【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】
報道では、新型コロナの蔓延、イスラム過激派による襲撃による治安の悪化、クーデター、経済制裁など暗い話題が多い西アフリカ地域だが、様々な困難に柔軟に対応しながら「このような時だからこそ未来への希望と平和を合言葉に」音楽、ダンス、文化活動に取り組んでいるこの地域のアーティスト達やイベント(コンゴ民主共和国のアマニ〈=スワヒリ語で平和〉祭り、マリの砂漠の音楽祭等)に焦点を当てた記事。(原文へ)FBポスト
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【ベルリン/プラハIDN=ラメシュ・ジャウラ】
1946年1月24日、国連総会はその決議第1号を全会一致で採択した。「原子兵器と、大量破壊に適用しうるその他すべての主要な兵器を各国の兵器庫から一掃する」ための委員会を国連安保理に創設するためのものであった。同決議は「原子力の発見によって提起された問題に対処するための委員会」と題されていた。
世界中の組織や著名人からなるグローバルなネットワークが、核軍縮が国連の主要目標であると確認したこの総会決議を想起して、核先制不使用や、核戦争を戦わずに済むその他の政策を採択するよう核保有国に求める公開書簡を発表した。
これまでのところ、書簡には69カ国の1000人以上が署名している。1月24日付の同書簡は、「核五大国」の指導者と、核兵器不拡散条約(NPT)に加入しているその他185カ国の政府に対して出されたものだ。「核五大国」とは中国・フランス・ロシア・英国・米国であり、国連安全保障理事会の常任理事国でもあることから「P5」とも呼ばれている。
「NPTを実現せよ「核の脅威から人間の安全保障へ」と題されたこの公開書簡は、世界各地の団体、学者、政策決定者、市民活動家などによるグローバルなネットワークである「NoFirstUse Global」によって出されたものである[訳注:「No First Use」とは「核先制不使用」を意味する]。
世界各地から、元政府閣僚、大使、議員、2人の国連総会議長経験者、元軍人、ノーベル賞受賞者、科学者、宗教指導者、企業経営者、市民活動家が書簡に名前を連ねた。
公開書簡は、核兵器生産を停止することによって核軍拡競争を終わらせ、核先制不使用から始めて安全保障政策における核兵器の役割を低減し、NPTの75周年にあたる2045年までにすべての核兵器を全廃するよう公約し、予算と公的資金を核兵器産業から医療や気候変動関連、持続可能な開発へと移すように、核保有国に求めている。
NPTの締約国に対しては、核戦争を予防し、核兵器なき世界を達成するために誠実に取り組む法的・道義的義務があること、そして、今その機会が訪れていることを強調した。
「先制使用オプションは、文字通り、非常に燃えやすい状況の中で火を弄ぶようなものであり、過失や計算違いによって始まる核戦争を導く危険性がこれまでにもあった。」
「単独での先制不使用宣言や二国間の先制不使用協定、あるいは多国間の先制不使用協定によって、これらの危険を減じることができる。これに続いて、先制不使用政策を実施するために核戦力や作戦管制を再構成し、核の危険をさらに減ずるために政策への信頼性と信用を構築することができよう。そして、最も重要なことは、先制不使用(あるいは「唯一の目的」方針)の採択によって、核保有国やその同盟国が核兵器の完全廃絶に向けた協議に参加できるようになるという点である。」
公開書簡は、核兵器を高度の警戒態勢下においた核保有国同士の緊張の高まりや、P5のすべてが核戦力を近代化している新たな核軍拡競争に駆り立てられて出されたものだ。こうした現状は、故意(意図的なエスカレーション)によるものであれ、あるいは計算違いや情報の誤り、未承認の使用、システムの不備(事故的な使用)によるものであれ、核戦争勃発のリスクを高めている。
こうした現状の下、米国の団体が1月12日に出した共同声明は、ICBMの廃絶を次のように呼びかけた。「大陸間弾道ミサイルは特に危険であり、誤報や計算違いによって核戦争が起きる可能性を著しく増大させてしまうものだ。ICBMの全廃以上に、世界的な核のホロコーストの可能性を減じるために米国が取れる重要な措置はない。」
声明は次のようなウィリアム・ペリー元国防長官の言葉を引いている。「もし我々のセンサーが敵のミサイルが米国に向かっていると示したならば、大統領は、敵のミサイルが我が方のICBMを破壊してしまう前にその発射の決断を下さねばならない。ひとたび発射されたなら、取り消しは不可能だ。大統領には、この恐るべき決断を下すまでに30分も与えられていない。」
ペリー元国防長官は、さらにこう書いている。「米国はまずもって、冷戦期の核政策の主要素であった大陸間弾道ミサイル(ICBM)戦力から安全に撤退することができる。ICBMを退役させることで相当のコストは浮くが、利益があるのは予算面だけではない。これらのミサイルは世界でもっとも危険なものの一つだ。事故的な核戦争を引き起こしかねない。」
