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持続可能な開発促進の鍵を握る教育

【国連IDN=シャンタ・ラオ】

国連の2015年以降の開発への取り組みについて、ピーター・トムソン国連総会議長(フィジー)は、耳の痛い真実に焦点を当てた。それは、国連の17の分野からなる持続可能な開発目標(SDGs)について世界のほとんどの人は知らない、ということだ。

トムソン議長は記者団に対して、「したがって、SDGsが全ての学校カリキュラムの中に盛り込まれねばなりません。国連はSDGsの推進を力強く後押していきます。若者らは開発アジェンダの中でSDGsの重要性について教えられねばなりません。」と語った。

Peter Thomson at HLPF 2017/ Sustainable Development Knowledge Platform

トムソン議長は、「もし世界中の学校のカリキュラムにSDGsが盛り込まれることになり、すべての教師がSDGsについて教え、地球上のすべての若者が自らの権利・義務としてSDGsについて知らされたならば、世界が2030年までにこれらの目標を達成する可能性が極めて高くなります。」と訴えた。

トムソン議長は、2016年11月に193カ国の首脳に宛て、子供たちや若者にSDGsについて教えることの重要性を強調した書簡を送った。トムソン議長はその中で、「若者は、持続可能な開発目標の成功の継承者にも、失敗の継承者にもなりうるのです。」と述べている。

東京を本拠にした仏教系NGOである創価学会インタナショナル(SGI)は、この国連総会議長の宣言よりかなり前から、SDGsの第4目標(すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する)に着目するなかで学生の役割を極めて重視ししてきた、おそらく世界でも数少ない組織のひとつだろう。

持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)の期間中である7月12日に、スリランカ国連政府代表部でSGIが主催した円卓会議のテーマは、「ノンフォーマル教育の効果は測定可能か?学校環境において展示を用いた、あるケーススタディ」であった。

この円卓会議は、地球憲章インタナショナル(ECI)と環境教育センター(CEE)が共催した。

Dr. Daisaku Ikeda/ Seikyo Shimbun
Dr. Daisaku Ikeda/ Seikyo Shimbun

SGIの池田大作会長は、円卓会議に出席した関係諸団体の代表や参加者へのメッセージのなかで、「SDGsが掲げる『誰も置きざりにしない』とのビジョンは、遠大な目標ではありますが、『同じ人間として同じ地球で共に生きる』との思いを一人ひとりが深め、身近な場所から行動を起こす中で、時代変革の波を力強く広げることができるのではないでしょうか。その大きな原動力となるのが、世界市民教育や、持続可能な開発のための教育に代表される『教育』です。」と述べた。

池田会長は、長年にわたって、持続可能な開発における「教育」の役割の重要性について訴えてきた。

池田会長はまた、リオサミットから10年が経過した2002年にヨハネスブルクで行われた「環境開発サミット」の際には、(1)地球環境問題の現状を知り、学ぶこと(Learn)、(2)持続可能な未来を目指し、生き方を見直すこと(Reflect)、(3)問題解決のために、ともに立ち上がり、具体的な行動に踏み出すためのエンパワーメント(Empower)、の3つのステップに基づく教育の推進を提言した。

現在までに、「希望の種子展」は世界36カ国・地域で開催され、多くの若い世代をはじめ、市民社会の幅広い人々が訪れるノンフォーマル教育の場ともなってきた。

この提言をもとに、SGIと地球憲章インタナショナルは共同で、「希望の種子:持続可能のビジョン、変革へのステップ」と題する教育展示を制作した。

Seed of Hope Panel 01 / SGI
Seed of Hope Panel 01 / SGI

インドで実施したプロジェクトでは、「希望の種子展」を用いて、ノンフォーマル教育の効果を測定することを意図している。インド国内の3つの異なる都市から合計18の学校がプロジェクトに参加した。

1つ目のグループに対しては展示の観覧だけをさせ、別のグループには展示観覧と関連活動も行わせた。

プロジェクトの前後に、学生が何を学んだかを評価する調査が行われた。

調査結果は、アーメダバード(インド)を拠点にする環境教育センター(CEE)の事業責任者であるプラモド・クマール・シャルマ博士から参加者に提示された。シャルマ博士はミシガン大学の客員研究員も務めている

共同プロジェクトにおける自身の役割についてシャルマ博士は、「CEEは研究を担当しました。私は、センターの同僚とともに、調査設計の準備、データ収集手段の準備、報告書の分析に関わりました。」とIDNの取材に対して語った。

「ノンフォーマル教育」の定義についてシャルマ博士は、「この文脈において『ノンフォーマル』とは、持続可能性の問題について子どもたちを教育し、変革の動機づけを与えるために使用させるアプローチや教材のことを指します。」と語った。

国連総会議長が行った提案についてシャルマ博士は、SDGsを学校のカリキュラムで取り上げ、SDGsについて、なぜ、何が、どのようにして、持続可能性につながるかを子どもたちに教えるために役立つかもしれない。」と語った。

シャルマ博士はまた、「もっとも重要なことは、それを日常生活と結びつけることであり、それらがどうつながっているかということです。現在、そして将来の市民として、自らのSDGsへの関与を目に見える形にし、国連における国家間の取り決め以上のものにしなくてはなりません。」と語った。

