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森林破壊と闘うギアナとトーゴの先住民コミュニティー

【ポート・オブ・スペインIDN=P.I.ゴメス】

南米ギニアで先住民女性グループが幅広い役割を果たしている熱帯雨林管理・再生プロジェクトについて紹介したパトリック・I・ゴメス アフリカ、カリブ、太平洋諸国機構(OACPS:旧名称ACP)前事務局長によるコラム。ゴメス氏はIDNが先般報じた西アフリカのトーゴで開始される農村地域で女性グループに所得機会を提供する森林再生プロジェクト(創価学会とITTO共同プロジェクト)にも注目し、SDGsを推進する観点から情報交換や交流など南南協力の可能性についても言及している。(原文へ

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国連開発計画、新型コロナウィルス感染症の影響から最貧層を保護するため臨時ベーシック・インカム(最低所得保障)の導入を訴える

【ニューヨークIDN=キャロライン・ムワング】

国連開発計画(UNDP)は7月23日に発表した報告書のなかで、世界の最貧層を対象に臨時ベーシック・インカムを直ちに導入すれば、約30億人が自宅に留まれようになり、現状の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)患者の急増を抑えられる可能性があると訴えている。

報告者『臨時ベーシック・インカム:開発途上国の貧困・弱者層を守るために』は、1カ月当たり1990億ドルあれば、132の開発途上国で貧困ライン以下か、そのわずか上で生活する27億人に一時的にベーシック・インカムを保証できると試算している。

Temporary Basic Income, Protecting Poor and Vulnerable People in Developing Countries/ UNDP

その結論によると、新型コロナの新規感染者が1週間に150万人を超えるペースで増加する中で、この措置は実行可能であると同時に、緊急に必要とされている。とりわけ開発途上国では、労働者の10人に7人がインフォーマルセクターで生計を立てているため、自宅に留まっていては収入が得られない状態にある。

社会保険制度の対象とされていない夥しい数の人々の中には、インフォーマル労働者や低賃金所得者、女性と若者、難民や移住者、さらには障害者が多く含まれており、今回のコロナ危機で最も深刻な打撃を受けている。

UNDPはここ数か月の間に60カ国以上で、新型コロナによる社会経済的影響の評価を行ってきたが、その結果を見ても、社会保障の対象となっていない労働者が所得なしに家に留まれないことは明らかである。

臨時ベーシック・インカムを導入すれば、こうした人々に食料を買い、医療費や教育費を賄うための収入を提供できるだろう。しかもこれは財政的に可能な選択肢である。例えば、6か月間、臨時ベーシック・インカムを配布するのに必要となるのは、2020年中に予測される新型コロナ対策費の12%にあたり、これは、開発途上国が2020年に支払うことになっている対外債務の3分の1にすぎない。

アヒム・シュタイナーUNDP総裁は、「前例のない時代には、前例のない社会的・経済的措置が必要です。その一つの選択肢として浮上してきたのが、世界の最貧層を対象とする臨時ベーシック・インカムの導入です。ほんの数か月前には、不可能と見られていた措置かもしれません。」と語った。

Achim Steiner/ UNDP
Achim Steiner/ UNDP

シュタイナー総裁はさらに、「救済措置や復興計画の対象を大きな市場や企業のみに絞ることはできません。臨時ベーシック・インカムにより、政府はロックダウン(都市封鎖)下にある人々に命綱となる資金を提供し、資金を地域経済に還流させて中小企業の存続を支援するとともに、新型コロナの破壊的な蔓延のペースを落とせるかもしれません。」と語った。

しかし、臨時ベーシック・インカムは、今回のパンデミックがもたらした経済的苦境の特効薬的解決策にはならない。各国が導入できる措置としては、雇用を守ること、零細・中小企業への支援を拡大すること、デジタル・ソリューションを用いて社会的に排除された人々を特定し、手を差し伸べることが挙げられる。

今年の債務返済に充てられる予定だった資金の使途を変更し、臨時ベーシック・インカムに充てることも、各国が必要な資金を賄う方法の一つである。正式なデータによると、開発途上国と新興経済国は今年、債務返済に3.1兆ドルを費やすことになっている。

「国連事務総長の呼びかけに応じ、すべての開発途上国を対象に包括的な債務返済凍結を認めれば、各国はその分の資金を一時的に、新型コロナ危機の影響に対処する緊急措置に振り向けることができるだろう。」と報告書は指摘している。

SDGs Goal No. 1
SDGs Goal No.1

すでに、臨時ベーシック・インカムの導入に向けて舵を切った国もいくつかある。例えば、西アフリカのトーゴ政府は、インフォーマルセクターで働く女性をはじめとする人口の12%を越える人々を対象に、現金給付プログラムを通じ毎月1,950万ドルを超える資金援助を提供しています。

スペイン政府も最近になって、弱者層の家族85万世帯230万人の個人を対象に、月額2億5,000万ユーロの予算で、最低基準額まで所得補填を行うことを承認した。

新型コロナは既存の世界的、国内的不平等をさらに悪化させただけでなく、最弱者層に最も大きな影響を及ぼし新たな格差も作り出している。2020年には、最大でさらに1億人が極度の貧困に陥り、14億人の子どもが学校閉鎖の影響を受け、失業や生計手段の損失も記録的水準に上ると見られる中で、UNDPは全世界の人間開発が今年、その理念の導入以降初めて後退を強いられると予測している。(原文へ

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|ドイツ|新法が、サプライチェーンにおける人権侵害に終止符を打つか

【ベルリンIDN=フランジスカ・コーン】

ドイツで法制化に向けた議論が進んでいる、人権・環境デューデリジェンス(組織が人権・環境及ぼすマイナスの影響を回避・緩和することを目的として、事前に認識・防止・対処するために取引先などを精査するプロセス)を巡る議論を分析した記事。今年欧州連合(EU)理事会議長国を務めるドイツ政府は、2020年政策目標のなかで、国内企業による自主対応が不十分だと判明した場合、国内法を制定し、EU全体の規制を推進する方針を打ち出しており、実現すれば今後欧州規模で、グローバルサプライチェーンにおける人権・環境侵害に一層厳しい目が注がれていくことになる。(原文へ