さらに、『原子科学者会報』は、「世界終末時計」を3年連続で「真夜中まで100秒前」にセットしたと発表した。これは史上最も真夜中に近く、今日の核戦力と核政策のリスクのレベルが引き続ききわめて高いことを示している。
先の公開書簡の署名者らは、P5が2022年のNPT再検討会議(新型コロナのために8月まで延期)の準備の一環として1月3日に出した共同声明について触れた。声明でP5は「核戦争に勝者はなく、戦われてはならない」と述べたが、同時に安全保障政策における核兵器の役割を再確認してもいた。
公開書簡の著名な署名者たちは、核兵器の現状についてこのようにコメントしている。
マリア・フェルナンダ・エスピノーサ(エクアドル元外相、第73回国連総会議長)「核兵器は現在および将来の世代に脅威を与える。それは、国家間の紛争解決の役に立たず、コロナ禍や気候変動、食料安全保障、サイバーセキュリティ、持続可能な開発目標の達成など、今日および将来の人間の安全保障の問題にとって逆効果ですらある。NPTの実現、核兵器を世界的に廃絶するという1946年に国連が打ち立てた目標の実現を図るべき時だ」。
トマース・グラハム・ジュニア大使(グローバル・セキュリティ研究所無党派安全保障グループ議長、1995年NPT再検討・延長会議での米代表)「イラン情勢や北朝鮮問題、急速に悪化する気候変動、その他の重大な問題によって、10~15年前よりも核戦争の可能性は高まっている。」「これに対処する意義のある方法は、米国が核兵器を先制使用しないと宣言し、その他の核保有国にもその方針に賛同するよう要請することである。」
デイビッド・ハネイ卿(グローバル安全保障と不拡散に関する英国超党派議員の会共同代表、元英国国連大使、元英国欧州連合大使)「国連安保理事会の常任理事国は、核先制不使用や『唯一の目的』概念も含め、核戦争のリスクを減じる方法について真剣な協議を始めるべき時だ。『核戦争に勝者はおらず、戦われてはならない』とするレーガンとゴルバチョフの見解をこれらの国々が再確認してからまだ数日しか経っていないのだ。」
ギャレス・エバンス(アジア太平洋リーダーシップネットワーク創設者、元豪州外相)「先制不使用を採用するかどうかはリトマス試験のようなものだ。『核戦争に勝者はおらず、戦われてはならない』とする宣明は、それ自体待ち望まれていたし、歓迎すべきことでもあるが、核先制不使用なしには空疎なレトリックにすぎない。」
ジョルジオ・パリシ(2021年のノーベル物理学賞受賞者)「非核兵器国は核不拡散条約を尊重してきたが、核兵器国はその義務を尊重してきていない。非核兵器国の市民として、核兵器を世界的に廃絶する協議に参加することを核保有国が拒んでいることに、私は腹立たしく思っている。」
フランク・フォンヒッペル(プリンストン大学公共国際問題学教授、元米大統領府国家安全保障問題顧問補佐)「現代社会の多くの相互的な脆弱性を我々が理解するところでは、全面戦争に対するあらたな抑止力が登場しているということだ。この理解を基盤にすれば、核軍縮に向けた第一歩としてまずは核先制不使用を約束するのが当然ということになるのではないか。」
公開書簡に賛同した軍の元司令官や退役軍人らは、核兵器の先制使用の可能性を残した現在の政策は核の大惨事のリスクを増大させるものであり、司令官らは、とりわけ核兵器を発射するよう命令された場合に困難な立場に追いやられると考えている。
例えば、英海軍のロバート・フォーサイス元中佐はこう述べる。「巡航している戦略潜水艦の司令官には、なぜ核を発射するのか、標的は何か、発射の結果として民間人はどうなるのかといったことを知るすべがない。だから私は1970年代、私の艦からポラリスミサイルで先制攻撃するつもりはなかったし、どのような場合でも核による先制使用には強く反対してきた。」
「戦争は我々が21世紀に直面している問題への答えではない」と語るのは、間もなく任期が満了する「平和を求める退役軍人の会」のアドリアネ・キン代表である。「既に人間や環境に恐ろしい影響を与え、将来の世代にも影響を与え続けるであろう核兵器と機器に関してもそのことが言える。我々のお金や資源、知性を、今日の世界のニーズを満たす解決策を見つけるために使うべきだ。」
公開書簡の署名者らはまた、先制不使用政策の採択によって核軍備管理・核軍縮協議の現在の行き詰まりが打開され、核兵器なき世界に向けての扉が開かれると主張した。
例えば、ロシア軍事科学自然科学アカデミーの会員であるウラジミール・P・コジンはこう述べる。「核兵器国はミサイルや爆弾の正確性を向上させ、核・非核両用の航空運搬手段を拡散し、国境の外側に前進配備される新型核兵器へと移行している。」