国連によれば、7.5億人以上(うち、1.15億人は若者)が読み書きができないという。その3分の2は女性だ。小学校の年齢の約2.5億人が基本的な読み書きの能力がなく、1.24億人の子ども・青年がまったく教育を受ける機会がない。

Soka Gakkai
Soka Gakkai

「持続可能な開発へのこれらの障害は、コミットメントと資源の裏付けを得た適切な政策の策定と履行によって乗り越えることができるし、またそうしなくてはならない。」

SDGs Goal No.4
SDGs Goal No.4

「学校に行けない子どもたちが質の高い学習機会を手にできるようにし、学校教育の質を高め、成人教育・学習を促進する必要がある。」と国連は指摘している。

SDGsを教えることによって、SDGsの第4.7項目の履行に向けて前進することができる。4.7項目は「2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、 男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様 性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。」と述べている。

Mapting
Mapting

他方で、2016年11月、SGIと地球憲章インタナショナルは共同で「マプティング(Mapting:マップとアクティングを合わせた造語)」と呼ばれる新たなノンフォーマル教育のツールを開発し、発表した。これはSDGsに対する関心と関与を促進する目的で作られたモバイル・アプリである。

マプティングは、SDGsに関連する写真や動画を撮影し、世界地図上で共有できるようにした、参加型のスマホアプリである。

池田会長が指摘したように、マプティングのユーザーは、操作を通じて、SDGsが身近なものであると実感できるようになる。マプティングの経験は、自らが暮らす「地域」から「世界」を見たり、また「世界」から「地域」を見る体験を与えてくれる。

「こうした身近で具体的な体験を通じて、SDGsに対する意識を高め行動していくことの意味は大変に大きいものであると思います。SGIは、それぞれの地域社会における草の根のネットワークを生かし、ノンフォーマル教育の取り組みを積み上げながら、志を同じくする皆さま方とともに、持続可能な地域社会の建設を目指していく所存です。」と池田会長は述べた。(原文へPDF

翻訳=INPS Japan

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Reporting Another Special from Kazakhstan: EXPO 2017 Astana

IDN-INPS travelled to Kazakhstan to provide an in-depth coverage of  EXPO 2017 Astana inaugurated on June 10. Touted by some as the ‘Disneyland for Adults’ and ‘a virtual reality beyond science fiction’ by others, EXPO 2017 shows the ways to access affordable, reliable, sustainable and modern energy for all.

READ > EXPO 2017 Shows the Way to Sustainable Energy Solutions

WATCH > VIDEO by IDN-INPS Multimedia Director Katsuhiro Asagiri

アスタナ万博を取材ー日本館「Smart Mix with Technology」

【アスタナINPS Japan=浅霧勝浩】

Filmed by Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director, President of INPS Japan.

INPS Japanの浅霧勝浩理事長・マルチメディアディレクターは、カザフスタン政府の招待を受け、2017年6月から開かれている「アスタナ国際博覧会」を取材した。この万博のテーマは、“未来のエネルギー”。日本を含めて115カ国と22の国際機関が参加した。この映像は「Smart Mix with Technology ―オールジャパンの経験と挑戦―」をテーマに、日本の高い技術力と世界的な課題解決に向けた貢献を発信する日本館の内部を撮影したもの。日本館は、2025年国際博覧会の大阪誘致に向けたPRも積極的に行っていた。

INPS Japan visited Astana Expo 2017, held in Kazakhstan. Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director and president of INPS Japan filmed Japan Pavilion. Under the theme “Smart Mix with Technology,” the Japan pavilion demonstrated a multi-layered approach to clean and efficient energy provision. Across three dazzling exhibition zones, Japan delivered its vision for the future against a historical backdrop. EXPO 2017 Shows the Way to Sustainable Energy Solutions

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国連事務総長、カザフスタンを称賛し、上海協力機構との緊密な協力を約束

【アスタナIDN=ラメシュ・ジャウラ】

国連のアントニオ・グテーレス事務総長が、カザフスタンが国連安保理非常任理事国として「国際舞台でますます活発な役割」を果たしていることに謝意を表明するとともに、上海協力機構SCO)の重要性を強調して、気候変動に関してSCOがリーダーシップを発揮するよう求めた。

カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は、国連事務総長がSCOサミットに参加したことに感謝の意を示し、「SCOの歴史の中で国連事務総長の参加を得たのは初めてのことです。また、この機会がインドとパキスタン両国がSCOに正式加盟するタイミングであったこともきわめて象徴的と言えるでしょう。つまり、今やSCOが国際社会の中で真の政治的な影響力を持ちつつあることを示しています。」と語った。

SCOは恒久的な政府間機関で、カザフスタン、中国、キルギス、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンが中国の上海で2001年6月15日に創設を発表したものである。

António Guterres at SCO Summit in Astana/ Katsuhiro Asagiri of INPS
António Guterres at SCO Summit in Astana/ Katsuhiro Asagiri of INPS

グテーレス事務総長は6月9日、SCO加盟国首脳理事会第17回会議(アスタナサミット)で、「持続可能な開発に向けた2030アジェンダと、SCOの開発戦略2025は、私たち共通の青写真です。」と指摘するとともに、「皆様に置かれましては、気候変動に関するパリ協定の履行について、是非ともリーダーシップとコミットメントを発揮されるようくれぐれもお願いしたい。希望は高く持っておかねばなりません。」と語った。

