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|シリア|「アサド大統領は改革への希望を打ち砕いた」

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【アブダビWAM】

「シリアの主要な地方都市であるダルアーやラタキアで連日大規模なデモが繰り広げられる中、民衆の改革への希望は高まりを見せているが、明らかにバシャール・アサド大統領は、いかなる変化も、とりわけ民主化圧力のもとで改革を強いられることを恐れている。」とアラブ首長国連邦(UAE)の日刊紙は報じた。

「3月30日のアサド大統領の演説には国民の多くが期待したが、結局政治改革についてはなんの言及もなく、失望に終わった。」とドバイに本拠を置く英字日刊紙「ガルフニュース」は4月1日付の論説の中で報じた。

 また同紙は、政府報道官が、大統領の演説内容について、1963年から続く非常事態宣言の解除や新たなメディア関連法の導入の可能性、さらに支配政党バース・アラブ社会党の絶対優位を定めた憲法の改正について言及される画期的なものとなるだろうと事前に触込んでいた点を指摘した。

同紙は、3月29日のムハンマド・オトリー内閣の総辞職(アサド大統領による事実上の更迭で国民への融和姿勢を打ち出したもの)に続くこうした具体的な公約に、国民の間で政治変革への期待が高まっていたと報じた。しかし実際のアサド大統領による国会演説内容は「そうした民主改革を無視したもの」であり、国民は期待を裏切られたと報じた。

アサド大統領は、演説の中で、「シリアに騒乱の種を播こうとする巨大な陰謀がある」と指摘した上で、「シリア国民は平和的だが、われわれは国益や理念、価値を守ることをちゅうちょしたことはない。私は戦いを望まないが、挑まれれば、喜んで応じる」と述べた。

「エジプトに次ぐアラブ世界最大の軍事大国の大統領によるこうした発言には独特の響きがある。シリア政府が民主化を要求している勢力とのいかなる対話も拒否し、治安当局を頼みとした治安重視に再び舵を切った手法は、1946年にフランス勢力が撤退した後に一党独裁体制を数十年に亘って行ってきたバース党政権の権威主義的支配の継続を意味するものである。」と同紙は報じた。

また同紙は、「シリアの主要な地方都市であるダルアーやラタキアで連日前例のない大規模なデモが繰り広げられる中、改革への期待が高まっていた。しかし政権側は明らかにいかなる変化も、とりわけ民主化圧力のもとで改革を強いられることを恐れている。今懸念されることは、多くのコメンテーターが言及している1982年のハマーの虐殺(ムスリム同胞団の鎮圧に政府軍が街を包囲攻撃し数万人の市民が虐殺された事件)のような、政府による抗議勢力に対する大規模な鎮圧作戦が実施され流血の大惨事を招く事態である。政府はそのような事態は事態は避けるべきである。」と報じた。

ガルフニュース紙は、「今後政府による前向きな動きがあるとするならば、治安当局に令状なしの逮捕や尋問を認めてきた非常事態法の解除がその第一歩となるだろう。」と報じた。(原文へ

翻訳=IPS Japan戸田千鶴

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|輸送と環境|従業員に支えられて家業を守る(竹内政司)

【東京IDN=浅霧勝浩】

Seiji Takeuchi

竹内政司氏は、今は東京三鷹市の著名な経営者であるが、若き頃、南米ブラジルのサンパウロで在留邦人向け新聞社「サンパウロ新聞」の記者として過ごした日々を懐かしそうに振り返った。

「新聞社での日々は刺激的でした。取材をしては記事を書き、翌日には発行されて成果がでる。達成感を感じると同時に、大陸のスケールの大きさと貧しさも知りました。」と竹内運輸工業株式会社の第3代取締役社長で東京都トラック協会副会長の政司は語った。

その後ブラジルから帰国した政司は、竹内運輸工業に入社。当時代表取締役社長の父喜代司が、自分を重要なマネジメント部門に配属してくれるだろうと思っていたら、それは希望的観測に過ぎなかったことを思い知らされた。物流倉庫での箱打ちや梱包作業、荷運び、トイレ掃除、作業場の修理など、一から各部署を回らされたのである。

「若い私には、当時の下積み生活が理解できず釈然としない思いでした。」と政司は振り返る。6か月後、政司は再びブラジルを訪れた。「かつて住んでいた場所なのに、観光客としての自分に疎外感を感じ、自分の居場所はここではない、竹内運輸工業なのだと気づきました。それから私は腹をくくりました。」と政司は付け加えた。

 政司は今では当時父が会社の全部門を転勤させたことについて正しい判断だったと確信している。「現場を知ることは経営者として学ぶべきことだったと、今、思います。」

竹内政司は2000年、45歳の時に、父竹内喜代司の後を継いで代表取締役社長に就任した。父喜代司は1984年、竹内運輸工業の創業者である政太郎が亡くなった際に2代目社長に就任していた。