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【ニューヨークIDN=サントー・D・バネルジー】

国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の推定によれば、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大によって、165カ国で15億人以上の学生が学校に通えなくなっている。こうした中、世界各地の学術コミュニティーは、遠隔教育・オンライン教育など、新しい形の教育・学習の道を模索することを余儀なくされている。

教員と学生はいずれも、新型コロナ感染症がもたらす感情的、身体的、経済的困難に対処しなくてはならない一方で、ウィルスの感染拡大を抑えるための役割も果たさねばならず、大変困難な状況に直面している、と国連アカデミック・インパクト(UNAI)は指摘している。

UNAIは、高等教育機関と国連とが連携して知的な社会的責任という共通の文化の中で国連が定めた普遍的な10原則(国連憲章の原則を推進・実現、人権の擁護・促進、高等教育における能力の強化、持続可能性の促進、平和と紛争解決の向上等)を実践するためのイニシアチブである。

「全ての人々にとって、とりわけ、感染拡大が世界経済を混乱に陥れる中で、今年卒業が予定されている数多くの学生にとって、将来は不確実なものとなっている。」とUNAIは警告した。

UNAIは、「新型コロナ感染症と高等教育」と題した一連の取組みのなかで、世界各地の学生や教員、研究者に聞き取り調査を行い、彼らがいかにパンデミックの影響を受け、変化に対応しようとしているのかを探った。

Interview with Bowen Xu/ UNAI

上海外国語大学通訳翻訳大学院で中英翻訳を学ぶ学生ボウエン・シーさんは、この夏に大学院を修了する予定だ。

シーさんはこの1月に国連本部でのインターンシップのために中国からニューヨークに移動してきた。その後数週間で新型コロナウィルス感染症が広がり、中国全土で今年の春節の祝いができなくなった。

シーさんのインターンシップも終わりに近づき、中国の状況は改善してきたが、帰りのフライトはキャンセルになった。さらにニューヨークが新型コロナウィルス感染拡大の新たな中心地となる中で、チケットを予約することも困難になった。

シーさんはインタビューの中で、帰国できなくなった状況や、新型コロナウィルス感染症が彼の人生にいかに影響を及ぼしたかについて語っている。また、通常と同じ形で大学院卒業を祝ったり、級友や指導教官にお別れをしたりといったことができなくなって大学院生が喪失感を感じていること、この経済不況の中でこれから社会人になっていかねばならない不安についても語ってくれた。

こうした困難に直面しても、シーさんは前向きだ。この時間を有効活用して、これまで忙しくてできなかったことに挑戦して新しいスキルを身に着けようとしている。

UNAIが聞き取り調査をした別の学生は、現在ブラジル北東部にあるペルナンブコ連邦大学の修士課程で国際契約関係を専攻しているタリタ・ディアスさんだ。

ディアスさんの新学期は3月に始まる予定だったが、新型コロナウィルス感染症の影響で延期された。今年の予定が思わぬ形で変わったため、彼女は急きょ「プランB」を練らざるを得なくなった。彼女は、職業研修のためのオンライン講座を受講する一方で、英語のオンライン講師を始めた。また、料理のような新しいスキルの獲得にもチャレンジしている。こうして始まった新しい日常は、将来が不確実ななか、ディアスさんが忍耐力と前向きな気持ちを保つのに役立っている。

他国と同様、ブラジルでも、感染拡大の影響は深刻で、ディアスさんは、急増する新型コロナ患者に対処する医療システムの能力について懸念をもっている。ブラジルの多くの学校や大学が遠隔授業への切り替えに苦戦しており、新しいオンライン学習環境に適応するのに時間を取られている。他方、一部のブラジル人学生は、オンライン教育の質に疑問を持っている。

Photo credit: Physicians Committee for Responsible Medicine
Photo credit: Physicians Committee for Responsible Medicine

ディアスさんは、こうした困難はあるものの、この試練の時は、いつか過ぎ去ると同時に、大事な人と過ごした時間や、他者に対する共感や連帯といった重要な教訓をもたらしてくれるだろうとも考えている。

Interview with Hana Ibrahim/ UNAI

UNAIはまた、パリ大学の医学生ハナ・イブラヒムさんにも話を聞いた。彼女は、新型コロナウィルス感染症が爆発的に拡大するなか、パリのラリボワジェール病院の集中治療室でボランティアとして活動してきた。

イブラヒムさんは21歳で、まだ研修医として訓練を受けている最中だが、感染拡大が始まると、彼女が通っていた内分泌学・糖尿病学部を含めた多くの学部が閉鎖になり、大学の資源は新型コロナ感染症患者の治療に振り向けられるようになった。

集中治療や感染症対策関連の学部が次々と運び込まれる膨大な数の感染症患者の対応に日々奮闘している様子を目の当たりにしたイブラヒムさんは、自身の学業が大変であるにも関わらず、集中治療室の支援をしようと決意した。

イブラヒムさんはUNAIの取材に対して、精神的・肉体的に大きなプレッシャーがかかる医療現場の状況や市民の多くが依然として感染症が引き起こす重大さを理解していない現状への不安など、世界的な医療危機の中で、医学生兼ボランティアとして見聞きした実体験を語った。イブラヒムさんは今回の経験を通じて、自分の専門を変えようと考え始めている。

Interview with Madalitso Kamenia/ UNAI

また、プレトリア大学(南アフリカ共和国)で農業経済の修士号を専攻しているマダリツォ・カメニャさんは、「新型コロナウィルス感染症拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)によって大きな問題が生じました。」と語った。