グレーレス事務総長はSCOに新たにインドとパキスタンが加盟したことを祝福し、「本日のサミットは、SCOの発展の新たな段階を画するものであり、その対象領域と世界に対する影響力を拡大させました。」と指摘した。

グテーレス事務総長がカザフスタンを訪問していたのは、SCOサミットに参加するためだけではなく、その直後に開催予定の2017年アスタナ国際博覧会(アスタナ万博)開会式に参加することも目的であった。グレーレス事務総長は、気候変動に関してきわめて重要な関連性をもち、持続可能な開発へのコミットメントにも深くかかわる「未来のエネルギー」をテーマとしたアスタナ万博が、画期的なイベントとなるよう強い期待を滲ませた。

グテーレス事務総長は、「SCOはユーラシア大陸各地で相互理解、対話、安定、開発を促進するうえで意義深い役割を果たしています。」と指摘したうえで、「加盟国は、テロリズム、暴力的過激主義、麻薬密輸、組織犯罪など、今日平和と安全を脅かしているものと闘うために協力しています。これらは、いずれの国も一国で効果的に対処することは不可能であり、集団での対応が必要とされる複雑な問題です。」と語った。

2017 Astana Expo/ Katsuhiro Asagiri of INPS
2017 Astana Expo/ Katsuhiro Asagiri of INPS

グテーレス事務総長はまた、「国連とSCO間の協力は『堅固な基盤』に基づいています。」「グローバル化の進展と急速な都市化により世界が再編成される一方で、主要な武力紛争は終息する気配を見せていません。このように、国際社会が多くの面において試練に晒されている今日、この協力関係はとりわけ重要なものとなります。」と語った。

「私たちは、安全と経済的機会を求めて多くの人々が大移動する現実を目の当たりにしています。そして今日、不平等や不寛容、それに外国人排斥や人種差別が横行しています。そして、気候変動がもたらす影響は日々悪化の一途をたどっています。」

「国連は、前を見据えて、SCOの強力なパートナーであり続けるだろう。」とグテーレス事務総長は確約した。グテーレス氏は1月の事務総長就任以来、国連の平和維持活動を強化し、国際開発体制をより効果的にすることを目的として、幅広い改革を進めてきた。

そうした改革のひとつが、テロ対策室の新設だ。テロと暴力的過激主義と闘う加盟国を支援するために国連の全力を傾けることを目的とした、高いレベルのリーダーシップを発揮しようとしている。

グテーレス事務総長は、上海協力機構(SCO)のすべての加盟国がテロの被害にあってきたと指摘した。「テロと闘い、その根本原因に対処し、対応策が国際的な人権基準に見合うようにするとのSCO加盟国の公約に期待しています。」とグテーレス氏は指摘したうえで、「究極的には、包摂的で持続可能な開発が、武力紛争と暴力的過激主義予防の最善の形です。」と論じた。

グテーレス事務総長は、この目的を追求するうえで若者の雇用に特に着目すると約束した。「進歩のためには、法の支配の原則を貫き、不満に対処するために平和的な解決方法を提供する民主的機構が肝要です。そして、市民社会と自由で独立したメディアが活躍できる空間を確保することが、成功のためのさらなる要素となるでしょう。そして女性・女児をエンパワーすること、これが、私がとりわけ心に留めている重要課題です。」とグレーレス事務総長は語った。

SDGs Goal No. 16
SDGs Goal No. 16

6月9日にアスタナで行われた記者会見でグテーレス事務総長は、国連にとってカザフスタンとのパートナーシップは、国連の各レベル(国家レベル、地域レベル、グローバルレベル)の活動においてきわめて重要な柱だと語った。

国家レベルでは、持続可能な開発目標の履行においてカザフスタンの民衆と政府を支援している国連のパートナーシップがある。この目的は、同国が、その潜在能力と可能性を完全に発揮しつつ、一方で、持続可能かつ包摂的な方法で、環境を保護し、誰も置き去りにせず、不平等と環境の問題が効果的に対処される取り組みを通じて、世界で最も発展した経済のひとつに自らを変革していくこと(2050年までに先進30か国入りを目指している:INPS)を可能にすることだ。

グテーレス事務総長は、「国連は、ガバナンスと法の支配、人権を向上させるあらゆる取り組みにおいてカザフスタンを全面的に支援する用意があります。」「国連とカザフスタンのパートナーシップは、この国が中央アジアの安定と発展のために最も重要な柱であることを考えると、地域レベルにおいても不可欠のものです。私たちは、中央アジアが平和と繁栄の地域になることを望んでいます。そしてそのためには、中央アジア諸国間の協力が一層促進される必要があります。カザフスタンは、こうした地域レベルの協力を促進するうえで主導的な役割を果たすことができるでしょう。」と語った。

「水資源に関する合意、より効果的にテロに対処し闘うことに関する合意、そして持続可能な開発の取り組みに関して中央アジア諸国間の連帯を強化していく方向性は、カザフスタン政府が今後も決意を持って追求していくものだと確信しています。国連は、カザフスタン政府のこうした取り組みを全面的支援していきます。」とグテーレス事務総長は語った。

さらにグテーレス事務総長は、グローバルなレベルでのカザフスタンとの強力なパートナーシップについて、「カザフスタンはこれまでの実績から、対話の象徴であり、平和の象徴であり、さまざまな文化・宗教・文明間の接触を促進する象徴という地位を築き上げてきました。この国が、(今年初めから)国連安全保障理事会の非常任理事国に加わったことで、様々な紛争事案に関して、同理事会が調停能力を発揮するうえできわめて重要な貢献をしています。」と語った。

