農作物取引を自由化する新法巡って農民らによる大規模な抗議デモに発展しているインド農業が抱える構造的な問題点を分析したジャスティン・ボデュール氏による視点。大英帝国による植民地支配以前のインド(清帝国治下の中国の場合も同じ)では、凶作に際して為政者が可能な限り国民に最低限の食料を無償で提供する仕組が存在していたが、英国がこれを廃し食料を国際市場と連動した商品として徴収したために、その後の大英帝国領インドでは、必ずしも食料不足が原因ではなく、「貧しいから餓死する」大規模な飢饉が頻発した。ポデュール氏は、独立後のインドは大英帝国時代のような大規模な飢饉は回避してきたが、1億9500万人の栄養不足人口(世界の25%)を抱え、過去5年間に364,000人の農民が自殺する状況のなかで導入されようとしている新法は、数百万人の農民を破滅させ、インドを空腹を抱えた国(Country of humger)から、再び飢餓の国(country of famine)に逆行させることになりかねないと警鐘を鳴らしている。(原文へ)FBポスト
しかし、これらの決議が標準というわけではない。例えば、2020年3月の南スーダンに関するUNSC決議には、同国が地球温暖化の悪影響に大いにさらされているにもかかわらず、気候変動への考慮は盛り込まれなかった。UNSCは気候変動に対処するためのベンチマークや基準をいまだに持っていないため、このような不一致は驚くべきことではない。この方向で作業を重ね、ドイツおよび「気候と安全保障を守る有志グループ(Group of Friends of Climate and Security)」は、2020年に気候変動を取り扱うことを可能にするための行動計画を理事会で提案した。この計画では特に、「気候と安全保障に関する特使」の任命、気候変動に関する定期報告、気候に配慮した平和構築が要請された。残念ながら、UNSCはこの行動計画をまだ採択していない。というのも、一部の理事国がこれをUNSCの責任の危険な拡張と見なしているからである。
チェザーレ・M・スカルトッツィは、東京大学の博士候補生で、気候変動と安全保障について研究している。また、Global Politics Review誌の編集長および、社会科学・研究・イノベーション協会(Association for Social Sciences, Research and Innovation)の理事も務めている。近年の著作一覧はこちら(https://scartozzi.eu/)。
U.S. Air Force, Gen. John E. Hyten, 11th Vice Chairman, Joint Chiefs of Staff, poses for a command portrait in the Army portrait studio at the Pentagon in Arlington, Va., Nov. 27, 2019. (U.S. Army photo by Monica King)
This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.
ハルバート・ウルフは、国際関係学教授でボン国際軍民転換センター(BICC)元所長。現在は、BICCのシニアフェロー、ドイツのデュースブルグ・エッセン大学の開発平和研究所(INEF:Institut für Entwicklung und Frieden)非常勤上級研究員、ニュージーランドのオタゴ大学・国立平和紛争研究所(NCPACS)研究員を兼務している。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の科学評議会およびドイツ・マールブルク大学の紛争研究センターでも勤務している。
今年の国際デーに際して、プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長が発表したコラム「The Future Is Better with Women in Every Decision-Making(女性があらゆる意思決定に参画することで未来はよくなる)」(英語、アラビア語、ロシア語、中国語、スペイン語、フランス語で閲覧可能)。コロナ禍で数千万人の女性と女児が一層厳しい苦境(学校閉鎖による退学、家庭内暴力、児童婚、男性よりも高い失業率等)に追い込まれているにも関わらず、彼女たちの声を代弁する仕組みが圧倒的に欠如している今日の世界のの状況を明らかにしている。2020年現在、世界平均で女性が占める割合は企業の最高経営責任者(CEO)の4.4%、役員の16.9%、国会議員の25%、平和交渉担当者の13%。女性が元首又は政府首脳に就任している国は22カ国で、119カ国は依然として女性リーダーを経験したことがない。このままのペースでは世界で男女平等が実現するには2150まで待たなければならないだろうと警鐘を鳴らしている。(原文へ)FBポスト
Image: Are we really all in this together? ‘Vaccine nationalism’ must be addressed to ensure equitable distribution of a COVID-19 vaccine. Credit: Pixabay.
世界各国の議会・政府で女性が占める割合をモニタリングしている列国議会同盟(IPU)が国際デーを前に発表した最新報告書「Women in Parliament」によると、議会に占める女性の割合は歴代最高の平均25・5%(前年比0.6増)を記録したが、このままのペースでは世界の議会で男女平等が実現するまでなお50年かかると警鐘を鳴らしている。上位3カ国は、大虐殺を経験し社会と法制度の再構築に取り組んできたルワンダ(61・3%)を筆頭に、キューバ(53・5%)、アラブ首長国連邦(50・0%)が占め、既に男女平等を達成している。ちなみに日本は9.9%で主要先進7カ国中最下位(166位)だった。(原文へ)