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第4回核兵器の人道的影響に関する国際会議

【ウィーンINPS Japan=浅霧勝浩(Katsuhiro Asagiri)】

核兵器禁止条約(TPNW)第1回締約国会議の開幕を翌日に控えた6月20日、オーストリアの首都ウィーンで同国政府が主催する「第4回核兵器の人道的影響に関する国際会議」(非人道性会議)が開催された。被爆者、核被害者、外交官、学者、市民社会のメンバーなど80カ国以上から約800人が参加した。

第4回核兵器の人道的影響に関する国際会議長/ Filmed and edited by Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director of INPS Japan.

非人道性会議は、被爆者、核被害者の証言、専門家による科学的知見が共有され、核爆発が及ぼす破滅的影響について議論する会議。広範囲の放射線被害、負傷者救護が不可能になることなどの懸念が2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で表明されて以降、核兵器の非人道性に焦点を当てた議論が活発化した。2013年の「第1回核兵器の人道的影響に関する国際会議」(オスロ会議:ノルウェー)、14年初めの第2回会議(ナヤリット会議:メキシコ)に続いて同年12月には第3回会議がウィーンで開催され、市民団体や国連、核軍縮推進派の非核保有国が主導したTPNW制定の原動力になった。経緯については、IDN/INPSがこれまでに「核兵器の人道的影響に関する国際会議」(非人道会議)を取材した記事を参照ください。

IDN/INPSでは、浅霧勝浩マルチメディアディレクターがウィーンでオーロラ・ワイス記者と合流し、ICAN市民社会フォーラム(6月18-19日)、第4回核兵器の人道的影響に関する国際会議(20日)、TPNW第1回締約国会議(6月21日―23日)を取材した。

Thomas Hajnoczi at the closing session/ photo by Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director of INPS Japan.

第4回核兵器の人道的影響に関する国際会議では、議長国オーストリアのトーマス・ハイノツィ元欧州国際関係省軍縮・軍備管理・不拡散局長が、「具体的な成果につながる有意義な軍縮の議論には、被爆者や核実験の被害者の関与が必要」と総括したうえで、①核爆発直後の人道被害や長期にわたって継続する影響に十分対処することは不可能、②「核の冬」は地球全体に影響し食料不足や飢餓を招く、③偶発的事故やミスなどによる核爆発の危険がかつてなく高まっている、④(ロシアのウクライナ侵攻を念頭に)核兵器は大規模な戦争を防がず、むしろ核保有国をつけあがらせ、戦争に踏み切らせる事実を明確に示していることなどを挙げ、「核兵器の廃絶のみが効果的な予防策になる」と指摘した。

INPS Japan

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この記事は、戸田記念国際平和研究所が配信したもので、同研究所の許可を得て転載しています。

この記事は、2022年5月3日にThe Strategistに初出掲載されたものです。

【Global Outlook=ラメッシュ・タクール】

西洋人の中には、非西洋人に対して上から目線で意見するほど倫理的・知的に優位な立場にあると思い込む者がいるが、彼らがあそこまで著しく自己認識に欠けるのはどういうわけだろうか? トーマス・リッセとスティーブン・ロップは、1999年の書籍「The power of human rights(仮訳:人権の力)」 で担当した章において、「西側諸国や国際組織の圧力は、規約に違反した国の政府の外的影響に対する脆弱性を大幅に増大させることができる」と書いている。(原文へ 

いまでも覚えているが、この文を初めて読んだとき、非西側諸国の政府は誤った規範違反者、西側諸国の政府は高潔な規範設定者であり規範執行者という世界の分類にうかがえる無意識の傲慢さに驚愕した。私が国連で働いていた頃、西洋人が他の国々に対応する際に常に持ち続ける白人の責務について、どれほど多くのアフリカ人やアジア人の外交官が不満を漏らしたか、数えきれないほどだ。

エドワード・ルースは、2022年3月24日の「フィナンシャル・タイムズ」紙において、西側はロシアがウクライナをめぐって「世界的に孤立している」と言いながら、「自らの連帯を世界的なコンセンサスと勘違いしている」と指摘した。確かに、3月2日の国連総会決議で、193カ国の国連加盟国のうち141カ国がロシアの侵攻を非難することに賛成票を投じた。しかし、賛成しなかった52カ国の非西側諸国は、アフリカ諸国の半数を含み、世界の人口の半分以上を占めており、バングラデシュ、モンゴル、ナミビア、南アフリカ、スリランカのような民主主義国家も含んでいる。インドはその中で最も目立つ重要な国であるため、多くの評論家が「なぜインドは、ロシアを支持するフリーパスを持っているのか?」と絶えず問いかける。

それとは対照的に、オーストラリアのスコット・モリソン首相がウクライナ戦争に対するインドの公然とした中立性と中国のそれを慎重に区別したこと(ウクライナに関する国連の採決をインドと中国が棄権したことの間には、「これっぽっちも」道徳的な等価性がないとモリソンは述べた)にも通じるが、英国のボリス・ジョンソン首相は、近頃インドを訪問した際、インドのナレンドラ・モディ首相が「数回にわたって」ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に介入し、「こんなことをするとは、いったい何を考えているのかと尋ねた」と述べた。インドはウクライナにロシア人ではなく平和を望んでいると、ジョンソン首相は付け加えた。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長も彼に続き、欧州がロシアの石油とガスから「多様化によって脱却する」方法として、再生可能エネルギー分野でインドと提携することに強い関心を示した。

このような見解は、インド政府高官による主張の正当性を示し、それを西側の各国政府にも広く一般化するものである。そのため「米政権内部には、遅ればせながら、しかし嫌々ながら、インドの立場を受容する姿勢が見られるようになった」。インドの慎重なバランス外交と微妙な政策に対するこのような公式な理解は、一般の評論にはあまり見られない。

外交政策とは、美徳のシグナリングではなく、国民の最大利益のために行動することである。全ての国の政策は、地政学的計算や経済的計算(現実主義)と中核的な価値や原則(理想主義)の混ざり合いに基づいている。そのため、たとえ他国より頻繁かつ重大な政策上の過ちを犯す国があるとしても、どの国の政策も、矛盾のない首尾一貫したものとは言えず、誤り、偽善、ダブルスタンダードとも無縁ではない。したがって、長年にわたる残酷なイエメン紛争などで西側諸国が価値観を軽視すればリアルポリティークと言い、ウクライナにおける残虐行為に他国が沈黙すれば悪事の共犯だと言うのは、ありえないことだ。

インドのS・ジャイシャンカル外相は、4月11日にワシントンで、NATOがロシアに制裁を科して以降、インドがロシアから1カ月に輸入した石油の量は、欧州が1日の午後の間に輸入したエネルギーの量よりも恐らく少ないだろう辛辣に述べた。4月26日、ニューデリーで開催された権威ある年次会議「ライシナ対話」で、ジャイシャンカルは、ノルウェー外相とルクセンブルク外相の質問に対して同様の辛辣な回答をした。昨年西側諸国がアフガニスタンから慌ただしく立ち去った後、アジアではルールに基づく秩序が脅威にさらされ、アジア諸国がその後始末をすることになったと、ジャイシャンカルは彼らに思い出させた。ただ出て行くだけで何の戦略もない混乱に満ちた撤退により、インドの安全保障上の利益は深刻な影響を受けた。4月22日、英国の「デイリー・テレグラム」紙は、2014年のクリミア併合後にEUがロシアに武器禁輸措置を科して以降も、フランスとドイツが2億7300万ユーロ相当の武器をロシアに売却し、それがウクライナ戦争で使用されている可能性が高いと報道した。

4月24日、モリソン首相は、ソロモン諸島に中国の軍事基地が設置されることは許容できない一線であると述べた。ジョー・バイデン大統領の太平洋地域に関する最高顧問を務めるカート・キャンベルがソロモン諸島のマナセ・ソガバレ首相と会談した後に出されたホワイトハウスの声明には、「事実上の恒久的な軍事プレゼンス、戦力投射能力、あるいは軍事施設」が中国によって確立されることになったら、米国は「重大な懸念を持ち、相応の対応を取る」と記された。これは、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領が述べたように、ロシアの譲れない一線をウクライナとNATOが越えたことに対するロシアの反応と何ら変わりはない。ソロモン諸島は、オーストラリア海岸から1,700 km沖にある。一方、ロシアとウクライナは陸で国境を接し、キーウはモスクワからわずか755 kmしかない(オタワ・ワシントン間に相当)。

現在、オーストラリア、英国、欧州、米国の政府の間には、インドがロシア製の兵器に依存しているのは過去の経緯によるもので、現在の軌道を反映してはいないということが、より完全に理解されている。ロシアへの依存が生じたのは、インドの選択であると同時に、米国の武器輸出が過去に制限されていたことにも起因する。ウクライナでロシア製兵器の欠陥が明らかになったことから、今後インドのロシア製兵器離れが加速するだろう。西側による制裁の影響でロシアの経済的重要性が低下したことも、パートナーとしてのロシアの魅力を減じるだろう。