「他方で、気候変動に対して脆弱な国であるカザフスタンは、パリ協定が履行され、この難題に国際社会が正面から向き合い、気候変動と闘う能力を手に入れるために、地球温暖化に関してイニチアチブを発揮する必要があります。」

グテーレス事務総長は、北側でカザフスタン、南側でウズベキスタンと接するアラル海への訪問の後、6月10日の声明で、「かつて世界で4番目に大きかった内海が死の危機に瀕しているのを目の当たりにして、強い衝撃を受けました。これはおそらく、現代における最大の生態学的大惨事であり、人間が地球を破壊する能力を持っているという事実を如実に示しています。」とグテーレス事務総長は語った。

しかし、アラル海が徐々に消滅しつつあるのは、気候変動のためではなく、人間による水資源管理の失敗によるものだ。「しかし、それは同時に、気候変動との関連で、もし私たちがこうした現象を抑えるべく思い切った行動を起こすことができなかったとすれば、この種の悲劇が世界中のあちこちで繰り返される可能性があることをも示しています。」とグテーレス事務総長は論じた。

「したがって、アラル海の悲劇を、人類がいかにして地球を破壊しうるかを示す証左として活用しようではありませんか。つまり、私がウズベキスタン側から目の当たりにしたアラル海に起こったような悲劇を二度と繰り返さないためにも、パリ協定の履行に向けて、政府も、企業も、市民社会も、都市も、国家も、全ての人々が国際社会全体を動員することができるように、アラル海の悲劇を一つの教訓としようではありませんか。」(原文へ

翻訳=INPS Japan

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オーストラリアの先住民、憲法上の承認を求める

【シドニーIDN=カリンガ・セレヴィラトネ】

1967年の歴史的な国民投票で、オーストラリア国民の約92%が、同国の先住民を人口調査においてカウントすべき「人間」であると認めた。

あれからちょうど50年、オーストラリアの250人以上の先住民族が5月24日から26日にかけて同国中部の聖なるウルル・ロックを臨む地で歴史的サミットを開き、政府に対して、議会における発言権を彼らに与えるように憲法を改正し、彼らの土地との結びつきを認めた条約を制定するよう求めた。

Australian Aborigine/ Public Domain
Australian Aborigine/ Public Domain

オーストラリアのアボリジニは、他の同国国民と同じく彼らを「人間」と認めた1967年の国民投票以来、長い道のりを歩んできた

高い教養を身に着け英語を流暢に話せる先住民系オーストラリア人の数が増えてきた。その一部は、大学教授、法律家、医者、作家、ジャーナリスト、政治家になっている。アボリジニに対する注目度を高め、この広大な大陸の先住民族として彼らの特別な地位を規定しようとしているのは、こうしたリーダーたちだ。

アボリジニは常に土地や母なる大自然との精神的なつながりを保ち、こうした主権を英国王室に譲り渡すことは決してなかった。26日のサミット閉幕の際に読み上げられた「心からのウルル声明」は、オーストラリアの憲法に「ファースト・ネーションの声」を盛り込むことと、先住民族との条約署名に向けたプロセスを開始するよう呼びかけた。

白人入植者らは何世代にもわたって、鉱物資源を獲得するため、とりわけオーストラリア北部・中部において先住民族の土地を搾取して巨万の富を築いた。

オーストラリアの先住民たちは1992年、土地への権利を取り戻す画期的な成功をおさめた。先住民のいるトレス海峡島民のエディー・マボ氏は、豪州大陸が「無主の地」でありこれを英国王に併合したと宣言する、英国によって書かれた憲法は無効だとしている。歴史的な1992年のマボ高裁の判決は、先住民族の土地への権利の承認につながり、アボリジニが同国で保有する土地が増えることになった。今日、同国の国土の3分の1が、何らかの形で先住民族によって保有された土地である。

The Founding of Australia” by Captain Arthur Phillip RN Sydney Cove, 26 January 1788, faithful photographic reproduction of 1937 Oil Painting by Algernon Talmage, picture from Wikimedia Commons, license: public domain
The Founding of Australia” by Captain Arthur Phillip RN Sydney Cove, 26 January 1788, faithful photographic reproduction of 1937 Oil Painting by Algernon Talmage, picture from Wikimedia Commons, license: public domain

こうした成功があったにもかかわらず、ウルル声明が指摘するように、アボリジニは「世界で最も隔離された人びと」である。1967年の国民投票以前には、オーストラリア(や英国)の映画や報道でアボリジニはしばしば「野蛮人」として描かれていた。

「私たちは生まれつきの犯罪者などではありません。しかし、同朋の若者たちが大量に収監されています。若者たちは本来私たちの将来の希望であるはずです。…こうした危機的な側面は、私たちが直面している構造的な問題を端的に示しています。つまりこれは、私たちが力を奪われた結果、私たち自身に降りかかっている苦悩にほかなりません。」とウルル声明は指摘している。