「これらが合わさって、それぞれの国家の核戦略において戦略核・戦術核を使用することがますます正当化されるようになっている。これは劇的かつ危険な展開であり、戦術核や運搬システムを縮小したりその使用を禁じたりするための公的交渉を核兵器国が行っていないという事実が事態を悪化させている。」
「他方で、核兵器の先制不使用という方針をすべての核保有国が採用するならば、核兵器の役割がまずは小さくなり、最終的には、この地球のすべての住民と国際安全保障全体の利益のために、地球上からそのような大量破壊兵器が廃絶されるという、画期的な展開がもたらされることになるかもしれない。」
核保有国が先制不使用政策を採択することの政治的・軍事的実現可能性や望ましさについては、『核兵器の先制不使用:一国的・二国間・多国間アプローチとそれが安全保障、リスク低減、軍縮に与える影響』と題する作業文書で論じられており、この文書は公開書簡とともにNPT加盟国に送付された。(原文へ) (PDF版)
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【ローマIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン】
国連の2つの食料援助機関が新たに発表した報告書によると、世界の20の国・地域において、今後数か月で人口の一部が壊滅的な急性の飢餓に直面し、命と生活を危機的な状況に晒されている地域「ハンガーホットスポット」が特定されている。
なかでも、とりわけ紛争や、経済的打撃、自然災害、政情不安に見舞われている地域や、人道支援のアクセスが限定されている地域の被害拡大が懸念されている。
国連世界食料計画(国連WFP)と国連食料農業機関(FAO)は1月27日に発表した2022年上半期中に推測する危機的飢饉の報告書「ハンガーホットスポット」で、エチオピア、ナイジェリア、南スーダン、イエメンを引き続き最も憂慮される国々と警告している。これらの4カ国はいずれも、死に直面するほど深刻な飢餓に陥る(=5段階の総合的食料安全保障レベル分類〈IPCフェーズ〉で最も深刻な「大惨事」)人々が多くなるとみられる地域を抱えており、緊急の対応を必要としている。
報告書は、飢餓と紛争の因果関係は複雑で広範に及んでいると指摘している。事実、WFPが支援している人々の多くが、紛争から逃れるために、自らの家屋や土地、仕事を諦めることを余儀なくされた経験をしている。紛争や暴力は、ミャンマー、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、中央サヘル地域、スーダン、南スーダン、ソマリア、エチオピア北部、ナイジェリア、モザンビークにおいて長引いたり激しさを増したりするとみられている。
気候と食料価格
もう一つの憂慮すべき傾向は、極端な気候がもたらす影響である。WFPとFAOは、「気候変動はもはや未来の問題ではなく、世界中のコミュニティーが日々の現実の中で直面している問題」と認識している。この点について報告書は、「気候変動がもたらす被害は既に、ハイチ、東アフリカ、マダガスカル、モザンビーク、最近ではアフガニスタン北西部のバードギース州で確認されている。また、パンデミック後の経済苦境は長引き、食料価格が高騰する傾向が続くだろう。」と指摘している。
食料価格は、2021年中旬に一時下落したものの、2020年5月以来上昇傾向にある。この点で最も憂慮すべき地域は、近東、北米、中東・東アジアである。
報告書はまた、複雑な安全保障環境の下で、支援を必要とする人々への人道支援のアクセスが困難になっている地域として、エチオピア、マリ、ナイジェリア北部、ニジェール、シリアを挙げるとともに、中央アフリカ共和国とコロンビアについては、こうした困難状況が長期に継続していく恐れがあると警告している。
南スーダン
アフリカ中東部に位置する内陸国である南スーダンは、危険なレベルの急性食料不安が最も懸念されている4カ国の一つで、紛争と人道支援アクセスの困難、新型コロナパンデミックの影響、経済苦境、食料価格の高騰などにより状況はさらに悪化の一途をたどっている。また同国は大規模な洪水により広範な地域において、住民が家屋や農地などの生活基盤を失い、既存の問題が一層深刻化する事態に見舞われている。
ナイジェリア
政情不安と高インフレ率で深刻な食糧不足が起こっている。とりわけ、紛争に直面している北部ボルノ州の状況は深刻で、もし人道援助と生活再建を支援する外部からの介入が長期にわたって維持されなければ、約13,500人が壊滅的な飢餓状態に陥ると予測されている。
エチオピア
同国については2021年7月―9月期の報告書からの更新はないが、当時専門家らが、北部ティグレ州で401,000人が飢饉に似た状況に直面していると結論付けていた。FAOとWFPは、こうしたデータの欠如を深刻な問題と受け止めている。前回の報告書では、住民らが既に急性の飢餓状態に陥っている可能性が高く、壊滅的な大惨事のレベルにまで悪化する可能性を指摘していた。
イエメン