政司が社長に就任したのは、竹内運輸工業が長年にわたる主要取引先の日産自動車株式会社との関係が大きな節目を迎えた直後の時期であった。1999年、日産の経営再建をかけて来日したカルロス・ゴーン氏は、取引業者を集めた「サプライヤーズ・ミーティング」を開催し、日産自動車の黒字化のため、取引業者数を従来の半分にすることを一方的に宣言した。

その結果、竹内運輸工業が自動織機の運搬・据付業務を請け負っていた日産の繊維事業部が豊田自動織機製作所(トヨタ自動車の関連会社)に営業譲渡されたことに伴い、三鷹工場は閉鎖・解体された。

また、竹内運輸工業が営繕業務を請け負っていた日産の宇宙航空部門があった荻窪工場も同部門の移転に伴い閉鎖された。さらに2001年には、竹内運輸工業が1961年から取引のあった日産村山工場も閉鎖された。村山工場で組み立てられた最後のスカイラインの模型が、今も、竹内運輸工業の応接室に飾られている。

日産リバイバルプランの全容が明らかになる中、竹内喜代司は竹内運輸工業が日産に支えられていた時代が終わったと実感した。「自分の時代もここで終わりだ。これからはまた別の時代が始まる。」喜代司は息子にそう語り、2000年に引退した。

政司はリバイバル・プランからたくさんのことを学んだという。「私たちのような小さな会社でさえも、グローバリズムという新しい価値観、新しい枠組みを受け入れ、そのうえで生き残ることができる会社を作り上げることが求められるようになったのだと思いました。」

政司はこの経験を通じて会社の経営はもとより、人間の生き方、人の一生のあり方といった極めて哲学的なものまで考えさせられたという。「とにかく、いままでの価値観にとらわれていては、とても対応はできませんでした。今を生き抜くことがいかに大切かということを思い知らされました。人の世は常に移り変わる、というきわめて当たり前のことも、改めて認識させられたのです。」

挑戦

実際に日産リバイバルプランが動き始め、影響が竹内運輸工業に及び始めたのは2000年4月に入ってからであった。政司はそうした状況を見て、今後、日産自動車との取引をこれまでどおり継続していくのは難しくなるだろうと思ったが、それまではなかった入札にも積極的に参加して、仕事で繋げられるものは、できる限り全て繋いでいくよう努力した。そうした努力の結果、政司は、日産自動車の相模原部品センターから埼玉への部品輸送ルートを落札し、その仕事は全面的に請け負えることになった。

また政司は、この時期、かつて竹内運輸工業が取引関係にあった日産自動車の宇宙航空事業を引き継いだ株式会社IHIエアロスペースとの間に(日産時代と同様に)営繕作業を請け負う契約をとることに成功し、同社の近くに新たな営業所を開設した。

株式会社IHIエアロスペースは、第二次世界大戦における日本の名戦闘機「」の名にちなんだ「はやぶさ」プロジェクトに参画した企業である。また「はやぶさ」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発し、小惑星「25143イトカワ」から地球外物質の微粒子を持ち帰った小惑星探査機の名称でもある。

政司はまた、新たに流通業の分野において、製薬会社などの新たな顧客を見出した。1998年、顧客の要請に応じて所沢市に最初の物流センターを、さらに2001年には第二物流センターを開設した。

当時、顧客の製薬会社は、関東圏でドラッグストアのチェーン展開に乗り出しており、竹内運輸工業に物流の総合プロデュースを依頼してきたのである。竹内運輸工業としては、商品の搬入、在庫の管理、検品、仕分け、配送といった物流を総合的かつ全面的に管理する仕事は初めてであった。今日ではこのような物流の外部委託は3PL( サード・パーティー・ロジスティクス)と一般に呼ばれるものだが、当時としてはまだ走りの時期であった。

竹内運輸工業は、将来にわたって会社を存続させていくには、自動車産業以外の業種、とりわけ流通業に新たな顧客を開拓していくことが重要と確信し、少しずつ旧来の日産自動車1社との取引に依存する経営体制からの脱却を図っていった。

さらに政司は、常に計数管理を行い、キャッシュ・フローに重きを置くことで、会社の財務体質強化を図った。政司は、もしグローバル化の波の中で生き残る唯一の方法があるとするならば、基本に戻り、会社が所有する全ての資産を見直し、その効率を検証し、さらに有利子負債の大幅な削減を実行しなければならないと確信していた。そうした考えから、政司は会社の規模を一旦縮小することを決意した。

「マネジメントとは、従業員の意識改革です。日産との関係から事業が苦しい時期も、従業員を解雇しない方向で対応することで、逆に、労働組合員からの求心力は強まったと思います。物流センターも大きくなり、新たに移り変わる環境の中で、人を育てる時期にきていると思いました。」と竹内社長は言う。