かくして、先住民族の指導者らは、政府とファースト・ネーションとの間の「合意形成のプロセス」と、先住民族の歴史に関する真実追及を監督する委員会の設置を呼びかけた。

「1967年、私たちは(『人間として』)数えられるようになりました。2017年、私たちの声が聴かれることを要望します。」これは、声明で伝えられた強力な叫びである。「私たちが自らの運命を握る時、子どもたちは栄えることだろう。彼らは2つの世界を歩み、彼らの文化は彼らの国にとっての恩恵となるだろう。」

SDGs Goal No. 16
SDGs Goal No. 16

政府が任命した「国民投票評議会」のパット・アンダーソン共同議長はメディアに対して、会合では、政府と野党のいずれもが支持している、アボリジニ先住権の容認を憲法で行うという考えを「完全に否定した」と語った。

「この半年間行ってきた協議でわかったことは、人々は条約を望んでいるということです。つまり単なる容認ではなく、条約と、真実・正義委員会の設置を望んでいるのです。」アンダーソン氏は、この2つの考えを前進させるために今回のサミットで作業委員会が設置されたと語った。

同評議会の委員であるメーガン・デイビス氏は、このプロセスは真実と正義を認めるものだと説明した。「これは民族にとっての癒しであり、ともに成熟した国を作り上げるプロセスの一部にほかなりません。世界の他の国々でもそうであったように、まずは真実が語られねばなりません。」とデイビス氏は語った。

アンダーソン氏は、「議会において発言権を得るということは、文化的権威と高さを持つ人々の声が聞かれるようになることを意味します。」と指摘したうえで、「私たちはいずれ意思決定において発言権を持つことになるでしょう。しかし現在は締め出されており、自らの土地において無力で、声を奪われているのです。」と嘆いた。

CNNの元ニュースキャスターでアボリジニのジャーナリストであるスタン・グラント氏は、全国放送ABCのウェブサイトで、1967年の国民投票は強力な象徴的瞬間であったと指摘したうえで、「初めて、連邦議会に対して、アボリジニとトレス海峡島民のための法律を策定することが認められた。それは運動と改革の波の一部を成すもので、その後、先住民に対して教育と雇用の機会の扉が開らかれた。」と記している。

Stan Grant (journalist) and Tracey Holmes, at the 2008 Summer Olympics torch relay events in Canberra, Australian Capital Territory./ By Peter Ellis – Own work, GFDL

しかし、グラント氏は先住民の同朋に対して、永続的な政治的変化の議論は、単に社会経済的な不平等のみを基礎にしたものであってはならないと警告している。「第一に、そうした主張をしている人びとの多くが、私も含めて、特権を持ち、教育程度も高い。私たちは格差を埋めてきたのです。」「オーストラリア国民には、なぜ私たちが特別な取り扱いを必要としているのかを問う権利があります。」グラント氏は、「ファースト・ピープル」としてのオーストラリアの先住民族には独自の地位と遺産があると論じる。「しかし、問題なのは、オーストラリアの人々がそれをいかにして同国の民主制度の中に取り込むのか、ということです。」

野党労働党党首のビル・ショーテン氏は、5月27日に開催された1967年国民投票の票決を記念する昼食会で発言し、政治家はアボリジニによって「大きな問題」に関する「開かれた心」を学んだと述べたが、自身はウルル声明における呼びかけを実行に移すとは約束しなかった。

今年末に行われる予定の総選挙に関して世論調査で後れを取っているマルコム・ターンブル首相は、憲法改正は「きわめて困難」と演説で述べ、より懐疑的な姿勢を見せた。憲法は「議会が変更するわけにはいかず、唯一オーストラリア国民のみがなしうること」だとターンブル首相は語った。(原文へ

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防災計画で人々のことを忘れてはならない

【メキシコシティIDN=エク・ソリア】

5月22日~26日にメキシコのカンクンで開催された「2017防災グローバル・プラットフォーム会議」には、民間セクター、学術研究機関、市民社会組織から防災専門家や政策決定者らが集い、タイムリーかつ効率的な形で災害の影響を減じ、災害に適応し、復旧を図るとの加盟国政府の公約について協議がなされた。

なかでも重要な議題は、2015年3月の第3回国連防災世界会議で採択された「仙台防災枠組」の履行に関して世界的にどの程度の進展があったか評価することであった。同枠組は、15年計画の自発的かつ拘束力のない合意で、国には防災の第一義的責任があるが、地方自治体や民間部門などのその他の利害関係者と責任を分担すべきとされている。

UN World Conference on Disaster Risk Reduction

仙台枠組は「人命・暮らし・健康と、個人・企業・コミュニティ・国の経済的・物理的・社会的・文化的・環境的資産に対する災害リスク及び損失を大幅に削減する」ことを目的としたものだ。

カンクン会議には仙台枠組の履行に関する各国別報告書が提示され、災害によって最も直接的かつ大きな影響を受ける人々の地域が参加する必要性が強調された。

参加者らは、防災計画と被害の緩和におけるギャップを埋める上で、もっとも社会の主流から取り残され脆弱な立場に置かれている人々の役割を認識すべきとの声に耳を傾けた。これはとりわけ、そうした人々が開発のより広範な現場においても取り残されているからだ。

Madeleine Redfern, mayor of Iqaluit/ City of Iqaluit

カナダ国内のヌナヴト地域の中心イカルイット(Iqaluit)の首長であるマデレーン・レドファーン氏は、こうした人々が防災議論の最前線に置かれねばならない、と語った。