同国では、6年以上におよぶ紛争と経済低迷により「飢饉」に近い状態(IPCの5段階分類のうち最も深刻なフェーズ5)が広がっている。その結果、国内世帯の半数以上が、必要な量の食料を入手できなくなっている。政府支配下の行政区に住む世帯が、最低限の食料を入手するために必要な費用が2倍以上になった。これは(従来食料の8割を輸入に依存してきた)イエメンの外貨準備高がほぼ枯渇したために食料の輸入が困難になっているためだ。2021年の4月から7月の間に人道支援が強化されたことで、食料安全保障のレベルは一時安定したが、主要指標の分析によると21年後半には再び状況が悪化している。
その他の地域に対する警鐘
報告書は、アフガニスタンの状況についても注目している。同国では、深刻なレベルの食料不足に直面する人々の数が記録的に増加すると見られている。また、現在の危機的状況を収めることができなければ、一部の人口が飢餓と死に直面する深刻なリスク(IPCフェーズ5)に直面する可能性がある。現在2280万人のアフガン人が深刻な食糧不安に直面している。3月のリーンシーズン(収穫前の最も食料が不足する時期)までに、昨年同時期と比べて2倍以上で史上最多にあたる870万人が緊急事態(IPCフェーズ4)の急性食料不安に陥ると見られている。
既に食料不安に陥る傾向にあるアフリカの角地域は、現在ラニーニャ現象により引き起こされた3期目の旱魃に直面している。最も影響を受けているエチオピア、ケニヤ、ソマリアでは、22年中旬までに、既に深刻なレベルにある食料不安が一層悪化すると見られている。
アフリカのサヘル地域では、短い雨期に降雨量が少なかったため農地や牧草地に深刻な悪影響を及ぼした。この地域では昨年の同時期と比較して2割増の1050万人以上の人々が、高レベルの急性食料不安(IPC/CHフェーズ3以上)の影響を受けると見られている。(原文へ)
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【ルンドIDN=ジョナサン・パワー】
かつて旧ユーゴスラビアとルワンダで勃発した内戦で、親族や知人、隣人同士までもが殺戮の熱狂に巻き込まれた「民族浄化」の構図(政治家が少数民族に対する憎悪を掻き立て、実行部隊が殺戮と恐怖を煽り、犠牲者が増える中で一般市民は身を守るために自身の民族グループを暗黙に支持せざるを得ない状況に追い込まれる)を振り返りながら、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで再び民族主義が台頭している危険性を指摘したジョナサン・パワー(INPSコラムニスト)による視点。(原文へ)FBポスト
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【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】
ブルキナファソで1/23に発生したクーデターは、アフリカ大陸で、軍が民主的な選挙で選ばれた政権を打倒した5件目(①2020年8月のマリ、②2021年8月のチャド、③2021年9月のギニア、④2021年10月のスーダン)の事例となった。こうした背景には、中東で勢力を弱めたISIS等のイスラム過激派やカダフィ政権の崩壊で大量に流出した武器が西アフリカ・サヘル地域(マリ、ブルキナファソ、ニジェール、チャド、ナイジェリア)に大量に流入し、襲撃を繰り返すイスラム過激派による治安危機が、クーデター発生の要因ともなっている。(原文へ)
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【グリーンズボロIDN=ディア・アブド】
欧州ではフランシス法王が、全ての教区に対してそれぞれ1世帯の難民家族を受入れるよう訴えているが、この呼びかけに米国の高等教育機関が、学内の施設と資源を活用して難民家族の受入れと新生活支援に乗り出している(「全てのキャンパスに難民家族を(ECAR)」運動)。ECARでは参加校を現在の10校から今後3年間で全米の大学の10%にまで拡大したいと考えている。(原文へ)
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【ハラレINPS=ジェフリー・モヨ】
ジンバブエには228,000人以上の新型コロナウィルス感染症(コロナ)患者と5000人以上の死者、その北に接するザンビアでは患者30万人以上、死者が3000人以上いる。さらに、東のモザンビークでは患者20万人以上、死者が2000人以上となっている。
こうした状況の中、マラウィの医療専門家ジョセフ・バンダ氏は、IDNの取材に対して、アフリカ全体でコロナ感染が拡大し続けており、楽観は許されないと語った。
「コロナ禍が2019年にアフリカ諸国で広がり始めてから、大陸全体で感染者が増え続けている。メディアではアフリカの状況はほとんど報道されないが、増えているのは間違いない。」