竹内社長は、国際標準化機構による品質マネジメントシステムISO9001を申請、認定を受けた。ISOの長所は、従業員がこのシステムを通じてお互いの仕事内容を理解できるところにある。異なる営業所がお互いに内部監査を実施することで、従業員は自らの所属部署以外の職場における業務の仕組みや他の社員の仕事内容を理解できるようになる。こうして竹内社長は、全職員と会社が一体となったマネジメントを目指した。

竹内社長はまた、月次決算では数字を全社員にオープンにし、異なる部署で働く職員が互いの業務内を把握できるよう、月次報告書にも同じフォーマットのチェックシートを適用した。こうして竹内運輸工業の従業員には自分たちの会社であるという意識が芽生えていった。

「運輸業である当社で最も大切なことは、交通事故を避けることです。社内の安全衛生委員会を通じて話し合い、トラック30台全車両にはバックモニター、ドライブレコーダーをつけています。その狙いは、機械でサポートしてヒューマンエラーを防ぐこと、とりわけ最も重要なのは、我が社のドライバーの命を守ることです。安全なくして企業の存続はないですから。」と竹内社長は言う。

竹内社長はさらに続けて、「社長としては、私は思ったことをやらせてもらえていると思います。今までやってこられたのは、仲間が好きだからでしょうね。いつも思うのですが、従業員が私の会社で働くようになったのは単なる偶然ではなく、なにかのご縁があるのだと思います。そして私はそうしたご縁を大切にしたいと思うのです。」と語った。

運転手が事故に遭遇したとき、竹内社長は「もし自分に全く過失がないと確信できるなら、会社は100%支持します。」と言うことにしている。こうした際、会社が各車両に設置しているドライブレコーダーが、運転手の主張を裏づける証拠と提供して身を守ってくれることとなる。

竹内社長の次世代の人へメッセージは以下のようなものである。「当たり前のように生きていることを喜び、感謝することです。そして、変化に怯えるなということ。恐怖心は自分の心の中にあるのです。私もプレッシャーとストレスでぎりぎりの状態になったこともありますが、変わらなければ生きていけない。変化を恐れずに進むことの大切さを学びました。」(原文へ

グリーン・エコプロジェクトと持続可能な開発目標(SDGs)

SDGs for All
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竹内運輸工業株式会社オフィシャルホームページ

「イスラエルは、アラブ諸国の騒乱の陰でガザを攻撃している。」とUAE紙

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【アブダビWAM】

「リビアやイエメンなどいくつかのアラブ諸国で起こっている急激な変革に世界の目が奪われている

中、イスラエルは3月22日も引き続きガザ地区に対する攻撃を行った。

「いつものことだが、イスラエルはアラブ世界が他の懸案事項にとらわれているときは、パレスチナ人を何人殺害しようとやり過ごすことができると考えている。残念ながら、こうした考えは中東の現実の一端を捉えたものと言わざるを得ない。」とアラブ首長国連邦の英字日刊紙が報じた。

「イスラエル軍によるガザ地区への航空攻撃は既に2日目に突入しているが、国際社会は誰もこの事件に気付いていないようだ。また、アラブ諸国の衛星チャンネルでさえ、このニュースを取り上げる余裕がないようだ。その背景には恐らく、今はリビアの悲劇的な状況やイエメンバーレーン、その他のアラブ諸国における民衆蜂起に関する報道で手いっぱいな事情があるのだろう。」とガルフニュースは3月23日付の論説の中で報じた。

「しかしだらかといって、悲しむべきことだが、イスラエルがこうした血塗られた攻撃をして罰せられない現状を、こうしたアラブメディアの責任として非難することはできないだろう。イスラエルの攻撃に抵抗する責任は、パレスチナの主要派閥、とりわけ互いに対立しているファタハハマスにあるのだ。」と同紙は付け加えた。

 「エジプトのホスニ・ムバラク政権が先月退陣して以来、パレスチナの2大派閥間の和解を進めようとする動きは棚上げになってしましった。しかし、これはパレスチナにとって望ましくない動きである。」

「パレスチナの人々はこうした分裂に終止符を打つべく、自分たちの指導者に圧力をかけていくべきだ。なぜなら、現在のようなパレスチナ指導部間の対立が続けば、パレスチナ人の安全のみならず、パレスチナ国家の独立という約束さえ危ういものにしていきかねないからである。ましてや、現在イスラエルの占領下にあるエルサレムを新パレスチナ国家の首都とする構想は現実味を失いかねない。」と同紙は分析した。