カメニャさんは、大学の寮から出られない環境にあって、規則的に運動し、故郷のマラウィにいる家族や友達と話し、宿題をこなすという日課を守ろうと努めている。彼にとって、一人で過ごし孤独を強いられることがコロナ時代の最も難しい側面だが、通信インフラのお陰で、他の人たちと繋がりを保てていることがせめてもの救いだと考えている。

カメニャさんは前向きだ。ポストコロナの時代には世界は以前より良くなっていると信じている。しかし、これが最後のパンデミックになるとは考えていない。カメニャさんは、今の困難な状況はこれまでのやり方を改める絶好の機会を与えてくれているのであり、大学は次のパンデミックに備えて新たなやり方で教育ができるよう方策を模索すべきだと考えている。(カメニャさんのインタビューはこちらへ

Interview with Marina Romanova/ UNAI

マリーナ・ロマノワさんは、ロモノソフ・モスクワ州立大学(ロシア)で国際関係学を専攻する学生だ。交換留学でスイスに滞在しているときに新型コロナウィルス感染症が拡大し、状況が見通せないために、スイスを離れてロシアに帰国せざるを得なかった。

パンデミックがもたらすストレスにも関わらず、ロマノワさんは、両親が健康でいて、リモートで学業を継続するためのツールが与えられていることに感謝している。モスクワ州立大学には、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴うロックダウン以前にオンライン学習の体制が整っていなかったため、ロシアの級友たちはもっと困難な時を過ごしていた。しかし、今は学生のための新しい仕組みができつつあり、状況は改善してきている。(ロマノワさんのインタビューはこちらへ

UNAIによる他の学生たちとのインタビューは以下より聴取可能。

ヘバ・ヘイニー(ヘルワン大学、エジプト)

パブロ・デカストロ(チリ大学、チリ)

ミヒャエル・クリューガー(ルートヴィッヒスブルク教育大学、ドイツ)

マイケル・ムーア(アデルフィ大学、米国)

バシュラ・ナイーム(バロチスタン情報技術・工学・経営科学大学、パキスタン)

SDGs for All Logo
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ロマノワさんは来年卒業予定だが、パンデミックによりインターンシップや修士号取得のための海外渡航が難しくなっており、将来は見通せない。それでも彼女は、コロナ禍にプラスの側面を見出そうとしている。ロマノワさんはこの点について、「隔離生活を続ける中で、自身の勉強のやり方を見直すようになり、世界が互いにつながっていることや市民にとってよい保健制度が必要であることを深く理解できるようになった。」と語った。(原文へPDF 

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国連アカデミックインパクトのラム・ダモダラン最高責任者がIDN-InDepthNewsが創価学会インタナショナルと推進しているSDGs for Allメディアプロジェクトの昨年の報告書に寄せたメッセージはこちらへ。

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【ベルリン/東京IDN=ラメシュ・ジャウラ

西アフリカのトーゴ共和国で、コミュニティーを基盤とする世界的な仏教団体である創価学会と、国際熱帯木材機関(ITTO)による画期的なプロジェクトが開始される。両団体は、トーゴの2つの農村地域で女性グループに所得機会を提供する森林再生プロジェクトを立ち上げる覚書を締結した。

覚書は、プロジェクトの最初の1年に1000万円(9万3300ドル)を供与することを約束したもので、東京の創価学会本部で7月1日に署名された。プロジェクトは9月1日に開始される予定だ。

プロジェクトは、森林が急速に失われ貧困が増しているトーゴにおいて、気候変動や貧困、ジェンダーといった問題に対処するものだ。トーゴでは新型コロナウイルスの感染拡大によって人々が農村に回帰するようになり、森林資源を圧迫している。

Map of Togo

創価学会は、生命の尊重や持続可能な開発目標(SDGs)を中心とした平和や文化、教育を促進している。例えば、アマゾン創価研究所などのプロジェクトや機関を通じた自然環境保護活動や、インデプスニュース(IDN)とのメディアプロジェクトを通じたSDG達成の差し迫った必要性に対する問題意識を高める活動に焦点をあてている。創価学会は世界に1300万人の会員を擁し、人間主義を掲げる日蓮仏法を基調として人類社会の向上に貢献することを目的としている。

ITTOは、熱帯林資源の保全と持続可能な経営、利用、そして持続的かつ合法的に管理された熱帯木材資源の貿易拡大と多角化を促進している政府間組織である。

今回の創価学会・ITTO共同プロジェクトは、トーゴの国家気候対応計画(NAP)と、2015年のパリ協定の下での国別目標に沿ったものだ。SDGの第1目標(貧困をなくそう)、第5目(ジェンダー平等を実現しよう)、第13目標(気候変動に具体的な対策を)、第15目標陸の豊かさも守ろう)に貢献するものとなる。

トーゴでは、人口の増加、農業の拡大、乱開発、異常気象現象、持続可能な森林経営を行う地元の人々の能力不足が森林を圧迫し急速な減少を引き起こしており、食料安全保障、木材の供給や生計に負の影響をもたらしている。

環境・森林資源省は2018年、同国の森林の破壊速度は世界で最も深刻なレベルにあることを明らかにした。

農村コミュニティーの女性は、性別による不平等によって最も大きな影響を受けている。今回の共同プロジェクトは、苗床作りと維持、木材燃料のためのエンリッチメント・プランティング(郷土樹種を中心とした選択的な植林)、アグロフォレストリー、食料の作付け、地元市場での販売のための木材・非木材林産物の生産における組織面、経営面、技術面のスキル強化を支援するものだ。

ITTOのゲァハート・ディタレ事務局長は「しばしば人々が森林保護について語るとき、そこに暮らす人々の生活について気にかけないことが少なくありません。このプロジェクトは、女性の権利を守り、地域経済と食料安全保障を加速し、劣化した森林を回復させるものです。」「これはまさに、農村地域の女性の生活に変化をもたらし、現地の森林を守ることができる革新的な草の根イニシアチブです。」と語った。