ロシアによる侵攻と市民に対する残虐行為に対するインド政府の声明は、直接ロシアを名指しはしないものの、徐々に厳しいものになっている。インドは、西側諸国が中国の市場や工場への依存を低減し(近頃のオーストラリア・インド間の自由貿易協定)、また、ロシアのエネルギーへの依存を低減する可能性を提供する。また、西側諸国がインド太平洋地域で目指す一連の目標にとって、インドは不可欠の存在である。

4月11日にワシントンで開催された「2+2」閣僚会合の後、米国のロイド・オースティン国防長官は、米印関係を「インド太平洋地域における安全保障のかなめ」と描写した。アントニー・ブリンケン国務長官は、米国が「インドのパートナーになりえなかった」時代にインドとロシアの関係が形成されたことを認めた。しかし、今日では、「商業、技術、教育、安全保障など、実質的にすべての分野で、米国はインドの最高のパートナーになることができ、その意欲がある」。ほとんどのインド人は同じ気持ちだが、インドは、単なる米国の駒ではなく、他の国々に影響を及ぼす源として、あるいは世界の問題における明らかに独立した主体として、より効果的に西側諸国の目標達成を助けることができるだろう。

ラメッシュ・タクールは、国連事務次長補を務め、現在は、オーストラリア国立大学クロフォード公共政策大学院名誉教授、同大学の核不拡散・軍縮センター長を務める。近著に「The Nuclear Ban Treaty :A Transformational Reframing of the Global Nuclear Order」 (ルートレッジ社、2022年)がある。

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【ウィーンIDN/INPS Japan=オーロラ・ワイス】

「今日は歴史的な瞬間だ」―オーストリア・ウィーンで6月21日に開幕した「核兵器禁止(核禁)条約」の第1回締約国会議はこのような言葉で始まった。国際社会や各国政府、市民社会、学界の代表らが、この歴史的な条約に効力を持たせ、核軍縮の未来を形づくっていくためにここに集った。

A side-event at the margin of the First State Parties to TPNW titled, “Addressing victim assistance, environmental remediation, and international cooperation in accordance with the TPNW Articls 6-7” held at Austria Center on June 21, 2022. Credit: Filmed and Edited by Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director, INPS Japan.
Side-event at the margins of the 1st meeting of state Parties to the TPNW
Side-event at the margins of the 1st meeting of state Parties to the TPNW

国益や信条体系の違いはあれども、10年前には幻想であったものが今や厳然たる事実になったという認識では一致している。他方で、これまでに生み出された最も壊滅的な核兵器のほとんどを、一部の大国だけが保有しているという事実も変わらない。

従って、核禁条約第1回締約国会議中に開かれた関連行事が、核被害者への援助と核に汚染された地域の環境の修復(第6条)、そのための国際協力(第7条)をどのように進めるかに焦点を当てたことは適切なことであった。

この関連行事は、議長国オーストリアの要請を受けてこのテーマに関する共同作業文書を提出したカザフスタン共和国外務省とキリバス共和国の国連代表部が、核時代平和財団創価学会インタナショナル(SGI)との共催で開催した。

カザフスタン外務省国際安全保障局のカイラト・サルジャーノフ局長は、この作業文書を踏まえて第6条と第7条の重要性を強調するとともに、キリバス政府、核時代平和財団、SGIに対して、この意義ある関連行事を共催してくれたことに謝意を述べた。

SGIを代表したのは創価学会の寺崎広嗣副会長である。この関連行事には、核禁条約第1回締約国会議に参加するために日本から来訪していた戸田記念国際平和研究所の迫本秀樹事務局長と公明党核廃絶推進委員会の浜田昌良委員長の姿があった。

Hirotsugu Terasaki, Vice President of Soka Gakkai (Left) meeting with  Mukhtar Tleuberdi, Foreign Minister of Kazakhstan (Left) just before the side-event./ Photo by Katsuhiro Asagiri
Hirotsugu Terasaki, Vice President of Soka Gakkai (Left) meeting with Mukhtar Tleuberdi, Foreign Minister of Kazakhstan (Right) just before the side-event./ Photo by Katsuhiro Asagiri,Multimedia Director of INPS Japan

寺崎副会長は、第1回締約国会議におけるサイドイベントの共催団体に加わることができたのは大変光栄なことだと述べた上で、テーマとなっている第6条と第7条は、核禁条約の普遍的価値を象徴しているものだと強調した。この関連行事の直前、カザフスタンのムフタル・トレウベルディ副首相兼外相は、核なき世界に向けた平和運動におけるSGIの役割に感謝を述べていた。

人間の尊厳の尊重」を高く掲げるSGIは、核廃絶国際キャンペーン(ICAN)の国際パートナーとして核廃絶に向けた活動に積極的に取り組んできた。SGIの核廃絶運動の原点は、1958年に、戸田城聖創価学会第2代会長が横浜で5万人の若者の前で行った原水爆禁止宣言に遡る。戸田会長はこの宣言で、人類の生存権を脅かす核兵器は、人間の心の最も荒んだ部分を体現していると非難し、創価学会の青年達に核兵器廃絶への挑戦を呼び掛けた。

創価学会青年部会は2017年、『広島・長崎:私たちは決して忘れない』を出版した(PDF版はこちらからダウンロード可能)。1945年8月6日と9日に広島と長崎に投下された原爆被災を生き抜いたヒバクシャ50人以上が、投下直後に体験した悪夢のような日々と地獄のような惨状について語っている。

創価学会は世界に1200万人以上のメンバーを擁する地域社会に根差した仏教団体で、生命の尊厳の尊重を基盤とした平和・文化・教育を促進している。非政府組織としての創価学会インタナショナルは、1983年以来、国連経済社会理事会(ECOSOC)において協議資格を有している。また、国連におけるSGI活動拠点としてニューヨークとジュネーブに国連連絡事務所を運営している。

またこの関連行事では、核兵器実験による被害者らも痛烈な被爆体験を証言した。旧ソビエト連邦時代、モスクワの中央政府は、カザフスタンのセミパラチンスク核実験場(四国の面積にほぼ等しい)で456回の核実験を1949年から89年の40年間に亘って繰り返した。今回、IDNの取材にも応じてくれた、芸術家であり核不拡散問題に関する活動家でもあるカリプベク・クユコフ氏も、核爆発実験がもたらした恐ろしい結果について、自らの経験を証言した。

Karipbek Kuyukov(2nd from left) and Dmitriy Vesselov(2nd from right)/ Photo by Katsuhiro Asagiri
Karipbek Kuyukov(2nd from left) and Dmitriy Vesselov(2nd from right)/ Photo by Katsuhiro Asagiri,Multimedia Director of INPS Japan

クユコフ氏は両腕が欠損した状態で生まれたが、核実験場から遠くないカザフスタン中央部の彼の村で母親の胎内で被爆したことが原因だと考えている。「アトム〈ATOM(廃止する=Abolish、実験=Test、私たちの使命=Our Mission)プロジェクト」の名誉大使でもあるクユコフ氏は、当時キノコ雲型の爆発を頻繁に目撃したこと、その際家の中の家具が激しく揺れていたこと、地元の人たちは口の中で鉄のような味がしていたこと、頭痛があったこと、歯や髪が抜け落ちていたことなどについて語った。また、死んだ鳥が道端に落ちていたり、毛が抜け落ちた犬が歩き回っていたりしたこと、さらには、頭や足がない状態の動物が生まれ、奇形となって生まれた子供たちは1年にも満たずに亡くなってしまうことが多かったと証言した。

クユコフ氏は、「放射線の影響は一見しただけでは分かりませんが、体内に急速に侵入してきます。その破壊的な帰結は次の世代に受け継がれてしまうのです。」と述べ、遺伝的に新たな世代までも殺してしまう核兵器の致命的な影響について指摘した。

核実験の被曝二世であるカザフスタンのディミトリ・ヴェセロフ氏は、医師から自分の子供たちにまで被爆の影響があるかどうかは断定できないと告げられ、子供を作らない決断をしたことが、自身の人生における最もつらい体験だったと語った。

ハーバード大学ロースクール国際人権クリニック講師で、「武力紛争と民間人保護」研究の共同代表であるボニー・ドチャーテイ氏は、核禁条約第6条(被害者に対する援助及び環境の修復)と第7条(国際的な協力及び援助)に焦点をあてた。例えば、被害者援助の要素としては、医療や社会復帰、心理学的な支援、社会的・経済的包摂、被害の認知、被害者の人権の促進が含まれるが、それに限られるわけではない。現在被爆者らが提起している最大の問題は、無料の医療サービスがないことに加えて、一時的支援すら存在しないことである。