バンダ氏はさらに、一部のアフリカ諸国では感染例が過少報告されているという驚くべき指摘をした。
この貧しい大陸のケープタウン(南端)からカイロ(北端)までをコロナが襲い、2021年はアフリカにとって大変厳しい年になった。
「アフリカはコロナ禍の被害を大いに受けたが、その影響は経済状況を見れば明らかだ。感染が拡大し続けたたけに産業活動が止まり、多くの人々が仕事を失っている。」とジンバブエの経済学者ナーディ・チバビロ氏は語った。
アフリカ連合によれば、世界全体でコロナ禍が広がっている中で最悪の被害を受けたのはアフリカであり、とりわけ観光・運輸・石油部門が深刻な影響を被ったという。
2020年5月、ジンバブエのマンガリーソ・ヌドロヴ観光相は、移動制限のために観光業が歴史的な打撃をこうむり、11億ドルを失って観光産業が危機に瀕する可能性があると語った。首都ハラレで観光産業関係者と面談したのちに記者団に対して答えたものである。
あれから2年、新たな変異株の発生もありコロナ禍がアフリカ全土で一層蔓延している。また、ワクチン供給のペースは、機会の平等が強く求められているにも関わらず、他地域と比べて遅れている(アフリカのワクチン接種率は13億人のうち少なくとも1回のワクチン接種を受けたのはわずか10%程度で、多くの国において、ワクチン接種率は人口の5%未満に留まっている。)
昨年、世界で初めてオミクロン株が南アフリカで検出された。症状が軽いとは言え、世界全体で数百万人がオミクロン株に感染している。
しかし一方で、アフリカはオミクロン株の脅威に晒されているとはいえ、保健対策の分野では、経口ポリオワクチンの普及や、コロナのゲノム配列の研究、コートジボワールやガンビアのような国でのアフリカ睡眠病根絶など、これまでにかなりの進歩を遂げている。
2021年初めまでに、アフリカ全土での感染者数は1日平均2万5000人となり、過去最大を記録している。
ザンビアのラメック・ムワンサ氏のようなアフリカの医療専門家の多くは、コロナ患者は増え続けているとみているが、当初に比べると報道が少なくなってきている。
「ザンビアやアフリカ全体でコロナ感染者数は上昇傾向にある。唯一の違いは、そのことに対する報道がなされなくなってきていることであり、そのために世界は自己満足に浸って、報告されない無数の感染者が日々増え続けている。」
南アフリカでは、ヨハネスブルクの民間診療所で働いているフィンディウェ・ザマ氏が、「世界ではパンデミックに関する報道が減少しているにもかかわらず、自分たちは依然として圧倒的に多くのコロナ患者に圧倒されている。」と訴えた。
「依然としてコロナ患者は多く、重症者もいるし、中には症状が軽いからということでそのまま帰されてしまう人もいる。最近はオミクロン株の患者が増えている。」とザマ氏はIDNの取材に対して語った。
コンゴ共和国では、コロナ禍との終わりなき戦いが続いており、収束の見通しはない。
世界保健機関(WHO)によれば、これまでのところコンゴ共和国では2万3485件のコロナ感染者が報告されており、現在は約1700人が療養中、人口比で言うと3100人に1人となる。
しかし、コンゴ共和国のような国だけがコロナの変異株と戦っているわけではない。
アフリカ全土で言えば、2020年9月半ばから継続的に感染者数は増大しており、特に11月末からの伸びが激しい。
そうした中、隣国の南アフリカでは「501Y.V2」と呼ばれる新型の変異株が昨年以来猛威を振るっており、アフリカ南部における新規感染のほとんどがこの株によるものとなっている。
しかし、WHOによると、この新変異株によってウィルスの危険性が増したとの兆候はないという。WHOアフリカ地域代表であるマシディソ・モエティ博士は、「新変異株がより有害ということはないが、感染力が強い株は、既に過剰な負担に悩んでいる病院や医療従事者をさらに困難な状況に追い込むだろう。」とオンライン会見で昨年の内に語っていた。
モエティ博士はまた、アフリカ諸国に対して、「ウィルスは容赦なく、明白な脅威として依然として存在し、ウィルスとの闘いに勝利したとはとても言えない状況であることが改めて分かった。パンデミックに対する予防的措置に愚直に取り組む必要がある。」と訴えた。
「新変異株が登場したらすぐにその存在を把握し、追跡し、撲滅することができるように、ウィルスの実験を行い配列を確認することをすべての国々に呼びかける。すばしっこく、適応力が高く、容赦のないこの敵を倒すには、そのあらゆる動きを把握し、すべての変異種に対して最も効果的な対策をさらに強化する必要がある。」
「501Y.V2」のような変異種が蔓延している現在、南アフリカやボツワナ、ガーナ、ケニア、コモロ諸島、ザンビアのような国々は特に、昨年初めから流行している変異株から逃れることができていない。
ヨハネスブルクの町トコザ出身のテンバ・ムリロ(56)さんは、専門家はオミクロン株は重症化しないと言っていたが、死ぬ直前までいったと語った。
