or crown-like (corona) appearance when viewed under an electron microscope./ Public Domain
Coronaviruses are a group of viruses that have a halo, or crown-like (corona) appearance when viewed under an electron microscope./ Public Domain

しかし、もはや南アはギャバさん一家にとってより良い機会を見いだせる土地ではなくなった。

新型コロナウィルス感染症がアフリカ南部を席巻して教育活動を停止する中、ギャバさんの子供達も、数百万人に及ぶ生徒たちと同様に教育に支障をきたしている。

ジンバブエでは教員免許を持っているギャバさんは「子供達に本を読んで独習するように言っていますが、ロックダウン(都市封鎖)下の生活はあまりにも単調なものですから、すぐ飽きて遊びだしてしまいます。」と語った。

ジンバブエでの状況も似たようなものだ。感染症が急激に拡大する中、小中学校の子供達は家庭に閉じ込められ、学校再開の期待は急速に萎みつつある。

首都ハラレの人口過密地区ムファコセに住むミランダ・ムタサさん(31)のような多くの親にとっては、家庭学習やオンライン学習のようなものはとても手が届かない。

こうしたなか、アフリカ連合(AU)は6月に国際連合児童基金(ユニセフ)と合同で加盟国に送った書簡の中で、ロックダウン期間中も生徒たちが学習を継続できるよう教育体制の維持に努めるよう求めた。「遠隔学習のコンテンツを提供し、ラジオやテレビ、ポッドキャスト、オンライン学習を展開すること。」「教育関連の省庁は、新型コロナウィルス感染症に対する教育部門の対応を改善するために、優れた実践例を記録し、学習への関与と成果をモニターすべきだ。」と共同書簡は述べている。

しかし、ギャバさんのように職を失った人々がアフリカ南部に多くいる中では、たとえAUが教育の継続性を確保しようとしても、例えばeラーニングの実施など夢のまた夢だ。

ジンバブエ南部の町マスビンゴに住むバーナード・ムンゴニさん(72)は、「新型コロナウィルス感染症のせいで、多くの人々が耐えられないほど新たな出費を強いられています。」と語った。

屋台で青果物を商っているミランダさんは、「必要な教育教材にアクセスするためのインターネットパッケージ料金が高すぎます。」と語った。

ミランダさんにとっては、感染症の影響で教育機関が閉鎖され、(オンライン教育にアクセスできない)彼女の子供達は不利な立場に追い込まれている。

隣国ボツワナでも、感染症が猛威を振るう中で教育が停止状態にある。7週間にわたった閉校を経て6月に学校が再開されたが、感染者が急増して再度閉鎖に追い込まれた。

レモガング・クワペ保健相は、6月に再びロックダウンを行うにあたって、「残念ながら、この24時間で状況は悪化しました。新規感染事例が30件確認されましたが、その多くがハボローネ首都圏の学校で発生しています。」と語った。

モクウィツィ・マシシ大統領は国民に対して学校再閉鎖について説明する中で、「予防的な措置として、追って通知があるまであらゆる学習活動の停止を決定した。」と語った。

現在、アフリカ南部諸国の学校は、新型コロナウィルス感染症が数多くの人々に影響を及ぼしている中で、閉鎖されたままになっている。

感染症がアフリカ南部で猛威を振るう中、南部アフリカ開発共同体(SADC)が、事務局を通じて国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)と協力して、感染症の教育への悪影響を緩和し、教育と学習の継続性を確保するよう加盟諸国を支援するグローバル教育連合を主導することになった。

SADC member countries/ Af Rotsee2 – Eget arbejde, CC BY-SA 3.0

感染状況が深刻な南アやボツワナ、ジンバブエ、ナミビアのような国々では、学校に通う子供達への影響が危惧されており、各国政府は学校の再開について再考を迫られている。

アンゴラでは感染症の急拡大に直面して3月24日から、全ての学校で授業を停止するとの発表が政府からなされた。教育省は、新型コロナへの予防措置に関わる政府部門からの指示にしたがって、全土での教育活動を停止したと述べた。

エスワティニでは3月に、全国教員連合(SNAT)が、すべての学校や大学を一時的に閉鎖するように政府に要請した。同連合は声明で「SNATは、街頭や学校のような公的な場所で新型コロナウィルス感染症に対処する措置が取られていないことを懸念する。予防措置が適切に取られておらず、懸念の原因となっている。」と述べた。

学校でも多くの感染事例が確認された南アでは7月、政府が学校閉鎖を継続すると発表した。これによって、学校閉鎖は2020年度から21年度にまで延長される見通しだ。

シリル・ラマポーサ大統領は7月の国民向け演説の中で、「感染が爆発的に拡大することが予想される局面で学校を閉鎖するという慎重なアプローチを採ることになった。」と説明した。

ナミビアの状況に目を向けると、ハーゲ・ガインゴブ大統領が8月1日、同月4日から28日間にわたって、新型コロナの感染リスクを排除するための必要措置として学校を一時休校にすると発表した。同国では既に3月に、ある学校で新型コロナ感染の事例が2件発生したことを受け、学校閉鎖の措置を取っていた。

マラウィでも、先月の感染拡大を受けて、学校再開の時期が延期されている。

学校が閉鎖されたままの南アでは、ギャバさんとその家族にとって、苦しく単調な日々が続いている。「子供達は家で飽き飽きしています。私もそう。でも、それ以上に仕事がなくなってしまったことが苦しい。」とギャバさんはIDNの取材に対して語った。(原文へ

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