「各締約国は、核兵器の使用又は実験により影響を受けた自国の管轄の下にある個人について、適用可能な国際人道法及び国際人権法に従い、年齢及び性別に配慮した援助(医療、リハビリテーション及び心理的な支援を含む)を適切に提供し、並びにこれらの者が社会的及び経済的に包容されるようにする義務があります。」とドチャーテイ氏は語った。

「誤った兵器を取り扱える適切な手など存在しない。」

カザフスタンとキリバスは、核禁条約第1回締約国会議の議長国であるオーストリア政府からの要請に基づいて、専門家や市民社会と協力して核禁条約第6条・7条の履行と促進を提案する作業文書の起草し、この関連行事を経て提出した。締約国の取組みは、あらゆる種類の被害者援助、物質的・心理的・金銭的補償に対して振り向けられねばならないとしている。

Vienna International Center/ photo by Katsuhiro Asagiri
Vienna International Center/ photo by Katsuhiro Asagiri,Multimedia Director of INPS Japan

オーストリアのアレクサンダー・シャレンベルク外相は、核禁条約第1回締約国会議の開会式の辞で、「核のリスクがこの数十年で最も高まっており、だからこそ適切な教訓をここから導き出す責任があります。」と訴えた。

シャレンベルク外相はまた、「今は(核禁条約の発効を)祝っている時ではありません。欧州に再び戦争が戻ってきました。この侵略戦争の衝撃は世界中に伝わっています。しかし、それのみならず、ロシアによるウクライナへの残酷な侵略には、核兵器の使用という明確な脅迫も伴っているのです。これは露骨な核の脅迫です。国連憲章の明確な違反であり、完全に無責任であり、まったく容認できません。」とロシアを批判した上で、「ロシアの行為は一つの真実に光を当てることになりました。すなわち、この恐るべき兵器が存在しつづける限り、人類すべてにとって脅威であり続けるということです。」と警告した。

Side-event at the margins of the 1st meeting of state Parties to the TPNW/ Photo by Katsuhiro Asagiri
Side-event at the margins of the 1st meeting of state Parties to the TPNW titled, “Addressing victim assistance, environmental remediation, and international cooperation in accordance with the TPNW”/ Photo by Katsuhiro Asagiri,Multimedia Director of INPS Japan

シャレンベルク外相は、コフィ・アナン元国連事務総長の言葉「誤った兵器を扱う正しい手など存在しない。」を引用したうえで、「核兵器の保有は正当化できるという主張に対抗しなければなりません。核兵器が人間にもたらすリスクや帰結を考えれば全く容認できるものではありません。」と語った。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長はビデオでの声明で、生命の問題は全ての人の問題なのだから、核軍縮はあらゆる人々の問題であると指摘した。「この連帯に加わることによってのみ、この凄惨な兵器を廃絶することができ、より平和で、信頼に満ちた世界を構築することができる。核兵器がわれわれを滅ぼす前にわれわれが核兵器を廃絶しよう。」と呼びかけた。(原文へ

INPS Japan

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6月20日、核兵器禁止条約の第1回締約国会議(21~23日)を前に開催された「第4回核兵器の人道的影響に関する国際会議」において、レベッカ・ジョンソン博士にインタビューした映像。18日~19日にかけて世界各地から活動家らが集まったICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)主催の市民社会フオーラムにおける協議内容を振り返り、締約国会議への期待と、核のない世界の実現に向けて、これから運動を継承していく若い世代に対するメッセージを語っていただいた。(聞き手INPS Japan 浅霧勝浩

【ウイーンINPS Japapn=レベッカ・ジョンソン

今回ウィーンで開催されたICAN市民社会フォーラムでは、広島と長崎の被爆者をはじめ、南太平洋や、カザフスタン、米国等核実験が行われてた様々な地域の被爆者の証言にまずは耳を傾けました。また、アフリカのコンゴにようにウラン採掘に伴って今も被爆が起こっている現地からの声にも耳を傾けました。

このように軍・産・核という軍事主義的な繋がりが進行しており、私たち人類にどのような被害をもたらすのかが明らかになりました。

今日の「核兵器の人道的影響に関する会議」で、祖母が被爆した日本の被曝三世からの証言にもあったように、女性や少女が男性と比較して、その生物的特性から放射線の影響を圧倒的に受けやすいことも分かっています。

Dr Rebecca Johnson, executive director of the Acronym Institute for Disarmament Diplomacy and founding president of the International Campaign to Abolish Nuclear Weapons (ICAN, 2017 Nobel Peace Laureate) Credit: Filmed and Edited by Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director of INPS/President of INPS Japan.
2022 Vienna ICAN Civil Society Forum/  photo by Katsuhiro Asagiri
2022 Vienna ICAN Civil Society Forum/ photo by Katsuhiro Asagiri

私たちは核兵器に汚名を着せ、禁止し、廃絶することが不可欠であることを、核兵器禁止条約(TPNW)が発効した今、これを履行することが不可欠です。また、ICANフォーラムでは、気候変動による絶滅の危機をくいとめようと懸命に取り組んでいる若者達の話を聞きました。化石燃料による軍事的貢献と、工業化による気候破壊は、核兵器による破壊と密接に関係していることを理解しなければなりません。そしてこれらのことは、核の冬や気候温暖化と相互に関連しており、極端な気象現象として既に顕在化し、最も弱い立場の人々を破壊し、飢餓の原因となっています。こうした全ての事態が、ロシアがウクライナ侵攻後の数日後に核兵器の使用を威嚇する中で進行しているのです。

また、ICAN市民社会フォーラムでは、9つの核兵器国と、日本を含む一部の同盟国の問題について話し合いました。これらの国々は核兵器を保有すること、或いは同盟を通じて核兵器にアクセスできることが抑止力になるという幻想を抱いています。しかし、米国、英国、フランスが欧州で核兵器を保有するNATO加盟国であるという事実をもってしても、ウラジーミル・プーチン氏のウクライナ侵攻を阻止することができなかったことから明らかなように、核抑止理論は既に破綻しているのです。

Image source: Sky News
Image source: Sky News

プーチン氏はロシアの核がNATOを抑止する能力があると考え、侵攻に踏み切った。しかし私たちは、これが世界の安全保障を確保する方法ではないことを示さねばありません。しかしそれ以上に、プーチン氏は英国のトニー・ブレア氏がかつてしたことと同じことをしたのです。ブレア氏は回想録のなかで触れていますが、プーチン氏や(イラクに侵攻した)2003年当時のブレア氏のような核武装国の指導者は、核兵器を持たない国に対しても、侵略的な戦争を行う行動の自由が得られると信じているのです。彼らは軍事侵攻は法的には何の影響もないと信じていたのです。

このようにICAN市民フォーラムでは、世界から集まった多様な背景を持つ老若男女が、様々な方法でこれらの問題について話し合いました。

異なる国、宗教、政治体制下で暮らす私たち一人一人が、「核兵器は国際法で禁止された」しかし「依然として多くの国々がこの条約に署名していない」現状を踏まえて、いかにして核なき世界の実現に向けて前進を図っていくかを協議したのです。

私は20代の頃、英国のグリーナムコモンズで、各巡航ミサイルの欧州配備を阻止する運動に加わって以来、長年反核運動に携わってきました。配備阻止は、1987年の中距離核戦力全廃条約(INF条約)で実現したのを皮切りに、その後市民社会は各国政府と協力して包括的核実験禁止条約の採択まで漕ぎつけました。その時私は、核兵器を禁止する多国間条約を締結するための第一歩として、核兵器自体を禁止することができれば、それを実現しようと考えました。TPNWは、全ての核兵器を廃絶し、廃絶を確認する方法・原則を打ち立てたものです。

Greenham Common women's protest 1982, gathering around the base, near to Greenham, West Berkshire, Great Britain./ By ceridwen, CC BY-SA 2.0
Greenham Common women’s protest 1982, gathering around the base, near to Greenham, West Berkshire, Great Britain./ By ceridwen, CC BY-SA 2.0

またTPNWは私にとってライフワークの結集でもあります。今回のフォーラムでこの条約を前進させるために多くの若者が世界から集まっているのを目の当たりにして、大変頼もしく思っています。

そこで皆さんにお伝えしたいことがあります。

核廃絶を希求する皆さんのお気持ちの根底には、各々が信じる信条や信仰があると思います。是非、各々の信仰に従って祈ってください。そして、それを行動に移してください。各々の信心の伝統や、信仰を行動や他者との協力に結びつけるスピリットの力(霊性)に相当する考え方には様々なものがありますが、方法は様々でも、核廃絶を実現するために、団結して共に行動することが重要です。

各々の国で、同じ人間として老若男女が、各々の信仰・信条に従って、TPNWが謳う核兵器の禁止のみならず、手遅れとなる前に、自国の政府をこの条約に加盟させて、条約を履行するために、全身全霊を傾けていくべきです。

そうでなければ、核兵器や気候変動によって、私たちの子どもたちは、私たちが望むような安全で持続可能な平和な未来を迎えられないからです。私たちの子どもたち、そしてその子供たちに、平和で持続可能な未来を与えるために、私と一緒に行動してください。

INPS Japan

Credit: Filmed and edited by Katsuhiro Asagiri, Multimedia Director of INPS/ President of INPS Japan.