ITTO Executive Director Dr. Gerhard Dieterle and Soka Gakkai President Minoru Harada at the memorandum signing ceremony/ photo: Seikyo Shimbun

創価学会の原田稔会長は、「創価学会が農村地域の女性とその家族に実体ある恩恵をもたらすであろうこのプロジェクトを支援できることを嬉しく思います。」と語った。

創価学会は、今回の共同プロジェクトの来歴を振り返って、アフリカにおけるSDGsの推進(とりわけ、貧困の撲滅、ジェンダー平等の達成と女性の能力強化、気候変動とその影響に立ち向かうための緊急対策の促進、陸の生態系の持続可能な利用の回復と促進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対策、土地劣化の防止と反転、生物多様性の喪失の防止)を支援していきたいと語った。

創価学会は、このことを念頭に、上記のSDGsの4つの目標(第1目標、第5目標、第13目標、第15目標)を実現する方法について数年間にわたって検討を重ねてきた。そうしたなか、横浜に本部を置くITTOと様々な意見交換をする中で、森林再生を通して女性のエンパワーメントと貧困削減を目指す同機関の取組みに関心を持つに至った。

SDGs Goal 1, Goal , Goal 13, and Goal 15

創価学会はまた、非政府組織でITTOの地元パートナーである「コミュニティー森林管理のためのアフリカ女性ネットワーク(REFACOF)」について知った。REFACOFは、既にコートジボワールやガーナ等で事業の成功を収めており、信頼を置ける活動を展開していると判断した。

創価学会は、REFACOFがトーゴにおいても新たな取り組みを準備中であるとの情報を得て、共同プロジェクトとして支援することを申し出た。創価学会とITTOの覚書によると、REFACOFは、トーゴの最貧県であるブリタ、ラックス両県で女性グループを支援する。

ブリタ県のパガラガール村ではが森林再生とエンリッチメント・プランティングが行われ、ラックス県では、薪採取のための共同利用森林がアゴエパン村の首長によって提供された土地に作られる。どちらの村でも、アグロフォレストリーの樹木が各世帯の土地に植樹される。(文へ

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This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.

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沖縄県知事、禁止されている米核ミサイルの配備を拒否

【ジュネーブIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン】

沖縄県の玉城デニー知事が、中国に脅威を与えるミサイルを沖縄に配備する計画を拒否した。この計画は明らかに、中国に対抗し、沖縄から500キロ離れた台湾の重要性を引き上げようとするドナルド・トランプ大統領の方針の一環である。玉城知事は、ミサイルを沖縄に配備する計画が進むようであれば、「沖縄住民からの激しい反対にあうことは容易に予想できる。」と語った。

沖縄は台湾と本州の間、東シナ海に浮かぶ150以上の島々からなる日本最南端の県だ。熱帯の気候、広い砂浜とサンゴ礁、さらには第二次世界大戦の激戦地としても知られている。

Map of Okinawa showing locations of US Bases./ Public Domain

沖縄は、第二次世界大戦終結以来、米軍にとって戦略的に重要な位置を占めている。島には、在日米軍全体のおよそ半分にあたる約2万6000人の米兵が、32の基地と48カ所の訓練地に分かれて在留している。

最大の沖縄本島には、1945年の連合国軍による大規模な侵攻(沖縄戦)を記念する沖縄県平和祈念資料館と、ホワイトシャークとマンタがいる美ら海水族館がある。

米国が沖縄に配備することを予定しているミサイルは、米国とソ連(1991年のソ連崩壊後はロシア連邦)との間で締結された1987年の中距離核戦力(INF)全廃条約で禁止されているタイプのものである。

米国のロナルド・レーガン大統領とソ連のミハイル・ゴルバチョフ書記長(当時)は、射程500キロから5500キロまでの範囲の核弾頭、及び通常弾頭を搭載した地上発射型の弾道ミサイルと巡航ミサイルを全廃することに合意した。

INF全廃条約は、特定のカテゴリーの兵器の全廃に合意した初めての軍備管理条約であった。加えて、同条約の2つの議定書により、互いの軍隊の装備(ミサイルの破壊状況)について、双方がオブザーバーとして査察できる前例のない手続きが確立された。

INF全廃条約によって、米ロ合計で2692基の核弾頭及び通常弾頭を搭載した地上発射型の弾道ミサイルと巡航ミサイルが廃棄された。米国のドナルド・トランプ大統領は2019年8月2日、ロシアが条約に従っていないことを理由として、条約から脱退することを正式に表明した。米国防総省は同年8月と12月、INF全廃条約で禁止されている種類のミサイルを2基、発射実験した。

On 31 July 1991, the US President, George Bush (sitting on the left), and General Secretary of the Communist Party of the Soviet Union, Mikhail Gorbachev (sitting on the right), sign the START I Agreement for the mutual elimination of the two countries’ strategic nuclear weapons./ Public Domain

米国の条約脱退以来、オーストラリア・日本・フィリピン・韓国は、米国の地上発射型ミサイルの配備を新たに認めるよう要請されてもいないし、配備を検討することもないと公に述べている。マーク・エスパー米国防長官は、中国に対抗するために欧州と、とりわけアジアにそうしたミサイルを配備したいと示唆していた。

国防総省筋は『ロサンゼルス・タイムズ』紙の取材に対して、国防総省は「我々の同盟国の懸念には多大なる注意を払っており、こうした国々の政治的課題については認識している。」と指摘したうえで、「メディアで報じられていることが、必ずしも非公開で協議されている全てではない。」と語った。

ワシントンのシンクタンク「軍備管理協会」が6月26日に報じたように、北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長が6月17日、NATO防衛閣僚会議を受けて、NATOは「欧州に地上発射型核ミサイルを新たに配備する意図はない。」と語った。

Secretary of State Michael R. Pompeo meets with NATO Secretary General Jens Stoltenberg, on the margins of the NATO Ministerial, at the U.S. Department of State in Washington, D.C., on April 3, 2019. / Public Domain