「今回の会合で発せられた最も強力なメッセージは、誰かを置き去りにする余裕などないということです。」とレドファーン氏は指摘したうえで、「人々を忘れてはいけません。私たちは前に進み、女性や先住民などを参加させなくてはなりません。そこには知恵があり、参加への願望があるのです。彼らを無視することはできません。国内・国際の両レベルにおける防災活動に彼らを巻き込むことが重要です。でなければ、私たちの計画(=仙台枠組)は効果的なものでなくなってしまいます。」と語った。

参加者らは、こうすることによってしか、仙台枠組の提案は現場における進展に見合ったものにならないと強調した。

仙台枠組は、2030年までに災害による死者を大幅に減らすこと、重要インフラや保健・教育などの基本サービスの経済的損失と被害を減らすことを呼びかけている。

SDGs Goal No. 11
SDGs Goal No. 11

発言者らは、仙台枠組が目標と期限を提示してから2年、一部の地域は災害への対処法を学びつつあるが、低開発による従来からの脆弱性によって、将来的に災害が起こった時に諸機関が対処する能力が制限されている地域も依然としてあると主張した。

仙台枠組は、経済、構造、法、社会、保健、文化、教育、環境、技術、政治、組織などの側面を統合し包摂した措置を実行することによって、災害の新たなリスクの登場を予防し、既存のリスクを減じ、対処と復旧への備えを強化することを目的としたものだ。

しかし、気候変動の最大の影響を被っている国・地域は、大きな課題を含みこんだ任務に直面している。

言葉から行動へ

カンクン会議の第1会合はグローバル・プラットフォームの評価にあてられたが、発言者らはまた、2005年の京都議定書や2016年のパリ協定のような、各国が署名したその他の公約についても言及した。これらはいずれも国連気候変動枠組条約の枠の中でなされた合意で、温室効果ガスの排出削減に関する拘束力ある措置に合意し確立するためのものだ。予防の真の範囲を確定するために必要なものであった。

グローバル・プラットフォームの行動のガイドラインと優先事項には、リスクを管理・低減し、復旧・復興・再建の分野での効果的な対応を可能にするガバナンスの強化を含んでいるが、そのためには国々の支払い能力も必要とされる。「保険が唯一の解決策でも最善の解決策でもありません。人々が貧困状態にあるリスクを減らすための最善の条件をいかにして生み出せるかが問題なのです。」と話すのは、ドイツ連邦経済協力開発省グローバル問題局政策・事業部門の責任者イングリッド・ホベン氏である。

Saber Chowdhury/ PNND

公的部門と、市場や民間部門、あるいはいわゆる市民社会組織との相互作用として理解されるガバナンスには、グローバルなレベルでの防災の分野においてより一貫した方針が求められる。「災害によって損失が生み出されるのと同じスピードでは、持続可能な開発の目標は達成できません。」と列国議会同盟のセイバー・ホサイン・チョウドリー議長は語った。

現在の指標によると、富の産出量よりも災害で失う影響の方が大きいことが明らかになっている。カンクン会議の参加者らは、より一貫した方針を導く合意に至るために、あらゆるレベルの議会と社会団体との間での完全な関与に真にコミットした行動と結びついたアジェンダを作るべく、同様の国際会議が開催されている昨今の機運を積極的に利用していくべきだと呼びかけた。(原文へ

翻訳=INPS Japan

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Accompanying the 2017 U.S. Cherry Blossom Queen & Chaperone – June 4-6

This year marks the 105th anniversary of the donation of 3,000 cherry blossom trees to Washington D.C. by Ozaki Yukio in 1912 when he was Mayor of Tokyo. As in previous years, the 2017 Cherry Blossom Queen, who is selected annually during the National Cherry Blossom Festival in Washington D.C., visited Japan as the U.S. goodwill ambassador.

After meeting with Prime Minister Shinzo Abe, the Governor of Tokyo and the House Speaker, the 2017 Cherry Blossom Queen and chaperone visited Ise, Mie Prefecture of Central Japan, accompanied by Mr. Takaaki Ishida, Secretary General of Ozaki Yukio Memorial Foundation which hosted the delegation together with NPO Gakudo Kofu June 4-6, 2017.

The delegation called on the Governor of Mie and the Mayor of Ise, and visited the Mikimoto Pearl Island, Ise Grand Shrine, Ozaki Memorial Hall, Kogakkan University, and Futami Pearl Center, among others.

IDN-INPS accompanied the delegation and made a documentary of the 2017 Cherry Blossom Queen’s visit.

Video documentary by IDN-INPS Multimedia Director Katsuhiro Asagiri

Day 1: https://www.youtube.com/watch?v=FxvrR_CILiM&t=21s

Day 2: https://www.youtube.com/watch?v=NzrB8CIFsB0&t=24s

Day 3: https://www.youtube.com/watch?v=31rbWajvvUE&feature=youtu.be

「第69代全米さくらの女王と伊勢来訪 」(石田尊昭尾崎行雄記念財団事務局長) article in Japanese

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Related website: http://www.nationalcherryblossomfestival.org/about/history/ (national cherry blossom festival)

|国連|「2030開発アジェンダ」費用が急増、数兆ドル単位へ

【国連IDN=シャンタ・ラオ】

17項目からなる持続可能な開発目標(SDGs)を含む「2030開発アジェンダ」の履行について国連が評価したところ、予測される費用が年間数百万、数十億ドルの単位から、数兆ドルの単位へと急増していることがわかった。