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【ウランバートルIDN=ジャルガルサイハン・エンクサイハン

8月の核不拡散条約第10回再検討会議を前にして、モンゴルの首都ウランバートルで非核兵器地帯の課題と今後に関して意見を交換するNGO会議が開かれた。非核兵器地帯は、不拡散と核軍縮に資する非核兵器国の重要な実践的、地域的措置として認識されているものである。

The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons, signed 20 September 2017 by 50 United Nations member states. Credit: UN Photo / Paulo Filgueiras
The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons, signed 20 September 2017 by 50 United Nations member states. Credit: UN Photo / Paulo Filgueiras

核兵器の脅威とその拡散を予防する最も効果的な方法は核兵器の廃絶であるという意見で参加者らは一致した。核兵器禁止条約の発効は、核兵器をさらに非正当化し、核兵器廃絶に向けたグローバルな規範を強化する法的枠組みを提供するものであるという見解を参加者は強調した。しかし、それだけでは不十分だ。今日の急速に変化する地政学的な情勢の下で、非核兵器地帯はより大きく、より積極的な役割を果たす必要がある。非核兵器地帯の概念と実践は巨大かつ建設的な可能性を秘めているからだ。

現在、海底と南極、宇宙空間は居住人口のない非核兵器地帯とされている。また、居住地域には、ラテンアメリカ及びカリブ地域、南太平洋、東南アジア、アフリカ大陸全体、中央アジアの5カ所に非核兵器地帯がある。116の国と8400万平方キロメートルが含まれ、これは世界の人口の39%と国連加盟国の60%を占める。これらの地域的地帯は旧来型の非核兵器地帯であり、これとは別に、モンゴルが一国で非核兵器地位を認められている。

旧来型の非核兵器地帯の数が増えれば、その集団的な存在感は重みを増し、核兵器なき世界を確立するという目的にさらに資するものとなるだろう。非核兵器地帯の信頼性を高めより効果的なものにするために、5つの法律上の核兵器国全てが非核兵器地帯の議定書に速やかに署名・批准し、非核兵器地帯の地位に影響を与える留保あるいは単独での解釈を取り下げる必要がある。従属的な領域に対する国際的責任を負っている国家は、その責任が非核兵器地帯やその領域の住民の正当な利益に影響を与えることのないようにする必要がある。

ウランバートル会議の参加者らは、非核兵器地帯の役割を検討するにあたって、現在の非核兵器地帯概念の主要な弱点の一つは、個別の国家が非核兵器地帯を確立することを排除しているNPT第7条の規定【1】と、このNPTのアプローチを反映して国連総会が1975年の決議3472(XXX)で提示している非核兵器地帯の定義に関連していると考えた。この定義によれば、非核兵器地帯は「関連する地域の諸国家間の自由意思による取決めを基礎として」確立される必要があるとされている【2】。

こうしたアプローチでは、こうした地域的地帯の一部に個別国家が加わることが排除されてしまう。もちろん、1975年の「非核兵器地帯のあらゆる側面に関する包括的研究」では、こうした地帯は一群の国家によってのみならず、大陸全体、さらには個別国家によって確立され得ることを確認しているのであるが。今日、このことは単に学術的な意味合いを持つだけではなく、より広範な実践的、地政学的な意味あいを持っている。総じて見るならば、これらの個別国家及びその主権の及ぶ領域は、中央アジア及び東南アジアの国々とその主権の及ぶ領域をはるかに凌駕しているのである。

さらに、集団的アプローチのみで事に当たることは、国連憲章に盛り込まれた主権国家平等の精神そのものや、安全保障への権利を含めた国際法の基本原則にも背くことになる。この問題については、国際司法裁判所の勧告的意見をこの件に関して求めることもできよう。非核兵器地帯の定義にあたって、先の国連総会決議は、「非核兵器地帯の特定の事例に関して採択された、あるいは今後採択されるかもしれない国連総会決議、あるいは、そうした決議から生じる国連加盟国の権利を損なうものではない」と認めているのである【3】。その決議が、一部の反対票と一部の棄権票を含む投票によって採択されたのも不思議ではない。

Nayarit Conference in Mexico/ICAN
Nayarit Conference in Mexico/ICAN

現在検討の対象になっているのは、中東において非核・非大量破壊兵器を創設することである。北東アジアや北極に非核兵器地帯を創設することに関する非公式な意見交換も進められている。しかし、地理的な位置の問題や、政治的あるいは法的理由のために、こうした集団、すなわち旧来型の地帯の一部とはなることができない数多くの小規模国家が存在する。こうした「弱い部分」が加われば、非核兵器世界が強力になることを我々はみな認識している。

こうして、時代遅れの非核兵器地帯の定義を見直し、これらの非核兵器国の非核世界への参加を排除しないようにしなくてはならない。そうでなければ、政治的な空白と国際法の抜け穴が作りだされ、対立する核兵器国家がそれを利用して地政学的なアドバンテージを得ようとすることになるだろう。その結果として、急速に変化するこの世界で、空間と時間という要素が決定的ではないにせよ重要な戦略的要素になりつつあるこの時代において、特定の地域だけではなくより広い世界が不安定化することになる。

地理的な位置を理由に一部の非核兵器国を排除すれば、多数の国々だけが国際法で守られ、その他がそこから弾かれるというかたちで、非核兵器国間に分断を生むだけの結果に終わるだろう。したがって、第二の研究、この場合は、非核兵器地帯のあらゆる側面における真に包括的な研究がなされる必要がある。これは、ウランバートル会議で採択された声明で指摘されているように、非核兵器地帯のさらなる拡大を容認するようなアプローチを採り、さらに包摂的なものでなければならない。

Map of Mongolia
Map of Mongolia

モンゴルが2013年に提案したこの第二の研究は、この40年で積み重ねられた国家実践、豊かな経験、教訓に依拠して、第二世代の地帯の協議において有益なものとすることができるだろう。そのことによって、非核兵器地帯制度を弱める法的・政治的空白や抜け穴を埋めることができる。

第二の研究は、関心を寄せるすべてに国家によってなされ、すでに述べたように、非核兵器地帯に関連を持つ核五大国によって無条件に提供される安全の保証や、事実上の核保有国[訳注:NPTの核兵器国ではないインド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮のこと]の役割を含むものでなくてはならない。また、一国非核兵器地帯の問題を取り上げ、旧来型の非核兵器地帯に入っていない非核兵器国に対して核五大国が一国非核地位を尊重し、その地位に違反するような行為に及ぶことがないとの保証(いわゆる安全の保証)を与えるべきであろう。

非核兵器地帯に関する第二の研究を行うとの合意がNPT再検討会議でなされれば、NPT体制へのさらなる強化に向けた非核兵器国の実践的な貢献となるだろう。次回のNPT再検討会議は、会議の議題に盛り込まれたその他の問題と並んで、この点の履行について再検討することもできよう。(原文へ

【注】

1.非核兵器地帯に関連したNPT第7条は「この条約のいかなる規定も(中略)地域的な条約を締結する権利に対し、影響を及ぼすものではない」と規定しており、これは現在の国際関係や国際法の規範を容認したものである。しかし、問題は、非核兵器世界への移行にあたってこれで十分なのかどうかということだ。

2.国連決議3472(XXX)号(1975年12月11日)

3.同上

INPS Japan

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【ウィーンIDN=ムフタル・トレウベルディ】

核兵器禁止条約第1回締約国会合は、完全な核軍縮という普遍的な目標を推進するための10年近くに及ぶ集団的な取り組みの結果、驚くべき歴史的な成果を収めたものであります。

私たちは、この会議が、一般的かつ完全な核軍縮の問題に関して共通の基盤を見出すという深いコミットメントと政治的意思に突き動かされて、望ましい成果を生むものと確信しています。

Mukhtar Tileuberdi, Deputy Prime Minister and Foreign Minister of Kazakhstan addressing High-level Session of the First Meeting of the States Parties (MSP) to the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons (TPNW). Credit: Katsuhiro Asagiri, IDN-INPS Multimedia Director