中国は、アジア太平洋地域への同ミサイルの配備に激しく反発している。中国国防部の呉謙報道官は6月24日、「もし米国が配備を強行するなら、中国の戸口における挑発だとみなす。」「中国はこれを座視することなく、必要なあらゆる対抗措置を取る。」と語った。

他方、トランプ政権は、引き続き中国が米ロとともに三国間の軍備管理協定に参加すべきと主張しており、米ロの核戦力を制限している最後の軍備管理協定である2010年新戦略兵器削減条約(新START)に関する6月22日の協議(ウィーン協議)に中国が不参加であったことを非難した。

ウィーン協議の開始前、米代表団を率いたマーシャル・ビリングスリー大統領特使(軍縮担当)は、空席に中国国旗を乗せたテーブルの画像をツイッターに上げ、「ウィーン協議が間もなく開始。中国は姿を見せない…それでも、ロシアと話を進めていく。」と書き込んだ。

中国外交部の傅聡軍縮局長はこれに対して「奇妙な光景だ…新START延長をお祈りしています! 一体どれだけ減らせるだろうか。」と応答した。米ロはそれぞれ約6000発の核兵器を保有していると推定されている。これに対して中国はおよそ300発だ。

軍備管理協会によると、ウィーン協議終了後の6月23日、中国外交部の趙立堅報道官は、空席に中国の国旗を置いた米国の行為は、「もし人々の関心を集めようとしているのならば、不真面目で、プロのやり方ではなく、アピール力もない。」と語った。

趙報道官はまた、「テーブルに置かれた国旗のデザインも不正確であった。」と指摘したうえで、「もう少し勉強して、笑いのタネにならないように一般常識を増やしてもらいたいものだ。」と語った。

トランプ政権は、中国が密かに資金をつぎ込んで核戦力を強化しており、今後の軍備管理協議には中国が参加しなくてはならないと主張している。

しかし、中国は、米ロ中の三国間協議にも、米中二国間協議にも参加を拒否している。

ビリングスリー特使は、ウィーン協議開始前の6月8日に中国を協議に招待したが、外交部の華春瑩報道官は次のように述べて、招待を断っていた。「中国は、米国・ロシアとのいわゆる三国間軍備管理協議に参加する意思はない。この立場は明確だ。」

ビリングスリー特使は中国政府に再考を促した。「強国の地位を得るためには、強国としての責任で行動すべきだ。」「中国は依然として、核増強を『秘密の万里の長城』の後ろに隠している。」と6月9日にツイートした。

マイク・ポンペオ米国務長官は6月18日、中国の楊潔篪外交部長とハワイで会談した。軍備管理がどの程度話題に上ったかは明らかにされていない。会談後、デイビッド・スティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は記者団に、米国政府は「三国間協議への(中国の)積極的な参加を求めている…不幸な結果を防ぐためのこうした協議に参加してほしいと思っている。」と語った。

エスパー国防長官も、6月18日のNATO防衛閣僚会議で同様の見解を示した。米国防総省が読み上げた資料によると、エスパー長官は「ロシア・中国との意味のある三国間軍備管理協議に緊急に関与する件について触れた。」という。

ロシアは、米国からの圧力にも関わらず、中国の態度を変えさせて協議に参加させることを拒否している。

ロシアのアナトリー・アントノフ駐米大使は6月20日、「協議が国益にかなうものかどうかは、中国側の判断だ。」「ロシア政府は、中国の友人に無理強いすることはしない。」と語った。

アントノフ大使はまた、もし中国が協議に加わることがあれば、米国の同盟国であるフランスや英国も参加すべきだとの長年の見解を繰り返した。

ビリングスリー特使は、「『多国間主義』に関する米国の定義は異なっているかもしれないが、原理は同じことだ。」という認識を示したうえで、「中国の核軍拡は、フランスや英国の核戦力よりもはるかに大きな脅威である。」と主張した。

トランプ政権は、中国との軍備管理協議で何を目標とするのか、三国間協議でロシアと中国に対してどのような妥協案を提示するつもりなのかについて、具体的な内容を明らかにしていない。(原文へ

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【ワシントンDC=ドリュー・クリスチャンセン】

長崎は日本のカトリック信仰の歴史において中心的な位置を占めている。イエズス会の伝道師フランシスコ・ザビエルが初めて日本を訪れた16世紀に始まって、長崎はキリスト教を日本に伝播させる上での中心地であった。

徳川幕府がキリスト教を禁止・迫害し始めた17世紀以来、長崎の「隠れキリシタン」は密かに信仰を守り、子を洗礼してカトリックの教義を与え、祈りを後世に伝えてきた。

19世紀後半にヨーロッパ人との接触が始まってキリスト教が合法化されると、信徒たちは隠れキリシタンたちが住んでいた地区に浦上天主堂を建設した。

1945年8月9日に長崎に原爆が投下された際、爆心地からわずか500メートルのところにあった浦上天主堂はほぼ原形を留めぬまでに破壊された。その日多数の信徒がミサに集っていたが、原爆による熱線や、崩れてきた瓦礫の下敷きとなり全員が死亡した。

爆撃された天主堂の遺物の一つが聖マリア像である。変形し、内部が空洞化し、眼が落ちくぼんで黒くなった像は、核のホロコーストの強烈な記憶を現在に伝えている。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が世界的に拡大する中、日本と米国のカトリック信徒らが被爆75周年を祈念する取り組みに加わった。8月3日、被爆者であるヨセフ高見三明大司教(現長崎大司教区大司教、日本カトリック司教協議会議長)は、イリノイ州ロックフォードの司教で「国際正義と平和に関する米司教協議会」の議長であるデイビッド・マロイ司教とともに発言をし、祈りを捧げた。

フランシスコ教皇は、昨年11月に長崎を訪問した際、「核兵器から解放された平和な世界。それは、あらゆる場所で、数え切れないほどの人が熱望していることです。この理想を実現するには、すべての人の参加が必要です」と述べて、核兵器廃絶を訴えた。