ムリロさんはこう話す。「昨年、コロナのためにもう少しで死ぬところだった。病院で看護師からオミクロン株に感染していると言われ、それほど致死性が強い株ではないとも言われたが、息をするのにも難渋した。でも、神のご加護によって何とか生還し、今もこうして生きています。」(原文へ)
INPS Japan/ IDN-InDepth News
【ローマIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン】
ラテンアメリカ・カリブ地域を2015年以来襲っている飢餓と食料不足が、コロナ禍によってさらに悪化している。最新の『食料安全保障と栄養に関する地域概況』によると、この地域は、飢餓を根絶し食料安全保障を達成するという持続可能な開発目標(SDGs)の第2目標第1項目の実現からますます遠くなっている。
この報告書は、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、汎アメリカ保健機関/世界保健機関(PAHO/WHO)、世界食糧計画(WFP)、国連児童基金(ユニセフ)の合同による出版である。
報告書は、飢餓と食料不足が世界のどの地域よりもラテンアメリカ・カリブ地域で酷くなっていると指摘する。2020年、ラテンアメリカ・カリブ地域で飢餓に苦しむ人々の数は1380万人増えて5970万人となった(全人口の9.1%)。2019年に比べて3割も増加している。
また、2020年、同地域の4割(2億6700万人)が中程度あるいは重度の食料不足に苛まれた。2019年よりは6000万人も多い。上昇率でいうと9%増であり、この数値は世界の他のどの地域よりも高い。
報告書は、同地域は他の形態の栄養不足との闘いにも敗北しつつあると警告している。2020年、1億600万人(成人の4人に1人)が肥満であり、5歳未満の児童の7.5%にあたる390万人が肥りすぎであった。
また、報告書は、地域の全人口の41%が「中程度あるいは重度の食料不足に直面している。つまり2億6700万人の食料への権利が奪われていることを意味する」と述べて、食料不足の広がりを指摘した。
南米では、飢餓に苦しむ人々の数が2014年から2020年の間に1800万人も増えた。しかし、報告書は、そのうちの半分にあたる900万人については「コロナ禍を背景に2019年と2020年の間に起きた」としている。
「これは、わずか1年の間に飢餓に苦しむ人の数が36%も増えたこと意味する」と報告書は指摘している。
ラテンアメリカ・カリブ地域でとりわけ飢餓に苦しむ人口が多い国は、ハイチ・ベネズエラ・グアテマラ・ニカラグアである。
報告書はまた、コロナ禍が「この地域の数多くの人々の収入を減らしたため」に、飢餓や食糧不足、栄養不良の問題が「悪化」したと述べている。
「しかし、コロナ禍だけがこれらすべての後退の原因ではない。なぜなら、飢餓に関するこの地域の統計は6年連続で悪化しているからだ」。
国連食糧農業機関ラテンアメリカ・カリブ海地域代表のフリオ・A・ベルデグは、現状を反転させる行動を求める声明を出した。
「はっきりと言わねばならない。ラテンアメリカ・カリブ地域は食料安全保障の観点で危機的な状況を迎えている。」飢餓に苦しむ人々の数が増える一方で、他の地域では、肥満を含めた、栄養不良とのまた別の形での闘いに人々は敗れつつあると報告書は指摘した。
ラテンアメリカ・カリブ地域では、推定1億600万人(成人の4人に1人)が肥満である。2016年から2020年の間に、肥満はカリブ地域で9.5%、メキシコ・中米で8.2%、南米で7.2%増えた。
さらに、肥り過ぎの子どもの数は増え続けており、現在推定390万人である。そのうち7.5%は5歳未満だ。報告書によれば、この数値は世界平均より2%高いという。
報告書は「格差を縮小し、2030年に向けた持続可能な開発目標を達成するためのカギを握るポストコロナの回復に向けた政策対話」に、この新たな統計が貢献することになるだろうと述べた。
「農業・食料システムを効率的で柔軟、包摂的、持続可能なものにして、全員に健康な食事を与え、誰も取り残さないようなしくみに変えていかなければ、この流れを反転させることはできない。」と報告書は述べた。
ラテンアメリカ・カリブ地域では、2020年、中程度あるいは重度の食料不足が人口の40.9%に影響を与えた。世界全体のレベル(30.4%)をはるかに上回る数値である。
2014年と2020年の間には、中程度あるいは重度の食料不足が16%も増加した。この増加の半分近くは、コロナ禍の現状の中で、昨年1年だけの間に生じている。昨年、食料不足に悩む人の割合は31.9%から40.9%へと9%も伸び、地域別では最も高い伸びとなった。(原文へ)
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This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.