カザフスタンは、核兵器禁止(核禁)条約の起草及び採択プロセスの全ての段階に積極的に関与し、条約に初めて署名・批准した国の一つとなりました。核禁条約は、「核兵器なき世界」に向けたより具体的な行動を求める声がますます強くなっていることの証左であります。冷戦の最も暗い時期以来、核兵器による交戦のリスクが最大限に高まっている現在の危機的な状況にあって、こうした意志は特に重要性を帯びています。したがって、核禁条約は、こうした懸念を表明し、解決策を見出すための重要なプラットフォームとならなければなりません。

Semipalatinsk Former Nuclear Weapon Test site/ Katsuhiro Asagiri
Semipalatinsk Former Nuclear Weapon Test site/ Katsuhiro Asagiri

カザフスタンがこの条約に参加することを決めたのは、政治的な理由だけでなく、核軍縮に対する長年のコミットメントによるものであります。カザフスタンのカシム=ジョマルト・トカエフ大統領は、「核兵器のない世界」を実現することは、カザフスタン国民のアイデンティティーの重要な一部であり、核兵器廃絶に向けた世界の運動の先頭に立つという道徳的権利を与えてくれていると述べています。私たちは、ソ連の核兵器開発計画の破壊的な遺産に苦しめられた過去の世代に負う人道的義務から力を得ているのです。

このような背景から、核兵器の影響を受けたコミュニティーの代表者たちが、何としても避けねばならない核の悪夢の証人として、カザフスタン共催のものを含むサイドイベントに参加していることを心から歓迎します。

核軍縮への強力な政治的障害が存在するこの時にあって、被害者支援と環境修復に関する条約の積極的な義務の履行に焦点を当てることが、核禁条約の目的を促進させる将来性のある道筋を提供していることに強く賛同するものであります。

Side-event at the margins of the 1st meeting of state Parties to the TPNW

核爆発による被害者支援と環境修復のための道徳的要請を促進し、このテーマについてより幅広い議論を確保するため、カザフスタンはこの会議に合わせて、キリバス共和国創価学会インタナショナル核時代平和財団と共に、核実験の被害者の二世、三世が参加するサイドイベントを開催します。また、カザフスタンの核の遺産に関する展示会への参加も歓迎いたします。

カザフスタンは、2つの核保有国(ロシアと中国)に挟まれた北半球に中央アジア非核兵器地帯を設定したセミパラチンスク(セメイ)条約の創設国の一つでもあります。核兵器のない地帯を地球上に押し広げるために、私たちは、国連事務総長の「軍縮アジェンダ」第5項にあるように、既存の非核兵器地帯間における協力を促進することが特に重要だと考えています。

カザフスタンは、来たる第77回国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)の議長国として最大限の努力をしてまいります。軍縮の問題に並んで、世界の成長と発展に影響を与える、グローバルな問題と平和への脅威についても、重要な協議を促進してまいる所存です。

核禁条約の締約国及び署名国は、その準備プロセスでの議論において、非常に高いレベルの一致と連帯を示してまいりました。私は、この協力の精神が、今後条約の加盟国が増える中でも、強化されるであろうことに自信を持っております。このことは、全ての人々にとっての、公正かつ包摂的、透明なプロセスの構築への道を開くものでありましょう。

この点において、私は、今日の会合にオブザーバー参加があることを歓迎し、将来的にはそうした参加がさらに増えることを強く信じております。

私たちは、他の軍縮条約の経験に基づき、核兵器禁止条約の普遍化に向けて協働していかねばなりません。このプロセスにおいて、私たちは、積極的な役割と発想力をもった市民社会、学術界、若者の支援を求めることができます。このことは、今年8月の第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議、そしてその後に向けて、特に重要であります。

私たちはまた、核兵器計画の廃絶に向けた期限を決定する上で、核禁条約の規定を履行するという今会合の決定を歓迎いたします。この目的のために、私たちは、全ての核兵器計画の永遠かつ不可逆的な廃絶を検証することを任務とした適切な国際制度枠組みを確立する必要があります。

Vienna International Center/ photo by Katsuhiro Asagiri
Vienna International Center/ photo by Katsuhiro Asagiri

この会合の議題を成功裏に達成するための皆さま方の取り組みに対する我が国の完全なる支持をここで改めて表明させてください。

また、第2回締約国会合の議長国にメキシコが選出されたことをお喜び申し上げます。私は、メキシコが次のステップを導くにあたり、我が国の全面的な支援を約束し、第3回締約国会議の議長職を引き受ける用意があることを確認し、全ての義務を果たすために最善を尽くすことを誓います。

カザフスタンは、このフォーラムに対して、そして、我々が長らく求めてきた核兵器なき世界に向けて貢献することをここにお約束いたします。(原文へ

*カザフスタンのムフタル・トレウベルディ副首相・外相が2022年1月6月21日の核兵器禁止条約第1回締約国会合ハイレベル開会セッションにおいて行ったスピーチ内容。

INPS Japan

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イラン核合意の復活に向け、米に外交再開の圧力強まる

【ワシントンDC=J・C・スレシュ】

軍備管理の専門家たちはジョセフ・バイデン大統領に対して、「共同包括的行動計画」(JCPOA)として知られる2015年のイラン核合意の履行再開に向けて、膠着状態を打破する努力を直ちに強化するよう圧力をかけている。

例えば、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長は、核施設を監視する一部のカメラの接続を解除したとのイランの6月9日の発表以来、今後3週間から4週間でJCPOA再開の努力には「致命的な打撃」があるだろうと警告した。

イランは今週、核施設を監視している27個のカメラの接続を解除した。2003年以前からの核開発計画に関連した未申告核物質のIAEA調査に協力することをイランに求めたIAEA理事会決議に反発したものである。

グロッシ事務局長は6月9日、カメラが3~4週間以上接続されない場合、JCPOAを復活させるために必要なイランの核活動に関する情報をIAEAが継続して得ることが難しくなると警告した。

「軍備管理協会」のダリル・G・キンボール事務局長は、「バイデン大統領は、イランによる兵器級核物質の生産能力を弱め、イランの機微な核活動に対するIAEAのより厳格な監視を維持するには、JCPOAの相互順守を回復させる方向性を明確に支持している。」と語った。

キンボール事務局長は、「残念ながらバイデン政権は、トランプ大統領が2018年にイラン核合意から無責任に離脱したことによって引き起こされた危機の拡大を、それに見合う必要な緊急度をもって取り扱っていない。しかし、新たな不穏な動きを受けて、ホワイトハウスが緊急の動きを取らなくなってしまうかもしれない」と不満を述べた。

軍備管理協会「不拡散政策プログラム」の責任者ケルジー・ダベンポート氏は、「JCPOAの遵守に向けて双方が回帰していく協議がなされており、即時に実行に移すことが可能だ。核兵器とは関係のない問題、すなわち、米国がイスラム革命防衛隊を海外テロ組織指定から解除するかどうか、解除するならその条件は何かということをめぐって米国とイラン双方が強硬な態度を取るのを止めれば、の話だが」と語った。

「双方が行き詰まりを解決し、最終的にすべての利害関係者のためになること、つまり2015年の核合意の遵守を回復するための合意を実現する機はとうに熟している。」とダベンポート氏は語った。

キンボール氏は、「バイデン政権は、合意の受け入れ、あるいはテロ組織指定の解除の問題についてはイラン次第という態度を取り続けている。しかし、この問題に関してゆきづまりを打開するための外交努力を即時強化するとの発表を行わないのは、ホワイトハウスのリーダーシップ不足だ。イランを感情的あるいは政治的に非難すれば満足感は得られるかもしれないが、目前の核危機がそれで解消されるわけではないし、米国の国益にもならない。」と語った。

「バイデン大統領がイラン革命防衛隊の制裁を解除してもその政治的コストは小さいものだ。イランが核武装して国家安全保障や国際安全保障に大きな脅威が与えられることと比較すれば、大した問題ではない。現在、イランは10日もかからずに核爆弾1発分の核物質を生産することができる。これは、テヘランの行動が国際査察団に探知されない可能性があるほど短い期間である。JCPOAによるイランの核開発制限を回復すれば、その余裕は約6カ月に大幅に拡大し、国際社会はイランの核兵器開発への動きに対抗するための効果的な行動を取るのに十分な時間を確保できる。」とダベンポート氏は語った。

ダベンポート氏はさらに、「もしバイデン大統領がJCPOA復活に向けたイランとの協議を妥結することができなければ、トランプ政権が追求した誤った方針が継続されることになる。イランが核開発を強化し、IAEAとの保障措置上の義務を果たさないのを認めることになってしまう。バイデンはイランが核開発の瀬戸際にまで到達するのを許した大統領として歴史に名を残してしまうかもしれない。米国がこのゆきづまりを打開するために創造的な提案を行う機は熟している。」と警告した。(原文へ