エルサレムでは、イスラエル政府の政策によって、パレスチナ人住民が追われイスラエル人にとって代わられる事態が進行しており、市内の人口構成が大きく変わりつつある。

「今日の事態を招いた責任はアラブ連盟にもある。たしかに、カダフィ政権の軍事力の前に殺害されているリビアの民衆を守ろうと迅速に行動をおこした点は評価されるべきだ。しかしだからといって、パレスチナ人を見捨てていいということにはならない。また、イスラエル政府も、ガザ地区での殺戮行為がまかりとおらないということを知るべきだ。」と同紙の論説は締めくくった。(原文へ

翻訳=IPS Japan浅霧勝浩

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|リビア軍事介入|「冒険的な戦争」に反対するドイツ世論

【ベルリンIPS=ジュリオ・ゴドイ】

ドイツ政府は、リビア領空における「飛行禁止区域」設置を承認した3月17日の国連安全保障理事会決議を支持しない決定を行ったが、その背景には海外での軍事介入に不安を抱く幅広い国内世論がある。

ドイツ政府は、リビアへの軍事介入に参加する準備ができていないとして同安保理決議案を棄権した。ギド・ヴェスターヴェレ外相は、「リビア領空に飛行禁止区域を設置することは、同国に地上軍を送り込むに等しい行動である。」と語った。

 ドイツ政府による「棄権」判断は、人道支援団体をはじめとする様々な方面からの批判に晒されることとなったが、少なくとも国内諸政党による幅広いコンセンサスに裏打ちされたものであった。
 
 リビアでは、この2週間にわたって、1969年の革命以来政権の座にあるムアンマール・カダフィ大佐(革命指導者)を支持する政府軍が政権転覆を目指す反乱軍に対して激しい航空攻撃を加えてきた。「飛行禁止空域」の設定は、政府軍によるこの航空攻撃を止めさせることを企図したものである。

週末に執行が予定されている「飛行禁止空域」の設定は、事実上リビア政府軍に対する武力行使を国際社会に承認することを意味し、リビアのインフラ、とりわけ空港、滑走路、及び政府軍と反乱軍が衝突している紛争地帯に対して航空攻撃が実施される見込みである(19日に攻撃が開始された:IPSJ)。今回の航空攻撃の大半は、英国及びフランス空軍が担当することとなっている。

ドイツ政府は、航空攻撃に限定した今回のような軍事介入では内戦を終結させるには不十分であり、必然的に地上軍の投入を余儀なくされることになるだろうと分析している。

ヴェスターヴェレ外相は、リビア政府による反乱軍に対する残虐な弾圧の実態を激しく非難し、カダフィ氏は既に「すべての正当性を失った」と主張した。しかし同外相は、「リビアにドイツ軍が展開することはありません。私はドイツをいかなるアラブの国の戦争にも巻込みたくないのです。」と付け加えた。

アンゲラ・メルケル首相も今回の「棄権」判断を擁護したが、同時に「ドイツ政府は、無制限に国連安保理決議の目指す目標を共有しています。今回の『棄権』判断をもって、ドイツがこの問題について中立的な立場をとっていると誤解すべきではありません。」と主張した。

メルケル氏とヴェスターヴェレ氏は、キリスト教民主連合(CDU)と自由民主党(FDP)からなる中道右派連立政権を率いている。

リビア危機の現状を分析するために3月19日にパリで召集された緊急首脳会議において、メルケル首相は、アフガニスタンにおける米軍の負担軽減とリビア情勢への対応を促す狙いから、ドイツ空軍が新たに早期警戒管制機(AWACS)をアフガニスタンにおける航空偵察任務に就かせる用意があると語った。

ドイツは2001年から米国が主導するアフガニスタンISAF(国際治安支援部隊)に参加している。

リビアに関する国連安保理決議を支持しないとしたドイツ政府の決定に対しては、ドイツ国内及び国際社会から相次いで非難の声が上がった。ドイツでは人道支援団体や一部の野党指導者が、政府の「棄権」決定を、「恥ずべきこと」と非難している。

前経済協力・開発相のハイデマリー・ヴィーチョレック=ツォイル(野党社会民主党)は、国会審議の中で、「独裁者と対峙する(国連)決議において棄権などという選択肢はありえません。今回の政府の決定は『恥ずべきこと』と言わざるを得ない。」と語った。

被抑圧民族協会(Society for Threatened Peoples)ドイツ支部は、ドイツ政府がカダフィ政権に対する軍事作戦に参加しない決定をした背景には国内の選挙事情があるとみている。

今月はいくつかの地方選挙が控えており、与党キリスト教民主連合(CDU)・自由民主党(FDP)保守連合は苦しい選挙戦を強いられている。

ヴェスターヴェレ、メルケル両党首は、「国内の選挙対策と外交のどちらを優先するか判断しなければなりません。ドイツは、リビアへの軍事介入を支持しなかったことから、カダフィ氏から感謝されるかもしれない。しかしそうなればドイツの国際社会における信用は著しく傷つけられることになります。」と被抑圧民族協会アフリカ専門家のウルリッヒ・デリウス氏は語った。