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|気候変動|この危機がSDGsの達成にどう影響する?(フェルナンド・ロザレス「サウスセンター」持続可能な開発・気候変動プログラムのコーディネーター)
【ニューヨークIDN=タリフ・ディーン】
世界の主要な5つの核兵器国(米国・英国・中国・フランス・ロシア)が核戦争の予防とさらなる核兵器の追求の放棄を誓った。しかし、1月3日に発表された5カ国の共同声明には、現在の核戦力の改修・強化の放棄といった反核活動家たちが要求している内容が明らかに取り入れられていない。
「アクロニム軍縮外交研究所」のレベッカ・ジョンソン代表はIDNの取材に対して、今回の「弱く、不十分な声明」は(国連安全保障理事会の常任理事国でもある)5カ国が「最近は何も合意できない」と思われていただけに歓迎すべきものなのかもしれない、と語った。
「核戦争は戦われてはならないことを認識する方向で一致したことは、もし5カ国がそれを実際に行動で示していたなら、素晴らしいものになっただろう。」
「もちろん、5カ国は、軍事的な対立を避け、互いを標的とすることを避ける必要があるが、核兵器禁止条約に署名し、自ら保有する数千発の核兵器を廃棄する点についてはどうなのか。」とジョンソン氏は問うた。
「しかし、今回の声明は、『核戦争に勝者はおらず、戦われてはならない』とする1985年のレーガン=ゴルバチョフ声明を繰り返しただけで、核禁条約を無視し、言葉に実質を与えるだけの具体的な軍縮行動について何も触れていない」と指摘した。
これはもはや「ジェスチャー政治」ですらない。核保有国は5カ国だけでなく全部で9カ国あり、そのすべてが核戦力の改修・強化に余念がないからだ、と「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN、ジュネーブ)の初代代表でもあったジョンソン氏は語った。
「5カ国は、『未承認あるいは意図しない』核兵器使用を非難しつつも、核兵器が『防衛目的』のためにだけ使用されるのなら問題ないとの見方を示した。これで世界が安心するとでも思ったのだろうか。」
ジョンソン氏は、「たった1回の核兵器使用でも、それが未承認であれ、意図しないものであれ、『防衛的』なものであれ、人道的に壊滅的な被害を引き起こし、核戦争の導火線に火をつける可能性がある。レトリックの下に隠れているのは危険な傲慢と現実の否認だ。」と指摘したうえで、「今のままでは、9カ国のうちどの国であっても、過失あるいは故意によって核兵器を発射する愚かな選択を採る可能性がある。」と語った。
「核兵器を保有しつづけ、それを宣伝あるいは誇示しつづけるかぎり、世界全体に核戦争の危機が存在する。だから、核兵器へのこうした姿勢に終止符をうち、すべての核保有国に対して、彼らが無視するかどうかに関わりなく、その核政策に対してより大きな経済的・政治的なコストと圧力をかける核兵器禁止条約をより多くの国々が支持するようになってきたのだ。」
核不拡散条約(NPT)に加盟にしていないその他4つの核兵器国は、インド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮であり、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の推計によると4カ国合計で461発の核兵器を保有している。
しかし、これら4カ国は、核保有国を名指しすらしていない国連のアントニオ・グテーレス事務総長の声明を受けて、なんら行動を起こしていない。
つまり、4カ国は視野の外にあり、名前すら出されていないのである。
国連のステファン・ドゥジャリク報道官は、事務総長が4カ国について言及していない件について、「いや、すべての核兵器が廃絶されるべきだという事務総長のメッセージは明確です。声明は、核兵器を保有する国々との対話であり、核兵器保有を明らかにしている国々と、その他すべての加盟国に対するメッセージなのです。」と語った。
ドゥジャリッチ報道官は、事務総長はこの機会を利用して、「あらゆる核のリスクを取り除く唯一の道は、全ての核兵器を廃絶すること」とするこれまでの見解を改めて述べた、と語った。事務総長は、核保有国や全ての国連加盟国と協働して、この目標をできるだけ速やかに達成できる努力すると繰り返した。
SIPRIは、2019年の報告書で、米ロ両国が「自国の核兵器やミサイル、運搬手段を更新し近代化する広範かつ高価な計画」を追求していると述べた。
2018年、米国防総省は、新型核兵器を開発し、その他の核兵器を改修して新たな役割を付与する計画に乗り出したとSIPRIは会見で述べている。「その他の核保有国の核戦力はこれよりずいぶん小規模だが、すべての保有国が新型核兵器システムの開発中あるいは配備を進めているか、そのような計画を明らかにしている。」