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サッカー、パンデミック、クレムリン、軍事専門家について

この記事は、戸田記念国際平和研究所が配信したもので、同研究所の許可を得て転載しています。

【Global Outlook=ハルバート・ウルフ 】

にわか専門家の時代を皮肉るハルバート・ウルフの風刺エッセイ

大手新聞やニュースサイトのどれでも良いが、その分析や結論をちょっと見ると分かることがある。自称「軍事専門家」が担当し、「重火器」「飛行禁止区域」「対空砲」「旗艦」などが何であるかをわれわれに教えてくれようとしているのだ。別にいいじゃないか? 彼らは今や、かなりの期間この問題に取り組んでいるのだから。2022年2月24日から丸2カ月にもなる。(原文へ 

1979年以降、われわれはこのような問題を取り上げる必要がなかった。当時、NATOが中距離核ミサイルを配備すると同時にワルシャワ条約機構との交渉を進めるという二重決定を下し、多くの人は突如として、「パーシングII」ミサイルが西欧からモスクワに到着するまでの飛行時間がわずか7分であることを知ったのである。本物の専門家たちは、高濃縮ウランとプルトニウムの違いや、どちらも核兵器開発に使用できることを説明してくれた。その頃は、正確に何台のソ連軍戦車が侵攻のためにフルダ・ギャップに待機しているか、計測担当者は証明することができた。ロシアがウクライナで戦争を始めた今、われわれ西欧人は再び、軽火器と重火器、防御兵器と攻撃兵器の技術的詳細について「関心」を向けるようになった。しかも単に「関心がある」だけではない。それについては間違いなく何でも「知っている」のだ!

同様に、ほんの2年前、コロナ・パンデミックが始まった時、8,200万人のドイツ代表サッカーチームの監督(EU全体では何人いることやら)が一夜にしてウイルス学者や疫学者になった。行きつけのパブでサッカー代表チームの顔ぶれや拙速に過ぎた戦略について意見を言い合う、古き良き時代は過ぎ去った。今やわれわれは、コロナ感染症の発生率や新規感染率、ロックダウン戦略や超過死亡数を考慮しなければならなくなった。テレビのトーク番組やソーシャルメディアにおいて、われわれはもはやありとあらゆる専門知識から逃れることはできなくなった。われわれ自身がワクチンの専門家になり、スプートニクやシノバックはいかなる場合もファイザーに太刀打ちできないと確信した。

ロシアのウクライナ侵攻はすでに3カ月目に入り、なぜバルト諸国の空軍がソ連製のMIG29を使っているのか、英国が供与したNLAW(次世代軽量対戦車兵器)システムの射程距離はどれだけか、ドイツのゲパルト自走対空砲はどのような能力があるかを知ることが重要になっている。ゲパルトは、時速65 km以上、35 mm機関砲2基、複雑な照準システムを有する。とはいえ、全ての詳細を知らなくても心配はいらない。幸いにも、コロナウイルスに対抗する世界のさまざまなワクチン戦略について詳細な情報をわれわれに教えてくれたジャーナリストたちが、今日では、なぜウラジーミル・プーチンが6メートルのテーブルを隔ててアントニオ・グテーレスと会談したのか、絶対確実に知っている。なぜなら、プーチンのクレムリンというのは見た目ほど単純ではないから、そう、つまり彼らははるかに単純だからだ。そして、これらの専門家たちは、ドイツのオラフ・ショルツ首相が無責任にもウクライナ支援をためらったために、ドイツの評判を損なったと確信している。なにしろこの首相は、50年前のデタント政策によって現在のドイツがロシアのエネルギー供給に依存する状況の基礎を作った政党に属するのだから、何の不思議もない。「貿易を通じた変化」を覚えているだろうか? よくもあんなことをしてくれたものだ。つまり私が言いたいのは、ヴィリー・ブラントとエゴン・バール、そして彼らの東方外交のことだ! と言った後、専門家らは寛大にも、「それ以降はもっと賢くなったけれど」と詫びるように付け加えようとする。

当然ながらこういった専門家たちは、にわか仕立ての対決的な解決策を提案する。それを聞いていると、「大声を出すのではなく、論拠を強化しなさい!」というデズモンド・ツツの言葉を思い出させてやりたくなる。

さて、8,200万人のサッカー、パンデミック、クレムリン、軍事専門家に話を戻そう。もちろん、ウクライナのロシア兵は戦争犯罪者である。いや、戦争犯罪者というだけじゃない。これはジェノサイドだ! その通りだ。兵器と戦争についてこれほど精通している人なら、十分な訓練を積んだ国際法専門家でもあり、戦後にプーチンを罪に問うにはどうしたらいいかを自分のソーシャルメディアアカウントで断じることもできるというわけだ。

もちろん、NATOの2%目標が最終的に達成されることは適切であり、必要であり、何よりも長期的には明白である。2%目標? 軍事費をGDP比2%にすることだと、もはや誰にも説明する必要はない。はいはい、みんな前から知っていたね。いずれにせよ、この2%目標はすぐに達成されるだろう。第1に、いまや軍事費を大幅に増強する「ターニングポイント」が公式に発表されている。それによって、軍事費の比率は急増するだろう。そして第2に、経済不況が予想される。GDPは低下しており、そのため軍隊の防衛力は増大している。なんだって! ちょっと言葉足らずだった。われわれは2%目標を達成しつつある。ただし、ここではそれを行使可能な戦力として見なしている。

西欧は、自らの立場をギリシャのそれになぞらえている。ギリシャだって? なぜギリシャがモデルになって、フランスや英国ではないのか? ご存じのとおり、金融危機があった2008年、ギリシャは欧州の病人だった。当時ギリシャは、ほぼ90億ユーロを軍事費に充てていた。4年後、それは半減した。しかし、それでもなおギリシャはNATOの2%目標を楽々と達成している。手品だろうか? まったく違う。それが、西欧の進む道である。EUと国際通貨基金が策定した安定化計画は、ギリシャに経済不況をもたらした。経済の縮小が防衛費の削減を大きく上回ったため、ギリシャは良好な数字を達成することができた。非の打ちどころないデータで、ドナルド・トランプにも感銘を与えただろう。

「イエス、ウィー・キャン!」 だから心配はいらない。何よりも統計の問題なのだ。1年後、2年後、遅くとも3年後には数字が達成できたら、EUがアフガニスタンで(おっと、そうだった、20年にわたる駐留で成功を収めた後、われわれはもはやそこにいない)、あるいはマリやどこかで何をできなければいけないかを話し合おう。そのとおり。目下はバルト諸国や、NATOの東方のどこか一角に目を向けよう。そのうえで、今日の決定の何が間違っていたかを専門家(そのほとんどは男性で、女性はごく稀だ)に尋ねよう。なぜなら、われわれは「それ以降はもっと賢く」なり、トーク番組で知識を披露することができるからだ。

だから尻込みせずに発言しよう。高校時代にレフ・トルストイの『戦争と平和』と読んだことがあるなら、専門家を自任するべきだ。ジョージ・バーナード・ショーの短編『武器と人』も読んだことがあるなら、全国放送でコメントする資格がある。

ハルバート・ウルフは、国際関係学教授でボン国際軍民転換センター(BICC)元所長。2002年から2007年まで国連開発計画(UNDP)平壌事務所の軍縮問題担当チーフ・テクニカル・アドバイザーを務め、数回にわたり北朝鮮を訪問した。現在は、BICCのシニアフェロー、ドイツのデュースブルグ・エッセン大学の開発平和研究所(INEF:Institut für Entwicklung und Frieden)非常勤上級研究員、ニュージーランドのオタゴ大学・国立平和紛争研究所(NCPACS)研究員を兼務している。SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)の科学評議会およびドイツ・マールブルク大学の紛争研究センターでも勤務している。

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宗教コミュニティーが「核兵器禁止条約第1回締約国会議」を歓迎

【ウィーンIDN=INPSチーム】

「世界各地の多様な伝統を背景にもつ」信仰者のコミュニティーが、核兵器禁止条約(TPNW)の第1回締約国会議(MSP)の開催を記念するために、声を一つに結集した。

High-level Session of the First Meeting of the States Parties (MSP) to the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons (TPNW). Photo credit: Katsuhiro Asagiri. IDN-INPS Multimedia Director

6月21日に発表された「宗教間共同声明」では、「この歴史的な機会を歓迎し、核兵器のない世界に私たちを近づけるこの重要な節目を祝福します。」と述べている。声明は、TPNWの締約国に対し、世界の被爆者の声に耳を傾けるよう求めている。

声明は以下の通り。「私たちは、核兵器による全滅の脅威を、かつてないほど身近に感じる時に集っています。核保有国による脅威の高まりに呼応して、私たちの多くが不安に苛まれています。このような緊急の差し迫った脅威を前にして、私たちは核兵器廃絶への決意をこれまで以上に強くするものです。」