その2年前、ローマ教皇庁は国連の核兵器禁止条約に署名し、教皇がそれを批准した。条約が署名開放された会議においてフランシスコ教皇は、核兵器の保有と「使用の威嚇」を非難し、防衛政策としての核抑止の合法性を、事実上否定した。

高見大司教は「カトリック・ニュース・サービス」とのインタビューで「『声を上げ、大きくする必要があります』と訴えたフランシス教皇の呼びかけに応える必要があります。為政者たちをはじめ世界中のすべての人々に核兵器の存在は問題だと理解してもらわなくてはなりません。」と語った。

高見大司教はまた、「信仰者、とくにカトリック信者に向けて、まずキリストの教える平和について正しく知って理解してもらい、暴力のない世界は可能だということを分かってもらわなくてはならない。」と語った。

ロサンゼルスの大司教で米国司教協議会の議長であるホセ・ゴメス大司教は、来たる原爆忌を前に、「私の兄弟たる司教らと私は、奪われた無垢な命と、この悲劇的な攻撃が健康と環境にもたらした影響に苦しみ続けている世代のために、日本の方々と共に祈りたい」と綴った。

ゴメス大司教もまた、米国の司教らを代表して、フランシスコ教皇の核兵器廃絶の訴えに加わるよう呼びかけ、「人類と地球を脅かすこの大量破壊兵器を廃絶する取り組みにおいてたゆまぬ努力を続けるよう各国及び世界の指導者に求める」と述べた。

高見大司教とマロイ司教の8月3日の交流は、核廃絶に関するカトリック教会の教えを、カトリック信者と一般市民の双方に広めることを目指したものだ。同時に、ジョージタウン大学出版は、フランシスコ教皇が核廃絶の訴えを打ち出したシンポジウムでなされた証言をまとめた書籍『核兵器なき世界:バチカン軍縮会議』を出版した。

加えて、「カトリック平和構築ネットワーク」は、8月3日からの1週間で日米学生による太平洋横断対話を支援し、10月には、カトリック大学・ノートルダム大学・ジョージタウン大学の学生や大学関係者らと高見大司教の対話を支援する。

10月3日のオンライン対話は「核軍縮に関するカトリックの関与再活性化プロジェクト」によるものだ。同プロジェクトは、ジョージタウン大学バークレーセンター、ノートルダム大学クロック国際平和研究センター、米国カトリック大学政策・カトリック研究所が、ノースウェスタン大学の宮崎広和教授と協力して行うものである。

他に、パックス・クリスティ・インターナショナルや、国際カトリック大学連盟も共催者に名を連ねている。(07.14.2020) INPS Japan/ IDN-InDepth News

※著者のドリュー・クリスチャンセンは、ジョージタウン大学名誉教授(倫理・人間開発)で、バークリー宗教・平和・世界問題センター上級研究員。キャロル・サージェントとの共著に『核兵器なき世界:バチカン軍縮会議』(ジョージタウン大学出版、2020年)がある。(原文へ

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|視点|核兵器の脅威と闘うには「責任ある」メディアが必要(ジャルガルサイハン・エンクサイハン元モンゴル国連大使)

【ウランバートルIDN=J・エンクサイハン】

2020年の前半は、世界がますます緊密に繋がってきていること、そして、国境がない3つの生存上の脅威(①大量破壊兵器の存在、②気候変動、③新型コロナウィルス感染症のパンデミック)に対処するには、各国政府とあらゆるステークホールダーが協力し合うことが不可欠であるという現実を、私たちが改めて突き付けられた期間となった。

こうした脅威に対して何の対策も取らず、無視を決め込むことは、それ自体が第4の脅威となる。また、国際環境にマイナスの影響を及ぼす大国間の政治的・経済的角逐が強まりつつある。

パンデミック:上記の脅威の中で、とりわけ新型コロナウィルス感染症のパンデミックが、単独行動主義や保護主義、大国間の角逐ではなく、むしろ多国間主義と相互理解・協力こそが、共通の脅威と難題に実質的に対処するために必要であることを明示している。今日、「別々に行動するより団結する方が良い(死ぬも生きるも全員の意味)」という諺のとおり、狭隘なナショナリズムや大国間の角逐よりも広範な協力の重要性が増している。

パンデミックは、多くの国々における医療システムや公衆衛生を促進する国際協力が、今回の新型コロナウィルス感染症に対しては依然として脆弱なものであり、先進国ですら効果的な対応をとれなかったことを示した。適切な措置を取り、対応策に関する情報や経験を持ち寄る時間は失われた。効果的なワクチンの開発には、科学者や医者だけではなく、全世界の力が必要だ。願わくば、世界は、その他の生存上の脅威に対しても緊密に協力するようになってほしいものだ。

核兵器・生物・化学兵器を含む大量破壊兵器は、人類に対する明確な生存上の脅威である。新型コロナウィルスの感染拡大を念頭に置きつつ、パンデミックの兵器化を防ぐために、1972年の生物兵器禁止条約を再考する必要がある。

Image: Collage of images of biomasks and COVID-19 with graphics from Internet.