またデリウス氏は、「ほんの1か月前、ドイツ政府はエジプトとチュニジアの民衆蜂起を独裁者に対する民主的反乱として讃えていました。ところが今は、つまらない党利党略から、カダフィ政権による民衆虐殺の傍観者になろうとしているのです。」と付け加えた。

しかし野党指導者の大半は政府の「棄権」決定を支持している。ドイツ社会民主党(SPD)を率いるフランク・ウォルター・シュタインマイヤー前外相は、ドイツ政府の決定を支持する立場から「はたして空爆のみでリビアの人々を救うことができるかについて疑問を呈したドイツ政府の判断は正しいものだ。」と語った。

ドイツ左翼党も政府の判断を支持している。緑の党のユルゲン・トリッティン党首も、リビア難民に一時的な避難先を提供すべきと提案した他は、政府の決定を支持している。

こうしたドイツ諸政党の間にみられるコンセンサスの背景には、外国への軍事介入に反対するドイツ一般市民の世論がある。ある信頼できる世論調査によると、ドイツ国民の60%強が一貫してドイツ軍のアフガニスタンISAFへの参画に反対してきている。

ドイツのISAF要員は、最も紛争が絶えないアフガニスタン南部・東部からとおく離れた北部地域においても主に開発支援に従事している。それにもかかわらず、2001年以来、ドイツ兵の死亡者は48人という高いレベルにのぼっている。

また、民間人の殺害やタリバンとの戦いと直接関係ない殺人事件等にドイツ兵が関与したスキャンダルが発生しており、ドイツ国民の軍隊派遣に批判的な世論をさらに刺激する結果となっている。

海外への軍隊派遣に反対するドイツ世論は、米国によるイラク軍事干渉にドイツ政府が反対した際にも実証された。

さらにドイツ政府の「棄権」判断はリビア情勢に関する軍事分析結果を踏まえたものでもあった。クリスチャン・シュミット国防次官は、ドイツのメディアによるインタビューの中で、「リビア情勢は極めて複雑であり、私たちの調査では、リビア軍の大半は引き続きムアンマール・カダフィ大佐に忠誠を尽くしていると分析しています。」と語った。

この軍事分析はヴェスターヴェレ外相が「リビアにおける外国軍の干渉は、長期にわたる危険な戦争につながり、欧州各地を標的としたテロ攻撃を誘発する恐れがある。」と警告した内容を裏打ちするものである。

翻訳=IPS Japan浅霧勝浩

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|東日本大震災|国連諸機関、連携して日本救援に動く

【ジュネーブIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン】

日本が東日本大震災で被災した福島第一原発の原子力大災害を回避しようと懸命に取り組む中、国際連合諸機関が連携して対日支援に乗り出している。国連ニュースセンターによると、3月11日に日本の東北・関東地域を襲った大地震は、東北の太平洋沿岸地域に大津波をもたらし、5000人を上回る死者と9000人近い行方不明者、さらに広大な地域に亘ってインフラに壊滅的な被害をもたらした。菅直人首相は、今回の複合災害(大地震・津波・原子力災害)を「第二次世界大戦以来最悪」と語った。

 国連諸機関は、被災者への支援と被災地域における救難・復興支援を行うため、毛布、緊急通信機器、技術専門家を急遽日本に派遣した。 

国際電気通信連合(ITU)は、被災者の捜索・救援を支援するため、GPS機能を搭載したスラーヤ衛生携帯電話78台をはじめ、イリジウム衛生携帯電話13台、インマルサットBGAN(ブロードバンド・グローバルエリアネットワーク・ターミナル)37台を動員している。 

取材時、国連ニュースによると、ITUはさらに30台のインマルサットBGANを追加投入するところであった。このシステムはソーラーパネルと車電源で充電が可能なバッテリーを装備していることから停電地域においても使用が可能である。 

ITUのハマドゥーン・トゥレ事務局長は、「ITUは、(今般の大震災で)想像を絶する人命と財産喪失という途方もない悲劇に見舞われた日本政府と日本国民に、可能な限りあらゆる手段を尽くして支援の手を差し伸べてまいります。」と語った。 

国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、世界の核エネルギーの安全管理を調整する国連機関として、被災した福島第一原発の危機回避にどのような支援が可能か検討するため3月17日、日本を訪問した。同原発施設では、地震に続く津波により電気系統が故障、燃料棒を冷却するシステムがダウンしたことから、水素爆発が起こり、放射能汚染の悪化が懸念されている。 

グラハム・アンドリューIAEA科学技術担当補佐官は、IAEA本部(ウィーン)の記者会見において、「状況は引き続き極めて深刻で予断を許さないが、昨日からの悪化は見られない。」と語った。 