「西部諸州法律家財団」のジャッキー・カバッソ代表はIDNの取材に対して、「不都合な真実」は、核抑止、すなわち核兵器使用の威嚇という危険な教義に核保有国が固執する限り、核兵器は存在し続けるという点にあると語った。
NPTが発効してから半世紀、NPT上の核兵器国の行動は、NPTの目指すところと反対の方向に向かっているとカバッソ氏は指摘した。
「NPT非加盟のインド・イスラエル・パキスタン・北朝鮮を含めたすべての核保有国が、核兵器の質向上を目指した高価な計画を推進しており、量的に増強している国もある」。
カバッソ氏は、「P5声明の前向きな言葉とは裏腹に、現実には新たな核軍拡競争が始まっている。」と語った。
「今回は、サイバー能力や人口知能、開発中の超音速能力、中距離運搬手段への回帰、通常兵器・核兵器両用運搬手段の生産などによって、事態は複雑化している。」
2010年、NPT加盟国は、安全保障戦略における核兵器の役割を低減することに全会一致で合意した、とカバッソ氏は指摘する。それから12年、実際にはその真逆、核兵器の役割の拡大が起こっている。
「核保有国とその同盟国による軍事作戦の規模と速度は、核兵器訓練などにみられるように、増している。継続されているミサイル実験や、核保有国同士の軍隊が時に起こしている対立が、核の危険を悪化させている。」とカバッソ氏は指摘した。
「ウクライナや台湾といった対立の焦点があり、核兵器使用のリスクはかつてなく高まっている。核軍縮プロセスは停滞し、NPT上の5つの核兵器国は、自らがNPT第6条の義務を果たしていると自信をもって言えなくなっている。」
明らかに、NPT外の4つの核保有国を核兵器廃絶の協議に巻き込まなくてはならない、とカバッソ氏は訴えた。
ブリティッシュコロンビア大学(バンクーバー)公共政策グローバル問題大学校リュー記念グローバル問題研究所で軍縮・グローバル人間安全保障プロジェクトの責任者を務めるM・V・ラマナ教授は、今回の核保有5カ国声明は明らかにNPT再検討会議に向けて準備されたものだと語った(会議は1月第1週に予定されていたが、新型コロナウィルスの感染拡大予防のために延期された)。
「私には、そのことが、なぜNPT非加盟国がこの声明に入っていないかの説明になっているように思われる。さらに言えば、声明は、例えばインド・パキスタン間であっても、核保有国間の戦争に勝者はなく、したがって戦われてはならないということを示唆している。」
「とはいえ、次の2点を付け加えておきたい。第一に、軍縮義務はNPT上の核兵器国だけではなく、その他4つの核保有国にもあるということ。1996年、国際司法裁判所は、「厳格かつ効果的な国際管理の下でのあらゆる側面における核軍縮につながるような交渉を誠実に追求し、妥結させる義務が存在する」と全会一致で判断した。
従って軍縮義務はすべての国に適用される、とラマナ氏は指摘した。
第二に、レーガンとゴルバチョフが数十年前に述べたことを再度強調するのはいいとしても、今回の声明は、進行中の核兵器近代化プロセスと既存の核戦力維持への投資を反転させる意思を示していない点で残念なものだ、とラマナ氏は語った。
五大核保有国の指導者らはその共同声明でこう述べている。「核戦争に勝者はなく、戦われてはならないということを我々は確認する。核使用は広範な影響をもたらすことから、我々はまた、核兵器が存在し続ける限り、それらは、防衛目的に奉仕し、攻撃を抑止し、戦争を防止するものでなければならないということを確認する。我々は、核兵器のさらなる拡散は防止されねばならないと強く信じる。」
「我々は、核の脅威に対処することの重要性を再確認し、不拡散・軍縮・軍備管理にかかわる二国間・多国間の合意と公約を守り従うことの重要性を強調する。我々は『核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行う』との核不拡散条約(NPT)第6条の義務も含め、NPTの義務を果たし続けることを約束する。」
他方で、米国科学者連盟(FAS)は、冷戦終結以降に核兵器を削減する取組みがなされてきたにも関わらず、世界全体では、2021年半ば時点で合計1万3150発の核兵器を保有しており、高水準に留まっていると指摘する。
そのうち約91%をロシアと米国で保有しており、それぞれ約4000発の弾頭を備蓄している。その他の核保有国は安全保障のために数百発以上の核兵器を必要とはしていない。
世界的に見ると、核兵器の数自体は減り続けているが、削減のペースは過去30年間と比べると鈍化している。さらに、その削減のすべては、退役した弾頭の解体作業を依然として続けているロシアと米国でのみ起こっているとFASは指摘している。(原文へ)(PDF版)
INPS Japan
This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.
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