核兵器に関しては、その脅威は冷戦終結とともに除去されたわけではなかった。それどころか、核兵器保有国の数は増えてきた。冷戦終結後の30年、米国とロシアが保有する核兵器の数は減り続けているが、核兵器の脅威は低減されるどころか、むしろ増大している。

米ロ二国間の重要な核兵器全廃あるいは削減に関する協定は破棄され、その他の協定についても攻撃を受けている。超音速兵器、宇宙兵器、その他の先進兵器やシステムが開発される一方、核兵器が使用されるハードルは、核兵器低出力・小型化が進む中で下がってきている。

核実験の再開に関する議論さえ出てきているが、もし実施されれば広範囲な連鎖反応を生むことになるだろう。核不拡散体制は、「核軍備競争の停止および核軍縮に関する全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する。」という公約の履行をNPTの加盟国である核兵器国が拒んでいるために、弱体化している。

米国による、イラン核計画に関する多国間合意からの一方的な離脱は、合意を崩壊させるリスクを高めた。朝鮮半島における非核化協議は、重大な公約を実現しようという意思が当事国に欠けていたために停滞している。

こうした問題含みの動きが起こる一方で、核兵器が、故意、人間やシステム上のエラー、あるいは過失によって使用されることがあれば、その脅威は、現在の新型コロナウィルス感染症のパンデミックと違って、よく訓練を受けた献身的な医者でさえ実質的に役に立たなくなるぐらい大きな被害が瞬間的に生じるものとなる。

1945年に広島と長崎で核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道上の帰結と、被爆者の証言をよく知る各国の医師たちは1980年、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)を設立した。IPPNWは、核兵器が使用された環境下では、医師が犠牲者に適切な医療支援を行うことは不可能であり、最善の対応策は、そもそもそうした惨事を引き起こさないようにすることだと宣言した。

核兵器の使用がもたらす人道上の影響に関する最近の研究では、核兵器がわずか数発使用されるだけでも数十万人が即時に死亡し、その後にもっと多くの人々が苦しみながら亡くなったり、苦難を経験したりするとされている。また、いわゆる「核の飢餓」につながる、気候の壊滅的な崩壊を世界的に生み出すとされている。

メディアの役割:現在起こっているマスコミ革命は、一般の人々にとってメディアを最も直接的な情報源に押し上げた。今日、人々の意識を高め、その態度や意見を形成し、人々の行動を通じて、最終的な意思決定者、つまり各国の政府に影響を与えるうえで、メディアは重要な役割を果たすと期待されている。

しかし、メディアは、広範に利用できる情報の単なる伝達者であってはならない。なぜなら、そうした情報の中には、客観的な事実に基づいた情報もあるが、情報の利用者に影響を及ぼすような偏見を持ったものや、フェイクニュースも含まれるからだ。

Image credit: Pixabay

メディアは「良いニュースは悪いニュース」あるいは「悪いニュースは良いニュース」という論理に従ってはいけない。メディアがすべきことは、安全と平和、人々の相互理解を促進することだ。それは具体的には、客観的な情報を提供する、責任ある効果的な媒体として機能し、ニュースのより大きな背景や影響を示し、人びとが、問題の性格・課題・可能性がよく理解できるように問題の文脈を明確にし、人びとが直接、あるいは、同じような見方を共有する集団を通じて問題に積極的に関わっていけるようにすることを通じて、なされるべきだ。(原文へ

※著者は、モンゴルの元国連大使で、NGO「ブルーバナー」の代表。この記事は、国連SDGメディアコンパクトの正式加盟通信社IDN-InDepthNewsを主幹メディアに持つInternational Press SyndicateがSoka Gakkai Internationalと推進しているメディアプロジェクト「Toward a Nuclear Free World」の最新レポートの序文として寄稿されたものである。

INPS Japan

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【ナイロビIDN=シッダルタ・チャタジー】

17歳の女子高校生ダルネラ・フレイザーさんは、ジョージ・フロイド氏が白人警察官のデレク・チョービンに首を膝で押さえ付けられて死亡するまでの数分間を撮影した時、まさか自分の撮った映像が人種差別への世界的な抗議行動を再燃させ、警察改革を求める抗議の声が広がっていくとは、夢にも思わなかった。

この撮影行為は、メディアの力を世界的に実証することとなった。私たちは、同じようにアフリカにおいて緊急の行動を必要としている。持続可能な開発目標(SDGs)が達成され、全てのアフリカの人々に本来あるべき機会が与えられるよう、アフリカのメディアが貢献しなければならない。

Amina J. Mohammed/ UN Photo
Amina J. Mohammed/ UN Photo

「世界中で、SDGsの達成に成功することが、世界的な不安を和らげ、人々により良い生活を与え、あらゆる社会に安定と平和をもたらすための確固たる基盤を構築することになる。」とアミーナ・モハメッド国連副事務総長は述べている。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的流行(パンデミック)が引き起こされる前から、レバノンからチリ、イランからリベリアに至る世界各地で、民衆による抗議の波が広がっていた。これは、様々な進歩にもかかわらず、このグローバル化した社会は何かが壊れていることを明確に示している。

COVID-19のパンデミックは、あたかも根深い不平等の実態を白日の下に晒す稲妻のごとく、世界全体に広がった。メディアの報道が、密接に関連している不平等と健康の関係を解明する手助けとなった。つまり報道を通じて、貧困層ほど、圧倒的に多くがウィルスに感染・死亡し、深刻な被害を受けていることが明らかになったのである。

長年にわたる公民権の剥奪と人種差別に抗議する民衆の声が世界を席巻している現状は、あらゆる人々が平等に扱われるように世界が変わらなければならないことを示している。

メディアもまた、SDGsに関して同じことができる。SDGsを達成して数多くのアフリカの人々の生活を向上できるかどうかは、人々の意識向上と、そうした意識が加速させる焦点を絞った行動と資金調達にかかっている。

Photo: Woman on the streets of Minneapolis holds #BlackLivesMatter sign. Credit: Breakthrough News

開発の進展に関する大きな欠点のひとつは、SDGsと「2030アジェンダ」に関する知識が広範に広まっていないことだ。SDGsについて積極的に報道するメディアに関心を向けなくてはならない。何が報道され、どのように報道されるかは政策形成に影響を与え、生活に影響を受ける数多くの人々を左右することになるからだ。知識は力であり、市民が問題意識を持てるようになれば、国の対応を決める力を手にすることになる。

従来、開発の専門家らは、教育関係者や政治家、メディアといった影響力をもつ人々に対して、持続可能な開発という比較的新しい概念についてうまく説明することができていない。今後そうすることがカギを握る。なぜなら、SDGsを容易に理解できる工夫がなされれば、市民からの支持を集めることができるからだ。