 アンドリュー氏は、「被災した1号機、2号機、3号機については比較的安定しているようだが、4号機については、使用済み核燃料プールの温度計が14日(同日は84度)から機能不全に陥っており、内部の水量や水温に関する情報が得られない。」と指摘し、「重大な安全上の懸念が残っている。」と語った。 

IAEAはまた、日本の47都市において放射能量の測定をおこなっている。東京における放射線量は3月16日から大きな変化はなく、人体に影響を及ぼすレベルより十分低い数値にとどまっている。しかし福島第一原発から30キロ以内に位置するいくつかの場所では、過去24時間に数値が著しく上昇している(1か所では2倍以上)。 

また天野IAEA事務局長は、日本に発つ前、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会事務局長のティボル・トート氏を訪問し、同組織が集積しているデータへのアクセスについて協議した。CTBTOでは、国際監視システム(IMS)を通じて、放射能を含む煙の飛翔経路をモニタリングしており、福島第一原発から流出している放射能の飛翔経路情報を示すことができる。 

伝えられるところによると、アニカ・サンボーグ広報官は、そのデータについて、CTBTOから既に182の加盟国及び1200の研究機関に提供されたという。同報道官は、国連ニュースセンターに対して、国際監視システムは、放射能と量よりも煙の向き(飛翔経路)を捉える構造となっていることを説明した。 

IAEAは、国連の世界気象機関(WMO)との連携も図っている。WMOは緊急環境対応メカニズムを発動し、風の方向と放射性物質が流れる可能性のある経路のモニタリングを行っている。 

国連ニュースセンターによると、数万人にのぼる生き残った被災者の多くが、既に1週間にわたって電気・水のない厳しい衛生環境の中で寒い夜を過ごしてきた実情に鑑み、国連の世界食糧計画(WFP)は、必要な援助物資が迅速に被災地に届くよう、ロジスティクス、供給連鎖管理の専門家を派遣している。 

ローマに本拠を置くWFPは、既に被災地に向けて6万枚の毛布輸送に着手している。被災地には未だに約23000人が孤立しているとみられている。 

世界食糧計画(WFP)のジョゼット・シーラン事務局長は、過去に世界各国で同様の惨事が起き、緊急対応にかけつけた日本の支援隊の勇敢で献身的な姿勢、そして人命を救い被害を食い止めるために日本政府がとった断固たる処置の数々に言及した上で、「今日、WFPは日本と共にあります。日本は、世界で悲劇が起き助けを必要とした際、最も多くの人道支援を差し伸べてきてくれた国の一つです。」と語った。 

WFPは、世界で惨事が起こった際に緊急支援を行う国連の代表的なロジスティクス専門機関として、数十年に亘って、困難な環境下で食糧や援助物資を被災地に届ける経験を蓄積してきた。そして今日では世界で、人道支援を必要とするコミュニティ全体に支援物資を届けたり、しばしば政情不安な環境や僻地において長距離にわたる人と物を輸送できる専門機関として大きな信頼を寄せられている。 

一方、国連災害評価調整(UNDAC)チームと米国の災害援助対応チームからなる共同分遣隊が3月17日、被災地において現状評価を実施するため、米軍のヘリコブターに搭乗して東京を出発した。 

国連メディアセンターは、「茨城県大洗町では、同分遣隊はまず空中から街の津波被害状況を観察した後、地上移動手段を確保して現地調査を行った。船舶と海岸地域の資産に深刻な被害が観察され、地元住民からは、道路が寸断して物資の運搬が困難になっていることから燃料と食糧が不足しているとの訴えがあった。その後、被災地域における最大の都市でとりわけ津波による深刻な被害を受けた仙台に空路向かったが、途中山岳部の天候悪化により前進ができず、東京に引き上げざるを得なかった。」と報じた。 

翻訳=IPS Japan戸田千鶴/浅霧勝浩 

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震災で試練に直面する日本の原発

【ソウルIDN=R・キム】

チェルノブイリ原子力発電所の惨事から今年で25年。3月11日、日本をマグニチュード8.9の地震が襲った[IPSJ注:のち9.0に訂正された]。この地震によって、日本の科学技術の粋を集めた原子力発電(原発)は大きな試練に直面している。

日本は原爆の恐怖を味わった唯一の国であるが、電力供給のかなり多くの部分を原子力で占めている。54基の原子炉で約30%の電気をまかなっているが、2017年には少なくとも40%、2030年には50%まで伸ばす予定であった。

しかし、11日の東北関東大地震福島第一原発第二原発が受けた被害を極小化すべく、懸命の努力が続けられている。原子炉は地震の揺れによって自動的に停止し、非常用のディーゼル発電機を使った[燃料棒の]余熱の除去が開始されたが、1時間後になぜか発電機が止まってしまった。