ピーター・トムソン国連総会議長(フィジー)は4月18日、2030年までに「あらゆる形態の貧困の根絶」等の目標に掲げるSDGs関連費用は、年間6兆ドル、そして新開発目標の期限となる2030年に向けては30兆ドルもの高額に上ると語った。

UN Secretariat Building/ Katsuhiro Asagiri
UN Secretariat Building/ Katsuhiro Asagiri

同時に、SDGs17項目の概要を示した「開発資金に関するアジスアベバ行動目標」(AAAA)は、途上国におけるインフラ格差は年間で1~1.5兆ドルとしており、世界全体での格差は年間で3兆~5兆ドルと推計している。

しかし、国際社会、とりわけ後発開発途上国と途上国は、約5.5億人を貧困から脱出させるなどの国連の大胆な目標を達成するための資金調達に成功することは難しそうだ。

また、グローバルな経済成長の動向も、SDGsのすべて(或いはほとんど)の項目達成に向けて、あまりよい状況にあるとは言えない。

国連経済社会局担当事務次長で、「開発資金(FfD)に関する機関横断タスクフォース(IATF)」の呉紅波(ウ・ホンボ)事務局長は5月22日の記者会見で、「2016年の困難なグローバル環境(=米国経済の足踏みや、中国経済の失速懸念及びBREXIT ショックによる金融市場の混乱等を背景にした世界経済の減速)は、持続可能な開発の達成を目指す各国の努力に大きな影響を及ぼしました。」と語った。

経済社会理事会が主催する5月22日~25日の開発資金国際会議を前に呉事務局長は、「このままでは、2030年までに極度の貧困を根絶するという目標は達成できないだろう」と警告し、「2017年、18年には成長が回復すると見られているが、現在のグローバルな環境ではSDGsの達成は覚束ない」と指摘した。

呉事務局長はまた、貧困との闘いにおいて、普遍的な社会保護の土台(social protection floor)が貧困削減の方法として試されてきていると述べた。それは、収入を増やすだけではなく、生産性と成長を引き上げることによって貧困層を経済的にエンパワーしようというものだ。「これと同じ原則が国際レベルにも適用され、貧困国に対して効果的で十分な資金の裏付けを持ったセイフティーネットが提供されます。」と呉事務局長は指摘した。

Wolfgang Obenland/ GPF
Wolfgang Obenland/ GPF

グローバル政策フォーラム(GPF、ボン)の事業コーディネーターであるウォルフガング・オーベンラント氏は、このことは事実であり、2030アジェンダの履行には追加的な資源が必要となるとの見方を示した。

「しかし、数十億、数兆、いやさらにもっと、といったような大きな数字を並べたてることで、本当に必要なことに光が当たるのではなく、むしろそれが覆い隠されてしまうのです。」とオーベンラント氏は語った。IATFが5月22日に発表した今年の報告書では、常に論理的で適切とは言えないものの、政策論議に資する重要な素材を提示している。

「将来的な報告に向けた加盟国のより強い主導が、各国が焦点を当てるべきとみなす問題に関して必要となります。というのも、ある問題に関しては、他の問題よりもより長い準備期間を要することになるかもしれないからです。この報告書、さらには『開発資金フォーラム』の成果文書の問題点のひとつは、言及されている巨大な金額がもたらす影響です。」とオーベンラント氏は語った。

各国政府が自らこの額の資金を調達することは困難と見られていることから、民間部門やその資金提供者への依存度が増したり、過剰に依存したりすることになる。

「とりわけ心配なのは、各国政府が、(目標の達成を)『可能にする環境(Enabling Environment)』を整えることで民間部門を刺激しなくてはならないと思い込んでいるように見えることです。これは、しばしば『官民パートナーシップ』や『ブレンド型金融』といった表題でまとめられる、いわゆる『脱リスク化』やその他の手法を指しています。これらは概して、環境や社会面での防護措置を欠いていることが多く、『持続可能な開発』のようなアジェンダを履行するうえで適切なものとは言えません。」と4日間の会合に参加したオーベンラント氏は語った。

ソーシャル・ウォッチ」のコーディネーターで、政府の公約を監視する市民団体の国際的ネットワークの代表でもあるロベルト・ビッシオ氏も同じく懐疑的だ。

ビッシオ氏はIDNの取材に対して、「世界銀行は、すべての貧困層(1日1.9米ドル未満)の生活を引き上げて『貧困の格差』を解消するには年間600億ドルが必要だと推計しています。」と語った。トランプ政権が最近サウジアラビアと結んだ武器輸出契約の規模が1100億ドル超と推計されていることを考えれば、この金額規模はそのごく一部に過ぎない。

 ビッシオ氏はまた、「国際労働機関(ILO)は、まともな社会保護のプラットフォームを国民全員に提供するために必要な資源を有しているのはわずか数カ国だと見ています。」と語った。

ビッシオ氏はまた、「環境破壊が発生したほとんどのケースで、政府はさらに費用をかけるどころか、『何もしない』ことを余儀なくされます。必要とされる『数兆』(ドル)という数字はいったいどこから来るというのでしょう? しかもこれはあくまでインフラだけの話です。もちろんインフラは必要ですが、一方で最も汚職にまみれた部門という現実もあります。」と付加えた。