私たちは、国連の193加盟国が公約した開発目標の期限である2030年に向けて既に3分の1程のところに来ている。しかし、COVID-19のパンデミックに関わらず、現在の変化のペースでは、保健・教育・雇用・エネルギー・インフラ・環境といった主要な領域において、アフリカは期限内に目標を達成できそうにない。

SDGsそのものや、その達成に必要な行動、そしてそうした行動に責任を持つ機関に関する市民の意識を高めることが肝要だ。メディアは、SDGsが示している社会正義と平等を実現するためのグローバルな取り組みに関する報道を強化することで、市民社会や経済界、国際機関、地域機関、諸個人に刺激を与えることができる。

知識を得た市民からの圧力が政治家らを行動に向かわせ、数多くの人々に希望を与えることになる。

アフリカでは、開発問題はメディアにとって決してかけ離れた問題ではない。従って、持続可能性に関する理解を構築する機会は既にそこにある。持続可能な開発に関する専門家は、なぜSDGsが重要であり、開発における「これまでのやり方」では、なぜ増大する人口や気候変動に対処できないのかを、説明しなくてはならない。そして、「持続可能な開発」の概念を誰もが理解できる説得力のある物語を制作できる報道機関は、人々のSDGsに関する注目を高め、それによって支持を獲得することができる。

私たちは「通説をひっくり返す」必要がある。

何がどのように報道され、そしてどのような媒体で報道されるかは、政策形成に役立つほか、生活が影響を受ける数多くの人々を左右することになる。

この目的のために、メディアは対話に参加し、大義に向かって自らが果たせる役割を理解するようにしなくてはならない。

SDGsは、「誰も置き去りにしない」、そして、「最も遅れているところに第一に手を伸ばすべく努力する」と約束している。これは実際には、極度の貧困を根絶し、不平等を緩和し、差別と対決し、最も放置された人々に進展をもたらす迅速な行動を取ることを意味している。

メディアは、例えば、SDG第3目標のテーマである「全ての人に健康と福祉を」という大きな問題を検討するために、COVID-19の例を持ち出しながら、最も放置されている人々に光を当てることができる。

SDGsfor All Media Project Annual Report

また、メディアは、2030アジェンダを各国政府に順守させる上で重要な役割を果たす。公約では、各国が報告や説明責任を果たすためのメカニズムを持たねばならないことになっているが、ほとんどの国が、特定の目標に向けた進展に関する信頼性のあるデータを提示していない。これが問題なのは、SDGsに向けた資金調達は、実際にどの開発領域で資金が必要とされるかを理解するためのデータを集積できて初めて可能となるからだ。国別の公約が十分な投資で裏付けられることがほとんどないアフリカの場合、この点は特に重要である。

携帯電話の急速な普及は、アフリカ大陸の人々に、フェイスブックやツイッター、ユーチューブ等のデジタルプラットフォームを通じてコンテンツを共有する比類のない絶好の機会を提供している。インターネットの接続環境や手頃な価格のプロバイダーが依然として不足している問題があるものの、モバイル技術は多くの部門で強力に可能性を押し広げている。

Siddharth Chatterjee
Siddharth Chatterjee

地球上の6人に1人がアフリカで暮らしている。つまり、アフリカの問題は世界の問題であり、これを解決することが世界の責任だということだ。もしアフリカがアジェンダ2030を達成することができなければ、その影響は、紛争や移民、人口増加、大きな気候災害という形で地球上を覆うことになる。

アフリカのメディアは、SDGsの達成に向けた責任を負っている。(原文へ

*この記事は、国連SDGメディアコンパクトの正式加盟通信社IDN-InDepthNewsを主幹メディアに持つInternational Press SyndicateがSoka Gakkai Internationalと推進しているメディアプロジェクト「SDGs for All」の最新レポートの序文としてチャダジー氏から寄稿されたものである。

INPS Japan

This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.

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【アブダビWAM】

アラブ首長国連邦(UAE)の英字日刊紙は、UAE副大統領でドバイ首長のムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下が、世界の子ども500万人を対象に清潔な水を提供する「UAE水援助プログラム」構想を発表した、と報じた。

「粗末な下水設備や適切な浄化装置の不足等が原因で、21秒毎に1人のペースで子どもが命を落としている現状を考えれば、この支援プログラムは実に意欲的な試みである。」とガルフ・ニュース紙は6月30日付の論説の中で報じた。

実施を監督するのはエミレーツ赤新月社で、具体的には井戸の掘削、適切な水配給システムの構築、安全な水を提供するための効果的な浄水装置の設置等に対する支援を行う予定である。

UAE Water Aid/ Gulf News

これまでのところ、この支援構想に対する反応は上々で、発表から24時間が経過した時点で3200万ドゥルハム(約9億1600万円)の寄付金が寄せられた。

今回の発表はイスラム教徒が断食という修行を通じて貧しい人々の心情を身をもって経験・内省し、喜捨を通じて神への信仰を捧げるラマダン開始日(6月29日)に行われた。

子どもたちが最も病気や細菌、寄生虫に侵される危険性が高いことを考えれば、清潔で安全な飲料水は、かけがえのない(ラマダンの)贈り物となるだろう。これらの病原菌は、水が乏しく、飲料水の供給体制を向上させるための資金がないか、或いは他の問題に対処するために(飲料水対策に)資金を回す余裕がない地域で活発に繁殖する傾向にある。

「今後この支援プログラムは、ソマリアの平原地帯や、アフガニスタンの丘陵地帯、或いはスーダンの乾燥地帯にある村々、さらには紛争で分断されたパキスタンの部族地域において、村の井戸や水道の蛇口から清潔な水を常に確保できるよう支援の手を差し伸べていく予定である。」とドバイに拠点を置くガルフ・ニュース紙が報じた。(原文へ

翻訳=IPS Japan

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