 冷却システムの機能不全により、燃料棒からの崩壊熱で冷却水が蒸発している。冷却系内で高まった圧力はバルブを通じて調整することが可能だが、それによって建屋内の汚染レベルはあがってしまう。

では、そもそもなぜ日本は原発に依存しているのか。

ひとつには、天然資源を外国に依存しているということがある。とくに、1973年の石油危機以降、海外依存をやめるべく、原発が強力に推進された。

経済産業省は、原発推進によるCO2削減効果を宣伝し、2100年には一次エネルギー源のうち原発の占める割合を60%にまで拡大しようとしていた(現在は10%)。

他方で、日本の原子力基本法では原子力の軍事使用は禁止されており、1976年には核不拡散条約(NPT)にも加入している。日本は、非核兵器国としては有数の核サイクル施設運用国であり、六ヶ所再処理施設は、国際原子力機構(IAEA)の完全なる検証を受けることになった初めての施設だ。

福島原発の事故と日本の原子力政策を振り返る。

翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩

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|UAE-トルコ|リビアへの合同救援船を派遣

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【メルシンWAM】

リビアに対する、アラブ首長国連邦/トルコ合同人道援助作戦の一環として、トルコの港町メルシンから2隻の貨物船がリビアのベンガジに向けて出港した。

両船舶に搭載された人道援助物資の内訳は、米ドル換算で400万ドル相当(32トンの薬と機材、388トンの食糧、テント2000張り、毛布20,000枚、飲料水72トン、1日当たり1万ローフを製造できる移動式パン工房、及び移動式キッチン)である。

また船舶には、UAEとトルコの赤新月社(RCA)職員(UAEから16人、トルコから13人の計29人)も乗船しており、物資の分配状況の監督並びに基本的な医療支援サービスを行う予定である。彼らの当面の任務は、ベンガジでの作戦に専念するものだが、活動期間中、ベンガジ地域外における人道支援のニーズや実施の可能性についても把握を試みる予定である。

これら2隻の人道援助貨物船舶は、トルコ海軍のフリゲート艦の護衛の下、3月14日に
べンガジに到着予定である。(原文へ

翻訳=IPS Japan戸田千鶴

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【IPSコラム=デイビッド・クリーガー】

核兵器は究極のテロ兵器である。それがテロ組織の手にあろうとも、国家の指導者の手にあろうとも。それは、男、女、子どもを無差別に殺す大量殺戮の兵器なのである。多くの人々は核兵器がテロ組織の手に落ちることを恐れているが、誰の手にあっても、核兵器がテロ兵器であることを忘れてはいけない。 

核兵器のテロリスト的性格や、それが文明を破壊する能力を考え合わせると、それを多くの人々が現状を受け入れているのはなぜなのか、という疑問が浮かぶ。あるいは、少なくとも、多くの人々が核の脅威を問題視していないのはなぜなのだろうか?私が長年にわたって考え続けてきた問題である。 

なぜ核兵器が受け入れられるかと言えば、それは核抑止の理論のためである。その支持者らは、核抑止は平和を保ってきたし、これからもそうであろうと考えている。この理論は、人間の行動に関する多くの前提を基礎としている。たとえば、政治的・軍事的指導者の持つ合理性である。しかし、すべての指導者が、いつ何時でも、いかなる状況においても合理的に行動するとは限らないことは明白である。この理論の前提は、(指導者間に)明確な意思疎通があることと、報復として核兵器を使用するとの脅しが相手方の指導者によって信じられることである。しかし、我々の知るかぎり、意思疎通は常に明確とは限らないし、思い違いがある考えを形成してしまうこともある。

 一方、核抑止に関する「狂人の理論」というものがある。つまり、「核兵器保有国の指導者は、本当に相手に信じてもらおうと思ったら、実際に核兵器を使うつもりだと相手方の指導者に信じさせるぐらい十分に狂っているように自分を見せかけねばならない」というものである。このように、狂気、あるいはそのような印象を与えることは、核抑止理論の仕組みの一部に組み込まれたものなのである。システムのレベルにおいて、相互確証破壊(MAD)の互いの脅威があることが、本当に狂気であったと疑う者があるだろうか。 

抑止理論のもうひとつの側面は、報復する対象となる土地が必要であるということだ。すると、非国家のテロ組織に関しては、この理論は有効でないということになる。もし国家が報復する土地がないとすれば、核抑止などあり得ない。テロ組織が核兵器を取得すれば、核報復の脅しによって抑止されることはないのである。こうして、核の脅威には信管がはめ込まれることになり、非国家テロ組織による核能力の取得は絶対に許してはならないものとなる。 