「私たちは、人類と私たちの愛する地球が直面している脅威を痛感しています。世界的なパンデミックがもたらす壊滅的な影響から、気候変動による大災害の脅威の高まりに至るまで、地球上の生命に対する危険はかつてないほど高まっています。核兵器は、人間の健康と環境の安定にもたらすリスクとあわせ、こうした脅威の中で最悪なものであることを明確に示しています。」

「現在、これらの兵器の開発と維持に費やされている資源は、食糧、教育、医療、気候変動対策への投資を通じて、最も脆弱な人々の支援と地球を守ることに向けられるべきです。」

「私たちの信仰が持つ伝統は、このような資源の悪用を糾弾し、核兵器を永遠に廃絶するために、国際的な協力を拡大するよう呼びかけます。核兵器は、人間の安全保障を優先させることが喫緊に必要とされている時において、支配と暴力による強制的な手段です。」

「私たちの宗教的、精神的伝統は、相互に助け合うこと、見知らぬ人に配慮すること、コミュニティーを信頼するといった精神を守ります。私たちの信仰がもつ伝統は、より良い未来を構築するとの信念を持ち続けています。私たちは、私たちが、弱さ(脆弱性)と、思いやりと知性をもって政策の選択を行う能力を共に持ち合わせていることを思い起こします。」

「私たちは、自分たちの安全保障だけでなく、お互いの安全保障と幸福のために、引き続き努力します。私たちは、正義と平和の相互関係を理解し、どのコミュニティーも他のコミュニティーを消滅させる力を持たず、ある人の安全が、他の人の危険の上に築かれることのない世界を目指して、引き続き努力することを約束します。」

「私たちは、核兵器禁止条約の締約国に対し、国際社会として核兵器による被害を回復するための取り組みを開始できるよう、世界のヒバクシャの声に耳を傾け、また被災したコミュニティーの声を十分に取り入れることによって、条約の強化に貢献するよう求めます。」

Vienna International Center. Photo by Katsuhiro Asagiri

「私たちはまた、すべての締約国に対し、条約の普遍化への努力を求めるとともに、まだ批准していないすべての国に対し、直ちに批准するよう求めます。そして最後に、私たちはすべての核保有国に対し、核軍縮への約束に従って行動し、核の脅威を減らすための具体的な措置をとることを求めます。」

共同声明は次のように結んでいる。「暗いと思われがちな世界において、私たちはこの第1回締約国会議を、一筋の希望の光であるとして祝福します。私たちが、それぞれの信仰が持つ伝統を越えて、声と祈りを一つにして集ったように、私たちは、分裂と緊張の時代に多国間主義と外交に尽力される皆さんの献身を称えます。私たちは、世界から核兵器をなくし、共通の安全と相互の繁栄のために共に前進する世界を構築するために、皆さんと共に立ち上がります。」

この共同声明に賛同した団体は以下の通り。(原文へ

All Souls Nuclear Disarmament Task Force
Alliance of Baptists
American Friends Service Committee
Anglican Pacifist Fellowship
Bruderhof
Buddhist Council of New York
Cameroon Youths and Students Forum for Peace (CAMYOSFOP)
Canadian Interfaith Fast For the Climate
Casa Generalizia della Società del Sacro Cuore
Center for Peace Education
Centro de Estudios Ecuménicos-México
Christian Campaign for Nuclear Disarmament
Christian Reformed Church Office of Social Justice
Christians for Peace Newcastle Australia
Church and Peace – European Ecumenical Peace Network
Church Council of Greater Seattle
Church of Scotland
Colectivo familiares en Búsqueda Maria Herrera Chilpancingo
Comisión General Justicia y Paz
Community of Christ
Community of Christ – British Isles
Community of Christ – Western Europe Mission Centre
Community of Christ International Peace and Justice Team
Community Pope John XXIII – APG23
Company of the Daughters of Charity of St. Vincent de Paul
Comunidad Luterana Santísimo Redentor
Conferencia de iglesias Evangelicas Anabautistas Menonitas de Mexico (CIEAMM)
Conselho Nacional de Igrejas Cristãs do Brasil
Creation-Justice-Peace Steering Group, European Province Third Order Society St Francis
Deben prohibirse las armas nucleares porque son una ofensa a Dios al poner en riesgo la vida de
la Humanidad y del Planeta
Disciples Peace Fellowship
Divine Word Missionaries
Dominican Sister of Hope
Dominican Sisters ~ Grand Rapids
Dominican Sisters of Sinsinawa
Dorothy Day Catholic Worker House, Washington, DC
Ecumenical of Peace Institute/CALC
Edmund Rice International
Eje de Iglesias de Morelos
Eje de Iglesias y Comunidades de Fe de la Brigada Nacional de Búsqueda
Ejes de Iglesia
Episcopal Peace Fellowship
Federation of Sisters of St. Joseph of Canada
Fellowship of Reconciliation
Franciscan Peace Center
Franciscan Sisters, Daughters of the Sacred Hearts of Jesus and Mary
Franciscan Sisters of the Sacred Heart
Friends World Committee for Consultation (Quakers)
Fundação Luterana de Diaconia
Global Ministries of the Christian Church (Disciples of Christ) and the United Church of Christ
Hale Ho’onani A.M.E. Fellowship
Imdosoc
Institute of the Blessed Virgin Mary
Interfaith Council of Southern Nevada
International Fellowship of Reconciliation – IFOR
InterReligious Task Force on Central America
JPIC NDS
Kairos Foundation of Nigeria
Kosmos Associates. Unity Earth
Kristna Fredsrörelsen i Göteborg
Kvekersamfunnet i Norge – the Religious Society of Friends in Norway
Leadership Conference of Women Religious
Maryknoll Office for Global Concerns
May Peace Prevail On Earth International
Melbourne Unitarian Peace Memorial Church
Mennonite World Conference
Missionary Oblates JPIC Office
Missionary Society of St Columban (Australia)
Mujeres para el Diálogo
Multifaith Association of South Australia Inc
Multifaith Voices for Peace and Justice
Muslim Peace Fellowship
National Council of the Churches of Christ in the USA
National Shrine of Our Lady if la Salette Pax Christi
New Humanity International NGO
Northern Friends Peace Board
One Billion Youth for Peace
Pace e Bene & Campaign Nonviolence
Pacific Conference of Churches (33 member churches and 10 National Council of Churches)
Pastoral Social, Iglesia Anglicana de México
Pax Christi Australia
Pax Christi Fatima Shrine Holliston MA
Pax Christi International
Pax Christi Long Island
Pax Christi MA
Pax Christi Metro New York
Pax Christi New York State
Pax Christi Philippines
Pax Christi Queensland
Pax Christi Victoria
Pax Christi Vlaanderen
Pax Christi Western Massachusetts
Peace and Social Justice Committee of Friends Meeting at Cambridge (Quaker)
Presbyterian Peace Fellowship
Presentation Sisters San Francisco, CA
Presentation Sisters USA Unit
Public Affairs Commission, Anglican Church of Australia
Quaker Peace and Legislation Committee
Raelian Movement
Red de Entidades para el Desarrollo Solidario-REDES
Religious of the Sacred Heart of Mary, Western American Area
School Sisters of Notre Dame, Central Pacific Province
Serviço de Paz – SERPAZ
Shepparton Interfaith Network
Sisters of Charity Federation
Sisters of Charity of Leavenworth Office of Justice, Peace, and Integrity of Creation
Sisters of Charity of Nazareth Congregational Leadership
Sisters of Charity of Nazareth Western Province Leadership
Sisters of Charity of New York
Sisters of Mercy of the Americas Justice Team
Sisters of Notre Dame de Namur USA
Sisters of Providence
Sisters of Providence Holyoke, Massachusetts
Sisters of Saint Joseph of Chestnut Hill Philadelphia, PA
Sisters of St. Francis of Assisi
Sisters of St. Francis of Philadelphia
Sisters of St. Francis, Clinton, Iowa
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Una luz en el camino
United Church of Christ, Justice and Local Church Ministries
United Reformed Church (UK)
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Uniting Church in Australia, Synod of Victoria and Tasmania
Valley and Mountain Fellowship
Vichara, Mavelikara, India
We Can Disarm the World
Wellspring Community Australia
Wheaton Franciscans
World Council of Churches
World Yoga Community
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This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.