ILOはまた、経済成長の社会的帰結は非常に大きいとしている。

ILOによると、2017年の失業者数は2億人以上で、16年よりも340万人増えたという。より多くの人が労働可能年齢に達しグローバルな労働市場に参入してくる2018年には、失業者がさらに増えるものと見られている。

「経済成長が目標を下回り、とりわけ後発開発途上国に与える社会的影響は大きくなると懸念する理由がある。」

他方で、タスクフォースの報告書は、「開発資金に関するアジスアベバ行動目標」の7項目の行動領域すべてにおいて、進展が見られる。」と指摘している。7項目とは、資金の流れ(国内の公的資源、国内・国際の民間ビジネスと金融)、国際開発協力、貿易・債務・システム問題、科学・技術・イノベーション・能力開発などである。

にもかかわらず、「履行の上でかなり遅れが依然として存在する。」と報告書は指摘している。

タスクフォースはさらに、最も貧しく脆弱な国々や人々に関してとりわけ懸念があると警告している。後発開発途上国(LDC)48カ国は、現在の成長レベルでは、極度な貧困を根絶するという目標には、到底届かないだろうと考えられている。

Financing for Development: Progress and Prospects, 2017/ IATF
Financing for Development: Progress and Prospects, 2017/ IATF

2017・18両年に失業者は増えるものとみられる。そして、国際貿易の成長鈍化は、低投資とグローバル経済の失速の結果でもあり原因でもある。

「政策の変化が必要なのは明白だ。」と、タスクフォースは報告書で指摘している。

現在、主要国の経済、金融、社会、環境の各政策の方向性にはかなりの不透明感が漂っている。

世界銀行グループや国際通貨基金(IMF)、世界貿易機関(WTO)、さらに、国連貿易開発会議(UNCTAD)や国連開発計画(UNDP)のような国連機関など、50以上の国際機関からの専門家と分析、データを結集して作成されたこの報告書は、このような不透明な状況のためにグローバル経済に通常以上のレベルのリスクがかかっている、と指摘している。

開発資金国際会議に先立って、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、2030開発アジェンダの履行に関して、速やかに行動を取るよう各国に呼びかけた。

「グローバル化と技術の進歩によって、貧困との闘いにおける大きな前進が可能となったにも関わらず、世界全体で不平等は明確に拡大しています。紛争は拡大し、気候変動や食料安全保障、水不足といったその他の大きな動向も、この数十年で得られた進歩の効果を打ち消しかねない状況にあります。」とグテーレス事務総長は訴えた。

オーベンラント氏は、「必要なのは、民間部門の活動を規制し、企業の活動を持続可能な開発の要請に従わせるような強力な政策措置です。」と語った。

「民間部門を万能薬と見るのではなく、農業・生態系アプローチや循環経済、社会的連帯枠組み等の意義深く革新的なモデルを推進することによって、民間部門を『開く』ことが必要です。」

「ブレンド型金融や官民パートナーシップに関するこの種の言説は、公衆の利益を守るために包摂的かつ透明性が確保された形で原則や基準を発展させるとの『開発資金に関するアジスアベバ行動目標』(とりわけ2030アジェンダの履行の手法を正確に達成するために策定されたアジェンダ)の公約と大きな矛盾をきたします。」とオーベンラントは語った。

SDG Goal No. 17
SDG Goal No. 17

国連開発会議(FfD)プロセスでは、当初から普遍的なメンバーシップ、包摂的な特徴、人権の基礎に鑑みて、グローバルな経済ガバナンスにおいて国連の役割を強化することが試みられてきた。それによって、途上国の相対的な役割を強化してバランスを変え、より民主的なグローバルシステムを促進することが可能となる。

「途上国にとって最も重要な問題のひとつである国際的な課税協力を進めるために、国連開発会議(FfD)の成果は、包摂的でない既存の機関を強化する投資を行うよう各国に求めるのではなく、普遍的な加入がある国連の政府間課税機関など、この目的にかなった機関を設立することに向けられるべきです。」とオーベンラント氏は語った。

同様に、「グローバル・インフラストラクチャー・フォーラム」は、国連開発会議(FfD)フォローアッププロセスに対して開かれ、それによって導かれるものでなければならない。これに対して、『途上国の適切な声』への言及は、国際金融機関の改革において『途上国の声を強化すること』を『開発資金に関するアジスアベバ行動目標』が約束したことに比べると、見劣りするものだ。」とオーベンラント氏は強調した。(原文へ

翻訳=INPS Japan

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アスタナ万博を取材ーカザフスタン館「ヌル・アレム」

【アスタナINPS Japan=浅霧勝浩】

Filmed by Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director, President of INPS Japan.

INPS Japanの浅霧勝浩理事長・マルチメディアディレクターは、カザフスタン政府の招待を受け、2017年6月から開かれている「アスタナ国際博覧会」を取材した。この万博のテーマは、“未来のエネルギー”。日本を含めて115カ国と22の国際機関が参加した。この映像は、カザフスタンのパビリオン「ヌル・アレム」の内部を撮影したもの。直径100メートルの巨大な8階建ての球体となっており、フロアごとに風力や水力、ソーラーエネルギー、バイオマスエネルギー等の展示がされている。

INPS visited Expo 2017. “The Sphere” left deep impression on our minds. All this was beyond what we have known from Science fiction. EXPO 2017 Shows the Way to Sustainable Energy Solutions

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