しかし、同時に、国家が核兵器を取得することも絶対に許してはならない。核兵器をこれから開発しようとする国家に関してだけこう言っているのではない。すべての国家、とくに重要なのはすでに核兵器を保有している国家である。既存の核兵器は、事故や計算違いによって、あるいは意図的に使われるかもしれない。そして、核兵器を保有しそれによって安全を保とうとする国家が一部にあるかぎり、核拡散のインセンティブは消えないことになる。 

核兵器をめぐる現状を受け入れてしまう傾向が広がっていることは理解しがたい。ほとんどの人々は核兵器がもたらす甚大な被害について知っているが、おそらく、核兵器が1945年以来使用されていないことに安心しているのであろう。核兵器の存在は見えていないし、それについて考えることもない。核政策に影響を与えることはできないと考え、専門家と政策決定者に委ねてしまっているのかもしれない。それは不幸なことである。なぜなら、核兵器を廃絶する必要性を多くの人々が主張し始めるまでは、核兵器保有国は自らを危険にさらし、世界を危険にさらして核兵器に依存しつづけるであろうからだ。 

米露間の新しい戦略兵器削減条約(START)は、配備された戦略核をそれぞれ1550発まで、配備された運搬手段を700まで制限するという、小幅な前進にとどまっている。新条約の最大の価値は、一方の国による他方の核施設に対する査察を復活させた点にあるのかもしれない。しかし、これらの措置はほんのわずかの前進にすぎない。核時代平和財団では、次のような措置をとっていくべきだと主張している。 

・米露各国が、戦略核、戦術核、備蓄核兵器を合計で1000発まで制限すること。 

・核兵器の先制不使用を約し、いかなる状況の下においても非核兵器国に核兵器を使用しないとの法的拘束力のある約束をすること。 

・すべての核兵器の警戒態勢を解くことで、事故や計算違い、あるいは怒りに任せて核兵器を使ってしまうのを防ぐこと。 

・ミサイル防衛システムに制限を課し、宇宙兵器を禁止すること。 

・核兵器禁止条約の締結を目指した多国間交渉を開始すること(同条約によって、世界中のすべての核兵器は、段階的、検証可能、不可逆的、透明性を確保した形で禁止される)。 

これらの措置は、核兵器を使うと脅すことの非道徳性、違法性、卑怯さが、意志を持った真摯な態度と対峙していることのしるしであろう。無視や無関心、自己満足感が核問題の領域を支配する必要はない。生命の神聖さと将来世代に敬意を払うならば、我々はこうした停滞とともに過ごすよりも、よりよきことをなしうるであろう。我々は文明と人類の生存を危うくする兵器を廃絶することができる。我々は、核兵器に関して唯一の安定的な数字である「ゼロ」へ向けて歩むことができる。これは、我々の時代の大いなる課題であり、関与と粘り強さをもってあたらねばならない課題である。いまこそ、相互確証破壊(MAD)を地球規模の確証安全保障・生存(Planetary Security and Survival=PASS)に替えるべき時なのである。(原文へ

翻訳=IPS Japan浅霧勝浩 

※デイビッド・クリーガー氏は、核時代平和財団会長。核兵器廃絶運動の世界的リーダーのひとり。 

This article was produced as a part of the joint media project between Inter Press Service(IPS) and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.

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|リビア|「国際社会は行動を起こすべきだ」とUAE紙

【アブダビWAM】

「リビアでは政府軍と反政府勢力の地中海沿岸諸都市を巡る攻防が膠着局面を見せる中、益々多くの無辜の市民が命を失う危険に晒されている。このような事態は一刻も早く収束させるべきであり、国際社会にはこの事態に対して行動を起こす道義的義務と責任がある。」とUAE紙が報じた。

「アラブ連盟(GCC)は国連安保理に対して、『我々は国際社会、とりわけ国連安保理に対して、リビアの民衆を助ける義務に向き合うよう求める。』と述べ、リビア市民を保護するよう要請した。」と、シェイク・アブダッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン外務大臣は語った。

「リビアに飛行禁止区域を設定するよう求めるGCCの呼びかけは、おそらく地域組織により打ち出された最初の明確な立場表明であり、その背景にはカダフィ支持派と反政府軍の戦闘が長引く中で戦闘に巻き込まれて命を落とす一般市民が多数に上る事情がある。」とガルフニュース紙は3月9日付に論説の中で報じた。

 さらに、反乱軍は政府軍が擁する空軍の攻撃に晒されており圧倒的に不利な戦闘を余儀なくされている。「こうしたリビア政府による残虐な行動に対して国際社会は一刻も早く行動を起こすべきである。」

「民間人を保護し、リビアへの待望の援助物資を届けるようにするには、飛行禁止区域の設定を実現するしかない。」とガルフニュース紙は結論付けた。

翻訳=IPS Japan戸田千鶴

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