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この記事は、戸田記念国際平和研究所が配信したもので、同研究所の許可を得て転載しています。

【Global Outlook=ラメッシュ・タクール】

2020年の大統領選で、ドナルド・トランプ大統領の支持者は明白な性格的欠陥よりも国内政策や外交政策の成果に目を向けたが、反対派はいかなる政策的成果を評価するにも彼の性格に目をつぶることはできなかった。ジョー・バイデンが大統領になったのは、米国人のバイデン票と同じぐらい反トランプ票があったからである。しかし、世論調査にはっきりと表れた「購入者の後悔」を見ると、どうやら有権者は、自分が何を望んでいるかを慎重に考えるべきだったようだ。(原文へ 

2017年4月18日付「ニューヨーク・タイムズ」紙の論説で、アントニー・ブリンケンはこう書いた。「外国のパートナーが大統領の判断を疑うというのは由々しき事だが、そのパートナーが大統領の言葉を疑うようになったら、そちらのほうがはるかにまずい」。いまや国務長官となったブリンケンが、バイデンの判断と言葉について、また、「自ら招いた信頼性の欠如を克服する」ために助けられるかについて、内心どう考えているのか、われわれは思いを巡らせるのみである。

第1の問題は、トランプに関してブリンケンが語った別の表現を借りるなら、バイデンの「正直さとの困難な関係」である。バイデンの一連の嘘言癖伝説的である。彼が、作り上げたには、ネルソン・マンデラに会いに行ったアパルトヘイト下の南アフリカで逮捕された、公民権運動の行進に参加した、法科大学院を上位半分の成績で卒業した、18輪の大型トラックを運転していた、副大統領時代にアムトラックの車掌とおしゃべりをした(その車掌はバイデンが副大統領になる15年前に引退していたというのに)、ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)「ツリー・オブ・ライフ」を2018年の銃乱射事件後に訪れた、イラク戦争には最初から反対していた等々がある。

最後の例は、第2の大きな問題である外交政策通という誇張された自慢を示している。バイデンは、1991年にクウェート解放戦争に反対し、2003年のイラク戦争を支持し、2011年にオサマ・ビンラディン暗殺をやめるようバラク・オバマ大統領に助言した。「物事をダメにするジョーの能力を過小評価」しないほうがいいというオバマの手厳しい評価は、それゆえである。それを裏付けるように、ロバート・ゲイツ元国防長官も、バイデンは数十年にわたる政治家生活の中で、あらゆる重要な外交政策や国家安全保障問題に関して間違っていたと主張した。

大統領選では批判的な見地から厳しい吟味がなされるのが普通だが、トランプを軽蔑する大手メディアや大手テクノロジー企業のおかげで、バイデンはそれを免れた。世界は今、現実が噛みついてきたとき、実際の結果がどれほど深刻になりうるかを見いだしつつある。そこには、米国とロシアの核戦争の可能性が、1962年のキューバ・ミサイル危機以来、かつてないほど現実味を帯びてきたという認識も含まれている。

 周到に計画された核攻撃は、まずないだろう。むしろ、どちらの側も望まない戦争のリスクはミスコミュニケーション、誤解、誤算の可能性の方に潜んでおり、それが挑発とエスカレーションのサイクルへと発展して制御不能になる恐れがある。一方で、ウラジーミル・プーチン大統領は、核兵器の保有と使用の威嚇に関する発言を常態化させているという点で、核兵器国の指導者9人の中で最も罪深いまでに無責任である。他方、バイデンの「言葉の失禁」(ジェラルド・ベーカー)と認知機能障害は、ミスコミュニケーションや不用意による発射によって核戦争になる恐れがある。米国の現行プロトコルは、スピードと効率性を高めるよう策定されており、大統領が口頭の命令ひとつで核兵器を発射できるようになっている

過去10年間、核兵器国の指導者が無責任にも核をちらつかせて虚勢を張るということが幾度かあった。2016年5月、英国のテリーザ・メイ首相は、10万人の命を奪いうる核攻撃を許可する覚悟があると述べた。同年12月には、イスラエルがパキスタンへの核攻撃を示唆したというフェイクニュースに反応し、パキスタンのカワジャ・ムハンマド・アシフ国防相がイスラエルへの核攻撃をすると脅かした。それに続いて2017年、トランプと北朝鮮の金正恩が相互の侮辱好戦的レトリックの応酬を繰り広げた。2019年2月には、パキスタンのイムラン・カーン首相が核戦争の可能性を警告し、それに対してインドのナレンドラ・モディ首相が同様の発言でやり返した

このような背景があるにせよ、プーチンによる連続の核の脅しは警戒すべきものである。2014年にロシアがクリミアを併合した後、西側の敵意ある批判を浴びたプーチンは、「ロシアは最も強大な核兵器国の一つだ」とあからさまに述べた。2017年2月にトランプ大統領が米国は「[核兵器保有国の]グループの頂点」に立ち続けると主張したとき、プーチンはロシアの抑止力で同様のことをする必要性があると述べた。2018年3月、プーチンは新しい無敵の核兵器を誇った。プーチンは、2022年2月19日に弾道ミサイルの発射演習を実施し、23日に核戦争をほのめかし、27日にロシアの核抑止戦力を「特別警戒態勢」に置いた。そのメッセージがまだワシントンで受け止められていない段階で、クレムリンの報道官が「存亡の危機」が迫った場合ロシアは核兵器を使用すると述べた後、3月29日、「デイリー・メール」紙(英国)がプーチンとその最高司令部はすでに極秘の核シェルターに身を隠していると報道した。その目的は、単に核戦争のサインにいっそうの切迫性を持たせることだったかもしれない。NATOの東方拡大が侵攻を正当化する主な口実であったことを考えると、ロシアにとってあいにくなことは、米国の核兵器が、数ある場所の中でもとりわけロシア西方のポーランドと東方の日本に配備されるという結果になり兼ねないことである。

一方バイデンは、同盟国に呼びかけてウクライナの決意を後押しするために近頃欧州を訪問した際、三つの危険な失言を放った。3月24日にブリュッセルで記者会見を行い、ロシアがウクライナで化学兵器を使用した場合について質問されたバイデンは、「それは同様の対抗措置をもたらすだろう」と述べた。翌日、ポーランドに駐留する米軍を前に演説した際、米軍兵士はウクライナに行くだろう、すでに一部は現地にいたと示唆した。3月26日にワルシャワで行った演説では、「何としてもこの男を権力の座に留めてはならない」と述べて、ロシアの体制転換を訴えた。これはプーチンのパラノイアをいっそう刺激し、ロシア国内の戦争反対派の信用を落としやすくしただけであろう。これに対してモスクワからは激しい反発があり、また、バイデン政権の高官同盟国の指導者からも反論が出た。バイデンの三つの発言が失言であるなら、憂慮すべきことである。もしそれらが失言でないなら、失言の積み重ねが核戦争に至るという恐ろしいリスクを思い起こさせるものである。その後、体制転換に関する記者の質問に対し、台本にないことを口走らないよう用意された「カンニング・ペーパー」に厳密に従って答える姿が捉えられた。

ハンター・バイデンのラップトップ・スキャンダルが真実であることは、「ニューヨーク・ポスト」紙が提供した情報源と内容の詳細さを踏まえれば、最初から明白だった。「ニューヨーク・タイムズ」紙ですらそれを認めた今、次の重要な問題は、ウクライナ危機の今後に重要な役割を果たす中国、ロシア、ウクライナとの怪しげな取引に大統領が関与していた場合の影響について、ここから何が分かるかということである。ウクライナの腐敗ぶりに目をつぶらなくても、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が思いがけず発揮した英雄的リーダーシップは称賛できるだろう。トランスペアレンシー・インターナショナルが2022年1月25日に発表した2021年腐敗認識指数によれば、ウクライナのスコアは100分の32で、180カ国中122位、欧州では文句なしに最も腐敗した国である。EUの平均スコアは100分の66である。

ロシアは20年以上にわたり、ウクライナを巡るレッドラインを示してきたが、西側はあっさりとそれを無視した。これは、「フィナンシャル・タイムズ」紙でエドワード・ルースが指摘する通り、なぜウクライナに関する反ロシア的コンセンサスが西側諸国に限られ、世界規模ではないかを説明する一つの理由である。インドのシブシャンカル・メノン元国家安全保障顧問(2010〜14年)は、「フォーリン・アフェアーズ」誌に、ウクライナにおけるロシアの戦争は欧州の地政学的情勢を変容させるだろうが、それは独裁主義と民主主義の超越的対立でもなく、世界秩序を再編するものではなく、インド太平洋にとっては限定的な関連性しか持たないと書いている。中国の持続的台頭のほうが、地政学的な面でも規範的な面でも新たな世界秩序を再構成するうえで、ロシア帝国の最後のあがきよりはるかに重要な意味を持っている。クリミア、ドンバス、そしてウクライナの確かな安全保障を伴った何らかの中立的状態に関して、今後行きつくかもしれない条件のもと、ウクライナにロシアとの和解を勧めるのであれば、その際、不道徳的な宥和と慎重な現実主義との間の線引きはどこにあるのだろうか?

ラメッシュ・タクールは、国連事務次長補を務め、現在は、オーストラリア国立大学クロフォード公共政策大学院名誉教授、同大学の核不拡散・軍縮センター長を務める。近著に「The Nuclear Ban Treaty :A Transformational Reframing of the Global Nuclear Order」 (ルートレッジ社、2022年)がある。

INPS Japan

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